6 / 228
第1話
まだ結婚するつもりはなかった5
しおりを挟む
わざわざ合間を縫ってバーチャス男爵家に出向いたマージナル。二人きりで何か言われては困るので、バーチャス家の執事も同じ部屋にいる。
「私に会いに来て下さったんですって」
「モジール伯爵令嬢にタイを渡すと言ったのか」
「リリーかしら?言ってないわ、渡して欲しいと言われたけど、奥様もいるのに渡せないから、分かったと言ってとりあえず預かっただけよ。お兄様に渡すつもりは無かったわ。だって失礼でしょう」
全くのでたらめであるが、息を吐くように嘘を付き、まるで真実かのように思わせるのがエリーチカの特技であった。
「誤解があったのか、唆したんじゃないだろうな」
「違うわ、リリーが勝手に思い込んだんでしょう。何かあったの?」
リリーとあのお飾り夫人に恥をかかせられたのではないかとわくわくしながらも、バレないようにしなければ意味がない。
「いや、もういいよ。預かった物は必ず返しておくように」
「何かあったんでしょう?私で良ければ聞くわよ、お役に立てるかもしれないわ」
もう早く教えてよ、リリーがあの顔で身の程知らずなことを起こし、お飾り夫人が身の程をわきまえただろうか、ああ本当に面白い。エリーチカは夜会にも出席しておらず、王宮の噂も全く知らないのだ。
「いや、もう片付いている。もう安請け合いはしないでくれ」
「分かったわ、お兄様を想っているようだったから可哀想になったのよ」
「そういうことにしておこう」
「ならお茶でもしてらして」
「いや、もう帰るよ。時間が無いんだ」
「残念だわ、お兄様とお話するのとても楽しいから。また公爵邸に行ってもいいかしら?」
「ああ、両親のところなら伺って訪ねればいい」
「意地悪ね、お兄様の邸にも行きたいの。私がいたら奥様に悪いかしら?」
「私はほとんどいない。勝手をしてもらっては困るから、両親の方へ行ってくれ」
「私とお喋りするのは嫌かしら?」
「エリーチカはローズと同じような話し方をするようになったのだな」
ローズはエリーチカの姉でマージナルよりも三つ年上で既に結婚しているが、この姉妹は同じような媚び売る性格をしている。
「そうかしら?姉妹だから似てしまうのよね」
「まあいい、私に関しては全て断ってくれ」
リリーはエリーチカから呼び出されて、タイを返して貰った。もう見たくも無いものだったが、エリーチカの手元にあるのも嫌だった。
あの後、父が謝りに行き、慰謝料と仕事も辞めさせてもう近づけさせませんと言ったが、奥様は若気の勘違いだったのだろうと、慰謝料も要らない、問題にすることはないと言い切ったそうだ。マージナル様は反対したそうだが、優秀な文官なのに勿体無いと、マージナル様を黙らせたという。処分も無く、ただ父からお前だけの命では済まないことをしたんだ、絶対に接触するな、元々接触できる領域の人間では無いと釘を刺された。
「リリーごめんなさいね、タイ渡せなかったの。受け取って貰えなくて」
「そうだったのね、でも渡したって書いてあったから」
「一度は渡したのだけど、奥様が付き返して来たのよ」
「そうなの?」
「ええ、一応あれでも妻だから受け取るしかなくて。何度かあなたのところへ行こうと思っていたのだけど、働いてらっしゃるから時間が合わなくて。ごめんなさいね。今度はハンカチはどうかしら?あれなら見付かることは無いわ」
「いえ、もういいわ」
「何かあったの?聞かせて貰えたらきっと力になれるわ」
「何も無いわ、褒められて浮かれただけよ」
「何かあったんでしょう?もう聞かせてよ、私よく相談されるのよ」
姉といつも行動していたため、親しい令嬢の友人はおらず、学生の頃に相談に割り込んだことはあっても、されたこともない。
「本当にもういいの、ありがとう」
「折角の腕前なのに勿体ないわ。あの出来損ないの妻も慌てたのよ、自分と比較されたら堪らないじゃない?」
