24 / 344
【テイラー】尋問
しおりを挟む
エレアンジューラソーレ竜王国に戻った、ディオエル、イオリク、ライシード。
ディオエルは目に余る態度だったイオリクの顔を見たくなかったために、帰りは一人で考えたいことがあると、イオリクはずっとディオエルを気にしていたが、話をすることもなかった。
アイルーンは番でもあったが、若い令嬢であったために、死因はきちんと調べ、何も問題なかったことから、今日の今日まで殺されたとは疑いもしなかった。
だが、殺されたという事実があるなら、疑わしい相手はいる。
アイルーンの死後、ディオエルのことを心配する者は溢れていたが、アイルーンのことを悲しむ者はいたにはいたが、本心だったかは分からない。
だが、既に17年が経っており、まず証拠は残されていない。
ならば、どうするかは犯人を自白させるしかない。それをおそらく、テイラー嬢は分かっていて言っているのだと感じた。
番だと、あの日アイルーンに出会った時と亡くなった時に心臓を掴まれた感覚を、テイラー嬢に感じた。
記憶があることは、まさかとは思ったが、納得もした。
アイルーンの記憶のせいか、番は酷く威勢のいい女性になっていた。だが、殺されたのだとしたら、恨むのも当然だろう。
とにかく、先のことは何も考えずに、犯人を見付けなくてはいけない。
「まずは当時いた妃を呼んで、尋問する」
アイルーンと話をしているところを見たこともなければ、関わりがあったようなことは聞いていないが、最有力候補である妃を呼ぶことにした。
帰国を到着を歓迎する臣下や使用人を無視して、ディオエルはライシードとイオリクに告げた。部下や使用人もディオエルのピリピリした様子に、何かあったのだと静かに頭を下げて、話し掛けることはしなかった。
「承知いたしました」
「ディオエル様、本気ですか?あの方が番であることは間違いないのでしょうけども、病死したのに恨みに思って、復讐のために言っているだけではありませんか?」
イオリクもずっと考えていたが、導き出した答えは番だと言われたのに、愛されることがなかったことによる逆恨みであった。
「復讐されるようなことがあった、ということだろう?」
「それは…」
「お前も犯人の一人だな?お前が殺したのか!」
ディオエルはイオリクに、強い殺気を当てた。
「ちっ、ちっ、違います。私が、妊娠、している、番を、殺すわけ、ない、ではありませんか」
殺気に身体をビクビクさせながら、イオリクは答えた。
「お前が殺すなら、産ませてからだろうな!お前は監視対象だ!全て見張らせて貰う。ライシード、手配を」
「は!」
再び殺気を当てられて、イオリクはさすがに膝を付いた。だが、ディオエルはその様子を気にすることもなく、執務室に向かった。
イオリクが殺していないことは、ディオエルも理解していた。だが、理由はディオエルの子を妊娠中の番を殺すわけがないということも、理解していた。
ライシードは妃を順番に呼んで、尋問を行う準備を進めていた。
「準備が整いました。一人目はハウニー妃です」
「そうか、今行く」
ハウニー妃は、黒目黒髪の美しく、気品のある筆頭侯爵家の令嬢で、ディオエルが40歳までは番を探したが、見付からずに40歳で強制的に妃を娶ることになり、一番最初に選ばれた妃であった。
妃になった当時は16歳、アイルーンが来た頃は40歳だったが、現在は59歳になっている。
侯爵家も少なからず皇帝の竜族系の血筋があるために、見た目は40代くらいに見える。平均寿命も、竜の魂を持つ者の300歳まではいかないが、110~120歳くらいが平均である。
妊娠出産も、厳しい年頃になっている。新しい妃が入ってくる度に、降嫁することも出来るのだが、ハウニーは希望していない。
「皇帝陛下、ご無事のお戻りに安心いたしました」
「ああ、君に聞きたいことがある」
「はい、何でございましょうか」
