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第5章 新たなる旅路
第50話 シスターの奮闘
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戦士と腕輪 第50話 シスターの奮闘
商業都市の斡旋所で引き受けた森のモンスター退治のクエストで、少年とシスターは森の中にいた。初戦を余裕で勝利した2人は昼食を取った後、再び、森の中にいるであろうモンスターを捜索するのであった。
「さあ、他にもゴブリンがいるでしょうから、探してちゃっちゃと倒しましょう。」
「はい。先ほどの戦闘で投石紐が有効だと実戦で証明できましたから、私もがんばって、ゴブリンを倒していきます。」
2人は昼食もとり、やる気満々でそんなことを言いながら、森の中を歩いていくのであった。しばらくしてモンスターを探して静かに歩いていると、少年は何かの気配に気づくのであった。
「し、静かにしてください。この先に何かの気配がします。モンスターかも。」
「はい。静かにゆっくり歩いていきます。」
少年とシスターはかがんでゆっくりと音を立てないように歩いていき、茂みの手前で止まって、辺りの様子を伺うのであった。
「ウケ。ウケ。」
「あっ。ゴブリンだ。しかも、3匹程度いるぞ。周りには他のゴブリンやモンスターもいなさそうだな。」
「本当ですね。これなら、先ほどと同じく、私が先に投石紐で投石攻撃をして、残りを倒していただければ、勝てますね。」
2人は互いに目を合わせて、すぐにうなづくと、シスターが、早速、投石攻撃の準備に入り、近くで歩いていたときに拾った小石を投石紐で包むと紐の両端を持って、ブンブンと振り回すのであった。少年も茂みの中を進んで、すぐに飛び出せるように構えるのであった。
「ブン、ブン、ブン、ヒューン。」
「ウケ。グフ。ウ、ウケ。」
シスターは遠心力をつけて、投石紐の片端を外すと、小石が勢いよく飛んでいくのであった。一番手前にいたゴブリンの頭に着弾するとゴブリンが倒れ込むが、うめき声をあげて、その場にうずくまるのであった。
「投石が当たったゴブリンはまだ倒されていないが、あれでは、動けないな。
十分だ。行きます。」
少年は投石攻撃を受けたゴブリンが動けそうにないと判断すると、残りのゴブリン2匹を倒すために茂みから飛び出すのであった。シスターも次の攻撃の準備に入っていた。
「行くぞ。うりゃー。とりゃー。」
「ウケ。カキン。」
「な、やるな。」
少年がゴブリンに飛びかかって、黒鉄剣で斬りかかるのであるが、ゴブリンはなんとか棍棒で受け切るのであった。それでも、ゴブリンは大きく体勢を崩しており、もう1匹も驚いてあたふたしている感じであった。少年は体勢を崩したゴブリンにとどめを刺せると確信した。しかし、そのときであった。
「きゃあ。ガキーン。」
「危ない。ど、どうしました。」
少年の後方からシスターの悲鳴と共にシスターが杖を構えた状態で吹き飛ばされてくるのであった。少年は吹き飛ばされてきたシスターをなんとか受け止めてあげるのであった。
「投石攻撃の準備をしていたら、急に背後から攻撃を受けそうになったので杖で防ごうとしたのですが、体ごと吹き飛ばされてしまいました。最近のゴブリンは強力なんですね。」
シスターは体ごと吹き飛ばされたが、杖で防御していたことや少年が受け止めてくれたおかげでケガはなく、すぐに立ち上がり、ゴブリンの強力さに驚くのであるが、少年はそう理解しなかった。
「いえ。ゴブリンにこんな力はありません。まさか。他のモンスターが。」
「ウゴ、ウゴ。」
少年の予感は的中し、茂みの中から、巨大ゴブリンが現れるのであった。体勢を崩していたゴブリンも持ち直して、棍棒を構えると、少年とシスターは戦闘可能なゴブリン2匹と巨大ゴブリン1匹に挟まれる形になるのであった。
「まずいな。俺1人なら後方に下がって立て直せるが、2人となるとここで踏ん張るしかないな。それとも、隙をついて2人で後方に下がるか。」
「私の方はケガもないので走っても大丈夫です。」
少年はゴブリンと巨大ゴブリンに挟み討ちの状況になっていることから脱するために、考えを巡らすのであるが、状況は猶予を与えてくれなかった。
「ヒュー。ヒュー。」
「ワオーン。ワオーン。」
ゴブリンたちの後方から口笛のような音がしたと思ったら、突然、ゴブリンたちの後方の奥から、なんとオオカミ3匹が走り込んでくるのであった。オオカミ3匹はゴブリンたちの所まで走り込んでくると少年とシスターを囲むように移動するのであった。
「げ、オオカミまでやって来たぞ。まずい、逃げられないぞ。」
「囲まれてしまいました。どうしましょう。」
モンスターたちに囲まれてしまった少年とシスターはどうすべきか考え込むのであった。その間にもモンスターたちの包囲網は狭まっていくのであった。
「こうなったら、最初に攻撃したゴブリンたちを倒して、突っ切るしかないな。」
「ウケ。ウケケ。」
少年は最初に攻撃したゴブリンたちに攻撃を仕掛けようとするが、そのゴブリンたちの後方からさらにゴブリン3匹が歩いてくるのであった。
「ゴブリンの増援。まずい。ゴブリンが5匹に増えてしまった。これでは抜け出せない。」
「ここは覚悟を決めて、戦いましょう。私も投石紐で攻撃するのでなんとかなります。」
「わかりました。ここで戦いましょう。とりあえず、投石攻撃の準備をしてください。」
ゴブリンの増援で包囲網を突破できないと悟った少年とシスターは覚悟を決めて戦いに臨むのであった。シスターはカバンから小石を取り出すと投石紐に包んで、紐の両端を持って、ブンブンと振り回すのであった。
「ウケ。ヒューン。」
「ブン。ブン。ブン。きゃあ。」
シスターは投石紐を攻撃のため、回していると、ゴブリンが棍棒を投げつけてきて投石攻撃を邪魔するのであった。投げられた棍棒はシスターのすぐそばを通過しただけで、シスターにケガはなかったが、シスターは投石攻撃を中止せざるを得なかった。
「接近戦では投石攻撃は邪魔されてしまうか。こうなったら、投石紐は諦めて、杖での防御に徹してください。」
「はっ、はい。わかりました。」
少年はそう言うと黒鉄剣を構えて、ゴブリンたちに向かって走り込んでいくのであった。ゴブリンたちも少年の攻撃を警戒して、身構えるのであった。
「これでもくらえ。連撃。えい。とりゃー。どりゃー。」
「ウケ。ウケケ。グフ。」
「ウケ。ウケケ。グフ。」
走り込んでゴブリンの懐に入った少年は連撃でゴブリン2匹を一気に倒すのであった。しかし、モンスターたちも怯まず、巨大ゴブリンが大きな棍棒で少年に襲いかかってきた。
「ウゴ。ウゴ。ブーン。」
「危ない。ガキーン。くー。重い攻撃だな。受け止めても、手が痺れるぞ。」
「ワオーン。ワオーン。ガウ。」
「やめてください。ガキ。ガキ。」
少年は巨大ゴブリンの攻撃をなんとか受け止めるのであるが、重い一撃であり、たまらず後ろに後退するのであった。シスターはオオカミの相手をしており、オオカミの1匹がシスターに襲いかかって来たので、シスターは杖で噛まれないように防御するのであった。せっかく、ゴブリンを2匹倒しても、すぐさま、モンスターたちが怯むことなく反撃してくるので、少年は優勢を取ることが難しかった。しかし、あきらめずに、少年はさらに攻撃を加えるのであった。
「今度は、オオカミの方だ。避けてください。」
「いくぞ。連撃。えい。とりゃー。どりゃー。」
「ワオーン。ガフ。」
「ワオーン。ガフ。」
少年はオオカミ2匹に連撃を立て続けにくらわせていくと、オオカミは次々と倒れていくのであった。何とかモンスターを倒していく少年であったが、少年の背後を襲ってくるモンスターがいた。
「ウケ。ウケ。ブン。」
「危ないです。ガキーン。きゃあ。」
「助かりました。ため切り。どりゃー。」
「ウケ。ウケケ。グフ。」
少年の背後を襲って来たゴブリンの攻撃はシスターの防御で何とか凌ぐのであった。少年は襲って来たゴブリンに強烈な一撃を放って仕留めるのであった。
少年は襲ってきた半数以上のモンスターを何とか倒したのであった。
「あともう少しだ。連撃。えい。とりゃー。どりゃー。」
「ウケ。ウケケ。グフ。」
「ウケ。ウケケ。グフ。」
少年は包囲網が崩れて残りわずかとなったモンスターたちを次々と連撃で仕留めていくのであった。シスターも投石紐の攻撃を邪魔されなくなったので、再び準備に入るのであった。
「私も攻撃に参加します。ブン。ブン。ブン。ヒューン。」
「ウゴ。ウゴ。コン。」
シスターの投石攻撃は巨大ゴブリンに放たれるが、丈夫な筋肉で覆われた巨大ゴブリンにはあまり効いていない感じであった。
「あれ。この方には私の投石攻撃があまり効いていないような。」
「ウゴ。ウゴ。ブーン」
巨大ゴブリンはシスターの投石攻撃をくらっても怯まず、大きな棍棒で反撃してくるのであった。シスターは攻撃を受け止めるのはまずいと判断して後ろに軽く飛ぶのであった。
「危なかったです。このゴブリンさんにはあまり投石攻撃が効きませんね。」
「そのまま、巨大ゴブリンを引きつけておいてください。こっちは残りのモンスターを仕留めます。」
少年はシスターに巨大ゴブリンの相手をしてもらっている間に残りのオオカミを狙うのであった。オオカミの方も仲間が倒されたとあって、少年のことをかなり警戒しており、距離をとってにらむだけであった。このままではらちが開かないと考えた少年はシスターにあることを頼むのであった。
「こっちに投石攻撃をしてください。大体でいいです。」
シスターは巨大ゴブリンと距離をとりながら、器用に小石を投石紐に包んで紐の両端を持つとブンブンと振り回して、急いで少年の方向にいるオオカミに放つのであった。
「わかりました。ブン。ブン。ブン。ヒューン。」
「ワオーン。ワオーン。」
投石攻撃で放たれた小石はオオカミの方向に飛んでいったが、足元付近で着弾してしまい、オオカミも余裕で避けるだけであった。しかし、投石攻撃に意識を取られたオオカミは視界から少年が消えていることに気づいていなかった。
「よし。いけるぞ。とりゃー。うりゃー。」
「ワオーン。ガフ。」
少年はオオカミのすぐそばまで走り込むと黒鉄剣で斬りかかり、見事にオオカミを仕留めるのであった。残るは巨大ゴブリンのみとなった。しかも、少年にはあれが起こるのであった。
「よし。オオカミとゴブリンはこれで全て倒したぞ。あとは巨大ゴブリンだけだな。あれ、そういえば、今日は何匹のモンスターを倒したっけ?」
少年は10匹目のモンスターを倒しきっていたのだ。すると、少年の剣士の腕輪に埋め込まれた赤い宝石がピカッと光り、10匹目のモンスターが倒されたことが示されるのであった。少年は光る剣士の腕輪を見ていると光がさらに強くなり、少年の周りが赤い宝石の光で包まれてしまうのであった。
「き、来たぞ。あれが起こっちゃうぞ。」
なんと、少年の体は赤い宝石の光の中で変化を始めるのであった。まずはゴツゴツしていた手が白く細いものへと変化し始めた。そして、脚も細くスラリとしたものに変化していくのであった。さらに変化は進み、肌は白くきめ細かに、腕や脚も伸び始めていくのであった。
「あ、なんだ。体が変わっていっているような気がするぞ。」
少年の体の変化はこれにとどまらず、胴体にも及び始めた。胸の筋肉質な
部分が徐々に柔らかくなると胸が少しずつ膨らみ始めるのであった。
初めは少し隆起する程度あったが服を押し上げていき、みるみるうちに胸が
どんどんと膨らみメロンくらいのサイズにまで膨らみ、ピンク色の乳首や
乳輪が形成されていくのであった。これとは逆に腰の部分はキュッと
くびれて見事なくびれが形成されるのであった。
「む、胸が膨らんでるよ。はあん。」
少年は胸の膨らみの影響で思わず、声を発してしまうのであったが、この声がまるで女性のような高い声に変わってしまっていた。胸の膨らみに呼応するように太ももはムチっと適度に膨らみ、お尻も膨らみ始めて、大きな美尻が
形成されるのであった。
「あん、俺。なんて声を出しているんだ。それになんか、太ももやお尻も
大きくなってるよ。」
体の変化は顔にもおよび、顔の形が卵型の形になると、少年の目は切れ長に
なり、まつ毛も伸びていき、唇もプクッと膨らんでいくのであった。最後に
髪の毛が伸びていくと背中まで達して少しウェーブのかかったピンク色の
髪になるのであった。
少年の体は23歳くらいのセクシーな大人の女性に変貌を遂げるのであった。変化はこれにとどまらずに服にもおよび、少年の服はGカップの巨乳を包むように白色のチューブトップに、ズボンは白色のミニのタイトなスカートになると白色のマントとロングブーツが装着されていった。最後に顔に化粧が
施されていき、ファンデーションが塗られるとアイシャドウと赤い口紅が
塗られていった。
「はあ。はあ。変化が収まったみたいね。」
剣士の腕輪の赤い宝石の光が収まると少年の立っていた場所には
23歳くらいのセクシーな巨乳魔女がたたずんでいたのであった。早速、巨乳魔女は魔法の杖を巨大ゴブリンに向けると攻撃魔法を放つのであった。
「さあ。いくわよ。炎よ。えい。ヴォー。」
「ウゴ。ウゴゴ。グ、グフ。」
巨乳魔女が魔法の呪文をつぶやくと、大きな炎が放たれて、巨大ゴブリンに当たるのであった。巨大ゴブリンは強力な炎に焼かれて、すぐにその場に倒れてしまうのであった。
「す、すごいです。あの大きなゴブリンさんを魔法1つで倒されるなんて。」
「私の魔法にかかれば、こんなものよ。これでモンスターは全て倒したかしら。」
巨乳魔女とシスターは巨大ゴブリンまで倒したのでモンスターを殲滅できたと思ったが、シスターがあることを思い出すのであった。
「そういえば、オオカミが出る前に口笛の音がしたような気がします。」
「確かにそうよね。モンスターたちも私たちを囲んできていたし、と言うことは。」
2人は見つめ合うと何かに気がついたらしく、周りを見回すのであった。そしてシスターが茂みの奥にいる何かに気がつくのであった。
「あ、あれは、ゴブリンでは。」
「確かに、あれはリーダーゴブリンね。あいつが後ろで色々と指揮して、襲ってきたのね。」
「私にやらせてください。今日はまだ活躍ができていないので、あのリーダーゴブリンを倒させてください。」
「わかったわ。がんばってね。」
シスターは最後の締めくくりとなるリーダーゴブリンへの攻撃を自分で行うと言い、巨乳魔女も任せることにした。シスターは早速カバンから今日一番の硬そうな小石を出すと投石紐に包んで、紐の両端を持って、ブンブンと振り回すのであった。
「ブン。ブン。ブン。ヒューン。」
「ウケー。ウケケー。ササ。」
シスターは遠心力をつけて、投石紐の片端を外すと、小石が勢いよく飛んでいくのであった。リーダーゴブリンもシスターの殺気に気がついて逃げ出すが、
シスターの投石攻撃はすでに狙いが定まっており、すごいスピードでリーダーゴブリンに小石が飛んでいくのであった。
「ウケー。ウケケー。グフ。」
「当たりました。倒せたようです。やりました。」
「相変わらず、すごいわね。私の攻撃魔法と同じくらい強力ね。」
投石攻撃を頭部にくらってしまったリーダーゴブリンはその場で卒倒するのであった。シスターは見事にリーダーゴブリンを投石攻撃で仕留めて、とても喜ぶのであった。巨乳魔女も投石攻撃でモンスターを倒せるシスターにただただ驚くのであった。こうして、商業都市で受けた森のモンスター退治のクエストは無事に終了するのであった。