刺繍も見たことも無いのに、よくも言えたものだと思ったが、自分も同じだった。子どもでも出来るという言葉に下手だと認識し、蔑んだのだ。そして決定的にエリーチカの言ったことが嘘だと分かった。やはり関わってはいけない人物であった。
「私、この後用事があるから行くわね」
「まあ、そうなの?また何かあったら協力するから言ってね」
エリーチカは馬鹿みたいとほくそ笑んだ。元々リリーからだと渡すつもりは無かった。リリーの刺繍は学園で皆が褒めていたから手に入れて、渡したと嘘を付き、いずれ自分が刺繍したものだと渡すつもりだったのだ。これでタイを渡してもバレてしまうので、返すことにした。ハンカチを提案したが、どうも何かあったらしい。マージナルお兄様は教えてくれないし、リリーも渋い顔をして、折角聞いてあげようと思ったのに。でも本当に馬鹿だわ、リリーなんか振り向くはずないのに。だってこんなに綺麗な従兄妹がいたら皆、見劣りしてしまうものと本気で思っていた。
セナリアンが珍しく王都にいるということで、王太子妃教育で王宮にいるリリアンネに呼ばれて、休憩時間まで指定された応接室でお茶を飲みながら待っていると、遅れているからと相手をしてくれたのはマージナルではなく、もう一人の側近であるカルバンを連れたリスルート殿下だった。いずれ義兄妹となる間柄で、互いに面識はあるものの、二人で話したことはない。
「妹になるのだから、楽に話して欲しい。新婚生活はどうかな?ほとんど領地にいるとは聞いているけど」
「ええ、自由にさせていただいております」
「マージナルが寂しがっていたよ、たまには王都にいるのもいいんじゃないかな?美味しいお店にでも行ってみるといい。どこか予約を取ろうか、何が好きだい?」
「お気遣いいただきありがとうございます、お気持ちだけいただいておきます」
「遠慮は無用だよ。それとも王家で一緒に食事をするかい?」
「陛下もいらっしゃるということでしょうか」
「ああ、そうなるかもしれないね。緊張するかな?」
「まあ、ある意味そうですね」
何やら考えているような顔つきをしていたが、王族と食事はさすがに気が引けて当たり前だろうと思った。ただ姉の婚約者という立場だからか、緊張しているようにも見えなかった。
「いつでも言ってくれ、マージナルを忙しくさせているお詫びだ。何に興味があるのかな?」
「そうですね、お酒でしょうか」
「酒か、ワインかい?」
「そうですね、ワインは手に入りやすいですからね」
「私もよく嗜むよ、リリアンネはあまり強くない様でね」
「そうですか、正直、お姉様とはあまり時間を過ごしていないものですから」
「ああ、そう聞いている」
「どこで知り会われたんですか」
「お互い子どもの頃から面識あってね、私の婚約者の席が空いたのは知っているだろう?よく話すようになって、お互い気に入ってね」
「…政略結婚ではないのですか」
「相性もあるから、そういう風に言われているようだけど、申し出に彼女も快く受け入れてくれて、婚約者にしてもらったんだ」
「そうだったんですか…ほう」
「マージナルと想い合っているリリアンネを引き裂いた訳では無いからな。これは断言できる」
リスルートは安心させようと言ったことだったが、これが大きな問題になるとは思っていなかった。
リリアンネがやって来ると、急ぎの用事が出来たから、早く用件を言うように急かして、結婚式の相談だと言うと、私は分からないから母と伯母を当たってと飛び出すように帰って行った。
「私に会いに来て下さったんですって」
「モジール伯爵令嬢にタイを渡すと言ったのか」
「リリーかしら?言ってないわ、渡して欲しいと言われたけど、奥様もいるのに渡せないから、分かったと言ってとりあえず預かっただけよ。お兄様に渡すつもりは無かったわ。だって失礼でしょう」
全くのでたらめであるが、息を吐くように嘘を付き、まるで真実かのように思わせるのがエリーチカの特技であった。
「誤解があったのか、唆したんじゃないだろうな」
「違うわ、リリーが勝手に思い込んだんでしょう。何かあったの?」
リリーとあのお飾り夫人に恥をかかせられたのではないかとわくわくしながらも、バレないようにしなければ意味がない。
「いや、もういいよ。預かった物は必ず返しておくように」
「何かあったんでしょう?私で良ければ聞くわよ、お役に立てるかもしれないわ」
もう早く教えてよ、リリーがあの顔で身の程知らずなことを起こし、お飾り夫人が身の程をわきまえただろうか、ああ本当に面白い。エリーチカは夜会にも出席しておらず、王宮の噂も全く知らないのだ。
「いや、もう片付いている。もう安請け合いはしないでくれ」
「分かったわ、お兄様を想っているようだったから可哀想になったのよ」
「そういうことにしておこう」
「ならお茶でもしてらして」
「いや、もう帰るよ。時間が無いんだ」
「残念だわ、お兄様とお話するのとても楽しいから。また公爵邸に行ってもいいかしら?」
「ああ、両親のところなら伺って訪ねればいい」
「意地悪ね、お兄様の邸にも行きたいの。私がいたら奥様に悪いかしら?」
「私はほとんどいない。勝手をしてもらっては困るから、両親の方へ行ってくれ」
「私とお喋りするのは嫌かしら?」
「エリーチカはローズと同じような話し方をするようになったのだな」
ローズはエリーチカの姉でマージナルよりも三つ年上で既に結婚しているが、この姉妹は同じような媚び売る性格をしている。
「そうかしら?姉妹だから似てしまうのよね」
「まあいい、私に関しては全て断ってくれ」
リリーはエリーチカから呼び出されて、タイを返して貰った。もう見たくも無いものだったが、エリーチカの手元にあるのも嫌だった。
あの後、父が謝りに行き、慰謝料と仕事も辞めさせてもう近づけさせませんと言ったが、奥様は若気の勘違いだったのだろうと、慰謝料も要らない、問題にすることはないと言い切ったそうだ。マージナル様は反対したそうだが、優秀な文官なのに勿体無いと、マージナル様を黙らせたという。処分も無く、ただ父からお前だけの命では済まないことをしたんだ、絶対に接触するな、元々接触できる領域の人間では無いと釘を刺された。
「リリーごめんなさいね、タイ渡せなかったの。受け取って貰えなくて」
「そうだったのね、でも渡したって書いてあったから」
「一度は渡したのだけど、奥様が付き返して来たのよ」
「そうなの?」
「ええ、一応あれでも妻だから受け取るしかなくて。何度かあなたのところへ行こうと思っていたのだけど、働いてらっしゃるから時間が合わなくて。ごめんなさいね。今度はハンカチはどうかしら?あれなら見付かることは無いわ」
「いえ、もういいわ」
「何かあったの?聞かせて貰えたらきっと力になれるわ」
「何も無いわ、褒められて浮かれただけよ」
「何かあったんでしょう?もう聞かせてよ、私よく相談されるのよ」
姉といつも行動していたため、親しい令嬢の友人はおらず、学生の頃に相談に割り込んだことはあっても、されたこともない。
「本当にもういいの、ありがとう」
「折角の腕前なのに勿体ないわ。あの出来損ないの妻も慌てたのよ、自分と比較されたら堪らないじゃない?」
刺繍も見たことも無いのに、よくも言えたものだと思ったが、自分も同じだった。子どもでも出来るという言葉に下手だと認識し、蔑んだのだ。そして決定的にエリーチカの言ったことが嘘だと分かった。やはり関わってはいけない人物であった。
「私、この後用事があるから行くわね」
「まあ、そうなの?また何かあったら協力するから言ってね」
エリーチカは馬鹿みたいとほくそ笑んだ。元々リリーからだと渡すつもりは無かった。リリーの刺繍は学園で皆が褒めていたから手に入れて、渡したと嘘を付き、いずれ自分が刺繍したものだと渡すつもりだったのだ。これでタイを渡してもバレてしまうので、返すことにした。ハンカチを提案したが、どうも何かあったらしい。マージナルお兄様は教えてくれないし、リリーも渋い顔をして、折角聞いてあげようと思ったのに。でも本当に馬鹿だわ、リリーなんか振り向くはずないのに。だってこんなに綺麗な従兄妹がいたら皆、見劣りしてしまうものと本気で思っていた。
