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第20話
心労が絶えない兄弟7(マルフレン王国)
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セナリアンとルブラン、アガットは別の仕事が入ったので、代わってビスタ。
「この娘、フーミナはどうする気なのかしら?婿養子の愛人になるつもり?でも婚約者がいるのよね?結婚して、不貞を続ける気?」
「愛人ではあるが、愛しているのは私だから、自分が侯爵夫人のように振舞えると思っているのではありませんか?」
「じゃあ、婚約者は?」
「解消になってもいいと思っているのでしょう。彼の愛人の方が利があると。あとは、あのお嬢さんに勝ちたかった、それかその男が好きなのかもしれませんが…」
「嫌な女ですね」
「なるほどね、自己欲が強いのね」
ルブランの言うことが信じられないのではなく、その思考が信じられない。
そしてこちらも三日後を迎えた。
パードルは具合が悪いとキャンセルの連絡を貰うと、やったと言わんばかりに、案の定フーミナを誘い、二人はデートに向かった。
「今日はキュリートに奪われてしまうと思っていたけど、嬉しいわ」
「奪われるなんて、あれは僕らのための存在と言っただろう?」
「そうよね、爵位が高いだけの娘。一人娘じゃなかったら、貰い手なんてないでしょう。ご両親に感謝しなきゃ」
「本当にな、まあ私たちの役に立ってくれるんだから、優しくしないとダメだぞ」
「やだー!いつもしているわよ」
ふざけた会話をしており、とっとと部屋に行ってくれないかとげんなりしていたが、そろそろ二人きりになろうと言い出し、イチャつき始め、探偵が簡単に写真を撮れたのも頷ける。
そして公爵家が庇って認めなかったことで、大丈夫だと思っているのか、あまり隠す様子もない。
二人は部屋に入ると、早速乳繰り合い出し、待ちに待った展開となった。
そして行為を始めると、パードルが果てる前に部屋にゾワっと一斉にデラサード侯爵、キュリート、マーラ、サインズ公爵夫妻、前公爵夫妻、フーミナの親であるクータ子爵夫妻が現れた。
わざわざ連れて来たマーラには全てを見続けさせていたが、キュリートはセナリアンが見えない聞こえないように遮断していた。
そして、婚約解消は既に成立している。
「な、何だ!」
「きゃあああああ」
状況を分かっていないのは、パードルとフーミナだけである。さすがに行為は萎えてしまって、中断した。
「パードル、もう庇えないわ…」
崩れ落ちたのは祖母である前公爵夫人だった。ずっと孫の情事を見させていたのだ。隔世遺伝で自分によく似たパードルを一番可愛がっていた。
だが、いくら可愛い孫でも見たいものではなかったのだろう。
部屋に入る頃には既に、セナリアンに強制連行させられたサインズ公爵夫妻、前公爵夫妻、クータ子爵夫妻。動くことを封じられ、姿を消した状態で、二人の情事を見せられて、ぎゃあぎゃあ叫んでいた。
「どうしてパパとママが?」
「フーミナ!お前は何てことを!」
「早く服を着なさい!」
クータ子爵夫妻も、娘の行為を止めたくても動けず、もはや立っていられない様子で、崩れ落ちていた。積極的に行為に励む娘を見るとは思わなかったのだろう。
「クータ子爵夫妻、ご安心ください。お嬢さんはもう沢山の男性とされていますので、裸を見られることも慣れてらっしゃいますから。ねえ、そうよね?」
「何を言っているの!そんなことないわ」
「マック・ボーダー、ボリル・ジョン、タイラ・オイナ、タスク・ハンギー、ナシュ・タック、あとホーリー子爵と、カイダー商会のテウス・カイダー」
「っな、デタラメよ」
「大丈夫ですよ、ルパート・サレスク伯爵令息には、きちんと慰謝料を請求できるように進言しますので」
「そんな…」
「パードル・サインズも同様です。全員に請求出来るようにいたしますから」
ビクッとしたマーラではあったが、バレていないと思っており、パードルとフーミナの情事もスカートを握り締めて耐えていた。
「この娘、フーミナはどうする気なのかしら?婿養子の愛人になるつもり?でも婚約者がいるのよね?結婚して、不貞を続ける気?」
「愛人ではあるが、愛しているのは私だから、自分が侯爵夫人のように振舞えると思っているのではありませんか?」
「じゃあ、婚約者は?」
「解消になってもいいと思っているのでしょう。彼の愛人の方が利があると。あとは、あのお嬢さんに勝ちたかった、それかその男が好きなのかもしれませんが…」
「嫌な女ですね」
「なるほどね、自己欲が強いのね」
ルブランの言うことが信じられないのではなく、その思考が信じられない。
そしてこちらも三日後を迎えた。
パードルは具合が悪いとキャンセルの連絡を貰うと、やったと言わんばかりに、案の定フーミナを誘い、二人はデートに向かった。
「今日はキュリートに奪われてしまうと思っていたけど、嬉しいわ」
「奪われるなんて、あれは僕らのための存在と言っただろう?」
「そうよね、爵位が高いだけの娘。一人娘じゃなかったら、貰い手なんてないでしょう。ご両親に感謝しなきゃ」
「本当にな、まあ私たちの役に立ってくれるんだから、優しくしないとダメだぞ」
「やだー!いつもしているわよ」
ふざけた会話をしており、とっとと部屋に行ってくれないかとげんなりしていたが、そろそろ二人きりになろうと言い出し、イチャつき始め、探偵が簡単に写真を撮れたのも頷ける。
そして公爵家が庇って認めなかったことで、大丈夫だと思っているのか、あまり隠す様子もない。
二人は部屋に入ると、早速乳繰り合い出し、待ちに待った展開となった。
そして行為を始めると、パードルが果てる前に部屋にゾワっと一斉にデラサード侯爵、キュリート、マーラ、サインズ公爵夫妻、前公爵夫妻、フーミナの親であるクータ子爵夫妻が現れた。
わざわざ連れて来たマーラには全てを見続けさせていたが、キュリートはセナリアンが見えない聞こえないように遮断していた。
そして、婚約解消は既に成立している。
「な、何だ!」
「きゃあああああ」
状況を分かっていないのは、パードルとフーミナだけである。さすがに行為は萎えてしまって、中断した。
「パードル、もう庇えないわ…」
崩れ落ちたのは祖母である前公爵夫人だった。ずっと孫の情事を見させていたのだ。隔世遺伝で自分によく似たパードルを一番可愛がっていた。
だが、いくら可愛い孫でも見たいものではなかったのだろう。
部屋に入る頃には既に、セナリアンに強制連行させられたサインズ公爵夫妻、前公爵夫妻、クータ子爵夫妻。動くことを封じられ、姿を消した状態で、二人の情事を見せられて、ぎゃあぎゃあ叫んでいた。
「どうしてパパとママが?」
「フーミナ!お前は何てことを!」
「早く服を着なさい!」
クータ子爵夫妻も、娘の行為を止めたくても動けず、もはや立っていられない様子で、崩れ落ちていた。積極的に行為に励む娘を見るとは思わなかったのだろう。
「クータ子爵夫妻、ご安心ください。お嬢さんはもう沢山の男性とされていますので、裸を見られることも慣れてらっしゃいますから。ねえ、そうよね?」
「何を言っているの!そんなことないわ」
「マック・ボーダー、ボリル・ジョン、タイラ・オイナ、タスク・ハンギー、ナシュ・タック、あとホーリー子爵と、カイダー商会のテウス・カイダー」
「っな、デタラメよ」
「大丈夫ですよ、ルパート・サレスク伯爵令息には、きちんと慰謝料を請求できるように進言しますので」
「そんな…」
「パードル・サインズも同様です。全員に請求出来るようにいたしますから」
ビクッとしたマーラではあったが、バレていないと思っており、パードルとフーミナの情事もスカートを握り締めて耐えていた。
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