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番外編1
ミアローズ・エモンド1
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『私以外にリールに相応しい相手はいないのよ、本来なら私が正妃、あなたがよくて側妃だったのに。語学なんて何の役に立つとのかしら。私は語学なんかより価値のある存在なのよ。あなたが代わり?出来るはずがないと気付かないのかしら。 ーミアローズ・エモンドー』
曾祖父は国王陛下、祖母は元王女、父は公爵家嫡男、母は元侯爵令嬢、エモンド公爵家のご令嬢。これがミアローズの生まれ持った武器であった。
「ミアローズは本当に愛らしいな」
「ミアローズはお姫様ね」
そして、ミアローズは生まれた時からお姫様扱いされて、生きることが当たり前であった。だが、公爵邸を一歩出れば、お姫様ではなく、エモンド公爵令嬢。十分ではないかと思うが、ミアローズは外でもお姫様として扱って欲しかった。
「ミアはお姫様って呼ばれたいの」
「公爵令嬢だって十分お姫様だよ。王家には姫がいないから、同じ年頃でミアローズより爵位の高い者はいないんだよ?」
「でも他の公爵家にも令嬢がいるって聞いたわ」
「うーん、そうだな、ならば王太子殿下の妻になれば、本当のお姫様になれるぞ」
「本当?じゃあ、ミアがなってあげる」
「沢山勉強して、淑女にならなければならないぞ?出来るか?」
「もちろんよ、だってミアより相応しいお姫様はいないでしょう?」
公爵夫妻はミアローズに最高の教師を付けたが、『そんなのわからない』『こんなこと憶えて何になるの!』『私の価値を分かっていない』などと喚いて勉強は進まず、貴族のマナーの方は出来ないと、パーティーにも参加できない、公爵令嬢は出来て当たり前だと言われれば、何とか必死で憶えることが出来た。頭ではなく、身体で憶えさせるということは可能らしい。
座学はその場では分かったというが、全く憶えておらず、そんな授業は受けていないと言い出す始末であった。そして肝心の語学力が一番酷かった。
「全く憶えられません」
「どの言葉もか?」
「はい、周りを別の言語の者に全員変えれば、いつかは身に付くかもしれません」
王太子の婚約者の必須である語学力は、さすがに誤魔化すことは不可能だと悟った公爵夫妻は王太子の婚約者にすることは諦めた。
「王太子の婚約者は無理だ、諦めなさい」
「どうしてよ、頑張ったわ」
「他の国の言葉が憶えられたか?」
「えーっと、『こんにちは(ノワンナ語)』でしょう?」
「他には?」
「えーっと、何だったかしら」
「母国語に加えて、あと三ヶ国語必要になるんだ。別人に変わって貰うことも出来ない、こればかりは無理なんだ」
教師が毎回、こんにちはだけは使っていたので、憶えられたのだろう。アペラ語とカベリ語は憶えていなかった。語学の教師は去り、他の教科の教師ももう少し、簡単なことから始めた方がいいと、去って行ってしまった。
そして、王太子殿下の婚約者はサリー・ペルガメント侯爵令嬢に決まったと発表され、ミアローズは完全に無理だと決定した。
「何でよ、公爵家ですらないじゃない!」
「大変、頭のいい子らしい」
「何よ、そんなもの!」
「そうは言っても決まりなんだ。語学が出来なくては恥を掻くのはミアローズなんだよ。勉強もしたくないんだろう?」
「それはそうだけど」
「他国の言語に縛りのない国の王族に話をしようと思っていたのだが」
「えっ、他国?」
「そうだ、そうすれば、ミアローズはお姫様になれるんだ」
「小さな国の格好良くない王子なんて嫌よ」
「じゃあ、お姫様は諦めるか?」
「うーん、でも会うだけなら会ってみてもいいわ」
「分かった、探してみよう」
ミアローズの学園をよく卒業出来たなというほど、成績は最低であった。教師が気を使い、公爵夫妻にも協力を得て、補習でどうにか卒業させたのだ。
ただ周りは公爵令嬢という立場から、他の公爵令嬢は皆、賢かったので、そうは思っていなかった。しかも、見た目だけは美しく、魅惑的な身体をしていることは間違いなかったが、本当に見た目だけであった。
母親に所作だけは身に付けないと公爵令嬢に相応しくない、下品だと思われると言われて、身に付けているため、一目では分からない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