セナリアンが珍しく王都にいるということで、王太子妃教育で王宮にいるリリアンネに呼ばれて、休憩時間まで指定された応接室でお茶を飲みながら待っていると、遅れているからと相手をしてくれたのはマージナルではなく、もう一人の側近であるカルバンを連れたリスルート殿下だった。いずれ義兄妹となる間柄で、互いに面識はあるものの、二人で話したことはない。
「妹になるのだから、楽に話して欲しい。新婚生活はどうかな?ほとんど領地にいるとは聞いているけど」
「ええ、自由にさせていただいております」
「マージナルが寂しがっていたよ、たまには王都にいるのもいいんじゃないかな?美味しいお店にでも行ってみるといい。どこか予約を取ろうか、何が好きだい?」
「お気遣いいただきありがとうございます、お気持ちだけいただいておきます」
「遠慮は無用だよ。それとも王家で一緒に食事をするかい?」
「陛下もいらっしゃるということでしょうか」
「ああ、そうなるかもしれないね。緊張するかな?」
「まあ、ある意味そうですね」
何やら考えているような顔つきをしていたが、王族と食事はさすがに気が引けて当たり前だろうと思った。ただ姉の婚約者という立場だからか、緊張しているようにも見えなかった。
「いつでも言ってくれ、マージナルを忙しくさせているお詫びだ。何に興味があるのかな?」
「そうですね、お酒でしょうか」
「酒か、ワインかい?」
「そうですね、ワインは手に入りやすいですからね」
「私もよく嗜むよ、リリアンネはあまり強くない様でね」
「そうですか、正直、お姉様とはあまり時間を過ごしていないものですから」
「ああ、そう聞いている」
「どこで知り会われたんですか」
「お互い子どもの頃から面識あってね、私の婚約者の席が空いたのは知っているだろう?よく話すようになって、お互い気に入ってね」
「…政略結婚ではないのですか」
「相性もあるから、そういう風に言われているようだけど、申し出に彼女も快く受け入れてくれて、婚約者にしてもらったんだ」
「そうだったんですか…ほう」
「マージナルと想い合っているリリアンネを引き裂いた訳では無いからな。これは断言できる」
リスルートは安心させようと言ったことだったが、これが大きな問題になるとは思っていなかった。
リリアンネがやって来ると、急ぎの用事が出来たから、早く用件を言うように急かして、結婚式の相談だと言うと、私は分からないから母と伯母を当たってと飛び出すように帰って行った。
409
お気に入りに追加
1,530
あなたにおすすめの小説
誰にも信じてもらえなかった公爵令嬢は、もう誰も信じません。
salt
恋愛
王都で罪を犯した悪役令嬢との婚姻を結んだ、東の辺境伯地ディオグーン領を治める、フェイドリンド辺境伯子息、アルバスの懺悔と後悔の記録。
6000文字くらいで摂取するお手軽絶望バッドエンドです。
*なろう・pixivにも掲載しています。
旦那様、離縁の申し出承りますわ
ブラウン
恋愛
「すまない、私はクララと生涯を共に生きていきたい。離縁してくれ」
大富豪 伯爵令嬢のケイトリン。
領地が災害に遭い、若くして侯爵当主なったロイドを幼少の頃より思いを寄せていたケイトリン。ロイド様を助けるため、性急な結婚を敢行。その為、旦那様は平民の女性に癒しを求めてしまった。この国はルメニエール信仰。一夫一妻。婚姻前の男女の行為禁止、婚姻中の不貞行為禁止の厳しい規律がある。旦那様は平民の女性と結婚したいがため、ケイトリンンに離縁を申し出てきた。
旦那様を愛しているがため、旦那様の領地のために、身を粉にして働いてきたケイトリン。
その後、階段から足を踏み外し、前世の記憶を思い出した私。
離縁に応じましょう!未練なし!どうぞ愛する方と結婚し末永くお幸せに!
