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一周忌1
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そして、ベルアンジュの一周忌が行われることになった。
一周忌は教会で、賛美歌を歌い、牧師の説教を聞き、祈りを捧げ、その後は邸で茶話会が開かれることになっている。
赤子であるリオードとジュリは、知っている者は知っているが、まだ公にする気はないので、邸の中でだけの参加となる。
予定通り、クリスミー前子爵夫妻も、無事に来てくれている。カイリの夫であるトーマス・クリスミーとは、初対面となる。
「参列させていただき、ありがとうございました」
「腰は大丈夫ですか」
「はい、お気遣いいただきありがとうございます。針治療というのを行いましたら、だいぶ良くなりました」
「お辛いようでしたら、おっしゃってくださいね」
「ありがとうございます」
リランダ医師に、ラオルス公爵夫妻とランバートも、参列している。
そして、国王夫妻の参列は難しいので、時間的に教会だけにはなるがと、ミラビット公爵と、王妃陛下の侍女である夫人たちが参列した。
皆、ベルアンジュに会うこともなかった。正確には会う機会すらなかったのだ。可哀想なことをしたからではなく、何も出来なかったことを悔やむ方が大きかった。
ルイフォードは教会でベルアンジュが亡くなって、一年経つことに信じられない思いであった。
今でもベルアンジュが側にいるような気がして、起きたらまた会えるのではないかと思って、夜眠ることも変わらない。
リオードとジュリのおかげで、邸は明るくなって、楽しい声も響くようになった。そこにベルアンジュの声があるべきだったと思うと、悲しくなってしまう。
それでも、リオードとジュリの顔を見ているだけで、笑顔になれる。生きて行かなければならない、ちゃんとしなければ、ベルアンジュに顔向けが出来ない。
教会での儀式が終わり、ミラビット公爵と夫人たちは王城に戻ったが、その他の皆で邸で茶話会が行われることになった。
邸にはリオードとジュリが機嫌良く、待っていた。
「この子たちが…夫人に似ているな」
「ええ、お可愛らしいわね」
ラオルス公爵夫妻が目尻を下げて二人を見つめ、ランバートも横で頷いていた。三人には事情を全て話してあり、国王夫妻にも理解を得ている。
親子鑑定を行い、ルイフォードとベルアンジュの実子と認める手続きを隣国で行ったが、母国では当初は理解を得られなくても仕方ないと思っていたが、許可を得ることが出来た。
ゆえに戸籍は、ベルーナのことは一切記載はなく、ルイフォードとベルアンジュの子どもとなっている。
だが、妙な商売にしようとする者が現れないとも限らない。だから全国民に勧めることは出来ないが、皆が納得して、二人の子どもだと言うことが間違ないならば、問題はないとされた。
公にベルアンジュではない女性が産んだ、ルイフォードとベルアンジュの子どもだと、わざわざ言うつもりはない。
勿論、リオードとジュリには既にベルアンジュの写真を見せて、母親だと告げている。そして、理解が出来る時期になったら、ベルーナのことを含めて、いずれきちんと話す予定である。
公となるベルアンジュが亡くなった日と、二人が生まれた日で、何か言われたり、悩まなくていいことを悩むこともあるかもしれないが、同じ境遇の人間が一人ではなく、双子で良かったとすら思っていた。
そして、リオードとジュリを見ている三人の後ろで口を押えて、目に涙を溜めていたのはクリスミー前子爵夫妻であった。
「あなた…」
「ああ、ベルアンジュ様によく似ているな」
「ええ…」
二人はベルーナが体外受精で出産したことは一切知るはずがない。病気だったベルアンジュに、どうして子どもがいるのかという考えは持たず、ただただ顔を見て、子どもだと判断して、ついに涙を零した。
一周忌は教会で、賛美歌を歌い、牧師の説教を聞き、祈りを捧げ、その後は邸で茶話会が開かれることになっている。
赤子であるリオードとジュリは、知っている者は知っているが、まだ公にする気はないので、邸の中でだけの参加となる。
予定通り、クリスミー前子爵夫妻も、無事に来てくれている。カイリの夫であるトーマス・クリスミーとは、初対面となる。
「参列させていただき、ありがとうございました」
「腰は大丈夫ですか」
「はい、お気遣いいただきありがとうございます。針治療というのを行いましたら、だいぶ良くなりました」
「お辛いようでしたら、おっしゃってくださいね」
「ありがとうございます」
リランダ医師に、ラオルス公爵夫妻とランバートも、参列している。
そして、国王夫妻の参列は難しいので、時間的に教会だけにはなるがと、ミラビット公爵と、王妃陛下の侍女である夫人たちが参列した。
皆、ベルアンジュに会うこともなかった。正確には会う機会すらなかったのだ。可哀想なことをしたからではなく、何も出来なかったことを悔やむ方が大きかった。
ルイフォードは教会でベルアンジュが亡くなって、一年経つことに信じられない思いであった。
今でもベルアンジュが側にいるような気がして、起きたらまた会えるのではないかと思って、夜眠ることも変わらない。
リオードとジュリのおかげで、邸は明るくなって、楽しい声も響くようになった。そこにベルアンジュの声があるべきだったと思うと、悲しくなってしまう。
それでも、リオードとジュリの顔を見ているだけで、笑顔になれる。生きて行かなければならない、ちゃんとしなければ、ベルアンジュに顔向けが出来ない。
教会での儀式が終わり、ミラビット公爵と夫人たちは王城に戻ったが、その他の皆で邸で茶話会が行われることになった。
邸にはリオードとジュリが機嫌良く、待っていた。
「この子たちが…夫人に似ているな」
「ええ、お可愛らしいわね」
ラオルス公爵夫妻が目尻を下げて二人を見つめ、ランバートも横で頷いていた。三人には事情を全て話してあり、国王夫妻にも理解を得ている。
親子鑑定を行い、ルイフォードとベルアンジュの実子と認める手続きを隣国で行ったが、母国では当初は理解を得られなくても仕方ないと思っていたが、許可を得ることが出来た。
ゆえに戸籍は、ベルーナのことは一切記載はなく、ルイフォードとベルアンジュの子どもとなっている。
だが、妙な商売にしようとする者が現れないとも限らない。だから全国民に勧めることは出来ないが、皆が納得して、二人の子どもだと言うことが間違ないならば、問題はないとされた。
公にベルアンジュではない女性が産んだ、ルイフォードとベルアンジュの子どもだと、わざわざ言うつもりはない。
勿論、リオードとジュリには既にベルアンジュの写真を見せて、母親だと告げている。そして、理解が出来る時期になったら、ベルーナのことを含めて、いずれきちんと話す予定である。
公となるベルアンジュが亡くなった日と、二人が生まれた日で、何か言われたり、悩まなくていいことを悩むこともあるかもしれないが、同じ境遇の人間が一人ではなく、双子で良かったとすら思っていた。
そして、リオードとジュリを見ている三人の後ろで口を押えて、目に涙を溜めていたのはクリスミー前子爵夫妻であった。
「あなた…」
「ああ、ベルアンジュ様によく似ているな」
「ええ…」
二人はベルーナが体外受精で出産したことは一切知るはずがない。病気だったベルアンジュに、どうして子どもがいるのかという考えは持たず、ただただ顔を見て、子どもだと判断して、ついに涙を零した。
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