ディオエルは目に余る態度だったイオリクの顔を見たくなかったために、帰りは一人で考えたいことがあると、イオリクはずっとディオエルを気にしていたが、話をすることもなかった。
アイルーンは番でもあったが、若い令嬢であったために、死因はきちんと調べ、何も問題なかったことから、今日の今日まで殺されたとは疑いもしなかった。
だが、殺されたという事実があるなら、疑わしい相手はいる。
アイルーンの死後、ディオエルのことを心配する者は溢れていたが、アイルーンのことを悲しむ者はいたにはいたが、本心だったかは分からない。
だが、既に17年が経っており、まず証拠は残されていない。
ならば、どうするかは犯人を自白させるしかない。それをおそらく、テイラー嬢は分かっていて言っているのだと感じた。
番だと、あの日アイルーンに出会った時と亡くなった時に心臓を掴まれた感覚を、テイラー嬢に感じた。
記憶があることは、まさかとは思ったが、納得もした。
アイルーンの記憶のせいか、番は酷く威勢のいい女性になっていた。だが、殺されたのだとしたら、恨むのも当然だろう。
とにかく、先のことは何も考えずに、犯人を見付けなくてはいけない。
「まずは当時いた妃を呼んで、尋問する」
アイルーンと話をしているところを見たこともなければ、関わりがあったようなことは聞いていないが、最有力候補である妃を呼ぶことにした。
帰国を到着を歓迎する臣下や使用人を無視して、ディオエルはライシードとイオリクに告げた。部下や使用人もディオエルのピリピリした様子に、何かあったのだと静かに頭を下げて、話し掛けることはしなかった。
「承知いたしました」
「ディオエル様、本気ですか?あの方が番であることは間違いないのでしょうけども、病死したのに恨みに思って、復讐のために言っているだけではありませんか?」
イオリクもずっと考えていたが、導き出した答えは番だと言われたのに、愛されることがなかったことによる逆恨みであった。
「復讐されるようなことがあった、ということだろう?」
「それは…」
「お前も犯人の一人だな?お前が殺したのか!」
ディオエルはイオリクに、強い殺気を当てた。
「ちっ、ちっ、違います。私が、妊娠、している、番を、殺すわけ、ない、ではありませんか」
殺気に身体をビクビクさせながら、イオリクは答えた。
「お前が殺すなら、産ませてからだろうな!お前は監視対象だ!全て見張らせて貰う。ライシード、手配を」
「は!」
再び殺気を当てられて、イオリクはさすがに膝を付いた。だが、ディオエルはその様子を気にすることもなく、執務室に向かった。
イオリクが殺していないことは、ディオエルも理解していた。だが、理由はディオエルの子を妊娠中の番を殺すわけがないということも、理解していた。
ライシードは妃を順番に呼んで、尋問を行う準備を進めていた。
「準備が整いました。一人目はハウニー妃です」
「そうか、今行く」
ハウニー妃は、黒目黒髪の美しく、気品のある筆頭侯爵家の令嬢で、ディオエルが40歳までは番を探したが、見付からずに40歳で強制的に妃を娶ることになり、一番最初に選ばれた妃であった。
妃になった当時は16歳、アイルーンが来た頃は40歳だったが、現在は59歳になっている。
侯爵家も少なからず皇帝の竜族系の血筋があるために、見た目は40代くらいに見える。平均寿命も、竜の魂を持つ者の300歳まではいかないが、110~120歳くらいが平均である。
妊娠出産も、厳しい年頃になっている。新しい妃が入ってくる度に、降嫁することも出来るのだが、ハウニーは希望していない。
「皇帝陛下、ご無事のお戻りに安心いたしました」
「ああ、君に聞きたいことがある」
「はい、何でございましょうか」
5,536
あなたにおすすめの小説
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
結婚十年目の夫から「結婚契約更新書」なるものが届いた。彼は「送り間違えた」というけれど、それはそれで問題なのでは?
