41 / 57
それは夜を統べるもの
死の臭う街、死の襲う城
しおりを挟む
「本当に人影はおろか気配すらしないとは。」
ヴォルフガング等冒険者の一団はそれぞれ分かれて調査に乗り出している。
とはいえ、表面上は普通の街だった。誰もいないという点を除いては。大通りから小道に入って見てみてもそれは同じで、大人や子供は言わずもがな猫やネズミの姿さえなかった。
「不気味でやすねぇ、ヴォルフさん。見た感じは何もなさそうでやすが、何かありそうでやす。」
隣を歩くゾルタンが言う。この男は鈍い様に見えるが存外鋭い。見た目は小狡い痩せた盗賊の様に見えるのだが、実力のある冒険者でヴォルフガングとはもう長い。
「通りを歩いているだけではただの観光ですし、家の中も調べてみましょう。家人がいれば何かしらの対応もあるはずですし。」
後ろからヴィートの声がする。確かに道沿いに歩いていても仕方ない。何もないかもしれないが家の中を調べてみるのはありだろう。
「お、お邪魔しま~す。」
ヴォルフガング達に続いてヤナも民家の中に入っていく。多少おっかなびっくりだが、不気味な無人の街で危機感を持たないよりはずっといい。
一同はさして広くもない民家の中を物色、もとい調査していく。
とは言え
「目立った物は何も無いか、普通の民家だ。他の家も同じだろうな、これは。」
とりわけ目立った物がある訳では無かった。家人がいないと言うだけで普通の民家。家具も雑貨も民家相応と言えるだろう。生活感は無かったが。
「おかしな街だ。家の中には家具がある。引っ越した訳じゃないという事だ。しかし人の姿は無し。流行り病の類にしてもおかしい。」
今すぐここに住んでも不自由しない程度に家具は揃っている。どこの家もそうなのか、この家だけたまたまなのか。
「ヴォルフ、来てください。」
ヤナが大きな声でヴォルフガングを呼んだ。声のした方に目を向ければ、どうやら地下があったらしく、ヤナはそこで何かを見つけたのだろう。
「どうした、ヤナ?」
地下に降りてヤナの視線の先をみれば、そこには人が丁度一人入りそうな箱が四つ程置いてあった。
「これは、棺か?」
この世界で使うものとは少し形が違うが、パっと見でこれは棺だと思える物だった。
流石に中を改める気にはならなかったものの、墓では無く家の地下に棺を置くと言うのはどうなのだろうか。そういう文化、風習だと言ってしまえばそれまでなのであろうが。
しかし腑に落ちない。未来永劫一族が動かないのならばともかく、そうでなければ棺を家の地下に置くと言うのは無理な話だ。一同は他の家も見て回ったが、どこも大体一緒。家具はそのままで、棺が地下にあった。
違和感を感じたのは数軒回って出た所だ。ヴォルフガング達は立ち止まり、考える。
「どの地下も、地下独特の臭いはしたが、腐臭がなかったな。」
そう、地下に棺なぞおけばどういう事になるかと言えばそういう事になる。中に何も入っていなかった訳では無い。いくつかの棺を一応揺すってみたが、ちゃんと中に収められている重量感があった。
「死者の街だな、まるで・・・」
外に出たヴォルフガングが呟く。生きた人間に遭遇せず、地下の棺に眠る者達の為の様な街。街が一つの墓場に思えてくる様な感じに思わず背筋が寒くなる。
「街はもう良いだろう、冒険者達を集めて城の方に向かうぞ。アチラならば何かあるかも知れん。」
落ち着かないソワソワした感じを払しょくするように、ヴォルフガングはゾルタンに目配せした。そして大通りに出ると、ゾルタンは狼煙を上げる。集合の合図だ。
「どこにも人影は無し。家の地下に棺というのはどこも一緒か。こぞ、アルベールのパーティに合流して俺たちも城を調べるぞ。」
そうしてヴォルフガング達は冒険者を引き連れて城へと向かった。
一方
跳ね橋の下り切った所でアルベール達が見たのは、帰ってこなかった兵隊二百名だった。
「あれって消息不明の兵隊さん達じゃない?今まで中に捕らわれていたって事?」
セリエ達は頭に疑問符を抱えつつ、彼らを見る。格好は確かにリッシュモン王国の兵隊のものだ。しかし様子がおかしい。隊伍を組んで整然と歩いてこなければならない兵士の足取りは皆覚束ない様に見える。しっかりと握って穂先が上を向いていなければならない槍も、だらんとだらしなく持っているだけの様だ。
「ウォール!」
アルベールはいきなり魔術を使い、跳ね橋の上に土壁を展開していく。それも一枚や二枚ではない。波状に幾重にも壁を作り出し、兵士たちの行く手を阻んだのである。
