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第3章 魔大陸
113 勇者とディゼスタ王国
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ニバルダからディゼスタ王国の王都までは2日ほどで着いた。
何事もなく王都へ入れたので、そのまま宿へと向かった。
「あそこの高級そうなとこにしましょ。」
なんて言われたので高級宿へ。
金はあるが⋯
気にしないでおこう。
1泊1人金貨2枚と良心的⋯
ではないな。
普通に高い。
何泊するか分からないが、金貨100枚程を渡しておく。
「か、かしこまりました。どうぞ、ごゆっくりお寛ぎ下さい。」
足りなくなったらまた払うと伝え、俺達は一旦宿で休むことに。
「これからどうするの?」
どうするか⋯
地道にやっていくしかないのだろうが、魔族は俺の顔を分かっているみたいだからな。
この国にいる魔族に先に見つかったら逃げられるかもしれん。
ニバルダでもマードレル男爵領でも魔族を処理してしまったからな。
俺の顔が割れてる理由が分からない。
もしかしたら独自のネットワークや、意識や情報を何らかの形で共有する魔法か魔族特有の能力を使っているのかもしれない。
師匠は言っていた。
魔法はなんでも出来ると。
そんなことできるのは魔法バカのあの師匠だけだと思うんだが⋯
師匠は色んな魔法を使えた。
俺もそれを使えるようになると言っていたが⋯
絶対無理だろ。
そこにあるものを魔法の手を使って取るとか、トイレが面倒くさいから魔法で出すとか意味がわからんことだらけだ。
今考えると、ただの面倒臭がりなのか?
「王に会うのも勇者と名乗らないと難しいだろう。リーシャを連れていれば良かったんだろうが、それでは危険に晒されるだけだからな。」
「地道に情報を集めるしかないのね。」
そうなるかもな⋯
しかしそれだと時間がかかりそうだ。
何か名案が浮かべばいいんだがなぁ。
「そんなの妾のブレスで即解決なのだ!」
「我も一緒にやります!」
無視だ。
おバカドラゴンズはまだブレスを吐きたいのか?
「とりあえずこの国で何か不穏な動きなどがないか調べるしかないかもしれませんね。」
ハーリルの言う通りだな。
「地道に聞き込みでもするか。みんなで手分けして動いてもいいが、単独行動は危険⋯」
危険だな。
何が起こるか分からない。
主に相手側に⋯
これはハーリル以外に単独行動は危険なのではなかろうか。
「あら、私は大丈夫よ?エルフの女だからってそんな簡単に攫われたりしないわ。」
いやいや、攫われたからあんなことになってたのでは?
「妾は1人でもできるのだ!」
「我もです!」
お前らが1番心配なんだよ⋯
「何を聞けばいいのかわかるのか?」
「そんなの簡単なのだ!魔族を知ってるなら言わないと絞め殺すぞ!って言えば一発なのだ!」
「海に沈みたくなかったら話せ!と言えば問題ありません!」
なんで自信満々なのだろうか。
話すか死ぬかの2択って酷すぎないか?
ド直球すぎる質問すぎて面白いんだが、やはりこいつらに単独行動はさせられんな。
王国の民が全員死ぬ可能性がある。
「よく分かった。お前らは俺と行動しろ。5人で動くのは目立つだろうからな。ハーリルとミュアは2人で動いてくれ。」
「分かりました。私達はどこを調査すればいいでしょうか。」
俺の顔を割れてるから、むしろ俺は調査に出ない方がいいのだろうか⋯
「ハーリル達は冒険者ギルド周辺の酒場には行かない方がいいだろ。馬鹿どもに絡まれるからな。そこ以外を頼む。」
「分かりました。ではそちらの方はレイ様にお任せします。」
ハーリルなら問題ないだろ。
ミュアもなんだかんだで頼りになるしな。
ハーリルとミュアは部屋を出て聞き込みに向かってくれた。
「さて、俺達はどうしようか。」
「今から交合うのだ!それしかあるまい!」
「おお、名案ですねヨウ様!」
縛って宿に放置してやろうか⋯
しかしどうしようか、魔族が俺を察知して襲いかかってくる可能性もある。
それを撃退したとしても、この国の根本を変えることはできないだろう。
ところでヨウはなんで俺のズボンを脱がそうとしてるんだ?
リヴァちゃんはもう裸じゃないか。
「おい、何をしてるんだ?」
「もちろん交合うためなのだ!」
「もちろん交合うためです!」
2人とも最高の笑顔だな⋯
シバいてやろうか。
しかし俺も甘いな⋯
2人に身体中を舐め回されている。
そしてもう亀様は臨戦態勢だ。
「相変わらずレイのは立派なのだ!」
「レイ様のはご立派です!」
そのまま2時間ほどドラゴンズをお仕置してやった。
ミュアとハーリルは動いてくれてるのに、俺は腰を動かすだけ⋯
勇者とはなんなのだろうか。
勇ましいのは亀様だけじゃないか。
勇ましい亀様を持つ者を略して勇者⋯
馬鹿なことを考えるな。
亀様で平和を齎すことが出来るわけがない。
いや、亀様を否定してる訳ではないのです。
怒らないでくれませんか?
ほら、またドラゴンズが食いついてくるから⋯
ああ⋯⋯⋯⋯
「ただいま戻りました。有力な情報は何もありませんでした。レイ様達は何かありましたか?」
「おかえり2人とも。こちらは⋯何も得られなかったな。」
ずっとお仕置してたなんて口が裂けても言えないだろ⋯
「リヴァちゃん達は寝てるのね。疲れたのかしら?」
「そうかもしれんな⋯」
気絶してそのまま寝てるなんて教えられるわけが無い⋯
「でもこんな感じじゃいつになるか分からないわね。色々聞いて回ってたけど埒が明かないわ。」
「それは私も思いました。いっそのこと勇者の権限を使ってみるのも視野に入れるべきかと。」
それもそうなんだが⋯
「それかこっそり王城に忍び込んで来たら?レイなら簡単でしょ?」
なかなか名案だな。
夜中にこっそり忍び込んで証拠を抑えられたら事が早く進むかもしれん。
「だが魔族との関係がわかるまで忍び込み続けるのもいつになるかわからないな。」
「結局地道にやるしかないのかしら。なかなか大変ね。」
その日は何も得られないまま終わってしまった。
勇者って大変だな⋯
何事もなく王都へ入れたので、そのまま宿へと向かった。
「あそこの高級そうなとこにしましょ。」
なんて言われたので高級宿へ。
金はあるが⋯
気にしないでおこう。
1泊1人金貨2枚と良心的⋯
ではないな。
普通に高い。
何泊するか分からないが、金貨100枚程を渡しておく。
「か、かしこまりました。どうぞ、ごゆっくりお寛ぎ下さい。」
足りなくなったらまた払うと伝え、俺達は一旦宿で休むことに。
「これからどうするの?」
どうするか⋯
地道にやっていくしかないのだろうが、魔族は俺の顔を分かっているみたいだからな。
この国にいる魔族に先に見つかったら逃げられるかもしれん。
ニバルダでもマードレル男爵領でも魔族を処理してしまったからな。
俺の顔が割れてる理由が分からない。
もしかしたら独自のネットワークや、意識や情報を何らかの形で共有する魔法か魔族特有の能力を使っているのかもしれない。
師匠は言っていた。
魔法はなんでも出来ると。
そんなことできるのは魔法バカのあの師匠だけだと思うんだが⋯
師匠は色んな魔法を使えた。
俺もそれを使えるようになると言っていたが⋯
絶対無理だろ。
そこにあるものを魔法の手を使って取るとか、トイレが面倒くさいから魔法で出すとか意味がわからんことだらけだ。
今考えると、ただの面倒臭がりなのか?
「王に会うのも勇者と名乗らないと難しいだろう。リーシャを連れていれば良かったんだろうが、それでは危険に晒されるだけだからな。」
「地道に情報を集めるしかないのね。」
そうなるかもな⋯
しかしそれだと時間がかかりそうだ。
何か名案が浮かべばいいんだがなぁ。
「そんなの妾のブレスで即解決なのだ!」
「我も一緒にやります!」
無視だ。
おバカドラゴンズはまだブレスを吐きたいのか?
「とりあえずこの国で何か不穏な動きなどがないか調べるしかないかもしれませんね。」
ハーリルの言う通りだな。
「地道に聞き込みでもするか。みんなで手分けして動いてもいいが、単独行動は危険⋯」
危険だな。
何が起こるか分からない。
主に相手側に⋯
これはハーリル以外に単独行動は危険なのではなかろうか。
「あら、私は大丈夫よ?エルフの女だからってそんな簡単に攫われたりしないわ。」
いやいや、攫われたからあんなことになってたのでは?
「妾は1人でもできるのだ!」
「我もです!」
お前らが1番心配なんだよ⋯
「何を聞けばいいのかわかるのか?」
「そんなの簡単なのだ!魔族を知ってるなら言わないと絞め殺すぞ!って言えば一発なのだ!」
「海に沈みたくなかったら話せ!と言えば問題ありません!」
なんで自信満々なのだろうか。
話すか死ぬかの2択って酷すぎないか?
ド直球すぎる質問すぎて面白いんだが、やはりこいつらに単独行動はさせられんな。
王国の民が全員死ぬ可能性がある。
「よく分かった。お前らは俺と行動しろ。5人で動くのは目立つだろうからな。ハーリルとミュアは2人で動いてくれ。」
「分かりました。私達はどこを調査すればいいでしょうか。」
俺の顔を割れてるから、むしろ俺は調査に出ない方がいいのだろうか⋯
「ハーリル達は冒険者ギルド周辺の酒場には行かない方がいいだろ。馬鹿どもに絡まれるからな。そこ以外を頼む。」
「分かりました。ではそちらの方はレイ様にお任せします。」
ハーリルなら問題ないだろ。
ミュアもなんだかんだで頼りになるしな。
ハーリルとミュアは部屋を出て聞き込みに向かってくれた。
「さて、俺達はどうしようか。」
「今から交合うのだ!それしかあるまい!」
「おお、名案ですねヨウ様!」
縛って宿に放置してやろうか⋯
しかしどうしようか、魔族が俺を察知して襲いかかってくる可能性もある。
それを撃退したとしても、この国の根本を変えることはできないだろう。
ところでヨウはなんで俺のズボンを脱がそうとしてるんだ?
リヴァちゃんはもう裸じゃないか。
「おい、何をしてるんだ?」
「もちろん交合うためなのだ!」
「もちろん交合うためです!」
2人とも最高の笑顔だな⋯
シバいてやろうか。
しかし俺も甘いな⋯
2人に身体中を舐め回されている。
そしてもう亀様は臨戦態勢だ。
「相変わらずレイのは立派なのだ!」
「レイ様のはご立派です!」
そのまま2時間ほどドラゴンズをお仕置してやった。
ミュアとハーリルは動いてくれてるのに、俺は腰を動かすだけ⋯
勇者とはなんなのだろうか。
勇ましいのは亀様だけじゃないか。
勇ましい亀様を持つ者を略して勇者⋯
馬鹿なことを考えるな。
亀様で平和を齎すことが出来るわけがない。
いや、亀様を否定してる訳ではないのです。
怒らないでくれませんか?
ほら、またドラゴンズが食いついてくるから⋯
ああ⋯⋯⋯⋯
「ただいま戻りました。有力な情報は何もありませんでした。レイ様達は何かありましたか?」
「おかえり2人とも。こちらは⋯何も得られなかったな。」
ずっとお仕置してたなんて口が裂けても言えないだろ⋯
「リヴァちゃん達は寝てるのね。疲れたのかしら?」
「そうかもしれんな⋯」
気絶してそのまま寝てるなんて教えられるわけが無い⋯
「でもこんな感じじゃいつになるか分からないわね。色々聞いて回ってたけど埒が明かないわ。」
「それは私も思いました。いっそのこと勇者の権限を使ってみるのも視野に入れるべきかと。」
それもそうなんだが⋯
「それかこっそり王城に忍び込んで来たら?レイなら簡単でしょ?」
なかなか名案だな。
夜中にこっそり忍び込んで証拠を抑えられたら事が早く進むかもしれん。
「だが魔族との関係がわかるまで忍び込み続けるのもいつになるかわからないな。」
「結局地道にやるしかないのかしら。なかなか大変ね。」
その日は何も得られないまま終わってしまった。
勇者って大変だな⋯
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