ぽんた
恋愛
レミ・マカリスター侯爵夫人は、夫と政略結婚をして十年目。侯爵夫人として、義父母の介護や領地経営その他もろもろを完ぺきにこなしている。そんなある日、王都に住む夫から「結婚契約更新書」なるものが届いた。義弟を通じ、夫を追求するも夫は「送り間違えた。ほんとうは金を送れというメモを送りたかった」という。レミは、心から思った。「それはそれで問題なのでは?」、と。そして、彼女の夫にたいするざまぁがはじまる。
※ハッピーエンド確約。ざまぁあり。ご都合主義のゆるゆる設定はご容赦願います。
私は既にフラれましたので。
椎茸
恋愛
子爵令嬢ルフェルニア・シラーは、国一番の美貌を持つ幼馴染の公爵令息ユリウス・ミネルウァへの想いを断ち切るため、告白をする。ルフェルニアは、予想どおりフラれると、元来の深く悩まない性格ゆえか、気持ちを切り替えて、仕事と婚活に邁進しようとする。一方、仕事一筋で自身の感情にも恋愛事情にも疎かったユリウスは、ずっと一緒に居てくれたルフェルニアに距離を置かれたことで、感情の蓋が外れてルフェルニアの言動に一喜一憂するように…?
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
【完結】婚約破棄されたので、引き継ぎをいたしましょうか?
碧井 汐桜香
恋愛
第一王子に婚約破棄された公爵令嬢は、事前に引き継ぎの準備を進めていた。
まっすぐ領地に帰るために、その場で引き継ぎを始めることに。
様々な調査結果を暴露され、婚約破棄に関わった人たちは阿鼻叫喚へ。
第二王子?いりませんわ。
第一王子?もっといりませんわ。
第一王子を慕っていたのに婚約破棄された少女を演じる、彼女の本音は?
彼女の存在意義とは?
別サイト様にも掲載しております
前世の旦那様、貴方とだけは結婚しません。
真咲
恋愛
全21話。他サイトでも掲載しています。
一度目の人生、愛した夫には他に想い人がいた。
侯爵令嬢リリア・エンダロインは幼い頃両親同士の取り決めで、幼馴染の公爵家の嫡男であるエスター・カンザスと婚約した。彼は学園時代のクラスメイトに恋をしていたけれど、リリアを優先し、リリアだけを大切にしてくれた。
二度目の人生。
リリアは、再びリリア・エンダロインとして生まれ変わっていた。
「次は、私がエスターを幸せにする」
自分が彼に幸せにしてもらったように。そのために、何がなんでも、エスターとだけは結婚しないと決めた。
【完結】愛も信頼も壊れて消えた
miniko
恋愛
「悪女だって噂はどうやら本当だったようね」
王女殿下は私の婚約者の腕にベッタリと絡み付き、嘲笑を浮かべながら私を貶めた。
無表情で吊り目がちな私は、子供の頃から他人に誤解される事が多かった。
だからと言って、悪女呼ばわりされる筋合いなどないのだが・・・。
婚約者は私を庇う事も、王女殿下を振り払うこともせず、困った様な顔をしている。
私は彼の事が好きだった。
優しい人だと思っていた。
だけど───。
彼の態度を見ている内に、私の心の奥で何か大切な物が音を立てて壊れた気がした。
※感想欄はネタバレ配慮しておりません。ご注意下さい。
アシュリーの願いごと
ましろ
恋愛
「まあ、本当に?」
もしかして。そう思うことはありました。
でも、まさか本当だっただなんて。
「…それならもう我慢する必要は無いわね?」
嫁いでから6年。まるで修道女が神に使えるが如くこの家に尽くしてきました。
すべては家の為であり、夫の為であり、義母の為でありました。
愛する息子すら後継者として育てるからと産まれてすぐにとりあげられてしまいました。
「でも、もう変わらなくてはね」
この事を知ったからにはもう何も我慢するつもりはありません。
だって。私には願いがあるのだから。
✻基本ゆるふわ設定です。
気を付けていますが、誤字脱字などがある為、あとからこっそり修正することがあります。
✻1/19、タグを2つ追加しました
✻1/27、短編から長編に変更しました
✻2/2、タグを変更しました
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる