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第一章前編・閑話的外伝「精湯治性射・黄金水伝説完結編」(竹)なんということでしょう
第六十二話「いきなりナマ脱衣(中編)」
しおりを挟む女子の生着替えを目撃できた男子は幸せである。心豊かになれようから。
私達はその権利を持ってこの地上に生まれてきたにも関わらず、眺めることの許されない性を背負わされ、生き続けねばならない運命なのだから。
あまりの美しい光景に、俺は思わず謎の詩文を思い浮かべてしまっていた。
……いや、ダ○バインなんて古い元ネタ、誰がわかるんだって話だよな。
少なくともこっちの世界では誰も知らんだろう。異世界人を除けば。
アニメやゲームが恋しいぜ。やりたかったなぁ。ス○パー□ボット大戦の新作。出るのか知らんけど。
だが、俺は今、そんなエンターテイメントを遥かに凌駕する素晴らしい光景を目の当たりにしているのだ。
そう、おにゃのこの生脱衣である。
同級生くらいの娘が服を脱ぐ姿って、なんでこうも心トキメクのだろうね。
過酷過ぎる異世界なんかよりも遥かに覗きたい光景が俺の目の前にあった。
フィルナが身に纏う淡いピンクのタンクトップ。それが今、ゆっくりとめくり上げられてゆく。
やがてあらわになってくるもの。そう、その愛くるしい、ぷにぷにとしたおなかである。
まるで雪原をも思わせる、白いきめ細やかな肌。
しっかりと窪んだおへそも可愛らしくてチャーミング。
だが、その低い背丈も相まって、どこか女児っぽい、というか未成熟な、小学生をも思わせる、いわゆるイカ腹と呼べなくもない、女性らしいくびれがなんとも心もとない、とてもストンとした体型なのだ。
ゆえに、愛らしい貧乳寸胴幼児体型。
もっとも、イカ腹といっても決して、ぽっこりおなかな訳ではない。
むしろきっちりとひきしまっている。
触れればふにふにと柔らかいフィルナのおなか。
だが当然、歴戦の戦士としての鍛錬は欠かさない。
彼女が日夜、美しい汗水を輝かせながら筋トレに勤しんでいる姿を俺は知っている。その目撃者だからだ。
まぁ、彼女は恥ずかしがり屋さんなので、自身が必死の努力を積み重ねている姿を見られるのは嫌みたいで、こっそり隠れてしているみたいなんだけどね。
ゆえに、その内に秘められたる肉は、鍛えに鍛え抜かれた鋼のむっちり筋肉様に他ならない。
……もしかしたら、思いっきり力ませれば、光の当て具合次第ではバッキバキのシックスパック様がおがめるのかもしれない。
一方、ルティエラさんのお腹はというと。
病的な、とまではいかないまでも、なんというか、薄い。
いわゆる同じロリ体型ではあるのだけれど、最低限に引き締まった、けれど具合よく最低限に肉の乗ったフィルナの健康的な幼児体型と比べると、ルティエラさんはちょっと心配になるくらいに華奢でか細い。
実際、軽くアバラが浮き出て見える。
それ程の痩せ型女児体型。
それがルティエラさんの体格なのだ。
どちらも同じ幼児体型なのに、実に対極的である。
なお、こちらも窪んだ小さなおへそがとてもチャーミングだ。ペロペロしたい。
……ちなみに、大事なことなので何度でも言わせていただくが。
ルティエラさんはこちらの世界における成人年齢をすでに満たしている。
ましてやフィルナに至っては、こうみえても一応、俺より年上のお姉さんなのだ。
種族的な理由で小柄というだけで、彼女達は立派な成人女性なんです!
