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番外編1
ミサモエス・ラーダ10
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ついにカリーと同様にミサモエスにも王家から通達が届いた。
『ミサモエス・ジーストを王族への不敬な発言にて、王家の招待から外す』
ミサモエスが受け取ったが、どういうことか分からず、ディールズにはバレてはならないと思い、隠すことにした。きっと言わなければ分からない、王家の催しは病気だとか言って、行かなければ分からないのではないか、出れないなら出れないでしょうがない、きっと大丈夫だと思うことにした。
あれから王太子殿下には近付いていない、話してもいない、側妃だって思うところがあったが我慢し、側妃見習いになったことも知ったが、愚かだと笑いながらも、マリスアルの言ったことは本当だったのだと実感した。
まだディールズから愛しているとは言ってもらえていない、愛を育んでいる最中なのだ。今の生活を脅かされてはたまらない。今さら何だというのか、誘いに乗った殿下も同じだと怒りすらあった。
がしかし、王家主催の夜会が開かれることになり、事は発覚する。
爵位を問わず、王家主催の場合は招待状が必要となる、代理ということは可能だが、申請をしなくてはならない。
受付が大変だと思われるが、爵位順に大体の順番は決まっており、招待されていない人や代理を確認する方が早いので、手間はそれほどではない。
ディールズは夜会のためにミサモエスのドレスを作ろうと思っていたが、王家からの招待状はディールズのみで、ミサモエスは王族の不敬な発言にて、王家の催しの招待から外されていると聞かされたのだ。奥方本人に通達を既に行っている、確認した方がいいとまで言われてしまった。
「王家の催しから外されたというのは、どういうことだ?通達はどこにある?」
「え?」
「王家から通達が来ただろう!」
「そんなもの来ておりません」
「事実を言いなさい。確認を取れば分かるのですよ」
そう言われるとようやく、ミサモエスはすみませんでしたと言いながら、机の奥にしまってあった通達をディールズに渡した。
「不敬を働いたのか」
「いいえ」
「なぜ黙っていた?」
「怖くて。出なければいいだけなのかと思って。そうじゃないの?」
「…」
ディールズは元々、義兄となったソースルとは親しいわけではなかったが、共通の友人から末妹のことで困っていると聞いていた。伴侶を亡くしたところは一緒だったが、その後に寂しいと言って男漁りをしていたという。
私も眉をひそめたが、そのような女性なら何かあっても心が痛まない。他の縁談相手は結婚したら分からないが、表面上は問題はなかった。だからこそ断ったのだ。
紹介して欲しいと頼むと、ソースルは娶ってくれるなら有難い話だが、夢見がちな妹で、本当はお勧めできない。
だけど、これは言いたくはないことだが、子どもだけ産ませて離縁を見据えているのであれば、相応しい存在だとまで言ったのだ。それでも娶ってくれるのであれば、ジースト伯爵家に迷惑を掛けることがないようにするつもりだと、何かあればすぐにこちらで対処すると約束し、だからこそミサモエスとの結婚を決めたのだ。
もう誰も私の手で不幸にしたくはない。
「そういう問題ではない。君は社交界から追放されたということだ」
「別に茶会も夜会も行かなくても我慢できるわ」
「エールトが大きくなっても、共に行くことも出来ないのだぞ?」
「え?」
「当たり前だろう!」
「それは困るわ」
「理由は分からないのだな?不敬な発言はしていないのだな?」
「えっ、ええ、そうよ。覚えがないわ」
ディールズは嘘だと思った。間違いなく心当たりがあるのだ。息子は懐いているが、母親のせいで足を引っ張られるのならば、切り離さなくてはならない。
「君に何かあった場合は義兄上に私に任せて欲しいと頼まれている。調べて貰おう」
「ええ、何かの間違いですわ」
「ああ…」
ミサモエスは今さら王太子殿下とのことが問題になったのだと思った、ディールズには王太子殿下のことは話していないと聞いている。さすがにここで話すことは出来ない。一体何が起きているのだろうか。
『ミサモエス・ジーストを王族への不敬な発言にて、王家の招待から外す』
ミサモエスが受け取ったが、どういうことか分からず、ディールズにはバレてはならないと思い、隠すことにした。きっと言わなければ分からない、王家の催しは病気だとか言って、行かなければ分からないのではないか、出れないなら出れないでしょうがない、きっと大丈夫だと思うことにした。
あれから王太子殿下には近付いていない、話してもいない、側妃だって思うところがあったが我慢し、側妃見習いになったことも知ったが、愚かだと笑いながらも、マリスアルの言ったことは本当だったのだと実感した。
まだディールズから愛しているとは言ってもらえていない、愛を育んでいる最中なのだ。今の生活を脅かされてはたまらない。今さら何だというのか、誘いに乗った殿下も同じだと怒りすらあった。
がしかし、王家主催の夜会が開かれることになり、事は発覚する。
爵位を問わず、王家主催の場合は招待状が必要となる、代理ということは可能だが、申請をしなくてはならない。
受付が大変だと思われるが、爵位順に大体の順番は決まっており、招待されていない人や代理を確認する方が早いので、手間はそれほどではない。
ディールズは夜会のためにミサモエスのドレスを作ろうと思っていたが、王家からの招待状はディールズのみで、ミサモエスは王族の不敬な発言にて、王家の催しの招待から外されていると聞かされたのだ。奥方本人に通達を既に行っている、確認した方がいいとまで言われてしまった。
「王家の催しから外されたというのは、どういうことだ?通達はどこにある?」
「え?」
「王家から通達が来ただろう!」
「そんなもの来ておりません」
「事実を言いなさい。確認を取れば分かるのですよ」
そう言われるとようやく、ミサモエスはすみませんでしたと言いながら、机の奥にしまってあった通達をディールズに渡した。
「不敬を働いたのか」
「いいえ」
「なぜ黙っていた?」
「怖くて。出なければいいだけなのかと思って。そうじゃないの?」
「…」
ディールズは元々、義兄となったソースルとは親しいわけではなかったが、共通の友人から末妹のことで困っていると聞いていた。伴侶を亡くしたところは一緒だったが、その後に寂しいと言って男漁りをしていたという。
私も眉をひそめたが、そのような女性なら何かあっても心が痛まない。他の縁談相手は結婚したら分からないが、表面上は問題はなかった。だからこそ断ったのだ。
紹介して欲しいと頼むと、ソースルは娶ってくれるなら有難い話だが、夢見がちな妹で、本当はお勧めできない。
だけど、これは言いたくはないことだが、子どもだけ産ませて離縁を見据えているのであれば、相応しい存在だとまで言ったのだ。それでも娶ってくれるのであれば、ジースト伯爵家に迷惑を掛けることがないようにするつもりだと、何かあればすぐにこちらで対処すると約束し、だからこそミサモエスとの結婚を決めたのだ。
もう誰も私の手で不幸にしたくはない。
「そういう問題ではない。君は社交界から追放されたということだ」
「別に茶会も夜会も行かなくても我慢できるわ」
「エールトが大きくなっても、共に行くことも出来ないのだぞ?」
「え?」
「当たり前だろう!」
「それは困るわ」
「理由は分からないのだな?不敬な発言はしていないのだな?」
「えっ、ええ、そうよ。覚えがないわ」
ディールズは嘘だと思った。間違いなく心当たりがあるのだ。息子は懐いているが、母親のせいで足を引っ張られるのならば、切り離さなくてはならない。
「君に何かあった場合は義兄上に私に任せて欲しいと頼まれている。調べて貰おう」
「ええ、何かの間違いですわ」
「ああ…」
ミサモエスは今さら王太子殿下とのことが問題になったのだと思った、ディールズには王太子殿下のことは話していないと聞いている。さすがにここで話すことは出来ない。一体何が起きているのだろうか。
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