【R18】異世界転生したら投獄されたけど美少女を絶頂テイムしてハーレム作って無双!最強勇者に!国に戻れとかもう遅いこのまま俺は魔王になる!

金国佐門

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第一章前編・閑話的外伝「精湯治性射・黄金水伝説完結編」(松)裸のお突き愛

第七十四話「いきなりシャワーと魔法考察」

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 そんな訳で。ようやく風呂である。
 ここまで長き道のりだった気がする。

 いや、実際は風呂を創り終えてから十分と経過してないはずなんだがなぁ……。

 それだけ全力でこの時間を楽しんでいた、ということなのだろう。

 実に濃密な時間だった。
 タキサイキア現象という奴なのだろう。
 まるで戦場にいるかの如く、刹那の時間が引き延ばされていたように感じる。

 よく、楽しい時間は一瞬だ、なんて言うけどさ。あんなの嘘っぱちだな。
 本気で集中すると、人というものはこうも時が遅く感じるものなんだなぁ。

 え? そんなことができるのはお前だけだって?
 確かに、そうかもな。まぁ、そんな些事は捨ておいて。

 そんなこんなで、まずは体を洗い始める俺達。

「なるほど……こんな感じでしょうか」

 セルフィの魔法を一目で見て看破したらしいルティエラさんがシャワー魔法を再現する。

「ふむふむ。あぁ、なるほどな」

 そんなこんなで俺も余裕で再現する。

「……んにゅ? ふぇぇ?」

 頭上に無数のハテナマークを浮かべたような表情で一人困惑しているのはもちろんフィルナだ。

「しょうがないの。こいつはサービスなの」

 セルフィが生活魔法を複数行使してシャワーもどきを発動する。

「ありがとー」

 パシャパシャと頭上からお湯を浴びながらニコニコ笑顔で体を洗い始めるフィルナ。
 可愛いのぅ。

 ちなみに、このシャワー魔法の原理についてなのだが。
 単に生活魔法を複数組み合わせただけの代物である。
 オリジナル魔法、という訳ではない。

 原理はこうだ。

 まず、加熱ヒーティングを付与した水生成クリエイトウォーター。これでまずはお湯を生成する。
 この使用方法だけであれば従来の生活魔法における基礎中の基礎たる使用法の一つであるため、別段特別でも何でもない。

 これに、領域フィールドを使用する。生活魔法Bランクにあたるこの魔法は、特定の空間に生活魔法を持続させる効果を持つ付与魔法だ。
 先程、粗相したフィルナを洗うのに使ってたアレだ。水を空間に固定して洗濯機や風呂のように活用したりもできる便利な奴だ。
 もちろん、冷却リフリジレイションを付与した風生成クリエイトウィンドに使用すればその空間を冷蔵庫代わりにしたり冷房なんかにも使える優れ物。

 で、この領域フィールドちゃんを、“とある魔法”と組み合わせることで水生成クリエイトウォーターで生成したお湯を頭上で一旦留め置いて、複数の穴から流れ落ちるようにして使用する。これでシャワーの完成だ。

 だが、セルフィのしたたかな所はそれだけじゃない。

 加熱ヒーティングを付与した水生成クリエイトウォーターに直接領域フィールドを付与した場合、領域フィールドの持続時間中、ずっとお湯を生成し続ける術式となってしまう、この場合、効果時間中めっちゃ魔力が消耗することになる。
 なぜならば、その間ずっと何度も水を生成する魔法を使用し続けることになるからだ。
 いくら領域フィールドにより空間指定で繰り返すようにした所で、この魔力消費コストは踏み倒せない。
 そこでセルフィはどうしたかというと。

 回転トウィドゥル。これもBランクの生活魔法なのだが、つまり名前の通り、魔力で物体を一定方向に回転させたり、旋回させ続ける流れを付与するというものだ。この魔法を使い、頭上に溜まった水を複数の穴から流れ落ちるようにし、落ちた水を後方でまとめ上げ、自動的に上に流し、頭上の水溜め場に戻してから再び流すという、回転を“流れによる循環”として機能させる仕組みにして付与したのだ。

 ちなみに、本来なら回転トウィドゥルに重力を無視して頭上まで水を持ち上げるような力は無い。だが、領域フィールドと組み合わせると領域フィールド内限定ではあるが少量の水程度なら浮遊させることも可能となる。

 つまり、先ほど述べた“とある魔法”とはこれのことだ。これをかませることで本来ならば再度魔力消費の必要があるコスパの悪い持続時間中強制再使用効果でしか付与できなかったはずの領域フィールドの恩恵を、水生成クリエイトウォーターにも適用できるようにしたって訳だ。

 だが、ここで一つ問題が発生する。

 そう、戻った水、汚くね? という問題である。

 考えてもみて欲しい。体を洗い落とした水は果たして綺麗と言えるのだろうか?

 え? 美少女の肌を這いずりまわった水なんて、むしろ舐め回したくなるほどにご褒美レベルで綺麗だろうが、だって?
 確かに、ペロペロゴクゴクしたいというその気持ち、わからない訳じゃない。むしろ非常によくわかる。
 だが、今はそういう話をしているんじゃないんだ。少し真面目に考えてみよう。

 答えは当然、否だ。

 さきほどセルフィが口を洗って吐き出したように、体の汚れを落とした、しかも、俺ががんばって綺麗に作った床であるとはいえ、床に落ちた水、なのである。

 ……汚くて、なんか嫌だよな?

 そこで安心のセルフィ設計。

 なんと頭上の水溜め部分に浄化ピュリフィケーションを付与することで対処策が施されている。
 そう、言わずと知れた汚れを取る便利魔法。多少汚れた液体でさえ使えば真水にできるという強力な奴だ。

 もっとも、生活魔法をAランクにまで上げないと一部の細菌や有毒物質には対処しきれないらしいがな。
 まぁ、毒と呼べるレベルのものまでは消せないという、縛り的なアレだ。そこまで強力な魔法が生活魔法のCランクにあったんじゃ、毒消し魔法なんかが無意味になっちまうからな。ゲームじゃあないが、そこら辺はなぜかバランスが取られているようだ。
 という訳で、泥まではさすがに無理だが、小便でさえ真水レベルにまで処理できる超有能な魔法。これを使う。

 そして、生み出された時点ではお湯であっても、このシステムじゃ何度も使いまわす内に徐々に冷めてくんじゃね? という問題については、さらに加熱ヒーティング領域フィールドで頭上の水溜め場に付与することで、再度落ちるまでの間に再び温いお湯にまで戻るよう設計されていたりする。

 実に理にかなった効率的な作りである。

 さて、こんなに沢山の魔法を組み合わせたんじゃ逆に魔力消費コストが重くなるんじゃね? と普通ならば疑問に思う所だろう。
 だが、そうはならないようなのだ。

 まず、どうやら水生成クリエイトウォーターに関しては、物質生成型、という部分が引っかかっているようなのだ。
 このせいで、領域フィールドで持続させても一定の質量を生成した後に再コストが発生する、という仕組みにどうしてもなってしまう。
 物質生成型に関しては、どうやら領域フィールド効果による“持続”の解釈が、魔法効果終了後に自動的にコストを支払い再使用、という法則になっているようなのだ。

 だが、非物質生成型である浄化ピュリフィケーション回転トウィドゥル加熱ヒーティングなどは別で、領域フィールドの持続時間中“ずっと効果が持続する”という法則になっている。つまり、これらに関しては1回の使用からくる魔力消費だけで済む訳だ。

 それらの結果から、一度に生成できる水の量から算出される再使用に必要な回数から割り出される消費魔力量と、この数の魔法を組み合わせて同時に使用する際の魔力消費コストを計算した結果、魔力がAランクまでの魔術師が使うのであれば、どうやらこの組み合わせが最適らしいのだ。と、脳内のスキルと俺のINTから導き出された情報がそう示しているんだから間違いないはずだ。きっと。たぶん。メイビー。

 もっとも、さすがに魔力がSSランクの生活魔法ランクS+ともなると水生成クリエイトウォーターで生成される水の量も半端ではなくなるらしく、頭上に溜まった大量の巨大水塊を見た限りでは、俺レベルであるならば、よほど長時間このシャワーを使いでもしない限り、再使用した所で総合的な魔力コストにさほどの違いは無さそうではあるのだが。

 そんな感じで、滝のようにドバドバとお湯を浴びつつ、知識スキルの恩恵により、刹那の合間に魔法についての理解を深める俺なのであった。

 そんなこんなで、俺は魔力を液体石鹸状にし、手から出す。
 ん? 別に変化系の念能力に目覚めた訳じゃないぞ?
 そんなクソ微妙な発、メモリの無駄遣い過ぎるからな?

 これは洗浄ディタージェント

 生活魔法Bランクにあたるこの魔法は、最低限の殺菌、消毒、抗炎症の洗浄効果を保有し、しつこい汚れでさえ綺麗に落し、なのに肌に優しく、なおかついい匂いがして洗い落とした後もしばらく残る、しかも油汚れでさえよく落ちるという、現代の主婦がもしこの世界に現れたら真っ先にこのためだけに生活魔法を習得してランクを上げるであろう超便利有能魔法の一つだ。

 浄化ピュリフィケーションでよくね? だって?

 まぁ、実際そうなんだけどな。
 けど、綺麗好きはこいつも使って再度洗うらしい。
 それくらいに、すっきりと、しっかり身を清めた気分になることができる優れものなのだ。

 という訳で、もう洗うためにわざわざ皮を剥く必要もなくなったズル向けの黒光りする益荒男の宝剣ズルフィカール様をしごいて洗う。
 しっかり洗う。

 なぜだろう。肌を突き刺すような謎の感覚。

 魔力石鹸のせいではない。そうであるはずが無い。なぜならこれは、肌に優しい赤ちゃん肌に使っても安心な薬用石鹸レベルの代物なのだから。

 つまり、これは……。

 目を向けると、嫁たちが興味津々といった表情でこちらを見ていた。

『ふぇぇ……そんな風に洗うんだ』
『そんなに力強く握ってしごいて、痛くはないのでしょうか』
『できればフル勃起状態のを見たかったの……』

 口に発してはいないものの、多分そんな風に考えてるんだろうな、と理解できるような顔だった。

 そして、俺の視線に気付くと、嫁達はそっと目をそらし各自、身を清め始める。

 股間の宝剣の泡を洗い落とし、手を清め、まずは頭から、そして体中、胸やら腹やら脚やら腕やらに魔力石鹸を塗りたくる。
 またもや肌を刺す謎の感覚。

 目を向けると、やはり嫁達が目を爛々と輝かせ、鼻すら膨らませかねない勢いで、まさに興奮を隠し切れないといった様相で、俺の体を凝視しているのだった。

 セルフィに至っては、どこかの神に祈るような仕草をし、感謝の念さえおくっていらっしゃるご様子。
 そんなに嬉しいもんか?

 とは思うものの、先程までの己を垣間見れば納得もできる。
 美しい異性が全裸で身を洗い清める姿なんて、そりゃ見たいわな。

 ……まぁ、見たいなら見させておこう。
 俺も散々楽しませてもらったしな。
 これでおあいこ、ってことで。

 それはともかくとして、体を洗いつつ、俺は思うのだ。
 セルフィには感謝と共に感心する他ないな、と。

 このシャワー魔法のことである。
 実によくできた魔法であることは先ほども述べたが。

 俺には、風呂の作成まではできても、シャワーを作るという発想なんてさらさら無かった。
 加熱ヒーティング水生成クリエイトウォーターでお湯を生成し、領域フィールド回転トウィドゥルで空間固定して体を洗う、くらいしか考えていなかったのだ。それで充分だろうとさえ考えていた。
 だが考えても見て欲しい。その方法だと、体の汚れを落とした水は、そのまま空間に固定されたままなのだ。
 そう、結局洗ってないのと同じなのだ。

 だが、この世界における体を洗う方法なんてこれくらいが普通のようなのだ。
 しかも、この方法でさえ生活魔法がBランク無いとできない一部の魔法が得意な者のみに許された贅沢レベルな代物。
 もっと一般的な方法なんて、浄化ピュリフィケーションをかけるのみ。よくて追加で水生成クリエイトウォーターか汲んできた水を浴びるなり濡らしたタオルで拭くなりするくらいらしいのだから。

 ゆえに、その程度でよいのだろうと、俺はそこで思考を停止させていた。
 さらに工夫をするプルスウルトラなどという発想など、皆無だった。

 だが、セルフィは……。

 一目で理解でき、再現できたのは当然、スキルの影響によるものだ。
 生活魔法のランクとINTの高さから自動的に導かれた考察が一瞬で勝手に脳内に流れ込んできたのだ。

 魔法に関するランクは知識スキルでもあるようで、これまでも何度か最適な魔法やその効果などが思い浮かんできた。
 でなければ修行という手順をはぶいて邪道な手段で異能強奪スキルハントしただけの俺が、魔法のリストや勉強なくして、こうもたやすく使いこなせているはずがないのだから。
 だから、一目みてその構造と使用魔法の例が、最適解として自然と脳裏に浮かび、即座に理解できた。

 だが、セルフィは違う。

 誰かに教わったのでない限り、自力でこれを思いついたはずなのだ。

 随分と使い慣れているように見えた。
 魔法のスキルゆえ、体が自動的に最適化されて動くのだからそれは当然のことではあるのだろうが。

 恐らく、普段からこの複合魔法を使用して体を洗ってきたであろうことが推察できる。

 そして、あわやルート分岐か、という流れで先ほどセルフィが吐露した「路地裏スラムで育った」という話。
 これらを絡み合わせれば自ずと答えが導き出されるというもの。

 そう、生活の知恵、という奴なのだろう。
 必然性とはいえ、よく工夫された使い方だと感心させられる。
 もはやオリジナル魔法とさえ言って良いレベルの代物だ。

 もっとも、この世界にはオリジナル魔法、などという概念そのものが無いようではあるのだが。

 この世界の魔法は特殊で、修行して身に付けたにせよ、スキルポイントなどで習得したにせよ、ランクが上がりさえしてしまえば、そのランクで使用可能な魔法全てが、自動的に使用可能な魔法として追加される、というシステムであるらしい。

 その修行の方法は、上位ランクの魔法を練習して繰り返していき、全て使いこなせるようになればランクが上がるというもの。
 そして、ランクさえ上がってしまえば自動的に、まるで自転車に乗れるようになった時のように、スイスイと体がバランスを取るあの時のような感覚で、脳が無意識で必要なことを補佐して勝手に実行してくれるようになる。魔法に限らずスキルというシステムそのものがこのような形をとっている。
 つまり、該当スキルを習得さえしてしまえば、使用可能ランクの魔法は全て、決して失敗せずに発動可能である、ということ。

 逆を言えば、未修得である上位ランクの魔法のみ、詠唱や魔力操作に失敗すれば発動しない。自力で成功させる必要がある。
 だが、本来ならばこれが普通なはずなのだ。どのような魔法であれ詠唱を暗記し、必要な技術を駆使し、常に失敗と隣り合わせなのがよくある異世界の魔法だ。

 だがしかし、この世界の魔法は違う。

 それこそがこの世界のスキルシステムの素晴らしくも恐ろしい所なのだ。

 だが、それゆえに、スキルにせよ魔法にせよ、オリジナルのものを新たに編み出す、という余白、概念そのものがこの世界には存在していない。
 なぜなら、この世界における修練とは“すでにこの世界に存在する”魔法やスキルを習得することをさすのだから。

 ゆえに、遺失魔法を研究する場合でない限り、オリジナルの魔法やスキルを研究する、などといった発想には普通、至らない。

 その遺失魔法の研究についてでさえ、詠唱などを研究し、ある程度魔法の構造と魔力操作も含めた成果が一定以上の水準で一致に至った瞬間、自動的に遺失だったはずの魔法を理解し、再現が可能となる、といった理屈であるらしい。

 ちなみに、今思い浮かべた知識でさえ、この世界におけるスキル、言うなれば魔法知識スキルによる結果なのだ。
 これら知識を俺は誰かに聞いた覚えもないし、学んだ覚えも無い。だが、自動的に理解できた。まるで、すでに知っている知識であるかのように。
 そう、知識スキルとINTの結果が水準を超えていれば、自動的に“すでにそれを知っていた”という結果に至るのだ。それがこの世界におけるスキルシステム。スキルを得てしまえば、それができてしまうのだ。わかってしまう、という訳だ。

 そして、その「学んだ覚えも無いのに勝手に思い浮かぶ」という、知識スキルと知力の影響で、俺にはそれがわかるのだ。わかってしまうのだ。

 この世界には、“オリジナル魔法”などといったもの自体が存在しない、ということが。

 そういった理由から、オリジナルの魔法やスキルを作成する、などといったスキルでもない限り、それを生み出そうなどと言った無駄な行為を行う者など存在するはずもなく。そんな発想自体がそもそもこの世界には存在しないようなのだ。

 もっとも、今のランクで知ることが出来るレベルの範囲の知識なので、もしかしたら更に上位ランクにまで昇りつめれば異なる事実が存在するのかもしれない訳なのだが。

――ゆえに、彼女のように“工夫を凝らす”ということができるというのは、案外才能なのかもしれないな。

 などと、ドバドバと滝のようにお湯に打たれながら、泡を落しつつ、刹那に時間の間に俺はこれだけの考察をし、愛する嫁を賞賛しつつ、学んだ覚えの無い知識を得た結果から適当な考察をする俺ちゃんなのであった。

 ……しかし、そういえば、セルフィの知力はBか。
 これは人族の中ではわりと優れた部類に入る。

 ちなみにフィルナの知力はD。
 つまりは人族の中ではわりかし悪い部類に入る。

 そしてルティエラさんの知力はなんとA。
 人族の中では最高位に優れた部類。昼においてであれば、俺と同等の知力ということだ。

 ……なるほどなぁ。

 先ほど、唯一シャワー魔法の原理を理解できなかった理由を俺は察してしまう。

 そんなおバカ可愛いフィルナの顔をじ~っと見つめてみる。

「な、なんだよぉ」

 顔を赤らめ、さっと体を両手で覆い隠す。
 照れる顔も可愛らしい。

「たぶん、体を洗ってあげようか、ってことなの」

 おいおい。
 セルフィめ、俺が考えてもいないことを勝手にぬかしおる。

「だ、ダメだよぉ。そんなことされたら、その……そういう気分になっちゃうかもしれないもん」

 顔を赤らめうつむくフィルナ。
 はぁ~! もうくっそかわええなぁおい!

「ということらしいので、さぁ、存分に私の体を洗うといいの」

 両手を広げて誘うセルフィ。
 バインバインとたわわに実った豊穣の恵みたる肉の果実達が跳ねまわる。
 くっそエロいな本当もう。

「いや、そんなこと考えてもいないから。っていうか、お前はさっき散々洗ってただろうが」
「てへ♪」

 そんなやり取りを横目に、さっさと体を清めるルティエラさん。

「え? あ、私の体も、洗いたかった……ですか?」

 きょとんとした顔でこちらを見つめ、俺の視線に対する見当違いの反応を返してくる。
 君はピュアかわええのぅ。

「アルクのセクシーな姿を見てたら、ここが汚れちゃったかもしれないの」

 どこがどう、なんで汚れるんですかねぇ。

「洗って……欲しいの」

 乙女の秘密たる性なる道筋グランドラインを指で広げつつ誘惑を仕掛けてくるセルフィ。
 だがしかし。

――恥じらいしおが足らんのですよ。

 俺の心は平静だ。

「自分で洗いなさい」
「えぇ~。洗って洗って~」
「だぁめ」
「ぶぅ……酷いの。塩対応なの~」
「まぁまぁ、今はお風呂タイムなのですから。そういうのは夜まで待つといいのですよ」
「うんうん、そういう気分になりかけちゃったのは……まぁ、わからなくもないけどさ、せめて夜までは待とうよ」
「待ちきれねーの。こんなのお預けなの。耐えられねーの。このままだと、ここで一人でおっぱじめかねねーの」
「それはやめなさい」
「あぅぅ……」

 そんな感じでじゃれあいながら、身を清める俺達なのであった。

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