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番外編2
レベッカ・ウィンダム2
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マリーヌは私のせいで、王女(仮)のような状態だったが、王女として国外に出す意見も出たが、サリー様が何かあった時に、代わりがいてくれる方がいいと、跳ね除けてくれた。国外に出せば、私のことで憚られることも、あるかもしれないと思っていた私はホッとした。
子どもはやっぱり側にいて欲しいでしょう?なんて、殿下と私に言っていたけど、おそらくそこまで考えてのことだったと思う。
マリーヌが辺境伯家の令息と結婚したいと言い出した時、私のせいで中途半端な王女となっていることを、辺境伯は気にしなかったが、揚げ足取りをする者はいた。
「王女とは正式には言えませんからね」
「王女として嫁がせなくても構いません」
マリーヌが嫁ぐ際は、王位継承権のない王女、持参金は王家ではなく、伯爵家と公爵家で用意することは事前に決まっていた。
「ですが、殿下の娘ですからね」
「折角、努力されて、三ヶ国語が出来るのですから、やはり国外に出して、役に立ってもらうべきでは?」
納得済みの話も掘り返されることになり、三ヶ国語が仇になったとすら思った。
だが違った―――。
「私が後ろ盾になりましょう。母親ではありませんが、私の教え子ですから、意見くらい言ってもいいわよね?」
「ですが」
「私程度ではご不満かしら?」
サリー様に言われれば、皆が黙るしかないほどに力を持っていることに、きっと気付かないまま、サリー様らしく在り続けた。
マリーヌが子どもを産んで孫にも会えた、女の子だった。
「おばあちゃん」
「何よ、サリー様だって時期におばあちゃんよ」
「じゃあ、先輩おばあちゃんで、先ばあちゃんって呼ぼうかしら」
「変な造語を作らないで!」
そんな軽口から、サリー様もセリー王女が生まれ、祖母になった。
「おばあちゃま?」
「何ですか、先ばあちゃん?」
「ええ…サリー様が憶えていないはずないわよね」
「記憶力がいいものですから」
そんなやり取りを思い出すだけで温かい気持ちになる、それからも孫は可愛がるだけでいいって本当かしらなどと、よく祖母話をしていた。
ずっと続くと思っていた…。
リール殿下とは正確にはもう夫ではないけれど、マリーヌの父親という感覚もあまりなく、私の影響か成長するにつれて、マリーヌも一線を引いて接するようになった。私の過ちを話した際に聞いたが、いずれ出て行く身だと実感していたそうだ。
「お母様!」
「グッドタイミングね」
サリー様に呼ばれたかのように、マリーヌが現れた。葬儀には来ていたが、子どももいることから、半年に一度くらいでいいと言っていたのだが、私も理事だからと、今日到着するのは偶然だったのに、示し合わせたかのようだ。
「何が?」
「これ、サリー様からよ」
「っえ、んな、嘘、です、か?」
「まあ、私より酷い驚きようだけど、本当よ。パトラーさんが持って来てくれたの。で、これがサリー様の小説ですって」
「しょ、しょ?」
「小説書いていたんですって、知ってた?」
マリーヌは小説を握りしめて、子どもの様に大きく首を横に振っている。
「お母様は馬鹿で、本も読まないけど、これだけは読むわ。死んだら、お棺に入れてくれる?」
「縁起でもない」
「何があるか分からないもの、言いたいことは言っておかないと」
マリーヌはサリー様を見て、倒れてから、四六時中サリー様で一杯の様子だったが、自分のことも少しは考えたのだろうと感じた。
「これ、いずれ二十四ヶ国語で出版する予定なんですって、驚きでしょう?」
「二十四?」
「多分、もっと話す、書くだけなら出来たと思うんだけど、検定が二十四だったのよね、確か。五ヶ国語が発売になって、後は順次だって」
「全部、サリー様の名前でってことですよね?」
「そういうこと!孤児院に配るわよ!」
子どもはやっぱり側にいて欲しいでしょう?なんて、殿下と私に言っていたけど、おそらくそこまで考えてのことだったと思う。
マリーヌが辺境伯家の令息と結婚したいと言い出した時、私のせいで中途半端な王女となっていることを、辺境伯は気にしなかったが、揚げ足取りをする者はいた。
「王女とは正式には言えませんからね」
「王女として嫁がせなくても構いません」
マリーヌが嫁ぐ際は、王位継承権のない王女、持参金は王家ではなく、伯爵家と公爵家で用意することは事前に決まっていた。
「ですが、殿下の娘ですからね」
「折角、努力されて、三ヶ国語が出来るのですから、やはり国外に出して、役に立ってもらうべきでは?」
納得済みの話も掘り返されることになり、三ヶ国語が仇になったとすら思った。
だが違った―――。
「私が後ろ盾になりましょう。母親ではありませんが、私の教え子ですから、意見くらい言ってもいいわよね?」
「ですが」
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サリー様に言われれば、皆が黙るしかないほどに力を持っていることに、きっと気付かないまま、サリー様らしく在り続けた。
マリーヌが子どもを産んで孫にも会えた、女の子だった。
「おばあちゃん」
「何よ、サリー様だって時期におばあちゃんよ」
「じゃあ、先輩おばあちゃんで、先ばあちゃんって呼ぼうかしら」
「変な造語を作らないで!」
そんな軽口から、サリー様もセリー王女が生まれ、祖母になった。
「おばあちゃま?」
「何ですか、先ばあちゃん?」
「ええ…サリー様が憶えていないはずないわよね」
「記憶力がいいものですから」
そんなやり取りを思い出すだけで温かい気持ちになる、それからも孫は可愛がるだけでいいって本当かしらなどと、よく祖母話をしていた。
ずっと続くと思っていた…。
リール殿下とは正確にはもう夫ではないけれど、マリーヌの父親という感覚もあまりなく、私の影響か成長するにつれて、マリーヌも一線を引いて接するようになった。私の過ちを話した際に聞いたが、いずれ出て行く身だと実感していたそうだ。
「お母様!」
「グッドタイミングね」
サリー様に呼ばれたかのように、マリーヌが現れた。葬儀には来ていたが、子どももいることから、半年に一度くらいでいいと言っていたのだが、私も理事だからと、今日到着するのは偶然だったのに、示し合わせたかのようだ。
「何が?」
「これ、サリー様からよ」
「っえ、んな、嘘、です、か?」
「まあ、私より酷い驚きようだけど、本当よ。パトラーさんが持って来てくれたの。で、これがサリー様の小説ですって」
「しょ、しょ?」
「小説書いていたんですって、知ってた?」
マリーヌは小説を握りしめて、子どもの様に大きく首を横に振っている。
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「二十四?」
「多分、もっと話す、書くだけなら出来たと思うんだけど、検定が二十四だったのよね、確か。五ヶ国語が発売になって、後は順次だって」
「全部、サリー様の名前でってことですよね?」
「そういうこと!孤児院に配るわよ!」
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