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番外編1
カリー・カイサック6
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愛人にならないかと誘う貴族もいたが、いい暮らしは期待出来そうだが、自身が愛人になる姿が想像できないことから、会いに行く気になれなかった。
そして、あの通達もどこまでが知っているのか、男爵令嬢ではなくなった今、どんな状況になるのかが分からなかったからでもある。
だが、ここにいても仕方ないと、別の商人に会いに行くことにした。コーエンは同じ男爵家ではあったが、三男で継ぐ家もないため、商人になった男であった。金輪際、他の男と関係を持たず、家で大人しく出来るのなら、結婚を考えてもいいと言ってくれたほど、私を気に入ってくれていた。
ただ結婚をしている可能性はある、嫡男と違って、結婚までが早いのだ。
商家に着くとすぐに彼の顔があり、手を挙げようとすると、コーエンの方から気付いてこちらに向かって来た。
「どちらに行かれたいのですか?それはですね、こちらを」
「何?何を言っているの?」
「黙ってこのまま、ついて来い」
「え?」
裏手の人気のないところに連れて行かれて、どうしたのか、やっぱり結婚していて、不味かったかなと思った。
「ごめんなさい、結婚したの?」
「は?」
「急に訪ねたけど、結婚していたら悪いなって思っていたの」
「君は自身の立場が分かっていないのか?」
「離縁のこと?」
「今までカックス・チセのところにいたんじゃないのか?」
「え?どうして?」
誰にも言っていない、屋敷からもほとんど出ていないのに、二人は知り合いではあるが、親しくはないと言っていた、カックスが自慢気に話したのだろうか。
「今、カックスの家は危ない」
「え?そんな、何も言ってなかったわ、言ってくれたら」
「彼は言わなかったのか。てっきり話しているのかと思った。逆恨みして、あることないこと言われる方が困ると思ったのかもしれないな」
「何よそれ」
ちょっとここで待っていろと言われ、コーエンは走っていったが、休憩にして貰ったと戻って来た。休憩室のような小部屋に案内された。
「少し前に、ある伯爵家の親族の行っている商家が得意先から外された。急にだった、理由は信用ならないからというものだった」
「伯爵家?私は伯爵家なんて、関わりがないわ」
「相手は公爵家だ、王妃陛下の生家。こうなれば、他も追随していく。潰れはしないかもしれないが、今までのような商売も暮らしも出来なくなる」
「どうして私にそんな話をするの?」
なぜ、私にそんな知らない商家や伯爵家の話をするのかが分からない。
「カックスのところも同じだよ。また理由は信用ならないからと、現在進行形で別の貴族の得意先から外されそうになっているんだ。前と似ているとなるだろう」
「それが私のせいだというの?」
「君を囲っていたのを掴んでいるのだろう。信用ならない者を囲っているような商家と言われたそうだ。一体何をしたんだ?不味い相手と関係を持ったのか?」
コーエンは危険でしかないカリーを相手にする気はなかったが、何をしたのかは知っておきたかった。だからわざわざ話をしているのだ。
「そんなことしてないわ。カックスのところだって、二ヶ月居ただけよ、どうして」
「取引が減ったのは二ヶ月前くらいからだそうだ。二ヶ月もあれば、物事は動くさ。本当に心当たりがないのか?」
「恨むなら実家じゃないの?」
「実家とは縁を切られているんじゃないか?」
「…それは」
「前に慰謝料を払って貰ったと言っていたな、今回もじゃないのか?」
「それはそうだけど」
もはや男爵令嬢ですらない、コーエンは親もここまで面倒を看てくれたものだとすら思う。カリーはどうせ貴族の愛人になるのではないかと思っていたが、子爵令息と結婚すると聞いた時は驚いたものだった。
身体の相性だけは良かったので、妻にしてもいいかと思ったが、不貞をする恐れがあるので、商人としては、条件付きならと言ったことがあったが、カリーは受け入れなかった。だが、こうなった今、心底良かったと思っている。
そして、あの通達もどこまでが知っているのか、男爵令嬢ではなくなった今、どんな状況になるのかが分からなかったからでもある。
だが、ここにいても仕方ないと、別の商人に会いに行くことにした。コーエンは同じ男爵家ではあったが、三男で継ぐ家もないため、商人になった男であった。金輪際、他の男と関係を持たず、家で大人しく出来るのなら、結婚を考えてもいいと言ってくれたほど、私を気に入ってくれていた。
ただ結婚をしている可能性はある、嫡男と違って、結婚までが早いのだ。
商家に着くとすぐに彼の顔があり、手を挙げようとすると、コーエンの方から気付いてこちらに向かって来た。
「どちらに行かれたいのですか?それはですね、こちらを」
「何?何を言っているの?」
「黙ってこのまま、ついて来い」
「え?」
裏手の人気のないところに連れて行かれて、どうしたのか、やっぱり結婚していて、不味かったかなと思った。
「ごめんなさい、結婚したの?」
「は?」
「急に訪ねたけど、結婚していたら悪いなって思っていたの」
「君は自身の立場が分かっていないのか?」
「離縁のこと?」
「今までカックス・チセのところにいたんじゃないのか?」
「え?どうして?」
誰にも言っていない、屋敷からもほとんど出ていないのに、二人は知り合いではあるが、親しくはないと言っていた、カックスが自慢気に話したのだろうか。
「今、カックスの家は危ない」
「え?そんな、何も言ってなかったわ、言ってくれたら」
「彼は言わなかったのか。てっきり話しているのかと思った。逆恨みして、あることないこと言われる方が困ると思ったのかもしれないな」
「何よそれ」
ちょっとここで待っていろと言われ、コーエンは走っていったが、休憩にして貰ったと戻って来た。休憩室のような小部屋に案内された。
「少し前に、ある伯爵家の親族の行っている商家が得意先から外された。急にだった、理由は信用ならないからというものだった」
「伯爵家?私は伯爵家なんて、関わりがないわ」
「相手は公爵家だ、王妃陛下の生家。こうなれば、他も追随していく。潰れはしないかもしれないが、今までのような商売も暮らしも出来なくなる」
「どうして私にそんな話をするの?」
なぜ、私にそんな知らない商家や伯爵家の話をするのかが分からない。
「カックスのところも同じだよ。また理由は信用ならないからと、現在進行形で別の貴族の得意先から外されそうになっているんだ。前と似ているとなるだろう」
「それが私のせいだというの?」
「君を囲っていたのを掴んでいるのだろう。信用ならない者を囲っているような商家と言われたそうだ。一体何をしたんだ?不味い相手と関係を持ったのか?」
コーエンは危険でしかないカリーを相手にする気はなかったが、何をしたのかは知っておきたかった。だからわざわざ話をしているのだ。
「そんなことしてないわ。カックスのところだって、二ヶ月居ただけよ、どうして」
「取引が減ったのは二ヶ月前くらいからだそうだ。二ヶ月もあれば、物事は動くさ。本当に心当たりがないのか?」
「恨むなら実家じゃないの?」
「実家とは縁を切られているんじゃないか?」
「…それは」
「前に慰謝料を払って貰ったと言っていたな、今回もじゃないのか?」
「それはそうだけど」
もはや男爵令嬢ですらない、コーエンは親もここまで面倒を看てくれたものだとすら思う。カリーはどうせ貴族の愛人になるのではないかと思っていたが、子爵令息と結婚すると聞いた時は驚いたものだった。
身体の相性だけは良かったので、妻にしてもいいかと思ったが、不貞をする恐れがあるので、商人としては、条件付きならと言ったことがあったが、カリーは受け入れなかった。だが、こうなった今、心底良かったと思っている。
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