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第2章 新たなる仲間
第12話 強襲
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戦士と腕輪 第12話 強襲
モンスターに襲撃されていた街の近くの村を守るため、少年は村の門でモンスターと
交戦し、見事、撃退するのであった。しかし、見張りを担当していた村人が新手の
モンスターの襲来を伝えてくるのであった。この報を聞いた少年はさっそく、村の門の前で
侵攻してくるモンスターたちを待ち構えるのであった。
「くそ。さっき、あれだけの数を倒したばかりなのに、まだ攻めてくるのか。」
少年がそんなことを言っていると、前方からゴブリンの大群が村の門の前に迫ってくるので
あった。ゴブリンの大群の数は前回の2倍以上あり、村の門の前を守っていた戦士たちは
驚きを隠せずにいた。当然、村の四方全てにゴブリンの大群が押し寄せており、応援が
来ることは期待できず、各自の持ち場を死守するしかなかった。少年もゴブリンの大群の
数に目を見開いて驚くしかなかった。
「あ、あんな数のゴブリンがまた来るなんて、こっちはさっきの戦闘のあとで休憩も
してないのに。」
「戦士様、この水を飲んでくだされ、あと、パンもどうぞ。」
先ほどの戦闘の直後であった少年はほとんど休憩を取っておらず、村長が少しでも
戦士たちの休憩にと水やパンを配って回るのであった。少年は水をぐいっと飲み干すと
パンをひとかじりして、すぐに村の門の防衛に戻るのであった。
「よーし。こうなったら、目の前のモンスターをとことん倒していくぞ。とりゃー。」
少年を含めた戦士たちは村の門で待ち構えて、迫ってくるゴブリンたちを一斉に攻撃する
のであった。少年は他の戦士と連携して、とどめをなるべく刺さないようにゴブリンに
攻撃をしていた。しかし、しばらく戦っていると、ゴブリンの大群の後方に大きな
モンスターの姿が見えてきた。
「あ、あれって、巨大ゴブリンじゃあないか。あんなの最初はいなかったのにここぞと
ばかりに尻上がりにモンスターの戦力が上がってきているぞ。」
ゴブリンの大群の中には巨大ゴブリンが数匹確認され、モンスターの数だけでなく、質まで
もが上がってきており、多数のモンスターを相手に戦っていた少年は焦りを感じ始める
のであった。この状況は村の四方全てで同じであり、モンスターの大群が村を包囲
攻撃するような形になっていた。しばらくして、モンスターの大群の包囲が完了すると、
村の四方が一斉に攻撃されるのであった。
「ま、まずいな。このまま、攻めて来られたら、防戦一方になるぞ。あ、そうだ。」
さすがにまずいと感じた少年は何かを思いついたようで、モンスターの大群に突っ込む
形で、走り込んでいき、周りのゴブリンをなぎ払うと鉄剣を構えて、力をため込むような
体勢をとると奥にいた巨大ゴブリンに攻撃をくらわせようとした。
「えい、やー。おりゃー。ため切り。どりゃー。」
「ウゴ、ウゴ、ゴーン。」
「援護するぞ。えい。」
少年は一番厄介な巨大ゴブリンに鉄剣によるため切りを加えて、戦闘を優位にしようと
試みるのであった。しかし、巨大ゴブリンは少年のため切りを大きな棍棒で受け止めると
なんとか踏みとどまるのであった。そこへ他の戦士が援護で攻撃をするのであった。
この隙に、少年は追撃とばかりにもう一度、ため切りをくらわそうとするのであった。
「もう一度だ。ため切り。どりゃー。」
「ウゴ、ウゴ、グフ。」
巨大ゴブリンも少年の追撃のため切りをくらって、その場で倒れてしまうのであった。
少年の剣士の腕輪に埋め込まれた赤い宝石がピカッと光ると巨大ゴブリンが倒されたことを
示すのであった。
「ふぅー。また、1匹モンスターを倒しちゃったな。まあ、巨大ゴブリンなら、
仕方ないか。あ、こんなことを考えている場合じゃあなかった。形勢はこちらが有利に
なったから、次のモンスターだ。」
少年は巨大ゴブリンを倒したことで村の門の防衛を優位に進められると思った。しかし、
状況は少年の思ったように甘くはなかった。巨大ゴブリンが倒された直後、モンスターの
大群の後方からゴブリン数体がさらに投入されてくるのであった。
「ウケ、ウケケ。」
「ええ。せっかく。巨大ゴブリンを倒したのに、またゴブリンがたくさん攻めてきたぞ。
これじゃあ。らちが開かない。参ったな。」
少年は倒しても倒してもなかなか戦力が減らないモンスターの大群に心がくじけそうに
なるが、そこへ少年の後方から、応援するような声がするのであった。
「戦士様。がんばってくだされ。みんな。弓矢で一斉攻撃じゃ。」
「我が魔力を持って、炎をはなたん。火球。」
村の門の前でモンスターと戦う戦士たちをサポートすべく、村の塀の上にいた村人が
村長の合図で弓矢を一斉に放ったり、魔法使いが呪文を詠唱して魔法攻撃を放つので
あった。前方のモンスターの大群にそれらの攻撃が降り注ぎ、ダメージを与えるので
あった。
「ウケ。ウケ。グフ。」
「やった。ゴブリンが倒されていく。ありがとうございます。助かりました。」
少年は支援攻撃をしてくれた村人や魔法使いに感謝するのであった。こうして、少年や
他の戦士たちは村の門をなんとか守っていくのであった。しかし、第2波としてなだれ
込むように攻めてきたモンスターの大群は村の四方を止めどなく攻撃していたので、
長時間の間、四方を防衛する戦士たちは徐々に体力を削られていくのであった。
「はあ。はあ。まだ、ゴブリンがいるな。今回の大群は本当に多いや。」
「はあ。がんばれ、あともう少しで半分くらいにはゴブリンを削れそうだ。」
少年も息絶え絶えで戦っていたが、そんな彼を他の戦士が励ますように声をかけていた。
しかし、村の門で防衛していた少年や他の戦士たちは体力をかなり消耗しており、
モンスターを相手に苦戦を強いられていくのであった。
「ウケ。ウケ。ゴン。」
「はあ。はあ。こんな数のゴブリンを相手に戦っていたら、夜まで持つかな。体力が
持たない気がするな。他の人たちも荒い息のままだし。」
少年はモンスターの大群の数に困惑を隠せず、巨大ゴブリンを倒したときのようにすぐに
ゴブリンが補充されてくる状況を考慮に入れると夜まで村を守り切れるのかと懸念を抱き
始めるのであった。ちょうどそのとき、別の持ち場で指揮を取っていた先鋒部隊の
リーダーが村の門の近くにいた村長のところへやって来るのであった。
「どうされましたのじゃ。私に何か御用でしょうか?」
「村の四方をなんとか防衛してますが、他も村の門と同じ状況で、戦士たちが疲弊し
始めています。夜までもたなければ、村を捨てて、街へ避難することを考えなければ
いけません。」
「わ、わかりましたじゃ。そのときはすぐに村のものを非難させますじゃ。」
先鋒部隊のリーダーは村長に今後の戦況次第では厳しい判断をすることを伝えるので
あった。村長もその言葉を聞いて、村を捨てる覚悟を決めるのであった。暗い雰囲気が
周りを包み始めたが、少年は先鋒部隊のリーダーに今後の作戦を聞こうと次のような
言葉を口に出した。
「もう、この村の防衛は断念するのですか。まだ何かやれることはありますか?」
「ああ、ちょうど、そのことを考えていたんだ。今回のモンスターの襲撃は最初から
計画的で、モンスターたちも統率されていて、包囲攻撃や第2波投入まで仕掛けて
きている。我々が最初に村の周りにいたモンスターたちを攻撃して、村の中に
入れたのも、包囲攻撃を有効に進めるためだろう。よく考えているよ。」
少年は先鋒部隊のリーダーからモンスターたちのこれまでの行動やその意図を説明され、
厄介な相手であると認識させられるのであった。しかし、先鋒部隊のリーダーはあきら
めておらず、ある提案を村長と少年にしてくるのであった。
「でも、まだ、あきらめるのは早いです。念のために、斡旋所の職員が追加で
緊急クエストの参加者を募っています。街に行って、増援部隊を呼んでくれば、
村の内と外でモンスターを挟みこんで、一気にモンスターを削れるはずです。」
「な、なんと。それでは、ぜひ、増援を呼んで来てくだされ。それまで村をなんとか
もたせますじゃ。」
村長が先鋒部隊のリーダーの提案に賛同の意を示すのであった。先鋒部隊のリーダーは
村長の言葉を聞いて、少年にあることを依頼するのであった。
「増援部隊を呼びに誰かがこのモンスターの包囲攻撃を突破して、街にたどり着く必要が
あるんだ。我々の中で若くて身軽なのは君だ。ぜひとも、街まで行って、増援部隊を
呼んできてほしい。期限は夜までだ。それまでに君が戻って来なければ、我々は村を
放棄して、街へ村人ともども撤退するよ。」
「わ、わかりました。ぜひ、俺がその役をやります。必ず、街に戻って、増援部隊を呼んで
きます。」
「ありがとう。助かるよ。危険な仕事になるが、君の戦いぶりなら、なんとかできる
だろう。モンスターの包囲攻撃の突破は我々も協力するよ。一時的に集中攻撃を
するから、その隙に走り抜けてくれ。」
少年は増援部隊を呼んでくる大役をすぐに引き受けるのであった。さっそく、先鋒部隊の
リーダーが他の戦士たちに作戦を説明して、村の門に他の戦士を集めると少年が脱出する道を切り開くべく、前方にいたモンスターたちに一斉に攻撃を仕掛けるのであった。村人や
魔法使いも同時にその攻撃に加わるのであった。一時的にではあるが、猛烈な集中攻撃に
さすがのモンスターたちも倒れていった。
「ウケ。ウケ。グフ。」
「どりゃー。よし、一時的だが、包囲が緩んだな。今のうちに村を出て、街に行ってきて
くれ。必ず、増援部隊を呼んで来てくれよ。」
「わかりました。必ず、街に戻って、増援部隊を呼んできます。それまで持ちこたえて
ください。」
少年は他の戦士たちなどの集中攻撃によってモンスターの包囲が緩んだ場所を鉄剣を
振るいながら進んでいき、モンスターの大群の中を一気に通り抜けると街を目指して
全速力で走っていくのであった。
モンスターに襲撃されていた街の近くの村を守るため、少年は村の門でモンスターと
交戦し、見事、撃退するのであった。しかし、見張りを担当していた村人が新手の
モンスターの襲来を伝えてくるのであった。この報を聞いた少年はさっそく、村の門の前で
侵攻してくるモンスターたちを待ち構えるのであった。
「くそ。さっき、あれだけの数を倒したばかりなのに、まだ攻めてくるのか。」
少年がそんなことを言っていると、前方からゴブリンの大群が村の門の前に迫ってくるので
あった。ゴブリンの大群の数は前回の2倍以上あり、村の門の前を守っていた戦士たちは
驚きを隠せずにいた。当然、村の四方全てにゴブリンの大群が押し寄せており、応援が
来ることは期待できず、各自の持ち場を死守するしかなかった。少年もゴブリンの大群の
数に目を見開いて驚くしかなかった。
「あ、あんな数のゴブリンがまた来るなんて、こっちはさっきの戦闘のあとで休憩も
してないのに。」
「戦士様、この水を飲んでくだされ、あと、パンもどうぞ。」
先ほどの戦闘の直後であった少年はほとんど休憩を取っておらず、村長が少しでも
戦士たちの休憩にと水やパンを配って回るのであった。少年は水をぐいっと飲み干すと
パンをひとかじりして、すぐに村の門の防衛に戻るのであった。
「よーし。こうなったら、目の前のモンスターをとことん倒していくぞ。とりゃー。」
少年を含めた戦士たちは村の門で待ち構えて、迫ってくるゴブリンたちを一斉に攻撃する
のであった。少年は他の戦士と連携して、とどめをなるべく刺さないようにゴブリンに
攻撃をしていた。しかし、しばらく戦っていると、ゴブリンの大群の後方に大きな
モンスターの姿が見えてきた。
「あ、あれって、巨大ゴブリンじゃあないか。あんなの最初はいなかったのにここぞと
ばかりに尻上がりにモンスターの戦力が上がってきているぞ。」
ゴブリンの大群の中には巨大ゴブリンが数匹確認され、モンスターの数だけでなく、質まで
もが上がってきており、多数のモンスターを相手に戦っていた少年は焦りを感じ始める
のであった。この状況は村の四方全てで同じであり、モンスターの大群が村を包囲
攻撃するような形になっていた。しばらくして、モンスターの大群の包囲が完了すると、
村の四方が一斉に攻撃されるのであった。
「ま、まずいな。このまま、攻めて来られたら、防戦一方になるぞ。あ、そうだ。」
さすがにまずいと感じた少年は何かを思いついたようで、モンスターの大群に突っ込む
形で、走り込んでいき、周りのゴブリンをなぎ払うと鉄剣を構えて、力をため込むような
体勢をとると奥にいた巨大ゴブリンに攻撃をくらわせようとした。
「えい、やー。おりゃー。ため切り。どりゃー。」
「ウゴ、ウゴ、ゴーン。」
「援護するぞ。えい。」
少年は一番厄介な巨大ゴブリンに鉄剣によるため切りを加えて、戦闘を優位にしようと
試みるのであった。しかし、巨大ゴブリンは少年のため切りを大きな棍棒で受け止めると
なんとか踏みとどまるのであった。そこへ他の戦士が援護で攻撃をするのであった。
この隙に、少年は追撃とばかりにもう一度、ため切りをくらわそうとするのであった。
「もう一度だ。ため切り。どりゃー。」
「ウゴ、ウゴ、グフ。」
巨大ゴブリンも少年の追撃のため切りをくらって、その場で倒れてしまうのであった。
少年の剣士の腕輪に埋め込まれた赤い宝石がピカッと光ると巨大ゴブリンが倒されたことを
示すのであった。
「ふぅー。また、1匹モンスターを倒しちゃったな。まあ、巨大ゴブリンなら、
仕方ないか。あ、こんなことを考えている場合じゃあなかった。形勢はこちらが有利に
なったから、次のモンスターだ。」
少年は巨大ゴブリンを倒したことで村の門の防衛を優位に進められると思った。しかし、
状況は少年の思ったように甘くはなかった。巨大ゴブリンが倒された直後、モンスターの
大群の後方からゴブリン数体がさらに投入されてくるのであった。
「ウケ、ウケケ。」
「ええ。せっかく。巨大ゴブリンを倒したのに、またゴブリンがたくさん攻めてきたぞ。
これじゃあ。らちが開かない。参ったな。」
少年は倒しても倒してもなかなか戦力が減らないモンスターの大群に心がくじけそうに
なるが、そこへ少年の後方から、応援するような声がするのであった。
「戦士様。がんばってくだされ。みんな。弓矢で一斉攻撃じゃ。」
「我が魔力を持って、炎をはなたん。火球。」
村の門の前でモンスターと戦う戦士たちをサポートすべく、村の塀の上にいた村人が
村長の合図で弓矢を一斉に放ったり、魔法使いが呪文を詠唱して魔法攻撃を放つので
あった。前方のモンスターの大群にそれらの攻撃が降り注ぎ、ダメージを与えるので
あった。
「ウケ。ウケ。グフ。」
「やった。ゴブリンが倒されていく。ありがとうございます。助かりました。」
少年は支援攻撃をしてくれた村人や魔法使いに感謝するのであった。こうして、少年や
他の戦士たちは村の門をなんとか守っていくのであった。しかし、第2波としてなだれ
込むように攻めてきたモンスターの大群は村の四方を止めどなく攻撃していたので、
長時間の間、四方を防衛する戦士たちは徐々に体力を削られていくのであった。
「はあ。はあ。まだ、ゴブリンがいるな。今回の大群は本当に多いや。」
「はあ。がんばれ、あともう少しで半分くらいにはゴブリンを削れそうだ。」
少年も息絶え絶えで戦っていたが、そんな彼を他の戦士が励ますように声をかけていた。
しかし、村の門で防衛していた少年や他の戦士たちは体力をかなり消耗しており、
モンスターを相手に苦戦を強いられていくのであった。
「ウケ。ウケ。ゴン。」
「はあ。はあ。こんな数のゴブリンを相手に戦っていたら、夜まで持つかな。体力が
持たない気がするな。他の人たちも荒い息のままだし。」
少年はモンスターの大群の数に困惑を隠せず、巨大ゴブリンを倒したときのようにすぐに
ゴブリンが補充されてくる状況を考慮に入れると夜まで村を守り切れるのかと懸念を抱き
始めるのであった。ちょうどそのとき、別の持ち場で指揮を取っていた先鋒部隊の
リーダーが村の門の近くにいた村長のところへやって来るのであった。
「どうされましたのじゃ。私に何か御用でしょうか?」
「村の四方をなんとか防衛してますが、他も村の門と同じ状況で、戦士たちが疲弊し
始めています。夜までもたなければ、村を捨てて、街へ避難することを考えなければ
いけません。」
「わ、わかりましたじゃ。そのときはすぐに村のものを非難させますじゃ。」
先鋒部隊のリーダーは村長に今後の戦況次第では厳しい判断をすることを伝えるので
あった。村長もその言葉を聞いて、村を捨てる覚悟を決めるのであった。暗い雰囲気が
周りを包み始めたが、少年は先鋒部隊のリーダーに今後の作戦を聞こうと次のような
言葉を口に出した。
「もう、この村の防衛は断念するのですか。まだ何かやれることはありますか?」
「ああ、ちょうど、そのことを考えていたんだ。今回のモンスターの襲撃は最初から
計画的で、モンスターたちも統率されていて、包囲攻撃や第2波投入まで仕掛けて
きている。我々が最初に村の周りにいたモンスターたちを攻撃して、村の中に
入れたのも、包囲攻撃を有効に進めるためだろう。よく考えているよ。」
少年は先鋒部隊のリーダーからモンスターたちのこれまでの行動やその意図を説明され、
厄介な相手であると認識させられるのであった。しかし、先鋒部隊のリーダーはあきら
めておらず、ある提案を村長と少年にしてくるのであった。
「でも、まだ、あきらめるのは早いです。念のために、斡旋所の職員が追加で
緊急クエストの参加者を募っています。街に行って、増援部隊を呼んでくれば、
村の内と外でモンスターを挟みこんで、一気にモンスターを削れるはずです。」
「な、なんと。それでは、ぜひ、増援を呼んで来てくだされ。それまで村をなんとか
もたせますじゃ。」
村長が先鋒部隊のリーダーの提案に賛同の意を示すのであった。先鋒部隊のリーダーは
村長の言葉を聞いて、少年にあることを依頼するのであった。
「増援部隊を呼びに誰かがこのモンスターの包囲攻撃を突破して、街にたどり着く必要が
あるんだ。我々の中で若くて身軽なのは君だ。ぜひとも、街まで行って、増援部隊を
呼んできてほしい。期限は夜までだ。それまでに君が戻って来なければ、我々は村を
放棄して、街へ村人ともども撤退するよ。」
「わ、わかりました。ぜひ、俺がその役をやります。必ず、街に戻って、増援部隊を呼んで
きます。」
「ありがとう。助かるよ。危険な仕事になるが、君の戦いぶりなら、なんとかできる
だろう。モンスターの包囲攻撃の突破は我々も協力するよ。一時的に集中攻撃を
するから、その隙に走り抜けてくれ。」
少年は増援部隊を呼んでくる大役をすぐに引き受けるのであった。さっそく、先鋒部隊の
リーダーが他の戦士たちに作戦を説明して、村の門に他の戦士を集めると少年が脱出する道を切り開くべく、前方にいたモンスターたちに一斉に攻撃を仕掛けるのであった。村人や
魔法使いも同時にその攻撃に加わるのであった。一時的にではあるが、猛烈な集中攻撃に
さすがのモンスターたちも倒れていった。
「ウケ。ウケ。グフ。」
「どりゃー。よし、一時的だが、包囲が緩んだな。今のうちに村を出て、街に行ってきて
くれ。必ず、増援部隊を呼んで来てくれよ。」
「わかりました。必ず、街に戻って、増援部隊を呼んできます。それまで持ちこたえて
ください。」
少年は他の戦士たちなどの集中攻撃によってモンスターの包囲が緩んだ場所を鉄剣を
振るいながら進んでいき、モンスターの大群の中を一気に通り抜けると街を目指して
全速力で走っていくのであった。
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