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第7章 闇と過去との決着
第63話 商業都市の混乱鎮圧
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戦士と腕輪 第63話 商業都市の混乱鎮圧
少年が有力商人の部屋へ入って暗黒騎士と戦っていた頃、ウォーリヤーは巨大ゴブリンとデーモンを相手に1人で奮闘していた。後方で、シスターが見守っていたが、あぶないので戦闘には参加していなかった。
「やはり、巨大ゴブリンならなんとかなるが、デーモンも相手にすると厄介だな。」
「グファー。どうした。さっきまでの威勢は。1人で戦うとなると、自信がなくなったか。シャー。」
「ウゴ。ウゴゴ。ドーン。」
巨大ゴブリンとデーモンは同時に攻撃を繰り出すと、ウォーリヤーは防戦一方になってしまうのであった。2対1の不利な状況に追い詰められたウォーリヤーであったが、彼にも打開策はあった。今までと違い、自分の秘密を共有する仲間がいるので自制していた必殺技を使いやすくなっており、盤面をひっくり返せるのであった。ウォーリヤーは後方に軽く飛んで、デーモンと距離を取ると、巨躯の斧を構えて力をためるようにするのであった。
「うおー。いくぜ。斧技、ブレイク。ズババババーン。」
「ガキッ。ズシャーン。グファー。なんだと。こんな強烈な攻撃を。グフ。」
ウォーリヤーは力をためて横一線に強力な斬撃を放つと、デーモンを真っ二つに切り裂いてしまうのであった。デーモンも鋭い爪で防御しようとしたが、爪もろともやられてしまった。
「ふぅー。とりあえず、厄介なデーモンを仕留められたな。」
ウォーリヤーがデーモンを倒して、一息ついた直後、手にしていた巨躯の斧の中心部が光を発し始めていた。
「おーっと。やっぱり、来やがったぜ。」
斧の中心部にあるクリスタルの飾りがオレンジ色に光り始めるとそこからオレンジ色の布が放出されて、ウォーリヤーの体を這うように包み込んでいき、全身を覆うようになるまで出続けるのであった。全身をオレンジ色の布で覆われてしまったウォーリヤーの体に変化が起こり始めた。大柄であったウォーリヤーの体が徐々に縮み始めていた。
「うご。ごわ。か、体がー。」
ごつかった腕や長く太かった脚もどんどんと縮んでいくと少年と同じくらいか
少し小さくなるまでに至った。さらに変化は体の縮小だけでは済まなかった。太かった腕が色白の細長いものへと変化していくとごつごつとした男らしい手は白く細い指を有した小さな手へと変貌した。脚も細くスラリとして、太ももには適度にむっちりとした太さが残るのであった。
「か、体が変わっていきやがる。ぐわー。」
さらに筋肉で大きく厚かった胸板は体が縮んだことで薄くなっていたが、そこに脂肪が注ぎ込まれるかのようについていくと徐々に胸が膨らみ始めていった。最初はりんごくらいのサイズであったが、どんどんと膨らんでいくとメロン手前のサイズにまで膨張するのであった。そして仕上げにピンク色の乳首や乳輪が形成されるのであった。
「む、胸が膨らむ。やめろー。」
これに合わせて、お尻の方も適度に膨らみ、きれいな美尻が形成されていった。これとは対照的に腰の部分はキュッとくびれていくのであった。最後は頭部であり、顔の形が卵形になると、目もくりっとした可愛らしいものとなり、まつ毛も伸びて、唇もぷくっと膨らむのであった。髪も首の途中まで伸びてショートボブの髪型になるのであった。
「あ、あ。あーん。」
体の変化が終わったウォーリヤーの口からは可愛い甲高い少女のような声が発せられた。変化はこれで済まず、着ていた服も変化が及び、足元は白色のローファーの靴となり、太ももまである長く白いニーソックス、純白のパンティー、白色のミニのフレアスカートを履かされており、純白の刺繍入りのブラジャーがFカップの大きな胸を包み込んでおり、オレンジ色のショート丈のジャケットを着させられていた。最後に顔に化粧がされると、ナチュラルメイクが施されて、唇に薄い赤色の口紅が塗られるのであった。
「うふーん。変身が終わったみたいです。」