「おいおい坊主、なにしてんのさ。これじゃぁ兵隊さんたち困っちゃうぜ?」
ジョンが困惑して言う。しかしアルベールの顔は鬼気迫っていた。
「皆武器を抜くんだ!彼らはもう生きていない!」
アルベールは彼らの姿が見えた時、遠視の魔術で彼らの様子を間近に見た。
鍛えられ、口元をしっかと締めて行進する王国の兵士達。その姿は今の彼等には見られない。
だらしなく開いた口からはよだれが流れ、目は焦点も合わず虚ろだ。列など端から無いかの様にバラバラで、土気色の顔色に生気などあるはずもない。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁ!」
先頭の兵士たちが叫ぶと同時にこちらに走り出す。生きているとか死んでいるとかではなく、敵意丸出しのその叫びにはおよそ理性と言うものが感じられない。
人間の命を弄ぶ邪法。リッチの使ったあの魔法の道具と同じ物を使ったのかどうかは分からない。しかし眼前の兵士たちはその命を奪われ、そして操られているのだろう。
目前に見える死者の群れ。死が明確に敵意を持ってアルベール達を襲わんとしていた。
「何と邪悪な。またも人の命を弄ぶ不届き者か。」
ジェラールは剣を構え憤っている。そしてそれは皆同じだ。
「近づかれる前に遠くから魔術で仕留めていくしかない!」
そう言ってアルベールはウインドカッターを撃ち出す。兵士たちは二百人、近寄られてしまえば多勢に無勢だ。それにこちらに敵意をむき出しにはしているものの彼らは被害者だ。はっきりと視認できる所からの戦闘となればともすればこちらの戦意が挫かれかねない。
彼等とて国の為に戦う兵士だったのだ。好き好んであのように操られている訳では無い。さりとて、これを撃破しなければまず間違いなくアルベール達は殺されるのだ。
殺られる前に、殺らなければならない。
跳ね橋の向こうの兵士達、跳ね橋に作られた壁。魔術を使って戦えるのは四人。マリオンも来てはいるが、向こうの世界とは魔術の成り立ちが違う可能性がある以上彼女は魔術を使えないかも知れない。
大きな魔術も使えない、もし跳ね橋を落としてしまえば事だ。城の中には確実に悪意のある者が潜んでいる。中に入れなくなるような、或いは入りにくくなるような事態は避けた方が無難だろう。
ともあれ眼前の二百名をどうにかしないといけない。こちらは七人。冒険者達が騒ぎを聞きつけて助けに来る事を視野に入れても、それまで持ちこたえなければならない。
気持ちの良い初夏の昼下がり、空の下は鉄火場と化した。
ヴォルフガング等冒険者の一団はそれぞれ分かれて調査に乗り出している。
とはいえ、表面上は普通の街だった。誰もいないという点を除いては。大通りから小道に入って見てみてもそれは同じで、大人や子供は言わずもがな猫やネズミの姿さえなかった。
「不気味でやすねぇ、ヴォルフさん。見た感じは何もなさそうでやすが、何かありそうでやす。」
隣を歩くゾルタンが言う。この男は鈍い様に見えるが存外鋭い。見た目は小狡い痩せた盗賊の様に見えるのだが、実力のある冒険者でヴォルフガングとはもう長い。
「通りを歩いているだけではただの観光ですし、家の中も調べてみましょう。家人がいれば何かしらの対応もあるはずですし。」
後ろからヴィートの声がする。確かに道沿いに歩いていても仕方ない。何もないかもしれないが家の中を調べてみるのはありだろう。
「お、お邪魔しま~す。」
ヴォルフガング達に続いてヤナも民家の中に入っていく。多少おっかなびっくりだが、不気味な無人の街で危機感を持たないよりはずっといい。
一同はさして広くもない民家の中を物色、もとい調査していく。
とは言え
「目立った物は何も無いか、普通の民家だ。他の家も同じだろうな、これは。」
とりわけ目立った物がある訳では無かった。家人がいないと言うだけで普通の民家。家具も雑貨も民家相応と言えるだろう。生活感は無かったが。
「おかしな街だ。家の中には家具がある。引っ越した訳じゃないという事だ。しかし人の姿は無し。流行り病の類にしてもおかしい。」
今すぐここに住んでも不自由しない程度に家具は揃っている。どこの家もそうなのか、この家だけたまたまなのか。
「ヴォルフ、来てください。」
ヤナが大きな声でヴォルフガングを呼んだ。声のした方に目を向ければ、どうやら地下があったらしく、ヤナはそこで何かを見つけたのだろう。
「どうした、ヤナ?」
地下に降りてヤナの視線の先をみれば、そこには人が丁度一人入りそうな箱が四つ程置いてあった。
「これは、棺か?」
この世界で使うものとは少し形が違うが、パっと見でこれは棺だと思える物だった。
流石に中を改める気にはならなかったものの、墓では無く家の地下に棺を置くと言うのはどうなのだろうか。そういう文化、風習だと言ってしまえばそれまでなのであろうが。
しかし腑に落ちない。未来永劫一族が動かないのならばともかく、そうでなければ棺を家の地下に置くと言うのは無理な話だ。一同は他の家も見て回ったが、どこも大体一緒。家具はそのままで、棺が地下にあった。
違和感を感じたのは数軒回って出た所だ。ヴォルフガング達は立ち止まり、考える。
「どの地下も、地下独特の臭いはしたが、腐臭がなかったな。」
そう、地下に棺なぞおけばどういう事になるかと言えばそういう事になる。中に何も入っていなかった訳では無い。いくつかの棺を一応揺すってみたが、ちゃんと中に収められている重量感があった。
「死者の街だな、まるで・・・」
外に出たヴォルフガングが呟く。生きた人間に遭遇せず、地下の棺に眠る者達の為の様な街。街が一つの墓場に思えてくる様な感じに思わず背筋が寒くなる。
「街はもう良いだろう、冒険者達を集めて城の方に向かうぞ。アチラならば何かあるかも知れん。」
落ち着かないソワソワした感じを払しょくするように、ヴォルフガングはゾルタンに目配せした。そして大通りに出ると、ゾルタンは狼煙を上げる。集合の合図だ。
「どこにも人影は無し。家の地下に棺というのはどこも一緒か。こぞ、アルベールのパーティに合流して俺たちも城を調べるぞ。」
そうしてヴォルフガング達は冒険者を引き連れて城へと向かった。
一方
跳ね橋の下り切った所でアルベール達が見たのは、帰ってこなかった兵隊二百名だった。
「あれって消息不明の兵隊さん達じゃない?今まで中に捕らわれていたって事?」
セリエ達は頭に疑問符を抱えつつ、彼らを見る。格好は確かにリッシュモン王国の兵隊のものだ。しかし様子がおかしい。隊伍を組んで整然と歩いてこなければならない兵士の足取りは皆覚束ない様に見える。しっかりと握って穂先が上を向いていなければならない槍も、だらんとだらしなく持っているだけの様だ。
「ウォール!」
アルベールはいきなり魔術を使い、跳ね橋の上に土壁を展開していく。それも一枚や二枚ではない。波状に幾重にも壁を作り出し、兵士たちの行く手を阻んだのである。
「おいおい坊主、なにしてんのさ。これじゃぁ兵隊さんたち困っちゃうぜ?」
ジョンが困惑して言う。しかしアルベールの顔は鬼気迫っていた。
「皆武器を抜くんだ!彼らはもう生きていない!」
アルベールは彼らの姿が見えた時、遠視の魔術で彼らの様子を間近に見た。
鍛えられ、口元をしっかと締めて行進する王国の兵士達。その姿は今の彼等には見られない。
だらしなく開いた口からはよだれが流れ、目は焦点も合わず虚ろだ。列など端から無いかの様にバラバラで、土気色の顔色に生気などあるはずもない。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁ!」
先頭の兵士たちが叫ぶと同時にこちらに走り出す。生きているとか死んでいるとかではなく、敵意丸出しのその叫びにはおよそ理性と言うものが感じられない。
人間の命を弄ぶ邪法。リッチの使ったあの魔法の道具と同じ物を使ったのかどうかは分からない。しかし眼前の兵士たちはその命を奪われ、そして操られているのだろう。
目前に見える死者の群れ。死が明確に敵意を持ってアルベール達を襲わんとしていた。
「何と邪悪な。またも人の命を弄ぶ不届き者か。」
ジェラールは剣を構え憤っている。そしてそれは皆同じだ。
「近づかれる前に遠くから魔術で仕留めていくしかない!」
そう言ってアルベールはウインドカッターを撃ち出す。兵士たちは二百人、近寄られてしまえば多勢に無勢だ。それにこちらに敵意をむき出しにはしているものの彼らは被害者だ。はっきりと視認できる所からの戦闘となればともすればこちらの戦意が挫かれかねない。
彼等とて国の為に戦う兵士だったのだ。好き好んであのように操られている訳では無い。さりとて、これを撃破しなければまず間違いなくアルベール達は殺されるのだ。
殺られる前に、殺らなければならない。
跳ね橋の向こうの兵士達、跳ね橋に作られた壁。魔術を使って戦えるのは四人。マリオンも来てはいるが、向こうの世界とは魔術の成り立ちが違う可能性がある以上彼女は魔術を使えないかも知れない。
大きな魔術も使えない、もし跳ね橋を落としてしまえば事だ。城の中には確実に悪意のある者が潜んでいる。中に入れなくなるような、或いは入りにくくなるような事態は避けた方が無難だろう。
ともあれ眼前の二百名をどうにかしないといけない。こちらは七人。冒険者達が騒ぎを聞きつけて助けに来る事を視野に入れても、それまで持ちこたえなければならない。
気持ちの良い初夏の昼下がり、空の下は鉄火場と化した。
0
お気に入りに追加
35
あなたにおすすめの小説

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり
嫌われ聖女さんはとうとう怒る〜今更大切にするなんて言われても、もう知らない〜
𝓝𝓞𝓐
ファンタジー
13歳の時に聖女として認定されてから、身を粉にして人々のために頑張り続けたセレスティアさん。どんな人が相手だろうと、死にかけながらも癒し続けた。
だが、その結果は悲惨の一言に尽きた。
「もっと早く癒せよ! このグズが!」
「お前がもっと早く治療しないせいで、後遺症が残った! 死んで詫びろ!」
「お前が呪いを防いでいれば! 私はこんなに醜くならなかったのに! お前も呪われろ!」
また、日々大人も気絶するほどの魔力回復ポーションを飲み続けながら、国中に魔物を弱らせる結界を張っていたのだが……、
「もっと出力を上げんか! 貴様のせいで我が国の騎士が傷付いたではないか! とっとと癒せ! このウスノロが!」
「チッ。あの能無しのせいで……」
頑張っても頑張っても誰にも感謝されず、それどころか罵られるばかり。
もう我慢ならない!
聖女さんは、とうとう怒った。

【本編完結】異世界再建に召喚されたはずなのにいつのまにか溺愛ルートに入りそうです⁉︎
sutera
恋愛
仕事に疲れたボロボロアラサーOLの悠里。
遠くへ行きたい…ふと、現実逃避を口にしてみたら
自分の世界を建て直す人間を探していたという女神に
スカウトされて異世界召喚に応じる。
その結果、なぜか10歳の少女姿にされた上に
第二王子や護衛騎士、魔導士団長など周囲の人達に
かまい倒されながら癒し子任務をする話。
時々ほんのり色っぽい要素が入るのを目指してます。
初投稿、ゆるふわファンタジー設定で気のむくまま更新。
2023年8月、本編完結しました!以降はゆるゆると番外編を更新していきますのでよろしくお願いします。
貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する
美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」
御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。
ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。
✳︎不定期更新です。
21/12/17 1巻発売!
22/05/25 2巻発売!
コミカライズ決定!
20/11/19 HOTランキング1位
ありがとうございます!

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。
私を幽閉した王子がこちらを気にしているのはなぜですか?
水谷繭
恋愛
婚約者である王太子リュシアンから日々疎まれながら過ごしてきたジスレーヌ。ある日のお茶会で、リュシアンが何者かに毒を盛られ倒れてしまう。
日ごろからジスレーヌをよく思っていなかった令嬢たちは、揃ってジスレーヌが毒を入れるところを見たと証言。令嬢たちの嘘を信じたリュシアンは、ジスレーヌを「裁きの家」というお屋敷に幽閉するよう指示する。
そこは二十年前に魔女と呼ばれた女が幽閉されて死んだ、いわくつきの屋敷だった。何とか幽閉期間を耐えようと怯えながら過ごすジスレーヌ。
一方、ジスレーヌを閉じ込めた張本人の王子はジスレーヌを気にしているようで……。
◇小説家になろうにも掲載中です!
◆表紙はGilry Drop様からお借りした画像を加工して使用しています

転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる