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第12話
親と子9
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そして、エメラルダ王国でも数名の逮捕者が出て、クーリットから請求書を渡されることとなった。
「魔法省からの請求書です」
「ああ…情けない」
自国からも出てしまったことに、心の底から情けないと湧き上がってしまった。
発覚は公に離婚の申請と共に出された書類であったり、王宮魔術師の現行犯逮捕であったりと、エメラルダの事業にしていたら、もっと犯罪者が出ていたことであろうとすら思った。
「ん?更生カリキュラムと罪人の証の罰則費用、及び諸経費の請求書…儂には違うルビが見えるな」
陛下は何度か目を擦りながら話している。
「私もです。さすがにセナリアン殿の名称では示しがつきませんからね」
「魔法省に問い合わせが入ってしまうだろうな」
「そうですね、個人的にはみごとな名称だと思いますけどね」
「冷静なお前がつい声が出るほどだったものな」
「お恥ずかしい」
陛下は苦々しくもきちんと支払った。
そして後に留学中の第二王子・ライトランから手紙を貰うこととなる。
喋るヘドロ?のようなものを口から出す人を見ました、大変気持ち悪くて、乗っ取られたのかと驚き、護衛が前に出ましたが、周りの人があれは犯罪者の再犯防止だと教えてくれました。しかもその男はよく出すらしく、有名だったそうです。父上はご存知ですかと書かれており、ご存知ですよ、掌に乗って見つめられたこともあると返事は書けなかった。
「クーリット、ライトランがおしゃべりヘドロちゃんを見掛けたらしい」
「なんと!」
「乗っ取られたと思ったらしい」
「確かに、突然出てくればそう思いますよね…斬られた者がいないことを願うしかないですね」
「それも含めて罰なんじゃないか」
「さようでございますね」
「ああ、よくできている」
「守っていれば出ないヘドロちゃんですからね、そういえば食事中はどうなるんでしょうか」
「さて、それは知らぬな。今度聞いてみよう」
後日、クッキーをポリポリ食べていたセナリアンに聞くと、「えっ、鼻から出ますよ。だって口と鼻は繋がっているでしょう?」とあっさり言われて、二人で鼻か~っと天を仰いだ。出ないということは選択肢に一切なかったらしい。
目の前で食事中に出されたら、たまったものではない。
ちなみにヘドロちゃんは母・ルシュベルが大絶賛だった。娘が天才なのは分かっているので、いちいち褒めないのだが、これだけはセナちゃんはやっぱり才能の塊ねと本当に嬉しそうにしていた。
ちょんちょんと触られると、心なしかヘドロちゃんは嬉しそうであった。
その様子を見ていた姉・リルラビエは、セナリアンは私に似ていると言われていたけど、性格は完全にルシュベルであると改めて実感したそうだ。たまに二人がいたずら好きの悪魔に見えるようになったという。
そして母になったセナリアン。
ルセルを少し眠らせて血を一滴、すぐさま治癒術を掛け、義母に渡し、マージナルから一滴、セナリアンから一滴。
それぞれ血を垂らし、血を丸い玉にすると、それぞれに名前を書き、一気に合わせて、魔用紙に押し付けると父=マージナル・グロー、母=セナリアン・グローをルセル・グローの親と認めるという文字が現れた。
「涙が出そうになるわね」「ああ、神秘を見ているようだ」
「この前ファナの見たではありませんか」
「あれは対象が悪いわ」「そうだ、ファナちゃんにも嫌な鑑定させてしまった」
「あれだけ食べさせたんですから、あの子にとってはラッキーですよ」
ファナは夕食も、翌日の朝食もたらふく食べて帰って行った。もう食べれませんと言わせて、義両親と料理長は非常に満足げであった。
「んふふ、嬉しいな」
マージナルは鑑定書を掲げて、にやにや、にまにま、幸せそうである。
「画はまだ駄目だって言われたから、もうちょっと経ってからね」
「うんうん、セナは画も描けるんだね~すごいな~素敵だなぁ」
「誕生してお祝いで親子鑑定を行う人の気持ちが分かるわ」
「自分の証となるようなものだものな」
「悲しいことばかりに使われないことは嬉しい誤算でした」
ほとんどが愛人の子や、親族に疑われて鑑定することになるだろうと思っていたが、お祝いとして行う家もある。まあ、疑っていないというわけでもないのかもしれないが、悪いことばかりではないことが、セナリアンには救いであった。
そして身体が回復したセナリアンはルセルの画を描き、念願の両開きに鑑定書と絵を完成させた。まさに魔術師と魔術師以外の才能の集大成であった。ルセルの部屋に大事に保管されている。
「魔法省からの請求書です」
「ああ…情けない」
自国からも出てしまったことに、心の底から情けないと湧き上がってしまった。
発覚は公に離婚の申請と共に出された書類であったり、王宮魔術師の現行犯逮捕であったりと、エメラルダの事業にしていたら、もっと犯罪者が出ていたことであろうとすら思った。
「ん?更生カリキュラムと罪人の証の罰則費用、及び諸経費の請求書…儂には違うルビが見えるな」
陛下は何度か目を擦りながら話している。
「私もです。さすがにセナリアン殿の名称では示しがつきませんからね」
「魔法省に問い合わせが入ってしまうだろうな」
「そうですね、個人的にはみごとな名称だと思いますけどね」
「冷静なお前がつい声が出るほどだったものな」
「お恥ずかしい」
陛下は苦々しくもきちんと支払った。
そして後に留学中の第二王子・ライトランから手紙を貰うこととなる。
喋るヘドロ?のようなものを口から出す人を見ました、大変気持ち悪くて、乗っ取られたのかと驚き、護衛が前に出ましたが、周りの人があれは犯罪者の再犯防止だと教えてくれました。しかもその男はよく出すらしく、有名だったそうです。父上はご存知ですかと書かれており、ご存知ですよ、掌に乗って見つめられたこともあると返事は書けなかった。
「クーリット、ライトランがおしゃべりヘドロちゃんを見掛けたらしい」
「なんと!」
「乗っ取られたと思ったらしい」
「確かに、突然出てくればそう思いますよね…斬られた者がいないことを願うしかないですね」
「それも含めて罰なんじゃないか」
「さようでございますね」
「ああ、よくできている」
「守っていれば出ないヘドロちゃんですからね、そういえば食事中はどうなるんでしょうか」
「さて、それは知らぬな。今度聞いてみよう」
後日、クッキーをポリポリ食べていたセナリアンに聞くと、「えっ、鼻から出ますよ。だって口と鼻は繋がっているでしょう?」とあっさり言われて、二人で鼻か~っと天を仰いだ。出ないということは選択肢に一切なかったらしい。
目の前で食事中に出されたら、たまったものではない。
ちなみにヘドロちゃんは母・ルシュベルが大絶賛だった。娘が天才なのは分かっているので、いちいち褒めないのだが、これだけはセナちゃんはやっぱり才能の塊ねと本当に嬉しそうにしていた。
ちょんちょんと触られると、心なしかヘドロちゃんは嬉しそうであった。
その様子を見ていた姉・リルラビエは、セナリアンは私に似ていると言われていたけど、性格は完全にルシュベルであると改めて実感したそうだ。たまに二人がいたずら好きの悪魔に見えるようになったという。
そして母になったセナリアン。
ルセルを少し眠らせて血を一滴、すぐさま治癒術を掛け、義母に渡し、マージナルから一滴、セナリアンから一滴。
それぞれ血を垂らし、血を丸い玉にすると、それぞれに名前を書き、一気に合わせて、魔用紙に押し付けると父=マージナル・グロー、母=セナリアン・グローをルセル・グローの親と認めるという文字が現れた。
「涙が出そうになるわね」「ああ、神秘を見ているようだ」
「この前ファナの見たではありませんか」
「あれは対象が悪いわ」「そうだ、ファナちゃんにも嫌な鑑定させてしまった」
「あれだけ食べさせたんですから、あの子にとってはラッキーですよ」
ファナは夕食も、翌日の朝食もたらふく食べて帰って行った。もう食べれませんと言わせて、義両親と料理長は非常に満足げであった。
「んふふ、嬉しいな」
マージナルは鑑定書を掲げて、にやにや、にまにま、幸せそうである。
「画はまだ駄目だって言われたから、もうちょっと経ってからね」
「うんうん、セナは画も描けるんだね~すごいな~素敵だなぁ」
「誕生してお祝いで親子鑑定を行う人の気持ちが分かるわ」
「自分の証となるようなものだものな」
「悲しいことばかりに使われないことは嬉しい誤算でした」
ほとんどが愛人の子や、親族に疑われて鑑定することになるだろうと思っていたが、お祝いとして行う家もある。まあ、疑っていないというわけでもないのかもしれないが、悪いことばかりではないことが、セナリアンには救いであった。
そして身体が回復したセナリアンはルセルの画を描き、念願の両開きに鑑定書と絵を完成させた。まさに魔術師と魔術師以外の才能の集大成であった。ルセルの部屋に大事に保管されている。
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