*女性軽視の言葉が一部あります(すみません)
【完結】婚約者の義妹と恋に落ちたので婚約破棄した処、「妃教育の修了」を条件に結婚が許されたが結果が芳しくない。何故だ?同じ高位貴族だろう?
つくも茄子
恋愛
国王唯一の王子エドワード。
彼は婚約者の公爵令嬢であるキャサリンを公の場所で婚約破棄を宣言した。
次の婚約者は恋人であるアリス。
アリスはキャサリンの義妹。
愛するアリスと結婚するには「妃教育を修了させること」だった。
同じ高位貴族。
少し頑張ればアリスは直ぐに妃教育を終了させると踏んでいたが散々な結果で終わる。
八番目の教育係も辞めていく。
王妃腹でないエドワードは立太子が遠のく事に困ってしまう。
だが、エドワードは知らなかった事がある。
彼が事実を知るのは何時になるのか……それは誰も知らない。
他サイトにも公開中。
【完結】王女と駆け落ちした元旦那が二年後に帰ってきた〜謝罪すると思いきや、聖女になったお前と僕らの赤ん坊を育てたい?こんなに馬鹿だったかしら
冬月光輝
恋愛
侯爵家の令嬢、エリスの夫であるロバートは伯爵家の長男にして、デルバニア王国の第二王女アイリーンの幼馴染だった。
アイリーンは隣国の王子であるアルフォンスと婚約しているが、婚姻の儀式の当日にロバートと共に行方を眩ませてしまう。
国際規模の婚約破棄事件の裏で失意に沈むエリスだったが、同じ境遇のアルフォンスとお互いに励まし合い、元々魔法の素養があったので環境を変えようと修行をして聖女となり、王国でも重宝される存在となった。
ロバートたちが蒸発して二年後のある日、突然エリスの前に元夫が現れる。
エリスは激怒して謝罪を求めたが、彼は「アイリーンと自分の赤子を三人で育てよう」と斜め上のことを言い出した。
【完結】この運命を受け入れましょうか
なか
恋愛
「君のようは妃は必要ない。ここで廃妃を宣言する」
自らの夫であるルーク陛下の言葉。
それに対して、ヴィオラ・カトレアは余裕に満ちた微笑みで答える。
「承知しました。受け入れましょう」
ヴィオラにはもう、ルークへの愛など残ってすらいない。
彼女が王妃として支えてきた献身の中で、平民生まれのリアという女性に入れ込んだルーク。
みっともなく、情けない彼に対して恋情など抱く事すら不快だ。
だが聖女の素養を持つリアを、ルークは寵愛する。
そして貴族達も、莫大な益を生み出す聖女を妃に仕立てるため……ヴィオラへと無実の罪を被せた。
あっけなく信じるルークに呆れつつも、ヴィオラに不安はなかった。
これからの顛末も、打開策も全て知っているからだ。
前世の記憶を持ち、ここが物語の世界だと知るヴィオラは……悲運な運命を受け入れて彼らに意趣返す。
ふりかかる不幸を全て覆して、幸せな人生を歩むため。
◇◇◇◇◇
設定は甘め。
不安のない、さっくり読める物語を目指してます。
良ければ読んでくだされば、嬉しいです。
たとえ番でないとしても
豆狸
恋愛
「ディアナ王女、私が君を愛することはない。私の番は彼女、サギニなのだから」
「違います!」
私は叫ばずにはいられませんでした。
「その方ではありません! 竜王ニコラオス陛下の番は私です!」
──番だと叫ぶ言葉を聞いてもらえなかった花嫁の話です。
※1/4、短編→長編に変更しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる