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第2章 新しい道
089 勇者とドラゴンサンド
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「街へ行きましょ!レイも行く?」
本当に行くのか。
また一人一人見せに来るなんてことにならんだろうな。
「俺はちょっと強力な魔法を発動させたから疲れているんだ。今後のことも考える必要もある。だから部屋で休んでいるよ。」
「分かったわ。じゃあみんなで行きましょ。」
みんな突然のお誘いで戸惑っている。
「妾は行かんぞ。買い物など興味無い。」
「我もご主人様と神竜様が行かないなら行きません!」
ご主人様はやめろ。
ほら、みんなポカーンじゃないか。
訓練場でのやり取りは知らないんだぞ。
「他のみんなは行くわよね?レイにまた可愛いくなったとこ見せたいでしょ?」
行く気がなさそうだった女達の目の色が変わった。
「そうですね。キュートちゃん、私たちもご一緒させてもらいましょう。」
カーテシーが返事なのだろうか。
もうキュートちゃんはそれでいいんだ。
「セシリア様も行きますよね?私達もご一緒させてもらいましょ!」
ケイトの方から誘うなんて珍しいんじゃないか?
「いいわよ、仕方ないから私も行ってあげる。」
ツンが多少戻ってきたな。
その調子だぞ。
「私は少し休ませてもらいます⋯」
ハーリルは回復魔法をかけたとはいえ、魔力が枯渇してるもんな。
ゆっくり休むといい。
「じゃあレイ、はい。」
ミュアが手を差し出してきた。
「なんだ?手なんか出して。」
「察しが悪いわね、お金よ。お、か、ね。」
まぁそうなるよな。
「私達が持ってないの知ってるくせに。ついてこなくてもいいけど、財布はしてもらわないとね。」
もう少し言い方があるんじゃないか?
「マジックバッグに入れてやるから貸してくれ。」
俺はミュアからマジックバッグを受け取り、100枚ほど金貨を入れておく。
「あら、相変わらずお金持ちね。こんなにくれるの?」
「それだけあればそうそう使い切らないだろ。くれぐれも落とすなよ?」
無駄遣いはしてもいいが、そんなに使うところもないだろ。
「それじゃあ俺たちは部屋に戻る。みんなは気をつけて行くんだぞ。」
じいちゃんが護衛に何人か神殿騎士をつけてくれるとの事なので甘えておいた。
俺とハーリルは各々の部屋に戻ることにした。
「なんでヨウとリヴァちゃんは俺のところについてきてるんだ?」
俺の後ろについてくる伝説級のドラゴン2匹。
「妾は暇だからだ!」
「我は部屋がないです!」
ヨウとリヴァちゃんは嬉しそうに俺についてきている。
ヨウは相変わらずのミニスカートだ。
リヴァちゃんはハーリルの服ということもありパンツスタイルだ。
スタイルがいいからとても似合っている。
「リヴァは帰れ!」
「なんでですか!お願いします!我も仲間に、家来にしてください!」
おいおい、ドラゴン同士で喧嘩するな。
地形が変わるくらいの大戦になるだろうが。
「まぁいいじゃないか。家来には出来ないがリヴァちゃんも仲間になっとけ。」
「ありがとうございます!」
そう言って俺に抱きついてくるリヴァちゃん。
美女の姿なんだから抱きついてくるんじゃない。
誰も見てないからいいんだが。
「いたーい!」
リヴァちゃんの頭に思い切りゲンコツを落とすヨウ。
「ばかもん!妾のレイに触るでない!」
なんでヨウのなんだ。
「いつから俺はヨウのになったんだ?」
今度は四つん這いになって項垂れるヨウ。
「さっき見せただろうに⋯なんて意地悪なやつなんだお主は⋯」
なぜこんなに悲しんでるんだヨウは。
なんか面白いな。
「とりあえずお前らはソファにでも座っておけ。俺は少しベッドで横になる。」
「ご主人様はお疲れなんですね!先程のお詫びもあるので、我が秘伝の疲労回復術をしましょう!」
リヴァちゃんは一緒にベッドについてこようとしている。
「いや、そういうのはいい。単に魔力が減っただけだからな。大人しくしてろ。」
リヴァちゃんも四つん這いになって項垂れている。
まだヨウも四つん這いだ。
ドラゴンはその姿勢が好きなのか?
面白しろいから放っておこう。
俺は四つん這いになってる2匹を無視してベッドに寝転んだ。
「レイ、妾の悩みを聞いてくれぬか?」
いつの間にかベッドサイドで立っているヨウに話しかけられた。
「どうした?ドラゴンの姿に戻らないとストレスだったりするのか?」
「そうではないのだ。レイと目交い、妾は負けた。もう二度と誰かに負けることは嫌なのだが⋯」
とっても悔しそうだな。
「だがな、レイに負けて以来おかしいのだ。」
おかしい?
最初からお前は変だぞ?
「また負けると分かっているのだが、レイと目交いたいのだ。」
それはただ単にヤリたいだけじゃないんだろうか⋯
覚えたてはしたくなるもんだよな。
だとしても必要ないからやらんぞ?
「何を言ってるんだ。もう俺と勝負する必要はないだろう?それに負けると分かってるならやめておけ。」
俺はなんとか回避したいからやらないように誘導しようとする。
「やめたいのだ!妾も負けたくない!なのに身体が目交えと言うておるのだ。どうしたらいいのだ?」
そんな悲しそうな顔をするな。
仕方ないな⋯
「ヨウ、じゃあこっちに来い。」
俺はヨウをベッドに来るよう誘った。
「なんだ?目交ってくれるのか?」
ヨウはベッドに入ってきた。
「一緒に寝るぞ。」
レイに布団の中で抱きしめられる。
昨日初めて人間のベッドで寝たが気持ちよかった。
だがなんだ?
抱きしめられて寝ると更に気持ちいいではないか。
なんなのだこれは。
先程までぐちゃぐちゃだった頭の中が落ち着いてくる。
リヴァがレイの家来になりたい、目交いたいと言ってからおかしいのだ。
レイは妾のご主人様なのだ。
そのレイにこうやってされるだけで気持ちが落ち着いてくる。
先程頭を撫でられた時も気持ちよく嬉しかった。
妾はレイといると変なのだ。
「落ち着いたか?俺と目交う必要なんてないからな。あれは勝負だ。そんなに何回もするもんじゃない。」
ゆっくりとヨウの綺麗な黒髪を撫でる。
手触りが抜群だな。
ん?寝てるじゃないか。
そんなに安心したのか?
可愛いもんだな。
伝説のドラゴンだろうが、こういう人の温もりを感じるのは初めてなんだろう。
「ご主人様、ご主人様、神竜様はお眠りになられたのですか?」
リヴァちゃんが小声で話しかけてきた。
わ
「そうだな。だから静かにしてあげるんだ。」
こくこくとツインテールを揺らしながら頷くリヴァちゃん。
リヴァちゃんが羨ましそうにこっちを見ている。
「なんだ?リヴァちゃんも来るか?」
花の咲くような笑顔で頷くリヴァちゃん。
ブンブンとツインテールも回るほどだ。
嬉しそうにベッドに潜り込んできたリヴァちゃん。
俺はヨウに身体を向けている。
リヴァちゃんは俺の背中に張り付いてきた。
「ご主人様の背中は温かいです。」
3人でベッドに寝ている。
それは美女2人に挟まれているということだ。
どちらの胸も大きい。
それが俺の理性を壊そうとしてくる。
明鏡止水だ。
今は亀様をご出陣させてはならん。
⋯⋯⋯⋯⋯ふっ、この心を極めている俺に死角などない。
俺は亀様のお怒りを鎮める術を得たのだ。
だから俺の胸を無意識でさすらないで欲しいんだ。
俺の背中に胸を押し当てないでくれ。
ああ、なんていい匂いなんだ。
ドラゴンのクセしてなんで女のいい匂いをさせているんだ。
神よ、下着神よ、明鏡止水ってなんなんでしょうか。
なんだか分からなくなってきたのです。
私はどうしたらいいのですか?
神よ、下着神よ、私に力を、何事にも動じない心を与えたまえ!
そうか!
上を向いて寝ればいいんですね!
俺は少し体勢を変えた。
左腕はヨウを腕枕している。
「リヴァちゃん、頭を上げてくれ。ヨウと同じように腕に頭を乗せてくれないか?」
上を向きリヴァちゃんにも右腕で腕枕をする。
ヨウは相変わらず俺の胸をさすりながら眠っている。
「リヴァちゃん、眠くないのか?」
俺は小声で話しかける。
「ご主人様の背中の温もりを感じていたら、むしろ寝れないです。」
背中になにかあるのか?
セシリアも俺の背中が好きだよな。
特別な何かを発しているのか?
なんでだろうか。
余計落ち着かない。
これは選択を誤ったような気がするな。
結局、美女2人に挟まれ、かつ腕枕をしている。
余計胸が当たるじゃないか⋯
ヨウがしているからってリヴァちゃんも胸をさすり始める始末だ。
更にヨウが足を曲げ、ミニスカートから顕になっている生足を乗せてきている。
その位置はもちろん亀様がいる。
なんでそんなに足を曲げているんだ⋯
もっと角度を落としてくれないもんか。
これは困ったぞ。
全く休まらない。
気がついたらリヴァちゃんも寝息を立てていた。
どうしたらいいか⋯
まだヨウの太ももは俺の亀様の上だ。
抜け出した方が気が休まるかもしれん。
俺はゆっくりと起こさないように腕を抜く。
熟睡しているようで2匹とも全く反応せずベッドから抜け出すことが出来た。
静かに部屋から出る。
どこへ行こうか⋯
じいちゃんの所へ行ってハーリルを連れて行く許可をもらうか。
それにリーシャのことも再度頼まなければな。
俺は建物から外へ出る。
ふとハーリルのことが気になったので寄ってみることにした。
ハーリル達が泊まっている施設に入る。
神官見習いにハーリルの部屋へと案内してもらう。
ハーリルは中で休んでいるようだが起きていたようだ。
「レイ様、どうしてこちらに?」
部屋に入れてもらえ、テーブルを挟んでソファに座っている。
「さっき魔力を使いすぎていたからな。心配で様子を見に来たんだ。」
「そんな⋯レイ様もお疲れだと仰られていたのに、私の事まで⋯」
少しは魔力は戻ってるようだな。
鍛えてるだけある。
「元気ではないだろうが、動けるのなら良かったよ。ここでのとこが終わったら大変だからしっかり休んでおくんだぞ。」
ゆっくり休んでもらいたいし、そろそろ行くか。
俺は席を立ち上がった。
あ、レイ様が行ってしまわれる⋯
まだ話していたいのに。
「レ、レイ様!まだ、その⋯」
「どうした?ベッドで休んでいいんだぞ?」
どうしたら⋯
どうすればレイ様はここに居てくれるのだろうか。
「⋯⋯⋯⋯⋯」
「疲れているんだろ?ベッドまで連れて行こうか?」
な、なんと?
なんと仰られました?
連れてく?
「は、はい!」
思わず返事をしてしまった!
ど、どうしたら⋯
本当に行くのか。
また一人一人見せに来るなんてことにならんだろうな。
「俺はちょっと強力な魔法を発動させたから疲れているんだ。今後のことも考える必要もある。だから部屋で休んでいるよ。」
「分かったわ。じゃあみんなで行きましょ。」
みんな突然のお誘いで戸惑っている。
「妾は行かんぞ。買い物など興味無い。」
「我もご主人様と神竜様が行かないなら行きません!」
ご主人様はやめろ。
ほら、みんなポカーンじゃないか。
訓練場でのやり取りは知らないんだぞ。
「他のみんなは行くわよね?レイにまた可愛いくなったとこ見せたいでしょ?」
行く気がなさそうだった女達の目の色が変わった。
「そうですね。キュートちゃん、私たちもご一緒させてもらいましょう。」
カーテシーが返事なのだろうか。
もうキュートちゃんはそれでいいんだ。
「セシリア様も行きますよね?私達もご一緒させてもらいましょ!」
ケイトの方から誘うなんて珍しいんじゃないか?
「いいわよ、仕方ないから私も行ってあげる。」
ツンが多少戻ってきたな。
その調子だぞ。
「私は少し休ませてもらいます⋯」
ハーリルは回復魔法をかけたとはいえ、魔力が枯渇してるもんな。
ゆっくり休むといい。
「じゃあレイ、はい。」
ミュアが手を差し出してきた。
「なんだ?手なんか出して。」
「察しが悪いわね、お金よ。お、か、ね。」
まぁそうなるよな。
「私達が持ってないの知ってるくせに。ついてこなくてもいいけど、財布はしてもらわないとね。」
もう少し言い方があるんじゃないか?
