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番外編1
エマ・ネイリー18
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騎士と別れたソフィアは二人に合流して、帰ることにした。
「本は?」
「えっ、ええ、思う本がなくて」
「そうだったの、残念だったわね」
「ええ…」
名前も知らないが、騎士に言われたことが気になり、確かにエマ・ネイリーの事実は何も知らないが、詮索するような真似はしたくなかった。でもどうしても気になって、兄に調べて欲しいではなく、それとなく手紙に彼女の話を書いた。
返事を読むと、関わってはいけない人物だったようだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
愛するソフィアへ
悪いことは言わないから、エマ・ネイリーには関わるな。
まさか修道院にいたとは。
おそらく何かやらかしているはずだ。
ソフィアはあまり知らないかもしれないが、
不正のことで殿下と一緒にいた際に、
エマ・ネイリーは子爵令嬢にも関わらず、
サリー王太子殿下の代わりをしていたと妃殿下に言っている。
おかげで妃殿下は当分の間、私よりもエマ・ネイリーは優秀だと、
周りにおっしゃっていた。
おそらく婚約を解消を狙ってのことだったと思われる。
そしてエマ・ネイリーも言葉を間違えたのではなく、
実際にも周りには、不正のことで妃殿下の代わりをしていたと言っており、
妃殿下の代わりが出来るなんて凄いと言われたら、
そんなのことないわと誇らしげに言っていたそうだ。
実際に従兄弟のリウルが聞いたと言っていたから間違いない。
妃殿下の能力を知っている者、高位貴族は、
ただでかい図体で、立っていただけの者が、
代わりが出来るだと?笑わせるなと思っていた。
ソフィアだって『コルボリット』のファンだから、
妃殿下がどれだけ素晴らしいかは知っているだろう?
それを代わりが出来るようなことを言った者を私は許せないと思った。
その後は社交界から消え、結婚したとも聞かないまま、
見掛けることもなくなっていた。
話題に上がることもなければ、誰からも話を聞かない存在だった。
それなのに、突然修道院に入ったということは、問題があるということだ。
絶対に関わらないでくれ。最悪、王家が関係している可能性もある。
愛する兄より
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
王家…そんな風には見えなかったが、兄が嘘を付く必要もなければ、あの騎士が言ったことも繋がる。とばっちりなどではなく、自信満々に妃殿下の代わりをしていたとしか思えない。
兄の言う通り、妃殿下にそのような言い方をした人間を許せない。『コルボリット』は私が何度も読み返している最強の物語だ。ここにも全巻持って来ており、妃殿下がいなければ、母国語しか分からない私には読むことすら出来なかったのだ。
今では『コルボリット』を読んでいない人生など考えられない。元夫のことで苦しめられた際も、この物語が私の心を遠くへやって救ってくれた。
だが、エマ・ネイリーと一致せず、気持ちの悪さが残る。
まずはイーラに確認をしようと思った。皆が集まってお茶をしており、他にも一緒にいたのを見たと言っていた子もいたため、丁度いいと問い掛けた。
「イーラ、この前、エマさんが会っていた騎士は、この前教えてくれた黒髪の方だと言っていたわよね?」
「ええ、そうよ。最近は見ないけど、二回、三回は見たわ」
「私も見たことあるわよ、背の高いキリっとした顔立ちの黒髪の方よね?」
「同一人物かしら?」
「多分、同じ人だと思うけど。何かあるの?関係なかったんでしょう?」
最初にエマに確認した際に、そんな関係ではなかったと皆には伝えていた。だが、彼はハッキリと違うと言った、最後にあのようなことを言う方が嘘を付くとは思えない。エマ・ネイリーの過去も知っていたということだ。
そして、自身ではなく、別の者だと思っているようでもあった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
17時もお読みいただきありがとうございます。
ようやくエマ・ネイリーの奇妙さを感じ、
ここから終盤に向けて動き出します。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
「本は?」
「えっ、ええ、思う本がなくて」
「そうだったの、残念だったわね」
「ええ…」
名前も知らないが、騎士に言われたことが気になり、確かにエマ・ネイリーの事実は何も知らないが、詮索するような真似はしたくなかった。でもどうしても気になって、兄に調べて欲しいではなく、それとなく手紙に彼女の話を書いた。
返事を読むと、関わってはいけない人物だったようだ。
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愛するソフィアへ
悪いことは言わないから、エマ・ネイリーには関わるな。
まさか修道院にいたとは。
おそらく何かやらかしているはずだ。
ソフィアはあまり知らないかもしれないが、
不正のことで殿下と一緒にいた際に、
エマ・ネイリーは子爵令嬢にも関わらず、
サリー王太子殿下の代わりをしていたと妃殿下に言っている。
おかげで妃殿下は当分の間、私よりもエマ・ネイリーは優秀だと、
周りにおっしゃっていた。
おそらく婚約を解消を狙ってのことだったと思われる。
そしてエマ・ネイリーも言葉を間違えたのではなく、
実際にも周りには、不正のことで妃殿下の代わりをしていたと言っており、
妃殿下の代わりが出来るなんて凄いと言われたら、
そんなのことないわと誇らしげに言っていたそうだ。
実際に従兄弟のリウルが聞いたと言っていたから間違いない。
妃殿下の能力を知っている者、高位貴族は、
ただでかい図体で、立っていただけの者が、
代わりが出来るだと?笑わせるなと思っていた。
ソフィアだって『コルボリット』のファンだから、
妃殿下がどれだけ素晴らしいかは知っているだろう?
それを代わりが出来るようなことを言った者を私は許せないと思った。
その後は社交界から消え、結婚したとも聞かないまま、
見掛けることもなくなっていた。
話題に上がることもなければ、誰からも話を聞かない存在だった。
それなのに、突然修道院に入ったということは、問題があるということだ。
絶対に関わらないでくれ。最悪、王家が関係している可能性もある。
愛する兄より
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王家…そんな風には見えなかったが、兄が嘘を付く必要もなければ、あの騎士が言ったことも繋がる。とばっちりなどではなく、自信満々に妃殿下の代わりをしていたとしか思えない。
兄の言う通り、妃殿下にそのような言い方をした人間を許せない。『コルボリット』は私が何度も読み返している最強の物語だ。ここにも全巻持って来ており、妃殿下がいなければ、母国語しか分からない私には読むことすら出来なかったのだ。
今では『コルボリット』を読んでいない人生など考えられない。元夫のことで苦しめられた際も、この物語が私の心を遠くへやって救ってくれた。
だが、エマ・ネイリーと一致せず、気持ちの悪さが残る。
まずはイーラに確認をしようと思った。皆が集まってお茶をしており、他にも一緒にいたのを見たと言っていた子もいたため、丁度いいと問い掛けた。
「イーラ、この前、エマさんが会っていた騎士は、この前教えてくれた黒髪の方だと言っていたわよね?」
「ええ、そうよ。最近は見ないけど、二回、三回は見たわ」
「私も見たことあるわよ、背の高いキリっとした顔立ちの黒髪の方よね?」
「同一人物かしら?」
「多分、同じ人だと思うけど。何かあるの?関係なかったんでしょう?」
最初にエマに確認した際に、そんな関係ではなかったと皆には伝えていた。だが、彼はハッキリと違うと言った、最後にあのようなことを言う方が嘘を付くとは思えない。エマ・ネイリーの過去も知っていたということだ。
そして、自身ではなく、別の者だと思っているようでもあった。
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17時もお読みいただきありがとうございます。
ようやくエマ・ネイリーの奇妙さを感じ、
ここから終盤に向けて動き出します。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
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