2 / 228
第1話
まだ結婚するつもりはなかった1
しおりを挟む
それからまた数百年後。
「はあ…」
ルージエ侯爵家、次女・セナリアンは領地の執務室で机に突っ伏しながら、大きな溜息をついた。これでも優秀な魔術師である。
理由は父親からの手紙である。セナリアンには二つ年上の姉・リリアンネがおり、リリアンネは一年以上前からグロー公爵家の嫡男・マージナルと婚約中であったが、実は仮婚約中で、いずれ王太子となる第一王子であるリスルート殿下との相性が良かったため、婚約者になったとあった。
エメラルダ王国は幼い頃から婚約者を決める者もいるが、適齢期になってから、相性のいい者同士が婚約することの方が圧倒的に多い。
この国は魔力を有する者が多い国であるために、婚姻というよりは子を成すという点で魔力の相性が大いに関わってくるからである。
ゆえに婚約中とあっても、実はお試し仮婚約という場合もある。この場合は婚約自体無かったことになる。
王族の場合は、妃教育、王配教育は高位貴族であれば、一、二年の婚約期間中に終えられるようにしている。下位貴族であることはまずないが、下位貴族は五年までとなっている。それまでに終われなければ失格ということになる。
リリアンネは高位貴族令嬢なので、妃教育は問題ないだろうけども、マージナルはリスルート殿下の側近ではなかったであろうか、セナリアンは色恋沙汰には疎く、得意としないドロっとした展開ではないだろうかと、二度目の溜息を付いた。
「お姉様が王太子妃ね…」
リリアンネは高位貴族らしい令嬢である。苛烈ではないが、世話をされるのが当たり前の貴族の令嬢で、高い爵位を持つ男性と婚姻こそが幸せだという考えを持つ者だった。いくら王家の血筋でもある公爵家から王家と問われれば王家を選ぶだろう。公爵家も諦めざる得ない。
略奪したようにも取れるが、そのようなことをする者たちだっただろうか。
恋心とはままならないと誰かが言っていた、どうにもならないからこそ、突き進んでしまい、いつか後悔しても、止まることはできないと思うそうだ。
そんなことを考えながら、セナリアンは王都の邸で父・ミミスと対峙していた。顔は似ていないが、ベージュの髪色は似ているので、遠目からなら親子かなと思うはずだ。朗らかな父であるが、祖父母から本当に苦労しか掛けない息子だと、常々聞いている。ゆえに評価は非常に低い。
「手紙に書いてあったことは本当でしょうか」
「本当だ、リリアンネはリスルート殿下の婚約者となったのだ」
「お姉様もあの真実の愛というものの虜になったのでしょうか」
「いや、そうではない。試用婚約だったから、納得の上での結論なのだ。それでマージナル殿にお前をどうかと、あちらは是非と言ってくれている」
「嫌ですわ」
「マージナル殿は嫌いか」
「お姉様の婚約者というだけでそれ以上でもそれ以下でもありません」
「多少は慕っていたのではないのか」
「お姉様の婚約者だから話をしたくらいです」
何度か二人が親しそうに話していていたのを見掛けたことがあり、嫌な感情は持っていないと思っていた。
「悪い話ではないと思うんだ、優しい男だろう。人気者だよ」
マージナル・グローは由緒正しいグロー公爵家の嫡男で、長身で、ダークブラックの髪、薄いブルーの瞳、近寄りがたい雰囲気はあるが、普段の喋り方は穏やかで優しく、騎士の腕前も確かで、第一王子の側近で、まさに貴公子というべき存在。
「見目で女性が群がり、皆に優しいの間違いでは?お姉様の婚約前には恋人がいらっしゃったでしょう?その方とされれば良いのでは?何人かいたので、まだ婚約されていない貴族の方もいるんじゃないかしら?調査書をお持ちしましょうか?」
「調査したのか」
「当然ではないでしょうか。お姉様と違って、爵位に興味無いことをご存知ですよね?それとも酔っぱらって口約束でもしましたか」
「…」
「はあ、何度、お父様に浅慮だと言いましたか」
「慕っていると思っていたからだな」
「私がいつそのようなことを言いましたか?」
「良い縁談だと思うのだよ」
「その質問に答えない方式お止め下さいと何度も申したはずです」
この答え方をセナリアンが嫌っているのを分かってはいるのだが、どうしても使ってしまうミミスである。
「気心も知れており、見目も剣術の腕も素晴らしい、そして何より優しいじゃないか」
「まず、気心?知れてませんわ、特段害が無かったので、ほとんど相槌を打っていただけですわ。見目でしたか?まああれだけ群がるなら良いのでしょうけど、私は男性の容姿にさほど興味がありませんの。剣術は、まあ言うまでもありませんわね。あと優しいでしたかしら?あれは優しいと言うのかしら」
