異世界パチ屋~ギャンブルで異世界をハッピーに!?やれるかやれないか?やるんだよ!〜

音無響一

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14R ライン・ヤーマノッテ

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「お前がリーチか、なかなかに優秀だと聞いているが⋯⋯⋯⋯⋯」


目の前にはお父様、ライン・ヤーマノッテがいる。

年齢は40代には見えず、30代くらいなのだろうか。

他の兄弟が何歳か聞いていないので、お父様の年齢も予想がつかない。

見た目はまだまだ若く、20代と言ってもわからないだろう。

サラサラの金髪でいかにも優男と言った雰囲気だ。

背は180cmくらいだろうか、子供の俺からしたら山のようにでかく見える。

ガタイは良くは無い。

体格も優男の雰囲気で線が細い。

見た感じ武勇に溢れる人ではなさそうだ。

魔法使いって感じでもないしな。

今いる部屋は、お父様が来た時に使う部屋のようだ。

入ることを禁止されていた部屋だが、部屋の中は一際豪華な部屋になっている。

なんだあの絵画は⋯

それに調度品がゴテゴテと飾られているじゃないか。

なんて趣味の悪い部屋なのだろうか。

そりゃあ入るのは禁止されわ。

禁止というか入りたいと思えん。

お父様は見定めるように上から下へと視線を這わせている。

俺は第3夫人の息子で三男だ。

いくら優秀とは言え世継ぎにはなれない。

むしろ三男が優秀だと困るのかもしれない。

それとも俺を政争の道具に使うための品定めか?


「やっと、やっと会えたああああああ!」


は?


「なんて、なんてラブリーなんだ!私の息子よおおおおおお!」


ひ?


「私に会えると思っていつもより早起きしたと聞いたぞ!なんていい子なんだあああああああああ!」


ふ?


「私もリーチに会えるのを心待ちにしていたんだぞおおおおおおお!」


へ?


「もっと早く会いたかったのに戦争などやりおってええええええ!リーチに会うために隣の王国を滅ぼしてきたぞ!」


ほ?

今なんて?

戦争?滅ぼす?お父様⋯もしかしてそんなナリして武闘派なんでしょうか⋯

そんでもって抱きつかないでくれませんかね。

いくら親でも男に抱きつかれるのは気持ち悪いんです。

ああ、頬と頬を擦り合わせないでもらえないでしょうか⋯


「お、お父様、初めまして、リーチと申します。お会いできて光栄です」

「なんだなんだ!初の対面なのにそのよそよそしさは!リーチは私の愛する息子なんだ!それにまだ6歳だろう!子供らしく甘えなさい!」


なにこれぇぇぇぇ

甘えの強要はキツイですって⋯

お母様にすらそんなことしてないのに出来るわけなかろう。

するならマリンちゃんかリンシャーンと熱い抱擁をしたいもんだ。

しばらくお父様にが落ち着くまで俺は揉みくちゃにされていた。






「ふう、堪能した。やはり我が子とのスキンシップは大切だな。まだ6年分には足りてないが、今はこのくらいにしておこう」


聞き間違いか?

まだ足りない、今は、とな?

この後もまたされるのだろうか⋯

中々にキツかったぞ。


「当主様、お久しぶりです。お会いしとうございました。私もリーチも当主様にお会いできて大変嬉しく存じます」


お母様、俺は嬉しくなんてないんだが⋯


「長い間留守にして申し訳なかった。これもあの忌々しいバーチー王国のせいだ。戦争などふっかけて来おって⋯」

「お父様、発言をお許し致しますでしょうか」

「何を畏まっているんだ、なんでも話しなさい」

「僕はお父様のことを何も伺ってないので分かり兼ねるのですが、お父様程の方が前線に居たのですか?」

「なんだなんだ、私の武勇伝が聞きたいのか!さすが侯爵家の息子だ!おい、ウェノ!この子は強くなるかもな!」


話し方もさることながら、武勇伝て程遠いもののような雰囲気の人なんだが⋯

本気でこの人は武闘派なのか?

この子は強くなるって⋯

戦争とかそういうのは本当にやめてもらいたい。


「私の武勇伝はおいおい話してあげるとしよう。そろそろ本題に移らせてもらおう」


本題だと?

ただの親子の初の対面だけじゃなかったのか。


「本来ならお前たちは侯爵家で暮らすはずだったのだ。ウェノを第3夫人にした直後に戦争が始まりおってな」


そこからお父様の長ったらしい説明が始まった。

要は一緒に暮らす直前に戦争が始まり、領都の本邸に移り住むタイミングが無くなったんだとか。

そのせいでヤーマノッテ侯爵領の田舎の方で暮らすことを余儀なくされたと。

ここは元々お母様の出身地だそうで、ここにヤーマノッテ侯爵家の小さい屋敷が元々あったそうだ。

お母様が妊娠していることもあり、単独で本邸に行くことをやめ、ここで俺を産み、そのまま育てたそうだ。

そしてお母様と俺は戦争が終わるまでここにいたと。

戦争が終わり、お父様も落ち着いたとのことで、お母様と俺を迎えに来てくれたそうだ。


「しばらく私も休暇を貰えたからな。本邸に行き、ゆっくりしようじゃないか。馬車の道中では色々話を聞かせてもらうとしよう」


お父様の話が終わり、ゆっくりすることも無く早々にここを引き上げるそうだ。

お母様もこの話は聞いていなかったようで困惑していた。

お父様は強引なようで、そのまま6年暮らした土地を去ることになった。

マリンちゃんにこのことは伝えてないので伝言を頼んでおく。

リンシャーンは本邸に行っても俺の傍付きメイドのままだそうだ。

豪華な幌馬車に乗り、お父様とお母様と俺の3人は領都に向かっている。

なんだろう、嫌な予感しかしないんだが⋯

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