それはさておき。
フィルナがその身に纏いし布をたくしあげる。
ルティエラさんも無駄の無い優雅な所作で、だぼっとした淡いクリーム色の上着をめくりあげる。
うにゅうにゅと、うんしょうんしょと、二人の幼児体型が今、各々共に、顔が見えなくなる所まで、その衣をたくしあげる。
結果、必然的に見えてくるのは――。
そう、まるで未成熟な少女のそれを思わせる程になだらかな、ほんのりと膨らみし乙女の禁断の双小丘。
その頂に一輪づつ咲き誇るは、純白の雪原の中央に芽吹いた春の兆しが如き、小さくも可愛らしい背徳の蕾。
蕾を取り囲むは麗しき乙女の聖環湖。それは決して下品に広がりすぎることなく、慎ましやかに、謙虚で控えめな、落ち着きのあるサイズで収まっている。
厳かで穢れなきその泉と蕾が、品性下劣にして醜い使い古しの娼婦のそれが如きドス黒紫やどどめ色、ましてや茶色めいた薄汚い色合いであるはずもなく。
――それはもう、美しくも清廉潔白、清楚にして可憐たる、見事な乳白桜色にございました。
陥没する事も無く、共に小ぶりでツンと尖ったそのお姿は、色、大きさ、形、共に美しい、まさに至高の芸術品。
まるでうら若き乙女の、それもまだ“女”になりきれていない年頃の、未だ青き果実のそれであるかのような、まさに触れることかなわぬ罪深き禁忌の小果実。
これを猥褻だとか性的だとかのたまう奴いる?
いねぇよな!
こんなもの、総じてエロいという感情よりもむしろ、美しいとか尊いとか芸術的だとか可愛らしいといった印象しか受けんわ。それ以外受けようはずがないのだ。
こんなにも愛らしくて愛おしいいたいけな少女の如き御仁らに欲情するだなんて、性的倒錯者以外の何者でもないのだよ。恥を知れ!
まったくもってけしからん。
あれ? でも俺、そんな二人に手を出したんだよね。
……俺、小児性愛者じゃ、ないよね?
そんな風に自らの性癖に疑問を抱きつつも、時の流れはゆるやかに、だが無常にも進み行く。
眼前にはうにゅうにゅと、可愛らしく着替えにいそしむ小動物めいた嫁二人。
やがて、その身に纏いし布を脱ぎきると、ぷはぁ、と共に顔を出す。
その果てに見えた光景を、俺は生涯忘れないだろう。
それはまさに、至高の芸術だった。
その美をさえぎる無粋なる布地より解き放たれ現れ出でたるは、まるで天使のように愛くるしい顔。
柔らかな天上の光を思わせる金の髪。空を舞う神界の雲にも似た穢れ無き白の肌。どこまでも果て無き空を想わせる青の瞳。舞い散る桜の花弁にも似た可憐な色合いの小さな唇。
整った顔立ちながらもまだ幼さ残る、丸みを帯びた小さな顔。そう、俺の愛しい嫁。フィルナの顔に他ならない。
そして、その傍らにて、可愛らしいゆるふわ寝間着を脱ぎ捨て、エルフ特有の尖った長耳をプルンと震わせながら姿を現したのは、まるで妖精の如き神秘の美貌。
彼女の美しき金色の瞳。その奥に秘められし厳かな輝き、静かに燃え盛る高貴なる煌めきは、まるで彼女のやんごとなき身分、尊き血筋を物語っているかのようで、その白磁にも似た透き通るように美しい滑らかな肌を、ピンクの薔薇の花弁を思わせる美しい色合いの、花の蕾にも似た可愛らしい小さな唇が可憐に彩り、その相貌のみでも値千金に匹敵する芸術性を感じさせてやまない。
まるでお姫様のような美しい所作で、その芸術的なまでに幻想的で高貴なる美貌を現したるは、そう、我が麗しの嫁。ルティエラさんに他ならない。
彼女の膝まで届く長い栗色の髪が流れるように宙をただよい、風無き空に踊りたなびき、やがて降りゆく。
その光景、さながら一枚の美麗なる絵画の如し。
例え、栄耀栄華にして贅の限りを尽くしに絞り尽くした賢覧豪華たる王城の大広間に飾られていたとしても、決して見劣りすることなど無いであろう。
もっとも、そんな王様は現代地球では性的倒錯者の嫌疑から逃れることはできないだろうが。
こっちの世界では知らん。エルフもドワーフも、なにより小人でさえもいるような異世界においては、案外普通なことなのかもしれないからな。
それはさておき。
入り口横の棚へと脱いだ寝間着を置く二人。
必然的に、そこに残ったのは、下半身のみ衣服をまとった、上半身裸の見た目童女な成人女子二人という、なんとも前世なら事案な光景である訳で。
上半身だけでこんなにも絵になる美しさ。であるにも関わらず、彼女達はまだ、全てをさらけ出してなどいないのだ。
つまり、これからまだ、さらに美しくなろうってんだから、たまらんねっ。
いや、むしろその途中というのがそそるのだ。
前世のバッキバキにDTだった俺は、とかく全裸だとか、行為中だとか、零れ出る声だとか、果てにある姿だとか、そんなものを追い求めてきたのです。
だって普段は布に覆い隠され、選ばれし者にしか見ることの許されない総天然色桃艶あわびがあるというのに、その過程程度の姿だなんて、むしろそんなシーンはさっさとすっ飛ばして本番行けや! インタビューシーンなどいらんわ! さっさと開けオマ○×! とばかりに早送りで飛ばし、果ては『全裸など実に味気ない。人は衣をまとって初めて人足りえるのだ。知的生命体を名乗るならせめて最低限、靴下だけは残せや類人猿未満風情が』などという、そういった一部界隈の方々からの主張に対しては、無知蒙昧にして単細胞生物以下たる唾棄すべき愚者の戯言として『アホかとバカかとアンポンタンかと、うんこでも食いながら靴下とでもいたしてろや』などと、実にうすらとんちきな愚劣なる妄言を脳内で吐き散らしてこれまでは生きてまいりました次第にございます。俺は巨乳でいたしたい。
実に、恥の多い人生でした。
全面的に俺が間違ってたわ。すまんな。
脱ぎ途中の姿というのもどこか別格で、なんか、いいよね。
下半身だけ隠されているのも、逆に、凄くいい。
というか。
そうか、そういうことだったのか……。
だから俺達は、こんなただの布切れ風情を美しいと感じていたんだな。
これが真理というものか。
そして今、俺の目の前では二人の嫁が、今まさに下に履いているものを脱ぎ捨てんとばかりにその手をかけていた。
ルティエラの指の動きに合わせ、シュルリと下ろされてゆく純白の下着……。
少しづつゆっくりとさらけ出されてゆく肌の色と、やがて現れ出でるであろう秘密の部分の片鱗――。
あぁ、この恵まれたステータスから自然発生する脳内加速が、逆にくっきりじっくり堪能できる反面、実にもどかしいっ!
くるりと丸まってゆく実に頼り無き小さな柔布が、太ももの付け根付近まで、乙女の刻印たる一筋の光明が見えるか見えないかといった所まで下ろされてゆく。
ルティエラさんの秘密の扉の先端が今まさに垣間見えんとしていた。
ヤバイね。これ。新たな性癖、開いちゃいそう。
普段から、もっとあられもない姿だとか、見えてはいけないあの部分の開ききったその果てにある奥でさえも、だらしない顔をしながら痙攣して喜びに耽るその姿でさえ、見飽きんばかりに見尽くしてきたこの俺ではあるものの、なんというか、その、大変よいなと思いました。まる。
ちなみに、脱衣程度でやたら特別な興奮を感じていらっしゃるご様子ですが、転生初日にフィルナのをじっくり御堪能なさっていらっしゃいましたやん?
という御意見に対しましては。
最初のフィルナのアレは、男の娘かもしれないと思って楽しみきれてなかった箇所もあったので、俺の中ではノーカウンツ!!
『男の娘とか最高じゃねぇか』『むしろ生えてる分だけお得では?』『ホモしか勝たん』『なんだァ? てめェ……』といった御意見もございましょうが。
確かにアレはアレで興奮したし刺激的な体験ではあった。けど、もう御勘弁願いたい。やっぱ俺はおにゃのこのが良いの。あくまで女子の生着替えであると最初から認識できているかどうか、最低限その安心感があるか否かは重要なのですよ。疑心暗鬼に緊張してたら勃つ物も勃たんのよ。
ついでに言えば、風呂に入る前の、偶然の遭遇といった今のシチュにも興奮している訳でしてね?
頼めばいくらでも見せてくれるのかもしれない。だが、今、目の前にある、たまたま垣間見えた嫁の可愛らしい無防備な姿というのは、それはそれで嫁の俺に対する信頼の証でもあり、なおかつ、ドキドキハプニングでもある訳で、これはこれで、やっぱ別格なものなのですわ。
ゆえに、今、俺はとても幸せでありましたとさ。まる。
まぁ、そもそも誰の御意見に回答しとんねんって話なんだけどな。
……しかし、この脳内会話癖なぁ。いい加減にせんとなぁ。
いっそ、どこぞの転生者様みたいに脳内賢者さんとか、マジで魔法で作れんもんかねぇ。
現在の知識で該当無しとなると、やはり使役魔法にでも期待するしかなさそうだな。
などと一人沈思黙考ぶっこいてると。
「……む~」
おやおやぁ?
フィルナとルティエラさん。何やら腰の布に手をかけた状態のまま、こちらを見た姿勢で固まっていらっしゃるご様子。
もしかして、脳内加速のしすぎで時間止まっちゃいましたぁ?
珍々ブラブラリな途中下車の旅が如し声で脳内再生する。
まさにそれは現実逃避の思考だ。だってさ……。
次の瞬間。
「そんなにジロジロ見ないでよ~……」
クラスメイトに「パンツ見せてください」といきなり言われた時の女子のような「ありがとうございます」と前世の俺ならば叫びたくなりそうな程ではさすがにないが、若干嫌そうな感じをほんのりとだがかもし出した顔をしながら、聞こえてきたのはフィルナからのげんなりとした非難の声だった。
そう、性的魅了スキルさんでさえ隠しきれないほどの不躾な視線をおくってしまってたご様子。
……今からでも挽回できる保険って、あるんですかねぇ?
などと刹那の間、不安に感じたものの。
「悪い悪い、あまりにも可愛かったから、つい」
口からさらりと臭い台詞が飛び出てきた。
実に自然に、かつ無意識。
スミスさんの臭い息でもこうもすんなりは出てこないことだろう。
「むぅ……むぅ~っ」
じっくりと目を見ながら視線を外さずにいると、耳まで真っ赤に赤面させながらフィルナは顔ごと視線をそらす。
かっわうぃい~い♪
さすがは性的魅了Sランク。童貞にはできないことを平然とやってのけさせてくれなさる。そこにシビれるあこがれるゥ~!
実にきわどい所だった。スキルがもし無ければドスケベ淫乱変態覗き魔として幻滅されて嫌われて捨てられて『ざんねん、わたしのぼうけんは、これで、おわってしまった』とばかりに、14番から42面へ行って囁いて詠唱して祈れども灰となって終わっていたかもしれない。ナイス神回避だ。
「そんなに見ても……もう飽きたでしょぉ?」
ささやかなプニプニを両腕で隠しながらチロチロとこちらを伺いつつためらいがちな言葉を口にするフィルナ。
うんうん、恥じらいはいいものだ。
あるのと無いのとでは、やはり雲泥の違いがある。
いや、まぁ……恥らわないセルフィも、それはそれで可愛いんだけどさ?
ちなみに、そんなセルフィさんはというと。
体を洗うのにも飽きたのだろう。座禅というかヨガっぽい、こちらの世界でいう精神鍛錬の修行ポーズをとり、魔法で作った件の湯落とし装置を滝にでも見立てているのかザバザバと、実に暇そうな顔をしながら浴びていらっしゃる。
こっちにもあるんかね? 滝行。
それはさておき。
「いいや、見飽きないね」
俺は彼女の言葉を否定する。
そうして欲しいと、フィルナの顔に書いてあったからだ。
もちろん実際に書かれている訳ではないのだが、性的魅了スキルがそう答えを導き出している。
というかそれくらい、元DTだった頃の俺でさえわかる問題だ。
だから――。
「口ではどうとでも言えるでしょ」
などと言いながらも、フィルナの顔には当然『否定して』と書かれてある訳で。
これでは顔そのものがまるで攻略ページである。ならば、スキルのおもむくままに、正解の選択肢を選べばいいだけだ。
「だったら、これから証明していけばいい」
そしてこの、相変わらずの臭い台詞である。
「だろ?」
「……うにゅ」
頬を染めあげ、うつむくフィルナ。
けれどその表情は期待に満ちていているようにも見え。
ならば、もう一押し。
「これから先、10年たっても、20年経っても、どれだけの時間が過ぎ去ろうと、俺はフィルナを見飽きることなんてない。そう、誓うから」
まっすぐに目を見つめ、決して視線をそらすことなく、スムーズに甘い台詞を放つ。
「……もう」
呟くように一言だけ吐き出すと、耳の先まで真っ赤にしながら俺の目を見つめてくる。
かわいいなぁもう。
この台詞が着替え覗きガン見への誤魔化しじゃなかったらねぇ。
気付かれない内に後でもう一押しくらいすれば、永久にこれが誤魔化しから出た言葉だと気付かれずに済むかもしれないな。
チョロ過ぎて逆に心配になるわ。大丈夫かね? この我が家のゆるかわマスコット担当ちゃんは。愛してるぜ。
ちなみに、余談ではあるが、臭い息を吐くのはモ○ボルであり、勇気爆発ではない。腐った死体が吐くのはどちらかといえば甘い息の方である。
というか、臭くて甘い台詞な訳だから、あながち間違いとも言い切れない所が実に手馴れいて罪深い。
それはさておき。
一方、ルティエラ嬢はといえば。
先ほどからこちらを見たままの姿で固まっていらっしゃる。
耳までほんのり赤く染まっていて可愛らしい。
だが、瞳を閉じ、一息で呼吸を整えると。
いたって平然とすました顔でこう言い放った。
「どこか……おかしな所でもありますでしょうか?」
その声はとても静かで、動揺など微塵も感じさせない程で、まるで平日の昼下がり、薔薇園で優雅に紅茶を嗜みながらクロテッドクリームをたっぷりと塗りたくったスコーンでも口にしつつ会話に花を咲かせている最中にでもあるかのような、日常の延長線上をそのままになぞる、実に毅然とした口ぶりだった。
これが今、下着以外何も身につけていない、しかもほぼ脱ぎかけ状態の下着に手をかけたままという、ほとんど尻丸出しというシチュエーションでさえなければ、実に自然で違和感の無い堂々とした声音と立ち居振る舞いといえた。だがゆえに、それこそが異常さを際立ててもいた。
だが、よく考えてみればそれもそうか。
彼女は貴族なのだ。
名家と呼ばれるような家系に生まれたのであれば、普段から着替えなどは侍女に任せていたに違いない。
ならば、自らの肌を誰かに見られることなどもはや日常の一部。
それだけ見られなれているということであれば、この対応もおかしいことではないのではなかろうか。
凄いな貴族。さすがだな貴族。
恥じらいが無いだけのセルフィの奇行とは違って、こっちはどこか凛として自信に満ち溢れていて、どこか自然で気品に満ちた威厳を感じさせてくれる……ような気もしないでもない。
などと、思ったのもつかの間。
「え、えっと、そんなにじっと見られましても……その、さすがに、少しだけ、恥ずかしいと言いますか」
耳まで顔を急速に真っ赤に染め上げながらうつむき、
「その……とても恥ずかしい、のです」
上目遣いでこちらをうかがいながら、消え入るような声で恥じらいの言葉を口にするルティエラさん。
そうか、そうだよな。
いくら同性から見られなれていたとしても、異性から見られる分には、恥ずかしくない訳がないもんな。
「あ、ご、ごめん」
これにはさすがの性的魅了スキルさんも空気を読んだのか不意を突かれたご様子。
いつもの甘臭白々しい言葉も出てない。
俺もなんだか後ろめたさを感じてしまい、羞恥心に顔をそむけ、視線をそらしてしまうのだった。
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