「彼なら一生贅沢できる」
「…はあ、もうちょっとまともなことが言えませんの」
「…」
「…はあ、お姉さまも真実の愛ではなく、政略結婚なのですか?」
「えっ、ああそうだな」
野心家でもないルージエ家から王家に嫁いだことも何度かあったそうだが、近年は無かったため誇るべきことなのだろう。
「…はあ、ならば仕方ないですね。私も貴族の端くれですし、事情もありそうですし?」
「あっ、それはだな」
ミミスは分かりやすくしどろもどろになっているが、冷めた目で見詰めていた。
「調べたりしませんよ、私は忙しいですから。表立ってお姉さまが政略結婚なのに、私だけ嫌だと否定するのは出来ませんもの」
「ああ、そうだ。ありがたい申し出だ」
「分かりました、ただあちらも不服でしょうから、そちらはご理解くださいね。公爵夫妻もご健在ですし、領地がありますよね?私は忙しいので領地に土地を用意してもらって、後は好きにさせてもらうことを条件にして下さい。それで宜しければお受けしますと」
「分かった、必ず約束させる」
二人の婚約は結ばれれることとなり、互いの両親は大いに喜んだ。ただし、本人たちは婚約してからも一度も会っておらず、マージナルはリスルート殿下の側近であるため、王都を離れられず、セナリアンも変わらず領地にいた。
しびれを切らした互いの両親が結婚式の準備だと言って、二人を呼びつけ、話をする時間を作った。
「なかなか会いに行けず、申し訳なかった」
「いえ、互いに忙しい身の上ですからそのような気遣いは無しとしましょう」
「なるべく時間を作りたいと思っている。お互い歩み寄れるようにしよう」
「条件は伝わっておりますよね?」
「ああ、頼りにされているのは聞いている。最低限してもらえば、好きにしてもらって構わない」
「ありがとうございます」
「必要なものは無いか、何かプレゼントしたい」
「いえ、特に困っておりませんので、お気遣いだけ。ありがとうございます」
「はあ…」
ルージエ侯爵家、次女・セナリアンは領地の執務室で机に突っ伏しながら、大きな溜息をついた。これでも優秀な魔術師である。
理由は父親からの手紙である。セナリアンには二つ年上の姉・リリアンネがおり、リリアンネは一年以上前からグロー公爵家の嫡男・マージナルと婚約中であったが、実は仮婚約中で、いずれ王太子となる第一王子であるリスルート殿下との相性が良かったため、婚約者になったとあった。
エメラルダ王国は幼い頃から婚約者を決める者もいるが、適齢期になってから、相性のいい者同士が婚約することの方が圧倒的に多い。
この国は魔力を有する者が多い国であるために、婚姻というよりは子を成すという点で魔力の相性が大いに関わってくるからである。
ゆえに婚約中とあっても、実はお試し仮婚約という場合もある。この場合は婚約自体無かったことになる。
王族の場合は、妃教育、王配教育は高位貴族であれば、一、二年の婚約期間中に終えられるようにしている。下位貴族であることはまずないが、下位貴族は五年までとなっている。それまでに終われなければ失格ということになる。
リリアンネは高位貴族令嬢なので、妃教育は問題ないだろうけども、マージナルはリスルート殿下の側近ではなかったであろうか、セナリアンは色恋沙汰には疎く、得意としないドロっとした展開ではないだろうかと、二度目の溜息を付いた。
「お姉様が王太子妃ね…」
リリアンネは高位貴族らしい令嬢である。苛烈ではないが、世話をされるのが当たり前の貴族の令嬢で、高い爵位を持つ男性と婚姻こそが幸せだという考えを持つ者だった。いくら王家の血筋でもある公爵家から王家と問われれば王家を選ぶだろう。公爵家も諦めざる得ない。
略奪したようにも取れるが、そのようなことをする者たちだっただろうか。
恋心とはままならないと誰かが言っていた、どうにもならないからこそ、突き進んでしまい、いつか後悔しても、止まることはできないと思うそうだ。
そんなことを考えながら、セナリアンは王都の邸で父・ミミスと対峙していた。顔は似ていないが、ベージュの髪色は似ているので、遠目からなら親子かなと思うはずだ。朗らかな父であるが、祖父母から本当に苦労しか掛けない息子だと、常々聞いている。ゆえに評価は非常に低い。
「手紙に書いてあったことは本当でしょうか」
「本当だ、リリアンネはリスルート殿下の婚約者となったのだ」
「お姉様もあの真実の愛というものの虜になったのでしょうか」
「いや、そうではない。試用婚約だったから、納得の上での結論なのだ。それでマージナル殿にお前をどうかと、あちらは是非と言ってくれている」
