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私の恋、あなたの愛
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マリオスはマイニーに頼んでシエル嬢とお祝いをしようと言って、食事に誘って貰い、ルノーにもこの前は悪かったと同時に食事に誘うことにした。
ルノーもシエルの文をようやく読んで、シエルにもマリオスがやって来たこと、納得した答えだと話し、番だと疑われたが認めていないという返事を貰っていた。
そうしてやって来た、シエルとルノー。マイニーはルノーのことは聞いておらず、どうしてなのかと詰め寄ったが、上手くいくからと言われるも、心配しかなかった。
「私は二人に結婚するべきだとと思っている」
「それはもう話しただろう」
「シエル嬢は何をそんなに迷うことがあるんだ?元々、ルノーが好きだったのだろう?いい話じゃないか」
「ちょっと、マリオス!」
マイニーは昔のことを持ち出すマリオスに苛立った。人の破れた恋をそんな風に言うなんて、どうかしている。
「昔のことでございます。好きになったら、何があっても、一生好きなままだと思っているのですか?」
「憎からず思ってはいるんだろう?だったら」
「これは二人で話し合って、出した答えなのでございます。なぜあなたに意見されなくてはならぬのでしょうか?」
マイニーは不味い、とても丁寧な言葉を使う時のシエルは一番怒っている時だ。丁寧な言葉で淡々と詰めていくのが、シエルの追い詰め方である、そうなってしまうとマイニーでも止められない。
「マリオス、もう止めて。私たちが決めることではないわ」
「マイニーも心配していたじゃないか、二人が結婚すれば煩わされることもない。何を迷っているのか分からない!二人とも大人になって、自分のことではなく、子どものことを考えるべきじゃないか?」
煩わされると言った時に、シエルの眉間がピクリと動いた。
「では、マリオス様は両親がどういった関係であっても、共にいることが幸せだと思ってらっしゃるということでございますか?」
「ああ、そうだ」
「例え、憎んでいても、軽蔑していてもで、ございますか?」
「ルノーはお世辞にも良い行動を取って来たわけではないが、これからは親になるんだから違うだろう?」
「マリオス、もう止めてくれ」
「いえ、よろしいですわ。これが最後でしょうから、お聞きしましょう」
マイニーはマリオスとは、もう二度と会わない、会っても存在を無視されると理解した。シエルの嫌いなことは、自分のことを分かったように言われることである。
私の悲しみ、憎しみは自分だけのもので、他の人に分かって貰う必要もなければ、分ける気もない。シエルは両親のことを話した時に、そう言った。
これは、私だけのものだと。
「最後とはどういう意味だ?結婚すれば、親戚だ。両親のことは聞いているのだろう?恥ずかしい限りだが、複雑な家なんだ、君なら分かるだろう?」
「分かりません」
「なぜだ?君も同じじゃないか」
「マリオス、本当に止めて!シエル、ごめんなさい」
「マイニー、何を謝ることがある?マイニーには分からないかもしれないが、シエル嬢は私たちと同じなんだ」
「違うわ、シエルの気持ちはシエルだけのものよ!」
マリオスとは結婚したが、まだシエルの方が長い時間を過ごし、色んな気持ちを一緒に分けなくても、考えて来た相手だ。いくら夫でも、言っていいことも分からないのならば、許せない。
「ありがとう、マイニー。覚えてくれていたのね」
「当たり前じゃない!」
「何だ!私はおかしなことは言っていない、おかしいのは二人の方だ」
「そのおかしいというのは、あなたの物差しですわよね?なぜ、あなたに量られなくてはならぬのでございますか?マイニーと言った通り、私の気持ちは私だけのものでございます」
「私には分かると言っているんだ!」
「いい加減にしなさい!!」
シエルの太く、低い声が轟いた。ルノーも初めて見る姿であった。
ルノーもシエルの文をようやく読んで、シエルにもマリオスがやって来たこと、納得した答えだと話し、番だと疑われたが認めていないという返事を貰っていた。
そうしてやって来た、シエルとルノー。マイニーはルノーのことは聞いておらず、どうしてなのかと詰め寄ったが、上手くいくからと言われるも、心配しかなかった。
「私は二人に結婚するべきだとと思っている」
「それはもう話しただろう」
「シエル嬢は何をそんなに迷うことがあるんだ?元々、ルノーが好きだったのだろう?いい話じゃないか」
「ちょっと、マリオス!」
マイニーは昔のことを持ち出すマリオスに苛立った。人の破れた恋をそんな風に言うなんて、どうかしている。
「昔のことでございます。好きになったら、何があっても、一生好きなままだと思っているのですか?」
「憎からず思ってはいるんだろう?だったら」
「これは二人で話し合って、出した答えなのでございます。なぜあなたに意見されなくてはならぬのでしょうか?」
マイニーは不味い、とても丁寧な言葉を使う時のシエルは一番怒っている時だ。丁寧な言葉で淡々と詰めていくのが、シエルの追い詰め方である、そうなってしまうとマイニーでも止められない。
「マリオス、もう止めて。私たちが決めることではないわ」
「マイニーも心配していたじゃないか、二人が結婚すれば煩わされることもない。何を迷っているのか分からない!二人とも大人になって、自分のことではなく、子どものことを考えるべきじゃないか?」
煩わされると言った時に、シエルの眉間がピクリと動いた。
「では、マリオス様は両親がどういった関係であっても、共にいることが幸せだと思ってらっしゃるということでございますか?」
「ああ、そうだ」
「例え、憎んでいても、軽蔑していてもで、ございますか?」
「ルノーはお世辞にも良い行動を取って来たわけではないが、これからは親になるんだから違うだろう?」
「マリオス、もう止めてくれ」
「いえ、よろしいですわ。これが最後でしょうから、お聞きしましょう」
マイニーはマリオスとは、もう二度と会わない、会っても存在を無視されると理解した。シエルの嫌いなことは、自分のことを分かったように言われることである。
私の悲しみ、憎しみは自分だけのもので、他の人に分かって貰う必要もなければ、分ける気もない。シエルは両親のことを話した時に、そう言った。
これは、私だけのものだと。
「最後とはどういう意味だ?結婚すれば、親戚だ。両親のことは聞いているのだろう?恥ずかしい限りだが、複雑な家なんだ、君なら分かるだろう?」
「分かりません」
「なぜだ?君も同じじゃないか」
「マリオス、本当に止めて!シエル、ごめんなさい」
「マイニー、何を謝ることがある?マイニーには分からないかもしれないが、シエル嬢は私たちと同じなんだ」
「違うわ、シエルの気持ちはシエルだけのものよ!」
マリオスとは結婚したが、まだシエルの方が長い時間を過ごし、色んな気持ちを一緒に分けなくても、考えて来た相手だ。いくら夫でも、言っていいことも分からないのならば、許せない。
「ありがとう、マイニー。覚えてくれていたのね」
「当たり前じゃない!」
「何だ!私はおかしなことは言っていない、おかしいのは二人の方だ」
「そのおかしいというのは、あなたの物差しですわよね?なぜ、あなたに量られなくてはならぬのでございますか?マイニーと言った通り、私の気持ちは私だけのものでございます」
「私には分かると言っているんだ!」
「いい加減にしなさい!!」
シエルの太く、低い声が轟いた。ルノーも初めて見る姿であった。
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