【第2章完結】追放勇者はどこへ行く

音無響一

文字の大きさ
上 下
112 / 129
第3章 魔大陸

112 勇者と新馬車

しおりを挟む
ダンジョン探索からのドラゴン2連戦⋯

なかなか疲れたな。

ヨウもリヴァちゃんも気持ちよさそうに寝ているな。

俺も少し寝させてもらおう。

久しぶりにドラゴンを両隣に抱いて寝た。

3人で寝るのはなかなかいいもんだ。



「なんでリヴァが裸で寝てるのだ!」

うるさいな⋯

起きてしまったじゃないか。

「もしかしてレイと目交ったのか!」

朝一で騒ぐんじゃない。

「うるさいぞヨウ。またお仕置されたいのか?」

「ぐぬぬ⋯昨日のお仕置は⋯」

お仕置はなんだ?

「昨日のお仕置は最高に気持ちよかったのだ!」

そ、そうか⋯それは良かったじゃないか。

「負けてしまったが、レイは妾のご主人様なのだ!何回負けても仕方ないのだ!あんなに気持ちいいならたくさん負けるのだ!」

たくさん⋯これからもするって宣言だよな。

「あれはお仕置だからな。そんなに毎回はしないぞ?」

「でも今は騒いだからお仕置されるのだろう?早うしてくれ!」

お仕置のオネダリ⋯

これは面倒なことになりそうだ。






「うーん、おはようござい⋯ます?」

ヨウと朝から目交っている時にリヴァちゃんが目を覚ました。

「ああっ、これなのだあああっ、すごっっうあああっっっ!」

「朝からお仕置されてるのですか!?羨ましいしです!」

更に面倒なことになりそうだ⋯

羨ましいって言うことは、リヴァちゃんもどんなことか分かったのか?

昨日の見てるだけのお仕置をするのは今だったんじゃ⋯

完全にミスったな。



「朝から気絶するほどやる必要はないだろ。そろそろやめにしよう。」

「⋯⋯⋯⋯⋯あ、ああ⋯⋯⋯」

半分意識が飛んでる感じか。

「我もお仕置してください!」

脚を開いて待ってるなんて⋯

どこでそんなことを覚え⋯ああ、今のヨウの体勢を真似してるのか。

自分で膝裏を持って広げるなんて、いやらしいじゃないか。



いきなり突っ込むのは⋯

「早く来てください!」

ドラゴンは急がすのが好きだな。

濡れてないのにいいんだな?

「あがっっっ、い、いたい!」

やっぱり痛いんじゃないか。

でも早くしろって言ったのはリヴァちゃんだからな?

俺は構うことなく動き続ける。

「あああああっっっっ痛い痛い痛いいい!」

それすら無視して動き続ける。

「あっあっあっあっあっあっ来ちゃうううううっ」

なんだ、もう良くなってきたのか。

そのまま中に3回ほど注ぎ込む。

亀様は朝から元気いっぱいだ。



ヨウもリヴァちゃんも朝から満足したのだろう、元気に起きている。

「うむ、いい朝だな!これから毎日お仕置だ!」

「我も参加させてください!」

やめてくれ。

こんなの毎日してたらたまったもんじゃない。

何度もしたせいで手の甲の紋章が色濃くなってないか?

こんな落書き早く消したいんだがなぁ。

「お前らの紋章が両手甲にあるんだが、これは消えないのか?」

ヨウが驚いた顔をしている。

そんなに驚くことか?

聞いてないから分からんぞ。

「こ、これは神竜の妾と契約し、妾の加護を得たということなのだ!有難がるなら分かるが、消したいのか?!」

「そうです!左手の我の紋章は海の加護を得たということです!それを消したいと?本気ですか?」

神竜の加護と海の加護と。

だからなんなのだろうか⋯



「それは何に役に立つんだ?」

顔を見合わすヨウとリヴァちゃん。

お互い不思議そうにしている。

「まさか⋯わからないのか?」

「はははは!妾が何時でもついておるということなのだ!ありがたかろう!」

「そうですそうです!海の加護があればいつでも我がついているということです!」

なるほど、そういうことか。

「わかった。やっぱりこれは落書きだな。早く消してくれ。」

「なんでそうなるのだ!いいだろう!かっこいいだろう?そのままでいいではないか!」

「ヨウ様と我のかっこいい姿がいつでも見れるなんて最高じゃないですか!消すなんてだめです!」

はぁ、うるさいドラゴンズだ。



宿の朝食が部屋に来たので3人で食べる。

すぐ気絶するが、元気になるのも早いな。

朝食を食べ終わると、ハーリルとミュアも部屋へとやってきた。

「おはようレイ。今日は馬車が出来てるといいわね。出来てなかったらまたダンジョンへ行くの?」

どうするか。

馬車が出来てるのが1番なんだがな。

「出来たら報告に来ると言っていたし、このまま宿でゆっくりしてればいいんじゃないか?」

「それじゃつまらないわ。」

つまらんと言われてもなぁ。

「なにかしたいことあるのか?」

「ないわね。」

ないのか⋯まさか俺に考えろとか言わないだろうな。



「妾もつまらんのだ!」
「我もです!」

ドラゴンズは放っておけばいいだろ。

俺はミュアもドラゴンズも無視してお茶を飲んでいる。

「ねぇ、なにかしましょうよ。」

何かってなんなんだ?

「私はレイ様と同じでゆっくりしてればいいかと思います。」

同調してくれてありがとうハーリル。

「俺もハーリルも疲れているんだ。たまにはゆっくりするのもいいだろう?」

 うるさいのを無視してハーリルとソファで寛いでいる。



しばらくそうしていると、部屋のドアがノックされた。

「商業ギルドのモンテギルド長からの伝言です。」

入室を促すと、宿の職員が入ってくる。

揉み手じゃなくてモンテって言うのか、あのギルド長は。

なんか似てるが⋯気の所為だろう。

「馬車が出来たので昼頃にお届けに参ります、とのことです。」

「わかった、それじゃ昼頃に宿を引き払うから、それまでは居させてもらおう。」

「かしこまりました。」

宿の職員は綺麗な所作で一礼し、部屋を出ていった。

さすが高級宿だな。

このまま昼までゆっくりさせてもらうか。



金払いが良かったからだろう、宿のオーナーが出る時に挨拶に来てくれた。

見送られながら俺達は宿を出る。

宿から商業ギルドまでは近いのですぐに着く。

「ようこそおいでくださいました。馬車の方は出来上がっております!」

さっそく揉み手をしながらモンテギルド長が出迎えてくれた。

ギルド内の裏手へ繋がる通路を通って外に出る。



「どうぞ、こちらがご用意させてもらった馬車になります!馬の方もしっかりと訓練された馬をご用意しました。」

何やら張り切って説明を始めるギルド長。

「今回も幌馬車ということなんですが、中はシンプルながらも高級感溢れる仕様にさせてもらってます!特にこの魔法陣を見てください!」

空調調節出来る機能やら、調光もできると色々と説明してくれる。

見た目は最新式ではないが、他にも最新機能満載で揺れが少ないのが特徴なんだとか。

よかったよ、魔法で大砲が打てるとかじゃなくて。

そんなのなくても最強のブレスが2発打てる大砲、もといドラゴンズがいるからな。



「ありがとうギルド長。この国のことは任せてくれ。この国も大陸も平和にすると約束しよう。」

「あ、ありがとうございます!」

「代金はいくらになる?」

「金貨300枚でいかがでしょうか⋯」

俺はいつものように金貨袋を取り出す。

「これで足りるか?数えてもらってもいいか?」

「は、はい!ただいま!」

足りないことはないだろ。

「全部で450枚ありました!」

「それなら残りはまた職員のボーナスにでも充ててくれ。」

ポカーンとするギルド長。

150枚の金貨はやりすぎか?まぁいいだろう。

みんなを馬車に乗り込ませ、ポカーンとしたままのギルド長へ告げた。

「では出発するな。また世話になったな。今後もよろしく頼む!」

別れの挨拶を一方的に告げて、俺達はディゼスタ王国の王都へと向かった。


しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた

黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。 その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。 曖昧なのには理由があった。 『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。 どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。 ※小説家になろうにも随時転載中。 レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。 それでも皆はレンが勇者だと思っていた。 突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。 はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。 ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。 ※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。

Hしてレベルアップ ~可愛い女の子とHして強くなれるなんて、この世は最高じゃないか~

トモ治太郎
ファンタジー
孤児院で育った少年ユキャール、この孤児院では15歳になると1人立ちしなければいけない。 旅立ちの朝に初めて夢精したユキャール。それが原因なのか『異性性交』と言うスキルを得る。『相手に精子を与えることでより多くの経験値を得る。』女性経験のないユキャールはまだこのスキルのすごさを知らなかった。 この日の為に準備してきたユキャール。しかし旅立つ直前、一緒に育った少女スピカが一緒にいくと言い出す。本来ならおいしい場面だが、スピカは何も準備していないので俺の負担は最初から2倍増だ。 こんな感じで2人で旅立ち、共に戦い、時にはHして強くなっていくお話しです。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

処理中です...