「嫌ですわ」
「マージナル殿は嫌いか」
「お姉様の婚約者というだけでそれ以上でもそれ以下でもありません」
「多少は慕っていたのではないのか」
「お姉様の婚約者だから話をしたくらいです」
何度か二人が親しそうに話していていたのを見掛けたことがあり、嫌な感情は持っていないと思っていた。
「悪い話ではないと思うんだ、優しい男だろう。人気者だよ」
マージナル・グローは由緒正しいグロー公爵家の嫡男で、長身で、ダークブラックの髪、薄いブルーの瞳、近寄りがたい雰囲気はあるが、普段の喋り方は穏やかで優しく、騎士の腕前も確かで、第一王子の側近で、まさに貴公子というべき存在。
「見目で女性が群がり、皆に優しいの間違いでは?お姉様の婚約前には恋人がいらっしゃったでしょう?その方とされれば良いのでは?何人かいたので、まだ婚約されていない貴族の方もいるんじゃないかしら?調査書をお持ちしましょうか?」
「調査したのか」
「当然ではないでしょうか。お姉様と違って、爵位に興味無いことをご存知ですよね?それとも酔っぱらって口約束でもしましたか」
「…」
「はあ、何度、お父様に浅慮だと言いましたか」
「慕っていると思っていたからだな」
「私がいつそのようなことを言いましたか?」
「良い縁談だと思うのだよ」
「その質問に答えない方式お止め下さいと何度も申したはずです」
この答え方をセナリアンが嫌っているのを分かってはいるのだが、どうしても使ってしまうミミスである。
「気心も知れており、見目も剣術の腕も素晴らしい、そして何より優しいじゃないか」
「まず、気心?知れてませんわ、特段害が無かったので、ほとんど相槌を打っていただけですわ。見目でしたか?まああれだけ群がるなら良いのでしょうけど、私は男性の容姿にさほど興味がありませんの。剣術は、まあ言うまでもありませんわね。あと優しいでしたかしら?あれは優しいと言うのかしら」
「彼なら一生贅沢できる」
「…はあ、もうちょっとまともなことが言えませんの」
「…」
「…はあ、お姉さまも真実の愛ではなく、政略結婚なのですか?」
「えっ、ああそうだな」
野心家でもないルージエ家から王家に嫁いだことも何度かあったそうだが、近年は無かったため誇るべきことなのだろう。
「…はあ、ならば仕方ないですね。私も貴族の端くれですし、事情もありそうですし?」
「あっ、それはだな」
ミミスは分かりやすくしどろもどろになっているが、冷めた目で見詰めていた。
「調べたりしませんよ、私は忙しいですから。表立ってお姉さまが政略結婚なのに、私だけ嫌だと否定するのは出来ませんもの」
「ああ、そうだ。ありがたい申し出だ」
「分かりました、ただあちらも不服でしょうから、そちらはご理解くださいね。公爵夫妻もご健在ですし、領地がありますよね?私は忙しいので領地に土地を用意してもらって、後は好きにさせてもらうことを条件にして下さい。それで宜しければお受けしますと」
「分かった、必ず約束させる」
二人の婚約は結ばれれることとなり、互いの両親は大いに喜んだ。ただし、本人たちは婚約してからも一度も会っておらず、マージナルはリスルート殿下の側近であるため、王都を離れられず、セナリアンも変わらず領地にいた。
しびれを切らした互いの両親が結婚式の準備だと言って、二人を呼びつけ、話をする時間を作った。
「なかなか会いに行けず、申し訳なかった」
「いえ、互いに忙しい身の上ですからそのような気遣いは無しとしましょう」
「なるべく時間を作りたいと思っている。お互い歩み寄れるようにしよう」
「条件は伝わっておりますよね?」
「ああ、頼りにされているのは聞いている。最低限してもらえば、好きにしてもらって構わない」
「ありがとうございます」
「必要なものは無いか、何かプレゼントしたい」
「いえ、特に困っておりませんので、お気遣いだけ。ありがとうございます」
465
お気に入りに追加
1,581
あなたにおすすめの小説
【完結160万pt】王太子妃に決定している公爵令嬢の婚約者はまだ決まっておりません。王位継承権放棄を狙う王子はついでに側近を叩き直したい
宇水涼麻
恋愛
ピンク髪ピンク瞳の少女が王城の食堂で叫んだ。
「エーティル様っ! ラオルド様の自由にしてあげてくださいっ!」
呼び止められたエーティルは未来の王太子妃に決定している公爵令嬢である。
王太子と王太子妃となる令嬢の婚約は簡単に解消できるとは思えないが、エーティルはラオルドと婚姻しないことを軽く了承する。
その意味することとは?
