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番外編1
エマ・ネイリー1
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『あなたの代わりをしていたのです ―エマ・ネイリー―』
両親に王宮から引っ張って連れ帰られた後、部屋に閉じ込められて、再び領地の邸に連れて行かれることになった。
「あなたには働いてもらいます。働かなければ、食事は出しません」
「どうして!私は王宮に住むはずだったのです!」
エマ・ネイリーを助長させたのは、きっかけはリール殿下だが、サリーが騒いだ結果であると言えるだろう。
「そんなはずないでしょう!殿下が要らないから、引き取りに行ったのよ!」
「要らないって…」
「側近になって、愛妾?馬鹿なこと言うんじゃないわよ!賢くも強くもない側近なんて、お金を貰っても要らないし、愛妾?あんなに美しい妃殿下がいるのに、あんたみたいなの愛妾にしたら、殿下の評判が落ちるだけよ!恥よ、恥!」
「でも、殿下は私を素敵だって言ってくださったのよ!」
男性に褒められた唯一の一言だけで、エマは殿下は好意を持っていると信じていた。恋人や婚約者のいたことのないエマは、本に一度好意を持った相手を嫌いになることはないという言葉を鵜呑みにし続けていた。
「目に虫でも入ったんじゃない?しかもノワンナ語が話せるようになった?家庭教師は難しすぎて、あなたがやっていたのは子ども用のドリルらしいじゃない、馬鹿じゃないの?」
「検定を受ければいいんでしょう!」
「はあ…受けたいのね?」
「ええ、絶対に受かります」
「じゃあ、受けたらいいわ。落ちたら修道院に行ってもらいます」
「どうしてよ」
二度と殿下に会えないじゃない、殿下の側にいなくては何も始まらないのに。折角、側近になって、夜は愛妾になればいいと、いい考えを思い付いたのに。
ノワンナ語を話しているのも、全く聞き取れなかったし、聞き取れても意味が思い出せなかったけど、レベッカ側妃見習いですらノワンナ語を話していたけど、検定ならきっと大丈夫。検定に合格して、せめて嘘ではなかったと証明しなくてはならない。でも落ちたら修道院だなんて、どうしてそこまで言われなくてはいけないのか。
「…もう相手をするのが嫌なの。気持ちが悪いの」
「母親でしょう?」
どうして娘にそんなことが言えるのか、母は常に厳しく、昔は騎士を目指していたことから、幼い頃に騎士になる気はないかと問われ、男装の麗人と言われた際に騎士になればいいのにと言っていたほどだ。
「母親だから気持ちが悪いのよ、他人ならどれだけ良かったか」
「っな」
「検定に受かればいいじゃない、仕事だってあるかもしれないわね。ただし、王家の方には金輪際、近付かないように」
「なんで…」
「あなたは王家の招待からも外されましたから、招かれることもありません」
「そんな…何かの間違いよ…」
王家主催であれば、殿下と話すことは出来なくても、遠くから見ることは出来た。妃殿下がいない時は、あの隣に私が立てば完璧だと思っていたのに。
「殿下にも言われたんでしょう?間違いであるはずないじゃない」
「妃殿下に言わされてらっしゃるのよ」
「妄想もそこまでいくと、異常よ。そもそも、言わされていたらいけないの?ご夫婦なのだから、言わされていてもいなくても問題ないわ。問題なのはあなたでしょう?愛妾なんて寵愛を受けた方がなれるものよ」
「私だって」
「寵愛を受けたというの?あれで?二度と姿を見せるなと言われたのに?そんなわけないじゃない、本当に気味が悪いわ」
「ーーーっ!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
お読みいただきありがとうございます。
エマ・ネイリーの回となります。
まだ執筆中ですので、何話になるかは未定ですが、
本編でも度々、登場していたので、
ミサモエスほどは長くならない予定です。
よろしくお願いいたします。
両親に王宮から引っ張って連れ帰られた後、部屋に閉じ込められて、再び領地の邸に連れて行かれることになった。
「あなたには働いてもらいます。働かなければ、食事は出しません」
「どうして!私は王宮に住むはずだったのです!」
エマ・ネイリーを助長させたのは、きっかけはリール殿下だが、サリーが騒いだ結果であると言えるだろう。
「そんなはずないでしょう!殿下が要らないから、引き取りに行ったのよ!」
「要らないって…」
「側近になって、愛妾?馬鹿なこと言うんじゃないわよ!賢くも強くもない側近なんて、お金を貰っても要らないし、愛妾?あんなに美しい妃殿下がいるのに、あんたみたいなの愛妾にしたら、殿下の評判が落ちるだけよ!恥よ、恥!」
「でも、殿下は私を素敵だって言ってくださったのよ!」
男性に褒められた唯一の一言だけで、エマは殿下は好意を持っていると信じていた。恋人や婚約者のいたことのないエマは、本に一度好意を持った相手を嫌いになることはないという言葉を鵜呑みにし続けていた。
「目に虫でも入ったんじゃない?しかもノワンナ語が話せるようになった?家庭教師は難しすぎて、あなたがやっていたのは子ども用のドリルらしいじゃない、馬鹿じゃないの?」
「検定を受ければいいんでしょう!」
「はあ…受けたいのね?」
「ええ、絶対に受かります」
「じゃあ、受けたらいいわ。落ちたら修道院に行ってもらいます」
「どうしてよ」
二度と殿下に会えないじゃない、殿下の側にいなくては何も始まらないのに。折角、側近になって、夜は愛妾になればいいと、いい考えを思い付いたのに。
ノワンナ語を話しているのも、全く聞き取れなかったし、聞き取れても意味が思い出せなかったけど、レベッカ側妃見習いですらノワンナ語を話していたけど、検定ならきっと大丈夫。検定に合格して、せめて嘘ではなかったと証明しなくてはならない。でも落ちたら修道院だなんて、どうしてそこまで言われなくてはいけないのか。
「…もう相手をするのが嫌なの。気持ちが悪いの」
「母親でしょう?」
どうして娘にそんなことが言えるのか、母は常に厳しく、昔は騎士を目指していたことから、幼い頃に騎士になる気はないかと問われ、男装の麗人と言われた際に騎士になればいいのにと言っていたほどだ。
「母親だから気持ちが悪いのよ、他人ならどれだけ良かったか」
「っな」
「検定に受かればいいじゃない、仕事だってあるかもしれないわね。ただし、王家の方には金輪際、近付かないように」
「なんで…」
「あなたは王家の招待からも外されましたから、招かれることもありません」
「そんな…何かの間違いよ…」
王家主催であれば、殿下と話すことは出来なくても、遠くから見ることは出来た。妃殿下がいない時は、あの隣に私が立てば完璧だと思っていたのに。
「殿下にも言われたんでしょう?間違いであるはずないじゃない」
「妃殿下に言わされてらっしゃるのよ」
「妄想もそこまでいくと、異常よ。そもそも、言わされていたらいけないの?ご夫婦なのだから、言わされていてもいなくても問題ないわ。問題なのはあなたでしょう?愛妾なんて寵愛を受けた方がなれるものよ」
「私だって」
「寵愛を受けたというの?あれで?二度と姿を見せるなと言われたのに?そんなわけないじゃない、本当に気味が悪いわ」
「ーーーっ!」
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お読みいただきありがとうございます。
エマ・ネイリーの回となります。
まだ執筆中ですので、何話になるかは未定ですが、
本編でも度々、登場していたので、
ミサモエスほどは長くならない予定です。
よろしくお願いいたします。
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