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第1章 迷いの森

028 元勇者と言い訳 後編

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今日の夕飯は美味しかった。

オーマン魚⋯名前はアレだが、侮れんな。

もう何匹か欲しいが、希少な魚って言っていたしな。

次来た時に貰えたらいいか。



さて、日が暮れる前に水浴びでもさせるか?

今日は俺が用意する必要はないかもな。

なんせこの綺麗な湖だ。

夕日に照らされたこのロケーション。

そして綺麗な水で弾ける裸の女達。

混ざっていいのかな⋯

いかんいかん。

神獣と何度も致したのに、なんて俺の亀様はこうも元気なんだ。

親友のキートゥがいるからってはしゃいでるのか?



「今日は綺麗な湖があるんだ。みんなで水浴びでもしたらどうだ?キートゥ、水浴びで使ってもいいだろう?」

『もちろん構わないのじゃ。アークよ、儂と湖で遊びたいのじゃな?アークもまだまだ幼心があるんじゃの。』

どうしてそうなった?

キートゥとオーマンレイクではしゃぐ⋯

キートゥのキートゥと俺のキートゥがオーマンレイクで夢の共演。

アリだな。

一緒にオーマンレイクの奥まで入ろうじゃないか。



「水浴びの前に、神獣様に連れられて何があったのかお聞きしたいのです。」

ハーリル⋯なぜその話を蒸し返したんだ⋯

「私も気になります。なんでアーク様は⋯あの、その、は、はだゃか⋯はわわ。」

恥ずかしくて噛むなら言わなきゃいいんだぞケイト⋯

 「私は気にならないけど、話したいなら聞いてあげるわ。いいから話しなさいよ。」

セシリアも気にならないなら聞かなくていいんだぞ⋯

「キュートちゃん、ご飯が終わったようですね。お話があります。こちらに来なさい。」

怖い⋯目が本気だ⋯頑張れキュートちゃん。

もう君はエリーじゃない。キュートちゃんだ。

リーシャだけ世界線が違うな。

そっとしておこう。

ミュアは⋯さすがだな。

こういう時はシカトするんだ。

俺に逆らわないと言いながらも助けることはしない。

先生のそういう姿勢、相変わらず感服です。

我関せず。

この姿勢ですね!

今日もエルフの秘術は奥が深い⋯

いつか俺もモノにしたいです。



しかし困った⋯ここはさすがにキートゥが助けに来てはくれない。

リスは⋯だめだ、俺の股の間で遊んでやがる。

戦力外だ。

そもそも戦力として当てにしてはダメだ。

悪化するだけだからな。

だからぶら下がろうとするんじゃない!



「それはな⋯神獣の魔力を回復させなきゃいけなかったんだ。」

「「「⋯⋯⋯⋯⋯⋯」」」

ダメだった。

全く納得してない。

だから何があったのか説明してくださいって顔をしてるな。

オーマン湖草荘で、神獣のオーマンレイクに俺のオーチンレイクがイヤッホーでヒャッハーなことしてたって言うのか?

それとも負け亀が堕亀になる所をキートゥに助けられて、危機一髪回避して勝ち亀になったと説明すればいいのか?

どちらもダメだ。

もはや説明にすらなってない。



「魔力を回復させるためにな、我とアークで遊んだのだ!」

リス!出てくるな!

お前が出てくるとややこしくなるんだ。

大人しく股で遊んでなさい。

今ならぶら下がっても許してあげるから。

だから黙ってなさい。



「神獣様と遊んでたのですか?裸で?」

ほら見ろ、ややこしくなってる。

もう着地点が見えないぞ。

どうするんだ?

「そうなのだ!我の別荘でアークと2人で遊んでたのだ!別荘で遊ばないと魔力が回復しないのでな!」

「こんな可愛いリスと遊べるなんて⋯羨ましいです。」

ケイト⋯見た目は今は可愛い、それは認めよう。

だが⋯本性はただのエロリスだ。

エロリス⋯なんか語呂がいいな。

今はそんなことはどうでもいい。

現実逃避するんじゃない。

「ただ遊んだだけでなんで裸になるのよ。何か隠してるんじゃないの?私には関係ないけどね!」

そうだ、セシリアには関係ない。

だからもう聞かないでくれないかな⋯



「我はリスなのだ!アークもリスにして2人でリスになって遊んだのだ!別荘に連れていかないとリスに出来ないからな!」

神獣様⋯

神々しい⋯

自分は間違ってました。

やはり神と名が付くだけありました。

崇め奉ってよろしいのでしょうか。

約束通り、子々孫々、貴方様の元に通うことを我が家の家訓として語り継ぎます。



「そうなんだ、リスになる時に服が脱げててな。戻る時に着てないのを忘れてて、それで戻ってきた時にあんなことにな⋯そんな間抜けなことをしたって言うのが恥ずかしくて言い出せなかったんだ。」