ウォーリヤーの立っていた場所には、10代後半の可憐な少女が立っており、細身ではあったが、巨乳でナイスバディの美女であった。ウォーリヤーの持っていた巨躯の斧は細長いレイピアに変貌しており、その柄にオレンジ色のクリスタルが装飾されていた。彼女はレイピア使いであった。
「じゃあ。あとは、あなただけですね。シューティングスター。ズキューン。」
「ウゴ。ウゴゴ。グフ。」
レイピア使いは変身直後にも関わらず必殺技を発動すると、高速かつ強烈な威力の刺突をレイピアで繰り出して、巨大ゴブリンの胸を貫くのであった。やられた巨大ゴブリンはその場に崩れ落ちるように倒れた。
「この場のモンスターは全部倒せましたね。じゃあ。あとは奥の部屋に加勢に行ってきます。うふ。」
「あ、あなた。ちょっと待ちなさい。また、ハレンチなことを企んでませんか。」
レイピア使いは巨大ゴブリンを倒したので、少年の加勢に有力商人の部屋へ行こうとするが、その言葉と表情に、大きな懸念を抱いたシスターもレイピア使いを追うように有力商人の部屋へ行くのであった。
「あの襲ってきた黒い甲冑の騎士なのですが、実は、昔に商売で関わったことがある人物かもしれません。」
「あなたの知り合いだったのですか。」
有力商人の部屋では暗黒騎士を撃退した後で、有力商人が暗黒騎士に関して少年に知っていることを話し始めるのであった。
「今から20年くらい前になります。この商会を立ち上げて間もない頃で、昼夜問わず、危険な場所にも行っていたので、護衛として戦士をたびたび雇って、馬車を守ってもらったりしていました。その戦士の1人にあの黒い甲冑の騎士がおりました。なかなか強くて、騎士を目指していると言ってました。しばらくして、姿を見せなくなったので、故郷の辺境の村へ帰ったものとばかり思っておりました。それがまさか、黒のオーブのために襲ってくるとは。」
「辺境の村ですか。俺と同じ村の出身だったんですね。」
少年は有力商人の話から暗黒騎士の正体が元は辺境の村の出身の戦士であると聞くとある種の因縁というかもしくは結び付きを感じるのであった。有力商人との話も終わった頃、部屋に急いで入ってくる足音が聞こえてきた。
「今、加勢に来ました。敵はどこですか。」
「ちょっと。あなた、またハレンチなことをしようと企んでますね。」
レイピア使いとシスターが有力商人の部屋に我先にと駆け込んできた。しかし、有力商人の部屋には敵がおらず、2人はきょとんとするのであった。
「あっ。せっかく加勢に来てもらって助かりますが、襲ってきた暗黒騎士は俺が撃退しました。」
「おー。あなたは、確か、職業がシスターでしたよね。この部屋に倒れている戦士の方々や建物内の戦士の方々を回復魔法で応急処置してください。」
「わかりました。おまかせください。すぐに取りかかります。」
少年がすでに暗黒騎士を撃退したと聞いたレイピア使いとシスターは我に帰り自分たちの行動がバカバカしくて、少し赤面するのであるが、早速、有力商人がシスターに倒れている戦士たちの応急処置を依頼するのであった。シスターはすぐに倒れている戦士のところへ駆け寄るのであった。少年もまだやることがあると思い、レイピア使いに声をかけるのであった。
「俺たちは商業都市内にいるモンスターの残党を掃討しましょう。」
「わ、わかりました。がんばります。」
レイピア使いは笑顔で応えると先に商会の建物から出ようと部屋から去るのであった。少年も部屋を出ようとするが、部屋の隅に身を潜めていた洞窟の主が少年の肩に乗ってくるのであった。
「キシャー。」
「ああ。人前だから、しゃべれないですよね。あとで話があれば聞きますよ。」
洞窟の主は何かを少年に話したそうな顔で鳴き声を出していたが、少年があとで話を聞くと伝えると黙って少年の肩でとぐろを巻くのであった。この後、少年とレイピア使いは商業都市内をくまなく回って、残っていたモンスターたちを自警団や斡旋所の戦士たちと協力して掃討していくのであった。
「ふう。モンスターはあらかた全部倒しましたね。」
「おう。そうだな。オレも今日は相当戦ったぜ。こんなのは久しぶりだぜ。必殺技も使ったからな。」
数時間後、ウォーリヤーも元に戻っており、モンスターを掃討した少年とウォーリヤーの2人は有力商人の商会の建物にシスターを迎えに行こうとしていた。しかし、市場を通りかかったところである光景が2人の目に飛び込んできた。
「おーい。こっちのガレキを運んでくれ。」
「あー。わかった。この仮設の店舗用の木材を下ろしたら、すぐに運ぶよ。」
市場の店主たちが懸命にモンスターに壊されてしまった店のガレキを片付けたり、仮設の店舗を準備したりしていた。少年とウォーリヤーも素通りするわけにはいかなかった。
「オレたちにも手伝わせてくれ。この木材を下ろせばいいんだな。よいしょっと。」
「俺にも運ばせてください。うんしょっと。」
こうして、少年とウォーリヤーの2人は市場の後片付けを手伝うのであった。数時間後、市場の後片付けもほとんど終わり、少年とウォーリヤーは今度こそシスターを迎えに有力商人の商会の建物に向かうのであった。
「迎えにきました。市場の後片付けにも参加したので、時間がかかってしまいました。」
「私も負傷者の治療がやっと片付いたのでちょうどよかったですよ。」
シスターも商会の建物での治療を終えたところであり、タイミングが良かったようで、少年たちはそろって宿屋へ向かって帰るのであった。食事を終えた少年たちは宿屋の少年の部屋に集まっていた。洞窟の主が少年に話したいことがあるらしく、シスターやウォーリヤーもそれを聞きに少年の部屋に来ていた。
「キシャー。やっと、しゃべれるニョロ。まずは、暗黒剣の使い手を撃退したことは見事だったニョロ。あのまま、黒のオーブを持ち去られていたら、まずかったニョロ。」
「暗黒騎士と黒のオーブには一体どんな関係があるのですか。」
洞窟の主が少年の健闘を讃えるが、少年は暗黒騎士と黒のオーブの関係について早速質問するのであった。洞窟の主は神妙な面持ちでしゃべるのであった。
「キシャー。暗黒剣や黒のオーブは大昔に世界を暴れ回ったとんでもない悪党の征伐に関わるものニョロよ。暗黒剣の使い手はおそらく黒のオーブを手に入れて何かとんでもないことを起こすつもりニョロよ。我も詳しくはわからないが、暗黒剣の使い手が活動を始めるとろくでもないことが起こるニョロよ。」
「やはり、暗黒騎士をこのまま放置しておくと、とんでもないことを引き起こしてしまうのですね。」
少年は洞窟の主の話を聞いて、暗黒騎士が黒のオーブを狙う理由を知り、彼の活動を放置することはできないと判断するのであった。
少年が有力商人の部屋へ入って暗黒騎士と戦っていた頃、ウォーリヤーは巨大ゴブリンとデーモンを相手に1人で奮闘していた。後方で、シスターが見守っていたが、あぶないので戦闘には参加していなかった。
「やはり、巨大ゴブリンならなんとかなるが、デーモンも相手にすると厄介だな。」
「グファー。どうした。さっきまでの威勢は。1人で戦うとなると、自信がなくなったか。シャー。」
「ウゴ。ウゴゴ。ドーン。」
巨大ゴブリンとデーモンは同時に攻撃を繰り出すと、ウォーリヤーは防戦一方になってしまうのであった。2対1の不利な状況に追い詰められたウォーリヤーであったが、彼にも打開策はあった。今までと違い、自分の秘密を共有する仲間がいるので自制していた必殺技を使いやすくなっており、盤面をひっくり返せるのであった。ウォーリヤーは後方に軽く飛んで、デーモンと距離を取ると、巨躯の斧を構えて力をためるようにするのであった。
「うおー。いくぜ。斧技、ブレイク。ズババババーン。」
「ガキッ。ズシャーン。グファー。なんだと。こんな強烈な攻撃を。グフ。」
ウォーリヤーは力をためて横一線に強力な斬撃を放つと、デーモンを真っ二つに切り裂いてしまうのであった。デーモンも鋭い爪で防御しようとしたが、爪もろともやられてしまった。
「ふぅー。とりあえず、厄介なデーモンを仕留められたな。」
ウォーリヤーがデーモンを倒して、一息ついた直後、手にしていた巨躯の斧の中心部が光を発し始めていた。
「おーっと。やっぱり、来やがったぜ。」
斧の中心部にあるクリスタルの飾りがオレンジ色に光り始めるとそこからオレンジ色の布が放出されて、ウォーリヤーの体を這うように包み込んでいき、全身を覆うようになるまで出続けるのであった。全身をオレンジ色の布で覆われてしまったウォーリヤーの体に変化が起こり始めた。大柄であったウォーリヤーの体が徐々に縮み始めていた。
「うご。ごわ。か、体がー。」
ごつかった腕や長く太かった脚もどんどんと縮んでいくと少年と同じくらいか
少し小さくなるまでに至った。さらに変化は体の縮小だけでは済まなかった。太かった腕が色白の細長いものへと変化していくとごつごつとした男らしい手は白く細い指を有した小さな手へと変貌した。脚も細くスラリとして、太ももには適度にむっちりとした太さが残るのであった。
「か、体が変わっていきやがる。ぐわー。」
さらに筋肉で大きく厚かった胸板は体が縮んだことで薄くなっていたが、そこに脂肪が注ぎ込まれるかのようについていくと徐々に胸が膨らみ始めていった。最初はりんごくらいのサイズであったが、どんどんと膨らんでいくとメロン手前のサイズにまで膨張するのであった。そして仕上げにピンク色の乳首や乳輪が形成されるのであった。
「む、胸が膨らむ。やめろー。」
これに合わせて、お尻の方も適度に膨らみ、きれいな美尻が形成されていった。これとは対照的に腰の部分はキュッとくびれていくのであった。最後は頭部であり、顔の形が卵形になると、目もくりっとした可愛らしいものとなり、まつ毛も伸びて、唇もぷくっと膨らむのであった。髪も首の途中まで伸びてショートボブの髪型になるのであった。
「あ、あ。あーん。」
体の変化が終わったウォーリヤーの口からは可愛い甲高い少女のような声が発せられた。変化はこれで済まず、着ていた服も変化が及び、足元は白色のローファーの靴となり、太ももまである長く白いニーソックス、純白のパンティー、白色のミニのフレアスカートを履かされており、純白の刺繍入りのブラジャーがFカップの大きな胸を包み込んでおり、オレンジ色のショート丈のジャケットを着させられていた。最後に顔に化粧がされると、ナチュラルメイクが施されて、唇に薄い赤色の口紅が塗られるのであった。
「うふーん。変身が終わったみたいです。」
ウォーリヤーの立っていた場所には、10代後半の可憐な少女が立っており、細身ではあったが、巨乳でナイスバディの美女であった。ウォーリヤーの持っていた巨躯の斧は細長いレイピアに変貌しており、その柄にオレンジ色のクリスタルが装飾されていた。彼女はレイピア使いであった。
「じゃあ。あとは、あなただけですね。シューティングスター。ズキューン。」
「ウゴ。ウゴゴ。グフ。」
レイピア使いは変身直後にも関わらず必殺技を発動すると、高速かつ強烈な威力の刺突をレイピアで繰り出して、巨大ゴブリンの胸を貫くのであった。やられた巨大ゴブリンはその場に崩れ落ちるように倒れた。
「この場のモンスターは全部倒せましたね。じゃあ。あとは奥の部屋に加勢に行ってきます。うふ。」
「あ、あなた。ちょっと待ちなさい。また、ハレンチなことを企んでませんか。」
レイピア使いは巨大ゴブリンを倒したので、少年の加勢に有力商人の部屋へ行こうとするが、その言葉と表情に、大きな懸念を抱いたシスターもレイピア使いを追うように有力商人の部屋へ行くのであった。
「あの襲ってきた黒い甲冑の騎士なのですが、実は、昔に商売で関わったことがある人物かもしれません。」
「あなたの知り合いだったのですか。」
有力商人の部屋では暗黒騎士を撃退した後で、有力商人が暗黒騎士に関して少年に知っていることを話し始めるのであった。
「今から20年くらい前になります。この商会を立ち上げて間もない頃で、昼夜問わず、危険な場所にも行っていたので、護衛として戦士をたびたび雇って、馬車を守ってもらったりしていました。その戦士の1人にあの黒い甲冑の騎士がおりました。なかなか強くて、騎士を目指していると言ってました。しばらくして、姿を見せなくなったので、故郷の辺境の村へ帰ったものとばかり思っておりました。それがまさか、黒のオーブのために襲ってくるとは。」
「辺境の村ですか。俺と同じ村の出身だったんですね。」
少年は有力商人の話から暗黒騎士の正体が元は辺境の村の出身の戦士であると聞くとある種の因縁というかもしくは結び付きを感じるのであった。有力商人との話も終わった頃、部屋に急いで入ってくる足音が聞こえてきた。
「今、加勢に来ました。敵はどこですか。」
「ちょっと。あなた、またハレンチなことをしようと企んでますね。」
レイピア使いとシスターが有力商人の部屋に我先にと駆け込んできた。しかし、有力商人の部屋には敵がおらず、2人はきょとんとするのであった。
「あっ。せっかく加勢に来てもらって助かりますが、襲ってきた暗黒騎士は俺が撃退しました。」
「おー。あなたは、確か、職業がシスターでしたよね。この部屋に倒れている戦士の方々や建物内の戦士の方々を回復魔法で応急処置してください。」
「わかりました。おまかせください。すぐに取りかかります。」
少年がすでに暗黒騎士を撃退したと聞いたレイピア使いとシスターは我に帰り自分たちの行動がバカバカしくて、少し赤面するのであるが、早速、有力商人がシスターに倒れている戦士たちの応急処置を依頼するのであった。シスターはすぐに倒れている戦士のところへ駆け寄るのであった。少年もまだやることがあると思い、レイピア使いに声をかけるのであった。
「俺たちは商業都市内にいるモンスターの残党を掃討しましょう。」
「わ、わかりました。がんばります。」
レイピア使いは笑顔で応えると先に商会の建物から出ようと部屋から去るのであった。少年も部屋を出ようとするが、部屋の隅に身を潜めていた洞窟の主が少年の肩に乗ってくるのであった。
「キシャー。」
「ああ。人前だから、しゃべれないですよね。あとで話があれば聞きますよ。」
洞窟の主は何かを少年に話したそうな顔で鳴き声を出していたが、少年があとで話を聞くと伝えると黙って少年の肩でとぐろを巻くのであった。この後、少年とレイピア使いは商業都市内をくまなく回って、残っていたモンスターたちを自警団や斡旋所の戦士たちと協力して掃討していくのであった。
「ふう。モンスターはあらかた全部倒しましたね。」
「おう。そうだな。オレも今日は相当戦ったぜ。こんなのは久しぶりだぜ。必殺技も使ったからな。」
数時間後、ウォーリヤーも元に戻っており、モンスターを掃討した少年とウォーリヤーの2人は有力商人の商会の建物にシスターを迎えに行こうとしていた。しかし、市場を通りかかったところである光景が2人の目に飛び込んできた。
「おーい。こっちのガレキを運んでくれ。」
「あー。わかった。この仮設の店舗用の木材を下ろしたら、すぐに運ぶよ。」
市場の店主たちが懸命にモンスターに壊されてしまった店のガレキを片付けたり、仮設の店舗を準備したりしていた。少年とウォーリヤーも素通りするわけにはいかなかった。
「オレたちにも手伝わせてくれ。この木材を下ろせばいいんだな。よいしょっと。」
「俺にも運ばせてください。うんしょっと。」
こうして、少年とウォーリヤーの2人は市場の後片付けを手伝うのであった。数時間後、市場の後片付けもほとんど終わり、少年とウォーリヤーは今度こそシスターを迎えに有力商人の商会の建物に向かうのであった。
「迎えにきました。市場の後片付けにも参加したので、時間がかかってしまいました。」
「私も負傷者の治療がやっと片付いたのでちょうどよかったですよ。」
シスターも商会の建物での治療を終えたところであり、タイミングが良かったようで、少年たちはそろって宿屋へ向かって帰るのであった。食事を終えた少年たちは宿屋の少年の部屋に集まっていた。洞窟の主が少年に話したいことがあるらしく、シスターやウォーリヤーもそれを聞きに少年の部屋に来ていた。
「キシャー。やっと、しゃべれるニョロ。まずは、暗黒剣の使い手を撃退したことは見事だったニョロ。あのまま、黒のオーブを持ち去られていたら、まずかったニョロ。」
「暗黒騎士と黒のオーブには一体どんな関係があるのですか。」
洞窟の主が少年の健闘を讃えるが、少年は暗黒騎士と黒のオーブの関係について早速質問するのであった。洞窟の主は神妙な面持ちでしゃべるのであった。
「キシャー。暗黒剣や黒のオーブは大昔に世界を暴れ回ったとんでもない悪党の征伐に関わるものニョロよ。暗黒剣の使い手はおそらく黒のオーブを手に入れて何かとんでもないことを起こすつもりニョロよ。我も詳しくはわからないが、暗黒剣の使い手が活動を始めるとろくでもないことが起こるニョロよ。」
「やはり、暗黒騎士をこのまま放置しておくと、とんでもないことを引き起こしてしまうのですね。」
少年は洞窟の主の話を聞いて、暗黒騎士が黒のオーブを狙う理由を知り、彼の活動を放置することはできないと判断するのであった。
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