お読みいただきありがとうございます。
色狂いミアローズ・エモンドの回となります。
まだ執筆中ですので、何話になるかは未定です。
よろしくお願いいたします。
曾祖父は国王陛下、祖母は元王女、父は公爵家嫡男、母は元侯爵令嬢、エモンド公爵家のご令嬢。これがミアローズの生まれ持った武器であった。
「ミアローズは本当に愛らしいな」
「ミアローズはお姫様ね」
そして、ミアローズは生まれた時からお姫様扱いされて、生きることが当たり前であった。だが、公爵邸を一歩出れば、お姫様ではなく、エモンド公爵令嬢。十分ではないかと思うが、ミアローズは外でもお姫様として扱って欲しかった。
「ミアはお姫様って呼ばれたいの」
「公爵令嬢だって十分お姫様だよ。王家には姫がいないから、同じ年頃でミアローズより爵位の高い者はいないんだよ?」
「でも他の公爵家にも令嬢がいるって聞いたわ」
「うーん、そうだな、ならば王太子殿下の妻になれば、本当のお姫様になれるぞ」
「本当?じゃあ、ミアがなってあげる」
「沢山勉強して、淑女にならなければならないぞ?出来るか?」
「もちろんよ、だってミアより相応しいお姫様はいないでしょう?」
公爵夫妻はミアローズに最高の教師を付けたが、『そんなのわからない』『こんなこと憶えて何になるの!』『私の価値を分かっていない』などと喚いて勉強は進まず、貴族のマナーの方は出来ないと、パーティーにも参加できない、公爵令嬢は出来て当たり前だと言われれば、何とか必死で憶えることが出来た。頭ではなく、身体で憶えさせるということは可能らしい。
座学はその場では分かったというが、全く憶えておらず、そんな授業は受けていないと言い出す始末であった。そして肝心の語学力が一番酷かった。
「全く憶えられません」
「どの言葉もか?」
「はい、周りを別の言語の者に全員変えれば、いつかは身に付くかもしれません」
王太子の婚約者の必須である語学力は、さすがに誤魔化すことは不可能だと悟った公爵夫妻は王太子の婚約者にすることは諦めた。
「王太子の婚約者は無理だ、諦めなさい」
「どうしてよ、頑張ったわ」
「他の国の言葉が憶えられたか?」
「えーっと、『こんにちは(ノワンナ語)』でしょう?」
「他には?」
「えーっと、何だったかしら」
「母国語に加えて、あと三ヶ国語必要になるんだ。別人に変わって貰うことも出来ない、こればかりは無理なんだ」
教師が毎回、こんにちはだけは使っていたので、憶えられたのだろう。アペラ語とカベリ語は憶えていなかった。語学の教師は去り、他の教科の教師ももう少し、簡単なことから始めた方がいいと、去って行ってしまった。
そして、王太子殿下の婚約者はサリー・ペルガメント侯爵令嬢に決まったと発表され、ミアローズは完全に無理だと決定した。
「何でよ、公爵家ですらないじゃない!」
「大変、頭のいい子らしい」
「何よ、そんなもの!」
「そうは言っても決まりなんだ。語学が出来なくては恥を掻くのはミアローズなんだよ。勉強もしたくないんだろう?」
「それはそうだけど」
「他国の言語に縛りのない国の王族に話をしようと思っていたのだが」
「えっ、他国?」
「そうだ、そうすれば、ミアローズはお姫様になれるんだ」
「小さな国の格好良くない王子なんて嫌よ」
「じゃあ、お姫様は諦めるか?」
「うーん、でも会うだけなら会ってみてもいいわ」
「分かった、探してみよう」
ミアローズの学園をよく卒業出来たなというほど、成績は最低であった。教師が気を使い、公爵夫妻にも協力を得て、補習でどうにか卒業させたのだ。
ただ周りは公爵令嬢という立場から、他の公爵令嬢は皆、賢かったので、そうは思っていなかった。しかも、見た目だけは美しく、魅惑的な身体をしていることは間違いなかったが、本当に見た目だけであった。
母親に所作だけは身に付けないと公爵令嬢に相応しくない、下品だと思われると言われて、身に付けているため、一目では分からない。
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お読みいただきありがとうございます。
色狂いミアローズ・エモンドの回となります。
まだ執筆中ですので、何話になるかは未定です。
よろしくお願いいたします。
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