ありがとう神獣。

これでみんなにバレずに済みそうだ。

ミュアには全てバレてるんだろうがな⋯

「アーク様がリスに⋯」

「私もリスのアーク様と遊びたいです!」

「そうならそうって言えば良かったんじゃない。⋯変なことしてないで良かったわ。」

「分かってくれたみたいだな。俺は少し向こうにいるから、浅瀬でみんなで水浴びするといい。拭くものはここに置いておくな。」



リーシャは⋯まだキュートちゃんに説教してるのか。

キュートちゃんの目が死んでるぞ。

その辺にしてあげなさい。

「リーシャ、ここの綺麗な湖で水浴びしていいみたいだから、みんなとしてくるといい。しばらく俺は向こうにいるから。」

「そうなんですね。では私もご一緒させてもらいます。ではキュートちゃん、レディらしく私と一緒に行きましょう。」

キュートちゃん⋯頑張ってくれ。



引きづられていくキュートちゃんは魂が抜けてるような顔をしていたが、気にしないでおこう。

みんなの水浴びが終わるまでこっちを向いているか。

『アークよ、お前は水浴びに行かんのか?』

「今は女達の時間だからな。男の俺は見ないようにしているんだ。」

『全員アークの番ではないのか?』

「全員違うな。あの女達は俺が旅の途中で助けたんだよ。だから番ではないんだ。」

『番ではなくともみんなで水浴びすればいいじゃろ?』

「キートゥの言う通りなんだが、人間はめんどくさい生き物なのさ。男女で裸を見せるのは恥ずかしかったりするんだ。」

『アークはさっき全裸だったのじゃがなぁ。おかしな話なのじゃ。』

キートゥ⋯その話はもういいんだ。



む、草むらが動いたぞ。

まさか魔物か?いや、俺の索敵に引っかからないってことは野生動物の可能性が高い⋯

って兎じゃないか。

またキートゥをいじめに来たのか?

『いいんじゃよアーク。こいつらは儂と遊んでおるのじゃ。こうやってのう。』

キートゥが手足と頭としっぽを甲羅に入れた。

その甲羅を兎達が足でバシバシ叩き始める。

『ははは、痛くも痒くもないのじゃ。ほれほれ、もっと気合い入れぬか。そんなのでは儂の甲羅は割れぬぞ。』

これは⋯遊びなのか?

キートゥが楽しいのならそれでいいのか。






この湖は本当に綺麗です。

それにしてもアーク様の裸を⋯私はそれをこの手で⋯

な、なんて破廉恥な⋯私はなんて破廉恥な事をしたのか⋯

でも、またしたい⋯アーク様のモノを見てその気持ちは強くなる一方です。

アーク様⋯



やっぱり水浴びは気持ちいい。

ただ、全裸でしてるのが恥ずかしいけど⋯

それよりもアーク様のアレは⋯アレでこの前私は⋯

はわわ、な、なんてこと⋯

でも⋯あんな大きなものが中に⋯

な、何を考えてるのケイト!

だめ、だめだよ!は、恥ずかしい⋯



アーク⋯なんで私に罰を⋯

いや、許されたという最大の罰を貰ったわ。

何もされないという罰、素敵だわ⋯



あの男はなんで裸だったのよ。

それにあの胸板⋯だめよ、思い出しちゃだめ。

それにまた背中が見える⋯

なんでなの?なんでまたしたくなってるのよ⋯

こんな綺麗な湖でそんなことしたらダメなのよ。

我慢⋯我慢しなきゃななのに⋯



「いいですかキュートちゃん、淑女たるもの、水浴びをする時も⋯⋯⋯⋯⋯⋯くどくどくどくど。」

「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯(白目)」



「我はアークと入るのだ!」



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