「マジックバッグに入れてやるから貸してくれ。」
俺はミュアからマジックバッグを受け取り、100枚ほど金貨を入れておく。
「あら、相変わらずお金持ちね。こんなにくれるの?」
「それだけあればそうそう使い切らないだろ。くれぐれも落とすなよ?」
無駄遣いはしてもいいが、そんなに使うところもないだろ。
「それじゃあ俺たちは部屋に戻る。みんなは気をつけて行くんだぞ。」
じいちゃんが護衛に何人か神殿騎士をつけてくれるとの事なので甘えておいた。
俺とハーリルは各々の部屋に戻ることにした。
「なんでヨウとリヴァちゃんは俺のところについてきてるんだ?」
俺の後ろについてくる伝説級のドラゴン2匹。
「妾は暇だからだ!」
「我は部屋がないです!」
ヨウとリヴァちゃんは嬉しそうに俺についてきている。
ヨウは相変わらずのミニスカートだ。
リヴァちゃんはハーリルの服ということもありパンツスタイルだ。
スタイルがいいからとても似合っている。
「リヴァは帰れ!」
「なんでですか!お願いします!我も仲間に、家来にしてください!」
おいおい、ドラゴン同士で喧嘩するな。
地形が変わるくらいの大戦になるだろうが。
「まぁいいじゃないか。家来には出来ないがリヴァちゃんも仲間になっとけ。」
「ありがとうございます!」
そう言って俺に抱きついてくるリヴァちゃん。
美女の姿なんだから抱きついてくるんじゃない。
誰も見てないからいいんだが。
「いたーい!」
リヴァちゃんの頭に思い切りゲンコツを落とすヨウ。
「ばかもん!妾のレイに触るでない!」
なんでヨウのなんだ。
「いつから俺はヨウのになったんだ?」
今度は四つん這いになって項垂れるヨウ。
「さっき見せただろうに⋯なんて意地悪なやつなんだお主は⋯」
なぜこんなに悲しんでるんだヨウは。
なんか面白いな。
「とりあえずお前らはソファにでも座っておけ。俺は少しベッドで横になる。」
「ご主人様はお疲れなんですね!先程のお詫びもあるので、我が秘伝の疲労回復術をしましょう!」
リヴァちゃんは一緒にベッドについてこようとしている。
「いや、そういうのはいい。単に魔力が減っただけだからな。大人しくしてろ。」
リヴァちゃんも四つん這いになって項垂れている。
まだヨウも四つん這いだ。
ドラゴンはその姿勢が好きなのか?
面白しろいから放っておこう。
俺は四つん這いになってる2匹を無視してベッドに寝転んだ。
「レイ、妾の悩みを聞いてくれぬか?」
いつの間にかベッドサイドで立っているヨウに話しかけられた。
「どうした?ドラゴンの姿に戻らないとストレスだったりするのか?」
「そうではないのだ。レイと目交い、妾は負けた。もう二度と誰かに負けることは嫌なのだが⋯」
とっても悔しそうだな。
「だがな、レイに負けて以来おかしいのだ。」
おかしい?
最初からお前は変だぞ?
「また負けると分かっているのだが、レイと目交いたいのだ。」
それはただ単にヤリたいだけじゃないんだろうか⋯
覚えたてはしたくなるもんだよな。
だとしても必要ないからやらんぞ?
「何を言ってるんだ。もう俺と勝負する必要はないだろう?それに負けると分かってるならやめておけ。」
俺はなんとか回避したいからやらないように誘導しようとする。
「やめたいのだ!妾も負けたくない!なのに身体が目交えと言うておるのだ。どうしたらいいのだ?」
そんな悲しそうな顔をするな。
仕方ないな⋯
「ヨウ、じゃあこっちに来い。」
俺はヨウをベッドに来るよう誘った。
「なんだ?目交ってくれるのか?」
ヨウはベッドに入ってきた。
「一緒に寝るぞ。」
レイに布団の中で抱きしめられる。
昨日初めて人間のベッドで寝たが気持ちよかった。
だがなんだ?
抱きしめられて寝ると更に気持ちいいではないか。
なんなのだこれは。
先程までぐちゃぐちゃだった頭の中が落ち着いてくる。
リヴァがレイの家来になりたい、目交いたいと言ってからおかしいのだ。
レイは妾のご主人様なのだ。
そのレイにこうやってされるだけで気持ちが落ち着いてくる。
先程頭を撫でられた時も気持ちよく嬉しかった。
妾はレイといると変なのだ。
「落ち着いたか?俺と目交う必要なんてないからな。あれは勝負だ。そんなに何回もするもんじゃない。」
ゆっくりとヨウの綺麗な黒髪を撫でる。
手触りが抜群だな。
ん?寝てるじゃないか。
そんなに安心したのか?
可愛いもんだな。
伝説のドラゴンだろうが、こういう人の温もりを感じるのは初めてなんだろう。
「ご主人様、ご主人様、神竜様はお眠りになられたのですか?」
リヴァちゃんが小声で話しかけてきた。
わ
「そうだな。だから静かにしてあげるんだ。」
こくこくとツインテールを揺らしながら頷くリヴァちゃん。
リヴァちゃんが羨ましそうにこっちを見ている。
「なんだ?リヴァちゃんも来るか?」
花の咲くような笑顔で頷くリヴァちゃん。
ブンブンとツインテールも回るほどだ。
嬉しそうにベッドに潜り込んできたリヴァちゃん。
俺はヨウに身体を向けている。
リヴァちゃんは俺の背中に張り付いてきた。
「ご主人様の背中は温かいです。」
3人でベッドに寝ている。
それは美女2人に挟まれているということだ。
どちらの胸も大きい。
それが俺の理性を壊そうとしてくる。
明鏡止水だ。
今は亀様をご出陣させてはならん。
⋯⋯⋯⋯⋯ふっ、この心を極めている俺に死角などない。
俺は亀様のお怒りを鎮める術を得たのだ。
だから俺の胸を無意識でさすらないで欲しいんだ。
俺の背中に胸を押し当てないでくれ。
ああ、なんていい匂いなんだ。
ドラゴンのクセしてなんで女のいい匂いをさせているんだ。
神よ、下着神よ、明鏡止水ってなんなんでしょうか。
なんだか分からなくなってきたのです。
私はどうしたらいいのですか?
神よ、下着神よ、私に力を、何事にも動じない心を与えたまえ!
そうか!
上を向いて寝ればいいんですね!
俺は少し体勢を変えた。
左腕はヨウを腕枕している。
「リヴァちゃん、頭を上げてくれ。ヨウと同じように腕に頭を乗せてくれないか?」
上を向きリヴァちゃんにも右腕で腕枕をする。
ヨウは相変わらず俺の胸をさすりながら眠っている。
「リヴァちゃん、眠くないのか?」
俺は小声で話しかける。
「ご主人様の背中の温もりを感じていたら、むしろ寝れないです。」
背中になにかあるのか?
セシリアも俺の背中が好きだよな。
特別な何かを発しているのか?
なんでだろうか。
余計落ち着かない。
これは選択を誤ったような気がするな。
結局、美女2人に挟まれ、かつ腕枕をしている。
余計胸が当たるじゃないか⋯
ヨウがしているからってリヴァちゃんも胸をさすり始める始末だ。
更にヨウが足を曲げ、ミニスカートから顕になっている生足を乗せてきている。
その位置はもちろん亀様がいる。
なんでそんなに足を曲げているんだ⋯
もっと角度を落としてくれないもんか。
これは困ったぞ。
全く休まらない。
気がついたらリヴァちゃんも寝息を立てていた。
どうしたらいいか⋯
まだヨウの太ももは俺の亀様の上だ。
抜け出した方が気が休まるかもしれん。
俺はゆっくりと起こさないように腕を抜く。
熟睡しているようで2匹とも全く反応せずベッドから抜け出すことが出来た。
静かに部屋から出る。
どこへ行こうか⋯
じいちゃんの所へ行ってハーリルを連れて行く許可をもらうか。
それにリーシャのことも再度頼まなければな。
俺は建物から外へ出る。
ふとハーリルのことが気になったので寄ってみることにした。
ハーリル達が泊まっている施設に入る。
神官見習いにハーリルの部屋へと案内してもらう。
ハーリルは中で休んでいるようだが起きていたようだ。
「レイ様、どうしてこちらに?」
部屋に入れてもらえ、テーブルを挟んでソファに座っている。
「さっき魔力を使いすぎていたからな。心配で様子を見に来たんだ。」
「そんな⋯レイ様もお疲れだと仰られていたのに、私の事まで⋯」
少しは魔力は戻ってるようだな。
鍛えてるだけある。
「元気ではないだろうが、動けるのなら良かったよ。ここでのとこが終わったら大変だからしっかり休んでおくんだぞ。」
ゆっくり休んでもらいたいし、そろそろ行くか。
俺は席を立ち上がった。
あ、レイ様が行ってしまわれる⋯
まだ話していたいのに。
「レ、レイ様!まだ、その⋯」
「どうした?ベッドで休んでいいんだぞ?」
どうしたら⋯
どうすればレイ様はここに居てくれるのだろうか。
「⋯⋯⋯⋯⋯」
「疲れているんだろ?ベッドまで連れて行こうか?」
な、なんと?
なんと仰られました?
連れてく?
「は、はい!」
思わず返事をしてしまった!
ど、どうしたら⋯
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