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私の恋、あなたの愛
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「巻き込んでごめんね」
「いいのよ、さすがに一人で行かせるわけにはいかないわよ」
「ありがとう」
「2人が知り合いだったなんてね、親戚ではないわよね?」
「うーん、聞いたことはなかったけど」
「久し振りにじっと見てみたけど、もう何も感じなくなってたわ」
「もう一年以上経つものね」
ラビンスはマリオスにもマイニーにも接近禁止となり、次に現れた場合は罰を受けることになる。マルガータも同様に接近禁止となった。
そして、グルテ伯爵家もラビンスがマリオスを好いていることは知っており、いつか結婚するだろうと思っていたが、脅すような真似をして付き合って貰っていたことを聞き、別の相手に嫁がせることに決めた。
マイオスもラビンスの異常な執念深さを、伯爵夫妻とも親しくしていたので、伝えることまではしなかったが、さすがに言わざる得なかった。
「それでどうするつもりなの?」
「もう外堀をがっちり埋められてしまっているのよね…継ぐ爵位は伯爵だって言うし、でも勉強はしておいて、活かせる時を待つしかないとは思っているの」
サンドール侯爵家は長子が継ぐと決まっているようで、始めから姉が継ぎ、マリオスは侯爵家の持つ伯爵位を継ぐことになっていた。周りが勝手に自分の希望を噂にしていたに過ぎなかった。
「マイニーがいいと思えるならいいんじゃない?」
「そうね、いい人ではあるから困るのよね…」
今日の姿を見る限り、連れ帰ったりしないことから、マイニーをなるべく尊重しながら、大事にしてくれているのだろうと思えた。マイニーは面倒見がいいというよりは母性が強い、将来が閉ざされても、見捨てることは出来ないだろう。
卒業が近付くある日、シエルは高熱を出して、保健室で寝込んでいた。
マイニーが看病したいところだったが、今日はサンドール侯爵家で結婚式の打ち合わせであった。丁度、ルノーを見付けたマイニーは、ルノーならば具合の悪いシエルに何かすることはないだろうと声を掛けた。
「ちょっとお願いがあるんですけど」
「え?僕に?」
「実はシエルが保健室で高熱を出して寝てるの、薬は飲ませたんだけど、なかなか下がらなくて。先生も用事があって、ずっとは付き添えないと言われて、だから起きたら寮に送り届けて貰えないでしょうか?」
「ああ、構わないけど…」
「あなたならシエルに邪な感情はないでしょう?」
振ったくらいだからと付け足したいところだが、今さら言っても仕方がない。
「それはそうだけど」
「寮まで行けば、寮母さんがいるはずだから。卒業間近で人がいなくて、私は今日はどうしてもサンドール侯爵家に行かないといけないの」
「そういうことなら」
「シエルにはあなたのことは何も言っていないわ。もう関係ないものね。でも今日だけはお願いします」
マイニーはマリオスとルノーの関係を聞いていたが、勝手に話すわけにはいかないような複雑さで、シエルには話していなかった。
「分かった」
ルノーは保健室に向かっていると、底知れない何かを感じるような気持ちになっていた。特に心当たりはなかったが、今日は女生徒の約束もまだなかったので、良かったと呑気に考えていた。
「失礼します。―――っ」
「どうしたの?」
「あっ、いえ、マイニー・ヴィオスに頼まれて、シエル・フロランツアの看病に」
「そう、良かったわ。私もそろそろ出なくては行けなくて。鍵は帰ってから、掛けて貰うように頼んでおくから、目が覚めたら寮まで付き添ってあげて、そろそろ下がって来るとは思うんだけど」
「わ、分かりました」
保険医はよろしくねと、足早に去って行ったが、ルノーは自分の理性を総動員することで精一杯で、それどころではなかった。
「嘘だろう…シエルが番だというのか…」
「いいのよ、さすがに一人で行かせるわけにはいかないわよ」
「ありがとう」
「2人が知り合いだったなんてね、親戚ではないわよね?」
「うーん、聞いたことはなかったけど」
「久し振りにじっと見てみたけど、もう何も感じなくなってたわ」
「もう一年以上経つものね」
ラビンスはマリオスにもマイニーにも接近禁止となり、次に現れた場合は罰を受けることになる。マルガータも同様に接近禁止となった。
そして、グルテ伯爵家もラビンスがマリオスを好いていることは知っており、いつか結婚するだろうと思っていたが、脅すような真似をして付き合って貰っていたことを聞き、別の相手に嫁がせることに決めた。
マイオスもラビンスの異常な執念深さを、伯爵夫妻とも親しくしていたので、伝えることまではしなかったが、さすがに言わざる得なかった。
「それでどうするつもりなの?」
「もう外堀をがっちり埋められてしまっているのよね…継ぐ爵位は伯爵だって言うし、でも勉強はしておいて、活かせる時を待つしかないとは思っているの」
サンドール侯爵家は長子が継ぐと決まっているようで、始めから姉が継ぎ、マリオスは侯爵家の持つ伯爵位を継ぐことになっていた。周りが勝手に自分の希望を噂にしていたに過ぎなかった。
「マイニーがいいと思えるならいいんじゃない?」
「そうね、いい人ではあるから困るのよね…」
今日の姿を見る限り、連れ帰ったりしないことから、マイニーをなるべく尊重しながら、大事にしてくれているのだろうと思えた。マイニーは面倒見がいいというよりは母性が強い、将来が閉ざされても、見捨てることは出来ないだろう。
卒業が近付くある日、シエルは高熱を出して、保健室で寝込んでいた。
マイニーが看病したいところだったが、今日はサンドール侯爵家で結婚式の打ち合わせであった。丁度、ルノーを見付けたマイニーは、ルノーならば具合の悪いシエルに何かすることはないだろうと声を掛けた。
「ちょっとお願いがあるんですけど」
「え?僕に?」
「実はシエルが保健室で高熱を出して寝てるの、薬は飲ませたんだけど、なかなか下がらなくて。先生も用事があって、ずっとは付き添えないと言われて、だから起きたら寮に送り届けて貰えないでしょうか?」
「ああ、構わないけど…」
「あなたならシエルに邪な感情はないでしょう?」
振ったくらいだからと付け足したいところだが、今さら言っても仕方がない。
「それはそうだけど」
「寮まで行けば、寮母さんがいるはずだから。卒業間近で人がいなくて、私は今日はどうしてもサンドール侯爵家に行かないといけないの」
「そういうことなら」
「シエルにはあなたのことは何も言っていないわ。もう関係ないものね。でも今日だけはお願いします」
マイニーはマリオスとルノーの関係を聞いていたが、勝手に話すわけにはいかないような複雑さで、シエルには話していなかった。
「分かった」
ルノーは保健室に向かっていると、底知れない何かを感じるような気持ちになっていた。特に心当たりはなかったが、今日は女生徒の約束もまだなかったので、良かったと呑気に考えていた。
「失礼します。―――っ」
「どうしたの?」
「あっ、いえ、マイニー・ヴィオスに頼まれて、シエル・フロランツアの看病に」
「そう、良かったわ。私もそろそろ出なくては行けなくて。鍵は帰ってから、掛けて貰うように頼んでおくから、目が覚めたら寮まで付き添ってあげて、そろそろ下がって来るとは思うんだけど」
「わ、分かりました」
保険医はよろしくねと、足早に去って行ったが、ルノーは自分の理性を総動員することで精一杯で、それどころではなかった。
「嘘だろう…シエルが番だというのか…」
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