慌てて現れたラオルド第一王子との関係は?
なぜこのような状況になったのだろうか?
ご指摘いただき一部変更いたしました。
みなさまのご指摘、誤字脱字修正で読みやすい小説になっていっております。
今後ともよろしくお願いします。
たくさんのお気に入り嬉しいです!
大変励みになります。
ありがとうございます。
おかげさまで160万pt達成!
↓これよりネタバレあらすじ
第一王子の婚約解消を高らかに願い出たピンクさんはムーガの部下であった。
親類から王太子になることを強要され辟易しているが非情になれないラオルドにエーティルとムーガが手を差し伸べて王太子権放棄をするために仕組んだのだ。
ただの作戦だと思っていたムーガであったがいつの間にかラオルドとピンクさんは心を通わせていた。
[完結]いらない子と思われていた令嬢は・・・・・・
青空一夏
恋愛
私は両親の目には映らない。それは妹が生まれてから、ずっとだ。弟が生まれてからは、もう私は存在しない。
婚約者は妹を選び、両親は当然のようにそれを喜ぶ。
「取られる方が悪いんじゃないの? 魅力がないほうが負け」
妹の言葉を肯定する家族達。
そうですか・・・・・・私は邪魔者ですよね、だから私はいなくなります。
※以前投稿していたものを引き下げ、大幅に改稿したものになります。
【完結】婚約破棄され毒杯処分された悪役令嬢は影から王子の愛と後悔を見届ける
堀 和三盆
恋愛
「クアリフィカ・アートルム公爵令嬢! 貴様との婚約は破棄する」
王太子との結婚を半年後に控え、卒業パーティーで婚約を破棄されてしまったクアリフィカ。目の前でクアリフィカの婚約者に寄り添い、歪んだ嗤いを浮かべているのは異母妹のルシクラージュだ。
クアリフィカは既に王妃教育を終えているため、このタイミングでの婚約破棄は未来を奪われるも同然。こうなるとクアリフィカにとれる選択肢は多くない。
せめてこれまで努力してきた王妃教育の成果を見てもらいたくて。
キレイな姿を婚約者の記憶にとどめてほしくて。
クアリフィカは荒れ狂う感情をしっかりと覆い隠し、この場で最後の公務に臨む。
卒業パーティー会場に響き渡る悲鳴。
目にした惨状にバタバタと倒れるパーティー参加者達。
淑女の鑑とまで言われたクアリフィカの最期の姿は、良くも悪くも多くの者の記憶に刻まれることになる。
そうして――王太子とルシクラージュの、後悔と懺悔の日々が始まった。
彼女にも愛する人がいた
まるまる⭐️
恋愛
既に冷たくなった王妃を見つけたのは、彼女に食事を運んで来た侍女だった。
「宮廷医の見立てでは、王妃様の死因は餓死。然も彼が言うには、王妃様は亡くなってから既に2、3日は経過しているだろうとの事でした」
そう宰相から報告を受けた俺は、自分の耳を疑った。
餓死だと? この王宮で?
彼女は俺の従兄妹で隣国ジルハイムの王女だ。
俺の背中を嫌な汗が流れた。
では、亡くなってから今日まで、彼女がいない事に誰も気付きもしなかったと言うのか…?
そんな馬鹿な…。信じられなかった。
だがそんな俺を他所に宰相は更に告げる。
「亡くなった王妃様は陛下の子を懐妊されておりました」と…。
彼女がこの国へ嫁いで来て2年。漸く子が出来た事をこんな形で知るなんて…。
俺はその報告に愕然とした。
【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。
五月ふう
恋愛
リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。
「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」
今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。
「そう……。」
マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。
明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。
リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。
「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」
ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。
「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」
「ちっ……」
ポールは顔をしかめて舌打ちをした。
「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」
ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。
だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。
二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。
「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」
元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
妹と婚約者が結婚したけど、縁を切ったから知りません
編端みどり
恋愛
妹は何でもわたくしの物を欲しがりますわ。両親、使用人、ドレス、アクセサリー、部屋、食事まで。
最後に取ったのは婚約者でした。
ありがとう妹。初めて貴方に取られてうれしいと思ったわ。
大好きな旦那様が愛人を連れて帰還したので離縁を願い出ました
ネコ
恋愛
戦地に赴いていた侯爵令息の夫・ロウエルが、討伐成功の凱旋と共に“恩人の娘”を実質的な愛人として連れて帰ってきた。彼女の手当てが大事だからと、わたしの存在など空気同然。だが、見て見ぬふりをするのももう終わり。愛していたからこそ尽くしたけれど、報われないのなら仕方ない。では早速、離縁手続きをお願いしましょうか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる