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第1章 駆け出しの戦士
第6話 モンスター退治
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戦士と腕輪 第6話 モンスター退治
街に到着した翌日の早朝、少年はベットでぐっすりと眠っていた。前日に部屋を借り
たり、斡旋所でクエストを引き受けたりして、忙しい1日を過ごしたため、少年は疲れて
爆睡していたが、朝日の差し込む光や馬車の車輪の音で目を開けるのであった。
「うーん。よく寝たな。あ、そうだ。今日は街道のモンスター退治をやるんだった。
早く起きて、準備しなきゃな。」
少年は目を覚ますとベットから飛び起きて、さっそく顔を洗って、朝食のパンをかじると
外出する支度をし、木剣を持って、部屋を出るのであった。彼は起きたばかりであったので
ときおりあくびをして目をこすりながらゆっくりと歩いていくのであった。
「はあー。眠たいや。やっぱり、街に着いてそうそう、クエストを引き受けるんじゃあ
なかったな。でも、お金は稼ぎたいし、仕方ないかな。今日のクエストでモンスター退治
する街道は街から30分くらいのところだな。早く行こうっと。」
少年はそんなことを言いながら、街の入り口まで来ると、気を引き締めて、出ていくので
あった。30分後、少年は目的地を目指して街道の中を歩いていた。
「そろそろクエストで引き受けた場所かな。でも、モンスターはいるかな。ここまでは
全然出てこなかったしな。」
少年が歩きながら周りを見渡しているとある声が聞こえてくるのであった。
「ワオーン。ワオーン。」
「あれはオオカミの鳴き声。よーし、やっぱりクエストで引き受けた通りモンスターは
いそうだな。それじゃあ。始めようかな。」
少年はモンスターのオオカミを見つけると木剣を構えて、近寄っていくのであった。
オオカミは街道の脇の草原におり、3匹がたむろするようにいた。少年は攻撃できる
距離までじりじりと迫ると一気に攻めかかるのであった。
「いくぞ。とおー。」
「ワ、ワオーン。グフ。」
少年はオオカミに一撃をお見舞いするとクリーンヒットしたようで、1匹目のオオカミが
いきなり倒れてしまうのであった。これまでの剣技の訓練や戦闘で培ってきた経験により
少年の力や技の能力が向上しており、オオカミなどはすぐに倒せてしまうのであった。
「あ、一撃で倒してしまったよ。だいぶ能力が向上しているんだな。」
少年は自分の能力の向上を実感するのであったが、手元の剣士の腕輪に埋め込まれた
赤い宝石がピカッと光るのであった。少年はさっそくあのことを思い出した。
「あっ。まずいぞ。モンスターを10匹倒すとあれが発動するんだった。気をつけ
ないとな。」
「ワオーン。」
少年は剣士の腕輪の副作用のことを思い出すとむやみに攻撃をしないように注意するので
あったが、残りのオオカミ2匹が一斉に攻撃してくるのであった。
「あ、あぶない。えい。」
「ワ、ワオーン。」
少年はオオカミ2匹の攻撃をかわすと軽く1匹のオオカミの胴体を打ち払うのであった。
オオカミはダメージを負ったようで、かなり動きが鈍くなった。もう1匹は少年に再度
攻撃を仕掛けるのであった。
「ワオーン。」
「とりゃー。殺さない程度にダメージを与えておけば、街道まで出てくることは
ないだろう。」
少年はもう1匹のオオカミの横っ腹を打ちすえるとオオカミはかなり痛い表情を浮かべて
後ろに下がるのであった。彼は手負いになったオオカミ2匹を睨みつけてこう言い放った。
「今度、この辺に近寄ったら、倒すからな。森に帰れ。」
「ワ、ワオーン。」
オオカミ2匹は少年の睨みつけにおそれをなし、脱兎のごとく、逃げていくのであった。
少年は見事にオオカミたちを追い払うのであった。初回の戦闘で十分な成果が得られて
彼は満足した。
「よーし。この調子でモンスターを退治していくぞ。あまり、倒しすぎると面倒なことに
なるから、追い払うこともしようっと。」
少年は強くなっていたのでバンバンとモンスターを倒したいと思う気持ちを抑えながら、
モンスター退治を始めていくのであった。彼は街道の先に進んでいき、他にもモンスターが
いないかを見ていくのであった。
「さあ。次のモンスターを退治に行くぞ。あ、あの辺にまた別のオオカミの群れが
いるぞ。」
こうして、少年は街道のモンスター退治をこなしていくのであった。しばらくすると街道
付近のモンスターはあらかた少年に退治もしくは追い払われたようであった。
「ふぅ。だいぶ倒してやったぞ。もう今回のクエストのエリアはこなせたかな。
そろそろ、お昼だし、今日倒したモンスターの死骸を持って、街に帰ろうかな。」
少年がクエストの依頼をこなせたので、街に帰ろうと考えていたとき、遠くから、人の
悲鳴が聞こえてくるのであった。
「ひ、ひぇー。お助けください。」
「う、なんだ。あっちから誰かの悲鳴が聞こえたぞ。行ってみよう。」
少年は悲鳴の聞こえた方に向かうのであった。彼は悲鳴のした方に走って向かうと
視線の先に馬車が止まっており、周りをモンスターに囲まれていた。
「ウケ、ウケケ。」
「わあ。誰か助けてください。このままでわ。死んじゃうよー。」
少年は馬車の主を助けようと近づくが見慣れないモンスターに戸惑うのであった。
「う。なんだ。あのモンスターは俺のいた村では見たことがないな。とりあえず、
馬車に乗ってる人を助けないと。」
馬車を囲んでいたモンスターはゴブリンという小型の人型モンスターであった。ゴブリンは
集団で行動し、攻撃力は低いが簡単な武器も使い、知恵もあるので数がそろうと厄介な
モンスターであった。少年は馬車の主を助けるためにさっそくゴブリンに攻撃を仕掛けた。
「とりゃー。えい。」
「ウケ。ウケ。ウケケ。」
ゴブリンは構えていて武器で少年の1撃目をなんとか受け止めてしまうのであった。少年も
少し驚いたが、すぐに力をためながら、木剣で構えて、2撃目を放つのであった。
「やるな。これでもくらえ。ため切り。」
「ウケー。ガフ。」
2撃目のため切りを受け止めようとしたゴブリンであったが、強烈な一撃であったため、
受け止められず、打撃が頭に入ってしまうのであった。なんとか1匹目のゴブリンを
倒した少年であったが、ゴブリンの強さを理解するのであった。
「なるほど、こいつらが街道で暴れていた本命のモンスターだな。結構強そうだな。
とどめまで刺さないとこっちも危なそうだな。」
「ウケ。ウケケ。」
ゴブリンたちはあと5匹おり、少年は1人でこのなかなか強いモンスターを相手にしなければ
行けなかった。しかも、今倒したゴブリンで8匹目のモンスターを倒したことになり、
剣士の腕輪の赤い宝石がピカッと光ってしまうのであった。
「こうなったら、やるしかないな。とりゃー。どりゃー。」
「ウケ。ウケー。」
少年はゴブリンの胴体に一撃を与えてひるませるが、ゴブリンは後ろに少し後退するだけで
なかなか逃げようとはしなかった。それどころか、空いた穴を埋めるように他のゴブリンが
攻撃をしてくるのであった。
「や、やるな。こうなったら、こちらも仕留めにいくぞ。どりゃ。」
「ウケー。ガフ。」
少年は仕方なくゴブリンを倒しに全力で攻撃するのであった。ゴブリンは少年の木剣の
一撃で倒れてしまうのであった。彼は馬車の方を見ると他のゴブリンが馬車の主に攻撃を
しようとしていたので、飛びかかって、ゴブリンの攻撃を防ぎながら、木剣でなぎ払うので
あった。
「あ、危ない。とりゃー。」
「ウケー。ドス。ガフ。」
少年はゴブリンをなぎ払ったが、飛ばされたゴブリンが馬車の車輪に激突してしまい、頭の
打ち所が悪かったらしく、そのまま倒れてしまうのであった。少年は馬車の主を守ることに
成功したが、剣士の腕輪の赤い宝石がピカッと光ってしまい、あの条件を満たしてしまう
のであった。
「あ、あれ。払い除けようとしただけだったのに、打ち所が悪かったみたいだな。
し、しまった。これで10匹目のモンスターを倒してしまった。」
少年は光る剣士の腕輪を見ていると光がさらに強くなり、少年の周りが赤い宝石の光で
包まれてしまうのであった。
「き、来たぞ。あれが起こっちゃうぞ。」
なんと、少年の体は赤い宝石の光の中で変化を始めるのであった。まずはゴツゴツして
いた手が白く細いものへと変化し始めた。そして、脚も細くスラリとしたものに変化して
いくのであった。さらに変化は進み、肌は白くきめ細かに、腕や脚も伸び始めていくので
あった。
「あ、なんだ。体が変わっていっているような気がするぞ。」
少年の体の変化はこれにとどまらず、胴体にも及び始めた。胸の筋肉質な部分が徐々に
柔らかくなると胸が少しずつ膨らみ始めるのであった。初めは少し隆起する程度あったが
服を押し上げていき、みるみるうちに胸がどんどんと膨らみメロンくらいのサイズにまで
膨らみ、ピンク色の乳首や乳輪が形成されていくのであった。これとは逆に腰の部分は
キュッとくびれて見事なくびれが形成されるのであった。
「む、胸が膨らんでるよ。はあん。」
少年は胸の膨らみの影響で思わず、声を発してしまうのであったが、この声がまるで女性の
ような高い声に変わってしまっていた。胸の膨らみに呼応するように太ももはムチっと
適度に膨らみ、お尻も膨らみ始めて、大きな美尻が形成されるのであった。
「あん、俺。なんて声を出しているんだ。それになんか、太ももやお尻も大きくなって
るよ。」
体の変化は顔にもおよび、顔の形が卵型の形になると、少年の目は切れ長になり、
まつ毛も伸びていき、唇もプクッと膨らんでいくのであった。最後に髪の毛が伸びていくと
背中まで達して少しウェーブのかかったピンク色の髪になるのであった。
少年の体は23歳くらいのセクシーな大人の女性に変貌を遂げるのであった。変化はこれにとどまらずに服にもおよび、少年の服はGカップの巨乳を包むように白色のチューブ
トップに、ズボンは白色のミニのタイトなスカートになると白色のマントとロング
ブーツが装着されていった。最後に顔に化粧が施されていき、ファンデーションが
塗られるとアイシャドウと赤い口紅が塗られていった。
「はあ。はあ。変化が収まったみたいね。」
剣士の腕輪の赤い宝石の光が収まると少年の立っていた場所には23歳くらいの
セクシーな巨乳魔女がたたずんでいたのであった。巨乳魔女は自分の今の状態を確認すべく
体を確認していくのであった。
「やっぱり、胸が大きくなってるわ。とっても大きいわね。しゃべり方も大人の
女性みたいになってるわね。」
巨乳魔女は胸を確認するとしゃべり方まで大人の女性に変わっていることに驚くので
あった。次にお尻の方に手を伸ばすと大きく膨らんだ美尻を触るのであった。
「す、すごいわね。こんなに大きくなるなんて、それに柔らかいかも。あん。」
巨乳魔女は自分のお尻を触って、少し変な感じを覚えたのか、ほほを赤らめるのであった。
そして、気を取り直して、体を確認しているとあることに気がつくのであった。
「それにさっきまで持っていた木剣が魔法の杖に変わっているわ。やっぱり、私、
前みたいに魔法使いになったみたいね。」
巨乳魔女はセクシーな自分の変貌ぶりを確認していた。しかし、ゴブリンたちはあと
3匹残っており、少年の変貌に驚いて、後ろに下がっていた。しかし、巨乳魔女がすぐに
攻撃してこないので、好機とみて、彼女に近寄ってくるのであった。
「ウケ。ウケケ。」
「ウケ。ウケケ。ウケ。」
ゴブリンは巨乳魔女を取り囲むようにして近寄ると1匹目が飛びかかってきたのであった。
彼女はこれにすぐに対応すべく、魔法の杖を構えて、魔法攻撃を放つのであった。
「もう、変身そうそうに攻撃してくるなんて、水よ。えい。」
「ウケー。ガフ。」
巨乳魔女は魔法の杖から大きな水の玉を放つと勢いよく飛びかかってきたゴブリンに
衝突させるのであった。これにはゴブリンも後方の木まで吹き飛ばされてしまい、そのまま
木に激しく打ち付けられてしまって、倒れてしまうのであった。
「うふ。あなたたち大したことはなさそうね。まとめてかかってらっしゃい。」
「ウケ。ウケケ。」
「もう1回。水よ。えい。」
「ウケー。ガフ。」
巨乳魔女は、再度、魔法の杖から大きな水の玉を放つとゴブリンに当てるのであった。この
ゴブリンも後方に激しく吹き飛ばされてしまい、地面に激しく叩きつけられてしまい、
そのまま倒れてしまうのであった。
「残りはあなただけみたいね。さあ、どうするの。」
「ウケ。ウケー。」
残り1匹のゴブリンは大勢が悪いと見るや林の中に後退していくのであった。しかし、
そのまま逃げていくと思いきや、新たな仲間を引き連れてきたのであった。
「ウケ。ウケケ。」
「ウゴ。ウゴゴ。」
「あら、逃げたと思ったら、新手を引き連れてきたみたいね。」
新たな仲間は巨大ゴブリンと呼ばれており、ゴブリンよりも2回り以上大きく、人間の
大人よりも大きかった。しかも、大きな棍棒を装備しており、攻撃力はすごかった。
「ウゴ。ウゴゴ。ドーン。」
「やだ。この子ったら。とっても攻撃力がすごいわね。まともに食らったらまずいわね。」
巨大ゴブリンは大きな棍棒で巨乳魔女に強烈な一撃を放ったが、動きが鈍い分、彼女は
軽くかわすのであった。しかし、当たってしまえば、大ダメージをくらうことは目に見えて
おり、早々に決着をつける必要が彼女にはあった。
「こうなったら、まとめて一気に仕留めてあげるわ。水よ。お願い。ブシャー。」
「ウケー。グフ。」
「ウゴー。ドン。」
巨乳魔女は魔法の杖から水の玉ではなく、大きな水流を放つのであった。先ほどの水の
玉など比にならないくらいの大きな水流が巨大ゴブリンといっしょにいたゴブリンに
激突し、それらを飲み込み、後方に押し流すのであった。押し流されたゴブリンの方は
ひとたまりもなく、木にぶつかって、そのまま倒れてしまった。巨大ゴブリンは押し
流されて、木に衝突して、倒れていたが、なんとか立ち上がろうとするのであった。
「あら。やっぱり。あなたは一撃では足りないようね。じゃあ。ダメ押しね。水よ。
えい。」
「ウゴー。グフ。」
巨乳魔女は魔法の杖から大きな水の玉を放つと巨大ゴブリンの頭に向けて飛ばすので
あった。大きな水の玉は巨大ゴブリンの頭部に着弾すると巨大ゴブリンはそのまま倒れて
しまうのであった。
「これで全部倒したみたいね。クエストはこれで終了かしら。うふ。」
「あ、あの。ゴブリンたちは全部倒されましたかね?」
巨乳魔女がモンスターを全部倒したことを確認していると後ろの馬車から声がするので
あった。どうやら、馬車の主のようであった。馬車の主はゴブリンに囲まれて、身を伏せて
いたので少年や巨乳魔女のことは全く見ておらず、変身のことなどは全く気がついていない
ようであった。
「あら、あなたが襲われていた馬車の主のようね。ケガはないかしら。」
「はい。大丈夫です。私は旅の商人をしております。街に向かうべくここを通っていた
のですが、ゴブリンたちに遭遇してしまって危うくやられるところでした。それよりも
あなた1人であの数のゴブリンを倒されるなんてすごいですね。」
「どういたしまして、私の魔法ならあんなゴブリンはちょちょいのちょいよ。うふ。」
馬車の主である旅の商人は巨乳魔女に助けられたことをとても感謝するのであった。彼は
感謝の言葉を述べると懐から小袋を出してくるのであった。
「あの。命を助けられて、本当はお金を渡したいですが、街での商売で必要なので
代わりに大したものではありませんが、これを受け取ってください。」
「これ、何かしら。いい匂いがするわね。」
「はい。私が取り扱っている西方の国の香辛料です。肉料理に使えば、絶品の料理に
なります。街や大きな街で売れば高額で買い取ってもらえますよ。」
「え。そうなの。うれしいわ。ありがとう。」
巨乳魔女は旅の商人の感謝の贈り物に大変喜ぶのであったが、あることを思いついて
旅の商人にお願いするのであった。
「あの。お願いがあるんですが、いいかしら。」
「はい。命の恩人ですから。聞けることはなんでも聞けますよ。」
旅の商人は巨乳魔女のお願いとあれば可能な限りなんでも聞くつもりであったので
2つ返事で答えるのであった。
「今日倒したゴブリンの死骸を馬車で街まで運んで欲しいのよ。いいでしょ。」
「は、はい。そんなことなら、喜んでやりますよ。」
「あと、この先にオオカミの死骸もあるからいっしょにね。」
こうして、街道のモンスター退治のクエストをこなした少年、いや今は、巨乳魔女は
旅の商人の馬車に乗って、街に戻っていくのであった。
街に到着した翌日の早朝、少年はベットでぐっすりと眠っていた。前日に部屋を借り
たり、斡旋所でクエストを引き受けたりして、忙しい1日を過ごしたため、少年は疲れて
爆睡していたが、朝日の差し込む光や馬車の車輪の音で目を開けるのであった。
「うーん。よく寝たな。あ、そうだ。今日は街道のモンスター退治をやるんだった。
早く起きて、準備しなきゃな。」
少年は目を覚ますとベットから飛び起きて、さっそく顔を洗って、朝食のパンをかじると
外出する支度をし、木剣を持って、部屋を出るのであった。彼は起きたばかりであったので
ときおりあくびをして目をこすりながらゆっくりと歩いていくのであった。
「はあー。眠たいや。やっぱり、街に着いてそうそう、クエストを引き受けるんじゃあ
なかったな。でも、お金は稼ぎたいし、仕方ないかな。今日のクエストでモンスター退治
する街道は街から30分くらいのところだな。早く行こうっと。」
少年はそんなことを言いながら、街の入り口まで来ると、気を引き締めて、出ていくので
あった。30分後、少年は目的地を目指して街道の中を歩いていた。
「そろそろクエストで引き受けた場所かな。でも、モンスターはいるかな。ここまでは
全然出てこなかったしな。」
少年が歩きながら周りを見渡しているとある声が聞こえてくるのであった。
「ワオーン。ワオーン。」
「あれはオオカミの鳴き声。よーし、やっぱりクエストで引き受けた通りモンスターは
いそうだな。それじゃあ。始めようかな。」
少年はモンスターのオオカミを見つけると木剣を構えて、近寄っていくのであった。
オオカミは街道の脇の草原におり、3匹がたむろするようにいた。少年は攻撃できる
距離までじりじりと迫ると一気に攻めかかるのであった。
「いくぞ。とおー。」
「ワ、ワオーン。グフ。」
少年はオオカミに一撃をお見舞いするとクリーンヒットしたようで、1匹目のオオカミが
いきなり倒れてしまうのであった。これまでの剣技の訓練や戦闘で培ってきた経験により
少年の力や技の能力が向上しており、オオカミなどはすぐに倒せてしまうのであった。
「あ、一撃で倒してしまったよ。だいぶ能力が向上しているんだな。」
少年は自分の能力の向上を実感するのであったが、手元の剣士の腕輪に埋め込まれた
赤い宝石がピカッと光るのであった。少年はさっそくあのことを思い出した。
「あっ。まずいぞ。モンスターを10匹倒すとあれが発動するんだった。気をつけ
ないとな。」
「ワオーン。」
少年は剣士の腕輪の副作用のことを思い出すとむやみに攻撃をしないように注意するので
あったが、残りのオオカミ2匹が一斉に攻撃してくるのであった。
「あ、あぶない。えい。」
「ワ、ワオーン。」
少年はオオカミ2匹の攻撃をかわすと軽く1匹のオオカミの胴体を打ち払うのであった。
オオカミはダメージを負ったようで、かなり動きが鈍くなった。もう1匹は少年に再度
攻撃を仕掛けるのであった。
「ワオーン。」
「とりゃー。殺さない程度にダメージを与えておけば、街道まで出てくることは
ないだろう。」
少年はもう1匹のオオカミの横っ腹を打ちすえるとオオカミはかなり痛い表情を浮かべて
後ろに下がるのであった。彼は手負いになったオオカミ2匹を睨みつけてこう言い放った。
「今度、この辺に近寄ったら、倒すからな。森に帰れ。」
「ワ、ワオーン。」
オオカミ2匹は少年の睨みつけにおそれをなし、脱兎のごとく、逃げていくのであった。
少年は見事にオオカミたちを追い払うのであった。初回の戦闘で十分な成果が得られて
彼は満足した。
「よーし。この調子でモンスターを退治していくぞ。あまり、倒しすぎると面倒なことに
なるから、追い払うこともしようっと。」
少年は強くなっていたのでバンバンとモンスターを倒したいと思う気持ちを抑えながら、
モンスター退治を始めていくのであった。彼は街道の先に進んでいき、他にもモンスターが
いないかを見ていくのであった。
「さあ。次のモンスターを退治に行くぞ。あ、あの辺にまた別のオオカミの群れが
いるぞ。」
こうして、少年は街道のモンスター退治をこなしていくのであった。しばらくすると街道
付近のモンスターはあらかた少年に退治もしくは追い払われたようであった。
「ふぅ。だいぶ倒してやったぞ。もう今回のクエストのエリアはこなせたかな。
そろそろ、お昼だし、今日倒したモンスターの死骸を持って、街に帰ろうかな。」
少年がクエストの依頼をこなせたので、街に帰ろうと考えていたとき、遠くから、人の
悲鳴が聞こえてくるのであった。
「ひ、ひぇー。お助けください。」
「う、なんだ。あっちから誰かの悲鳴が聞こえたぞ。行ってみよう。」
少年は悲鳴の聞こえた方に向かうのであった。彼は悲鳴のした方に走って向かうと
視線の先に馬車が止まっており、周りをモンスターに囲まれていた。
「ウケ、ウケケ。」
「わあ。誰か助けてください。このままでわ。死んじゃうよー。」
少年は馬車の主を助けようと近づくが見慣れないモンスターに戸惑うのであった。
「う。なんだ。あのモンスターは俺のいた村では見たことがないな。とりあえず、
馬車に乗ってる人を助けないと。」
馬車を囲んでいたモンスターはゴブリンという小型の人型モンスターであった。ゴブリンは
集団で行動し、攻撃力は低いが簡単な武器も使い、知恵もあるので数がそろうと厄介な
モンスターであった。少年は馬車の主を助けるためにさっそくゴブリンに攻撃を仕掛けた。
「とりゃー。えい。」
「ウケ。ウケ。ウケケ。」
ゴブリンは構えていて武器で少年の1撃目をなんとか受け止めてしまうのであった。少年も
少し驚いたが、すぐに力をためながら、木剣で構えて、2撃目を放つのであった。
「やるな。これでもくらえ。ため切り。」
「ウケー。ガフ。」
2撃目のため切りを受け止めようとしたゴブリンであったが、強烈な一撃であったため、
受け止められず、打撃が頭に入ってしまうのであった。なんとか1匹目のゴブリンを
倒した少年であったが、ゴブリンの強さを理解するのであった。
「なるほど、こいつらが街道で暴れていた本命のモンスターだな。結構強そうだな。
とどめまで刺さないとこっちも危なそうだな。」
「ウケ。ウケケ。」
ゴブリンたちはあと5匹おり、少年は1人でこのなかなか強いモンスターを相手にしなければ
行けなかった。しかも、今倒したゴブリンで8匹目のモンスターを倒したことになり、
剣士の腕輪の赤い宝石がピカッと光ってしまうのであった。
「こうなったら、やるしかないな。とりゃー。どりゃー。」
「ウケ。ウケー。」
少年はゴブリンの胴体に一撃を与えてひるませるが、ゴブリンは後ろに少し後退するだけで
なかなか逃げようとはしなかった。それどころか、空いた穴を埋めるように他のゴブリンが
攻撃をしてくるのであった。
「や、やるな。こうなったら、こちらも仕留めにいくぞ。どりゃ。」
「ウケー。ガフ。」
少年は仕方なくゴブリンを倒しに全力で攻撃するのであった。ゴブリンは少年の木剣の
一撃で倒れてしまうのであった。彼は馬車の方を見ると他のゴブリンが馬車の主に攻撃を
しようとしていたので、飛びかかって、ゴブリンの攻撃を防ぎながら、木剣でなぎ払うので
あった。
「あ、危ない。とりゃー。」
「ウケー。ドス。ガフ。」
少年はゴブリンをなぎ払ったが、飛ばされたゴブリンが馬車の車輪に激突してしまい、頭の
打ち所が悪かったらしく、そのまま倒れてしまうのであった。少年は馬車の主を守ることに
成功したが、剣士の腕輪の赤い宝石がピカッと光ってしまい、あの条件を満たしてしまう
のであった。
「あ、あれ。払い除けようとしただけだったのに、打ち所が悪かったみたいだな。
し、しまった。これで10匹目のモンスターを倒してしまった。」
少年は光る剣士の腕輪を見ていると光がさらに強くなり、少年の周りが赤い宝石の光で
包まれてしまうのであった。
「き、来たぞ。あれが起こっちゃうぞ。」
なんと、少年の体は赤い宝石の光の中で変化を始めるのであった。まずはゴツゴツして
いた手が白く細いものへと変化し始めた。そして、脚も細くスラリとしたものに変化して
いくのであった。さらに変化は進み、肌は白くきめ細かに、腕や脚も伸び始めていくので
あった。
「あ、なんだ。体が変わっていっているような気がするぞ。」
少年の体の変化はこれにとどまらず、胴体にも及び始めた。胸の筋肉質な部分が徐々に
柔らかくなると胸が少しずつ膨らみ始めるのであった。初めは少し隆起する程度あったが
服を押し上げていき、みるみるうちに胸がどんどんと膨らみメロンくらいのサイズにまで
膨らみ、ピンク色の乳首や乳輪が形成されていくのであった。これとは逆に腰の部分は
キュッとくびれて見事なくびれが形成されるのであった。
「む、胸が膨らんでるよ。はあん。」
少年は胸の膨らみの影響で思わず、声を発してしまうのであったが、この声がまるで女性の
ような高い声に変わってしまっていた。胸の膨らみに呼応するように太ももはムチっと
適度に膨らみ、お尻も膨らみ始めて、大きな美尻が形成されるのであった。
「あん、俺。なんて声を出しているんだ。それになんか、太ももやお尻も大きくなって
るよ。」
体の変化は顔にもおよび、顔の形が卵型の形になると、少年の目は切れ長になり、
まつ毛も伸びていき、唇もプクッと膨らんでいくのであった。最後に髪の毛が伸びていくと
背中まで達して少しウェーブのかかったピンク色の髪になるのであった。
少年の体は23歳くらいのセクシーな大人の女性に変貌を遂げるのであった。変化はこれにとどまらずに服にもおよび、少年の服はGカップの巨乳を包むように白色のチューブ
トップに、ズボンは白色のミニのタイトなスカートになると白色のマントとロング
ブーツが装着されていった。最後に顔に化粧が施されていき、ファンデーションが
塗られるとアイシャドウと赤い口紅が塗られていった。
「はあ。はあ。変化が収まったみたいね。」
剣士の腕輪の赤い宝石の光が収まると少年の立っていた場所には23歳くらいの
セクシーな巨乳魔女がたたずんでいたのであった。巨乳魔女は自分の今の状態を確認すべく
体を確認していくのであった。
「やっぱり、胸が大きくなってるわ。とっても大きいわね。しゃべり方も大人の
女性みたいになってるわね。」
巨乳魔女は胸を確認するとしゃべり方まで大人の女性に変わっていることに驚くので
あった。次にお尻の方に手を伸ばすと大きく膨らんだ美尻を触るのであった。
「す、すごいわね。こんなに大きくなるなんて、それに柔らかいかも。あん。」
巨乳魔女は自分のお尻を触って、少し変な感じを覚えたのか、ほほを赤らめるのであった。
そして、気を取り直して、体を確認しているとあることに気がつくのであった。
「それにさっきまで持っていた木剣が魔法の杖に変わっているわ。やっぱり、私、
前みたいに魔法使いになったみたいね。」
巨乳魔女はセクシーな自分の変貌ぶりを確認していた。しかし、ゴブリンたちはあと
3匹残っており、少年の変貌に驚いて、後ろに下がっていた。しかし、巨乳魔女がすぐに
攻撃してこないので、好機とみて、彼女に近寄ってくるのであった。
「ウケ。ウケケ。」
「ウケ。ウケケ。ウケ。」
ゴブリンは巨乳魔女を取り囲むようにして近寄ると1匹目が飛びかかってきたのであった。
彼女はこれにすぐに対応すべく、魔法の杖を構えて、魔法攻撃を放つのであった。
「もう、変身そうそうに攻撃してくるなんて、水よ。えい。」
「ウケー。ガフ。」
巨乳魔女は魔法の杖から大きな水の玉を放つと勢いよく飛びかかってきたゴブリンに
衝突させるのであった。これにはゴブリンも後方の木まで吹き飛ばされてしまい、そのまま
木に激しく打ち付けられてしまって、倒れてしまうのであった。
「うふ。あなたたち大したことはなさそうね。まとめてかかってらっしゃい。」
「ウケ。ウケケ。」
「もう1回。水よ。えい。」
「ウケー。ガフ。」
巨乳魔女は、再度、魔法の杖から大きな水の玉を放つとゴブリンに当てるのであった。この
ゴブリンも後方に激しく吹き飛ばされてしまい、地面に激しく叩きつけられてしまい、
そのまま倒れてしまうのであった。
「残りはあなただけみたいね。さあ、どうするの。」
「ウケ。ウケー。」
残り1匹のゴブリンは大勢が悪いと見るや林の中に後退していくのであった。しかし、
そのまま逃げていくと思いきや、新たな仲間を引き連れてきたのであった。
「ウケ。ウケケ。」
「ウゴ。ウゴゴ。」
「あら、逃げたと思ったら、新手を引き連れてきたみたいね。」
新たな仲間は巨大ゴブリンと呼ばれており、ゴブリンよりも2回り以上大きく、人間の
大人よりも大きかった。しかも、大きな棍棒を装備しており、攻撃力はすごかった。
「ウゴ。ウゴゴ。ドーン。」
「やだ。この子ったら。とっても攻撃力がすごいわね。まともに食らったらまずいわね。」
巨大ゴブリンは大きな棍棒で巨乳魔女に強烈な一撃を放ったが、動きが鈍い分、彼女は
軽くかわすのであった。しかし、当たってしまえば、大ダメージをくらうことは目に見えて
おり、早々に決着をつける必要が彼女にはあった。
「こうなったら、まとめて一気に仕留めてあげるわ。水よ。お願い。ブシャー。」
「ウケー。グフ。」
「ウゴー。ドン。」
巨乳魔女は魔法の杖から水の玉ではなく、大きな水流を放つのであった。先ほどの水の
玉など比にならないくらいの大きな水流が巨大ゴブリンといっしょにいたゴブリンに
激突し、それらを飲み込み、後方に押し流すのであった。押し流されたゴブリンの方は
ひとたまりもなく、木にぶつかって、そのまま倒れてしまった。巨大ゴブリンは押し
流されて、木に衝突して、倒れていたが、なんとか立ち上がろうとするのであった。
「あら。やっぱり。あなたは一撃では足りないようね。じゃあ。ダメ押しね。水よ。
えい。」
「ウゴー。グフ。」
巨乳魔女は魔法の杖から大きな水の玉を放つと巨大ゴブリンの頭に向けて飛ばすので
あった。大きな水の玉は巨大ゴブリンの頭部に着弾すると巨大ゴブリンはそのまま倒れて
しまうのであった。
「これで全部倒したみたいね。クエストはこれで終了かしら。うふ。」
「あ、あの。ゴブリンたちは全部倒されましたかね?」
巨乳魔女がモンスターを全部倒したことを確認していると後ろの馬車から声がするので
あった。どうやら、馬車の主のようであった。馬車の主はゴブリンに囲まれて、身を伏せて
いたので少年や巨乳魔女のことは全く見ておらず、変身のことなどは全く気がついていない
ようであった。
「あら、あなたが襲われていた馬車の主のようね。ケガはないかしら。」
「はい。大丈夫です。私は旅の商人をしております。街に向かうべくここを通っていた
のですが、ゴブリンたちに遭遇してしまって危うくやられるところでした。それよりも
あなた1人であの数のゴブリンを倒されるなんてすごいですね。」
「どういたしまして、私の魔法ならあんなゴブリンはちょちょいのちょいよ。うふ。」
馬車の主である旅の商人は巨乳魔女に助けられたことをとても感謝するのであった。彼は
感謝の言葉を述べると懐から小袋を出してくるのであった。
「あの。命を助けられて、本当はお金を渡したいですが、街での商売で必要なので
代わりに大したものではありませんが、これを受け取ってください。」
「これ、何かしら。いい匂いがするわね。」
「はい。私が取り扱っている西方の国の香辛料です。肉料理に使えば、絶品の料理に
なります。街や大きな街で売れば高額で買い取ってもらえますよ。」
「え。そうなの。うれしいわ。ありがとう。」
巨乳魔女は旅の商人の感謝の贈り物に大変喜ぶのであったが、あることを思いついて
旅の商人にお願いするのであった。
「あの。お願いがあるんですが、いいかしら。」
「はい。命の恩人ですから。聞けることはなんでも聞けますよ。」
旅の商人は巨乳魔女のお願いとあれば可能な限りなんでも聞くつもりであったので
2つ返事で答えるのであった。
「今日倒したゴブリンの死骸を馬車で街まで運んで欲しいのよ。いいでしょ。」
「は、はい。そんなことなら、喜んでやりますよ。」
「あと、この先にオオカミの死骸もあるからいっしょにね。」
こうして、街道のモンスター退治のクエストをこなした少年、いや今は、巨乳魔女は
旅の商人の馬車に乗って、街に戻っていくのであった。
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