商業都市の斡旋所で引き受けた森のモンスター退治のクエストで、少年とシスターは森の中にいた。初戦を余裕で勝利した2人は昼食を取った後、再び、森の中にいるであろうモンスターを捜索するのであった。
「さあ、他にもゴブリンがいるでしょうから、探してちゃっちゃと倒しましょう。」
「はい。先ほどの戦闘で投石紐が有効だと実戦で証明できましたから、私もがんばって、ゴブリンを倒していきます。」
2人は昼食もとり、やる気満々でそんなことを言いながら、森の中を歩いていくのであった。しばらくしてモンスターを探して静かに歩いていると、少年は何かの気配に気づくのであった。
「し、静かにしてください。この先に何かの気配がします。モンスターかも。」
「はい。静かにゆっくり歩いていきます。」
少年とシスターはかがんでゆっくりと音を立てないように歩いていき、茂みの手前で止まって、辺りの様子を伺うのであった。
「ウケ。ウケ。」
「あっ。ゴブリンだ。しかも、3匹程度いるぞ。周りには他のゴブリンやモンスターもいなさそうだな。」
「本当ですね。これなら、先ほどと同じく、私が先に投石紐で投石攻撃をして、残りを倒していただければ、勝てますね。」
2人は互いに目を合わせて、すぐにうなづくと、シスターが、早速、投石攻撃の準備に入り、近くで歩いていたときに拾った小石を投石紐で包むと紐の両端を持って、ブンブンと振り回すのであった。少年も茂みの中を進んで、すぐに飛び出せるように構えるのであった。
「ブン、ブン、ブン、ヒューン。」
「ウケ。グフ。ウ、ウケ。」
シスターは遠心力をつけて、投石紐の片端を外すと、小石が勢いよく飛んでいくのであった。一番手前にいたゴブリンの頭に着弾するとゴブリンが倒れ込むが、うめき声をあげて、その場にうずくまるのであった。
「投石が当たったゴブリンはまだ倒されていないが、あれでは、動けないな。
十分だ。行きます。」
少年は投石攻撃を受けたゴブリンが動けそうにないと判断すると、残りのゴブリン2匹を倒すために茂みから飛び出すのであった。シスターも次の攻撃の準備に入っていた。
「行くぞ。うりゃー。とりゃー。」
「ウケ。カキン。」
「な、やるな。」
少年がゴブリンに飛びかかって、黒鉄剣で斬りかかるのであるが、ゴブリンはなんとか棍棒で受け切るのであった。それでも、ゴブリンは大きく体勢を崩しており、もう1匹も驚いてあたふたしている感じであった。少年は体勢を崩したゴブリンにとどめを刺せると確信した。しかし、そのときであった。
「きゃあ。ガキーン。」
「危ない。ど、どうしました。」
少年の後方からシスターの悲鳴と共にシスターが杖を構えた状態で吹き飛ばされてくるのであった。少年は吹き飛ばされてきたシスターをなんとか受け止めてあげるのであった。
「投石攻撃の準備をしていたら、急に背後から攻撃を受けそうになったので杖で防ごうとしたのですが、体ごと吹き飛ばされてしまいました。最近のゴブリンは強力なんですね。」
シスターは体ごと吹き飛ばされたが、杖で防御していたことや少年が受け止めてくれたおかげでケガはなく、すぐに立ち上がり、ゴブリンの強力さに驚くのであるが、少年はそう理解しなかった。
「いえ。ゴブリンにこんな力はありません。まさか。他のモンスターが。」
「ウゴ、ウゴ。」
少年の予感は的中し、茂みの中から、巨大ゴブリンが現れるのであった。体勢を崩していたゴブリンも持ち直して、棍棒を構えると、少年とシスターは戦闘可能なゴブリン2匹と巨大ゴブリン1匹に挟まれる形になるのであった。
「まずいな。俺1人なら後方に下がって立て直せるが、2人となるとここで踏ん張るしかないな。それとも、隙をついて2人で後方に下がるか。」
「私の方はケガもないので走っても大丈夫です。」
少年はゴブリンと巨大ゴブリンに挟み討ちの状況になっていることから脱するために、考えを巡らすのであるが、状況は猶予を与えてくれなかった。
「ヒュー。ヒュー。」
「ワオーン。ワオーン。」
ゴブリンたちの後方から口笛のような音がしたと思ったら、突然、ゴブリンたちの後方の奥から、なんとオオカミ3匹が走り込んでくるのであった。オオカミ3匹はゴブリンたちの所まで走り込んでくると少年とシスターを囲むように移動するのであった。
「げ、オオカミまでやって来たぞ。まずい、逃げられないぞ。」
「囲まれてしまいました。どうしましょう。」
モンスターたちに囲まれてしまった少年とシスターはどうすべきか考え込むのであった。その間にもモンスターたちの包囲網は狭まっていくのであった。
「こうなったら、最初に攻撃したゴブリンたちを倒して、突っ切るしかないな。」
「ウケ。ウケケ。」
少年は最初に攻撃したゴブリンたちに攻撃を仕掛けようとするが、そのゴブリンたちの後方からさらにゴブリン3匹が歩いてくるのであった。
「ゴブリンの増援。まずい。ゴブリンが5匹に増えてしまった。これでは抜け出せない。」
「ここは覚悟を決めて、戦いましょう。私も投石紐で攻撃するのでなんとかなります。」
「わかりました。ここで戦いましょう。とりあえず、投石攻撃の準備をしてください。」
ゴブリンの増援で包囲網を突破できないと悟った少年とシスターは覚悟を決めて戦いに臨むのであった。シスターはカバンから小石を取り出すと投石紐に包んで、紐の両端を持って、ブンブンと振り回すのであった。
「ウケ。ヒューン。」
「ブン。ブン。ブン。きゃあ。」
シスターは投石紐を攻撃のため、回していると、ゴブリンが棍棒を投げつけてきて投石攻撃を邪魔するのであった。投げられた棍棒はシスターのすぐそばを通過しただけで、シスターにケガはなかったが、シスターは投石攻撃を中止せざるを得なかった。
「接近戦では投石攻撃は邪魔されてしまうか。こうなったら、投石紐は諦めて、杖での防御に徹してください。」
「はっ、はい。わかりました。」
少年はそう言うと黒鉄剣を構えて、ゴブリンたちに向かって走り込んでいくのであった。ゴブリンたちも少年の攻撃を警戒して、身構えるのであった。
「これでもくらえ。連撃。えい。とりゃー。どりゃー。」
「ウケ。ウケケ。グフ。」
「ウケ。ウケケ。グフ。」
走り込んでゴブリンの懐に入った少年は連撃でゴブリン2匹を一気に倒すのであった。しかし、モンスターたちも怯まず、巨大ゴブリンが大きな棍棒で少年に襲いかかってきた。
「ウゴ。ウゴ。ブーン。」
「危ない。ガキーン。くー。重い攻撃だな。受け止めても、手が痺れるぞ。」
「ワオーン。ワオーン。ガウ。」
「やめてください。ガキ。ガキ。」
少年は巨大ゴブリンの攻撃をなんとか受け止めるのであるが、重い一撃であり、たまらず後ろに後退するのであった。シスターはオオカミの相手をしており、オオカミの1匹がシスターに襲いかかって来たので、シスターは杖で噛まれないように防御するのであった。せっかく、ゴブリンを2匹倒しても、すぐさま、モンスターたちが怯むことなく反撃してくるので、少年は優勢を取ることが難しかった。しかし、あきらめずに、少年はさらに攻撃を加えるのであった。
「今度は、オオカミの方だ。避けてください。」
「いくぞ。連撃。えい。とりゃー。どりゃー。」
「ワオーン。ガフ。」
「ワオーン。ガフ。」
少年はオオカミ2匹に連撃を立て続けにくらわせていくと、オオカミは次々と倒れていくのであった。何とかモンスターを倒していく少年であったが、少年の背後を襲ってくるモンスターがいた。
「ウケ。ウケ。ブン。」
「危ないです。ガキーン。きゃあ。」
「助かりました。ため切り。どりゃー。」
「ウケ。ウケケ。グフ。」
少年の背後を襲って来たゴブリンの攻撃はシスターの防御で何とか凌ぐのであった。少年は襲って来たゴブリンに強烈な一撃を放って仕留めるのであった。
少年は襲ってきた半数以上のモンスターを何とか倒したのであった。
「あともう少しだ。連撃。えい。とりゃー。どりゃー。」
「ウケ。ウケケ。グフ。」
「ウケ。ウケケ。グフ。」
少年は包囲網が崩れて残りわずかとなったモンスターたちを次々と連撃で仕留めていくのであった。シスターも投石紐の攻撃を邪魔されなくなったので、再び準備に入るのであった。
「私も攻撃に参加します。ブン。ブン。ブン。ヒューン。」
「ウゴ。ウゴ。コン。」
シスターの投石攻撃は巨大ゴブリンに放たれるが、丈夫な筋肉で覆われた巨大ゴブリンにはあまり効いていない感じであった。
「あれ。この方には私の投石攻撃があまり効いていないような。」
「ウゴ。ウゴ。ブーン」
巨大ゴブリンはシスターの投石攻撃をくらっても怯まず、大きな棍棒で反撃してくるのであった。シスターは攻撃を受け止めるのはまずいと判断して後ろに軽く飛ぶのであった。
「危なかったです。このゴブリンさんにはあまり投石攻撃が効きませんね。」
「そのまま、巨大ゴブリンを引きつけておいてください。こっちは残りのモンスターを仕留めます。」
少年はシスターに巨大ゴブリンの相手をしてもらっている間に残りのオオカミを狙うのであった。オオカミの方も仲間が倒されたとあって、少年のことをかなり警戒しており、距離をとってにらむだけであった。このままではらちが開かないと考えた少年はシスターにあることを頼むのであった。
「こっちに投石攻撃をしてください。大体でいいです。」
シスターは巨大ゴブリンと距離をとりながら、器用に小石を投石紐に包んで紐の両端を持つとブンブンと振り回して、急いで少年の方向にいるオオカミに放つのであった。
「わかりました。ブン。ブン。ブン。ヒューン。」
「ワオーン。ワオーン。」
投石攻撃で放たれた小石はオオカミの方向に飛んでいったが、足元付近で着弾してしまい、オオカミも余裕で避けるだけであった。しかし、投石攻撃に意識を取られたオオカミは視界から少年が消えていることに気づいていなかった。
「よし。いけるぞ。とりゃー。うりゃー。」
「ワオーン。ガフ。」
少年はオオカミのすぐそばまで走り込むと黒鉄剣で斬りかかり、見事にオオカミを仕留めるのであった。残るは巨大ゴブリンのみとなった。しかも、少年にはあれが起こるのであった。
「よし。オオカミとゴブリンはこれで全て倒したぞ。あとは巨大ゴブリンだけだな。あれ、そういえば、今日は何匹のモンスターを倒したっけ?」
少年は10匹目のモンスターを倒しきっていたのだ。すると、少年の剣士の腕輪に埋め込まれた赤い宝石がピカッと光り、10匹目のモンスターが倒されたことが示されるのであった。少年は光る剣士の腕輪を見ていると光がさらに強くなり、少年の周りが赤い宝石の光で包まれてしまうのであった。
「き、来たぞ。あれが起こっちゃうぞ。」
なんと、少年の体は赤い宝石の光の中で変化を始めるのであった。まずはゴツゴツしていた手が白く細いものへと変化し始めた。そして、脚も細くスラリとしたものに変化していくのであった。さらに変化は進み、肌は白くきめ細かに、腕や脚も伸び始めていくのであった。
「あ、なんだ。体が変わっていっているような気がするぞ。」
少年の体の変化はこれにとどまらず、胴体にも及び始めた。胸の筋肉質な
部分が徐々に柔らかくなると胸が少しずつ膨らみ始めるのであった。
初めは少し隆起する程度あったが服を押し上げていき、みるみるうちに胸が
どんどんと膨らみメロンくらいのサイズにまで膨らみ、ピンク色の乳首や
乳輪が形成されていくのであった。これとは逆に腰の部分はキュッと
くびれて見事なくびれが形成されるのであった。
「む、胸が膨らんでるよ。はあん。」
少年は胸の膨らみの影響で思わず、声を発してしまうのであったが、この声がまるで女性のような高い声に変わってしまっていた。胸の膨らみに呼応するように太ももはムチっと適度に膨らみ、お尻も膨らみ始めて、大きな美尻が
形成されるのであった。
「あん、俺。なんて声を出しているんだ。それになんか、太ももやお尻も
大きくなってるよ。」
体の変化は顔にもおよび、顔の形が卵型の形になると、少年の目は切れ長に
なり、まつ毛も伸びていき、唇もプクッと膨らんでいくのであった。最後に
髪の毛が伸びていくと背中まで達して少しウェーブのかかったピンク色の
髪になるのであった。
少年の体は23歳くらいのセクシーな大人の女性に変貌を遂げるのであった。変化はこれにとどまらずに服にもおよび、少年の服はGカップの巨乳を包むように白色のチューブトップに、ズボンは白色のミニのタイトなスカートになると白色のマントとロングブーツが装着されていった。最後に顔に化粧が
施されていき、ファンデーションが塗られるとアイシャドウと赤い口紅が
塗られていった。
「はあ。はあ。変化が収まったみたいね。」
剣士の腕輪の赤い宝石の光が収まると少年の立っていた場所には
23歳くらいのセクシーな巨乳魔女がたたずんでいたのであった。早速、巨乳魔女は魔法の杖を巨大ゴブリンに向けると攻撃魔法を放つのであった。
「さあ。いくわよ。炎よ。えい。ヴォー。」
「ウゴ。ウゴゴ。グ、グフ。」
巨乳魔女が魔法の呪文をつぶやくと、大きな炎が放たれて、巨大ゴブリンに当たるのであった。巨大ゴブリンは強力な炎に焼かれて、すぐにその場に倒れてしまうのであった。
「す、すごいです。あの大きなゴブリンさんを魔法1つで倒されるなんて。」
「私の魔法にかかれば、こんなものよ。これでモンスターは全て倒したかしら。」
巨乳魔女とシスターは巨大ゴブリンまで倒したのでモンスターを殲滅できたと思ったが、シスターがあることを思い出すのであった。
「そういえば、オオカミが出る前に口笛の音がしたような気がします。」
「確かにそうよね。モンスターたちも私たちを囲んできていたし、と言うことは。」
2人は見つめ合うと何かに気がついたらしく、周りを見回すのであった。そしてシスターが茂みの奥にいる何かに気がつくのであった。
「あ、あれは、ゴブリンでは。」
「確かに、あれはリーダーゴブリンね。あいつが後ろで色々と指揮して、襲ってきたのね。」
「私にやらせてください。今日はまだ活躍ができていないので、あのリーダーゴブリンを倒させてください。」
「わかったわ。がんばってね。」
シスターは最後の締めくくりとなるリーダーゴブリンへの攻撃を自分で行うと言い、巨乳魔女も任せることにした。シスターは早速カバンから今日一番の硬そうな小石を出すと投石紐に包んで、紐の両端を持って、ブンブンと振り回すのであった。
「ブン。ブン。ブン。ヒューン。」
「ウケー。ウケケー。ササ。」
シスターは遠心力をつけて、投石紐の片端を外すと、小石が勢いよく飛んでいくのであった。リーダーゴブリンもシスターの殺気に気がついて逃げ出すが、
シスターの投石攻撃はすでに狙いが定まっており、すごいスピードでリーダーゴブリンに小石が飛んでいくのであった。
「ウケー。ウケケー。グフ。」
「当たりました。倒せたようです。やりました。」
「相変わらず、すごいわね。私の攻撃魔法と同じくらい強力ね。」
投石攻撃を頭部にくらってしまったリーダーゴブリンはその場で卒倒するのであった。シスターは見事にリーダーゴブリンを投石攻撃で仕留めて、とても喜ぶのであった。巨乳魔女も投石攻撃でモンスターを倒せるシスターにただただ驚くのであった。こうして、商業都市で受けた森のモンスター退治のクエストは無事に終了するのであった。
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