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R12 ギャンブル仲間1号
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「有り得ません!」
大きな声でどうしたマリンちゃん。
「何が有り得ないんです?」
「リーチ様は普通じゃありません!」
有り得ないから普通じゃないに変わったぞ。
落ち着けマリンちゃん。
「どうやったらそんなことできるんですか?どうやったらそんなに広範囲に雨を降らせることができるんですか?虹って簡単に作れるんですか?」
疑問だらけだな。
とにかく落ち着けマリンちゃん。
「魔法のことは僕はわかりません。やったらできた。だからこうやって魔力を増やしてるんです。」
「やってできるなら全員賢者様になれます!」
はぁはぁ言うほどのことかいな。
「マリンちゃんはウインドカッターは使えないんですか?」
「私は火と土の魔法しか使えません。」
「それはなんで?」
「そういう風に洗礼の儀で自分の適正魔法を授かるからです。」
「なるほど⋯では僕の言う通りにやってみてください。」
俺は風が起こる仕組みを説明する。
「それを頭の中でイメージして魔力を放出してみてください。」
「こんな仕組みが?なんでそんなことをリーチ様はご存知なんですか?」
疑問はもっともだが⋯
「とにかく僕を信じてやってみて下さい。」
「分かりました⋯」
渋々だがやってくれるようだな。
そうそう、ブツブツ言ってるけど、それを頭の中でイメージしてぶわ~っとやってくれ。
「いきます⋯」
もっとリラックスしてくれていいのになぁ。
「マリンちゃん、頑張ってください!」
マリンちゃんは両手拡げて手を前に突き出した。
すると風が吹き始めた。
「おお、出来てますよ!」
「きゃあああああ!」
ん?おおう!白!
リンシャーンは今日も白!
いや、そうじゃない。
「マリンちゃん!やりましたね!」
あれ?どんどん風が強く⋯
「マリンちゃん、止めて!止めてください!」
「あわわわわ、と、止まりません!」
何をしとるんじゃ!魔力供給を止めなさい!
「魔力の流れを切ってください!」
「ええ、魔力魔力⋯」
そうそう、止まったな。危ない。
「マリンちゃんも出来ましたね。」
「師匠!いや、賢者様!」
土下座してどうしたマリンちゃん。
「私に魔法を教えてください!」
「何を言っているんですか⋯僕は魔法はこの二種類しか使えませんよ?」
俺がそう言っても、地面に額を擦り付けるくらい頭を下げているマリンちゃん。
「リーチ様の教えで簡単に適正魔法以外の魔法を使えたのです。適正魔法以外を使えるのは伝説の賢者様しかいないのです。」
「はぁ、そうなんですか。」
魔法なんて興味無いんだよマリンちゃん。
あくまで俺は魔力量を増やしたいだけなんだ。
「マリンちゃん、僕がやりたいのは賢者のように多数の魔法を駆使して戦いたい訳では無いんです。魔法もこれ以上覚えようとは思いません。」
俺は土下座しているマリンちゃんの身体を起こす。
「マリンちゃん、僕がやりたいのは何か言いましたよね?覚えていないのですか?」
マリンちゃんの顔をじっと見つめる。
真剣だ。
マジ顔でみつめる。
顔を赤らめるでない!
6歳児だぞ。
「ギャ、ギャンブル⋯です⋯」
目を逸らすでない。
「そう、ギャンブルです。マリンちゃんに簡単なギャンブルをお教えしましょう。」
「簡単な?そんなものあるのですか?」
俺はゆっくりと頷く。
俺は知っている。
この世界にはジャンケンすらないと。
「ジャンケンというゲームです。これは⋯」
俺はジャンケンの仕組みを教える。
いつの間にかリンシャーンも聞いていた。
「これで僕が勝ったらマリンちゃんは俺の仲間です。いいですか?」
「いいですね⋯燃えてきました。では私が勝ったらどうしますか?」
「マリンちゃんは欲しいものはありますか?」
「私はお金が欲しいです。」
まさに現金なヤツだ。
だがそれでこそギャンブラーだ。
ヒリつくような勝負。
そしてその結果で得られる富と名声。
いいじゃないか。
好きなだけやろう。
「分かりました。では行きます。一発勝負ですからね。」
「いいでしょう。」
「いざ!ジャンケン!」
「「ポン!」」
結果はもちろん⋯
「僕の勝ちですね。」
「ま、負け⋯6歳児に負け⋯た⋯」
なぜ俺が勝てたか⋯説明しよう!
ジャンケンは実はチョキを出す確率は1番低い。
しかもやったことの無い素人が形が複雑なチョキを出す可能性も低い。
そしてグーを出す確率が1番高い。
だから俺はパーかグーを出せばいい。
2択に絞られたわけだ。
パーを出してあいこになると、相手は手を変える可能性が高い。
チョキかグーなわけだ。
だから俺は次にグーを出せばいい。
3分の1の確率に見えて心理的に出す傾向は存在する。
そうして相手の心理を読み取りやっていく訳だが、残念ながら一発で勝負が着いたな。
俺がパーで、マリンちゃんがグーだ。
結局確率論だが、勝てればそれでいい。
今は対等な勝負ではない。
だが勝ちは勝ちだ。
「ではマリンちゃんは今日から⋯」
「はい、私は今日からリーチ様の忠実な下僕です。どんな命令でもお申し付けください。」
ん?なんか間違ってるぞマリンちゃん。
大きな声でどうしたマリンちゃん。
「何が有り得ないんです?」
「リーチ様は普通じゃありません!」
有り得ないから普通じゃないに変わったぞ。
落ち着けマリンちゃん。
「どうやったらそんなことできるんですか?どうやったらそんなに広範囲に雨を降らせることができるんですか?虹って簡単に作れるんですか?」
疑問だらけだな。
とにかく落ち着けマリンちゃん。
「魔法のことは僕はわかりません。やったらできた。だからこうやって魔力を増やしてるんです。」
「やってできるなら全員賢者様になれます!」
はぁはぁ言うほどのことかいな。
「マリンちゃんはウインドカッターは使えないんですか?」
「私は火と土の魔法しか使えません。」
「それはなんで?」
「そういう風に洗礼の儀で自分の適正魔法を授かるからです。」
「なるほど⋯では僕の言う通りにやってみてください。」
俺は風が起こる仕組みを説明する。
「それを頭の中でイメージして魔力を放出してみてください。」
「こんな仕組みが?なんでそんなことをリーチ様はご存知なんですか?」
疑問はもっともだが⋯
「とにかく僕を信じてやってみて下さい。」
「分かりました⋯」
渋々だがやってくれるようだな。
そうそう、ブツブツ言ってるけど、それを頭の中でイメージしてぶわ~っとやってくれ。
「いきます⋯」
もっとリラックスしてくれていいのになぁ。
「マリンちゃん、頑張ってください!」
マリンちゃんは両手拡げて手を前に突き出した。
すると風が吹き始めた。
「おお、出来てますよ!」
「きゃあああああ!」
ん?おおう!白!
リンシャーンは今日も白!
いや、そうじゃない。
「マリンちゃん!やりましたね!」
あれ?どんどん風が強く⋯
「マリンちゃん、止めて!止めてください!」
「あわわわわ、と、止まりません!」
何をしとるんじゃ!魔力供給を止めなさい!
「魔力の流れを切ってください!」
「ええ、魔力魔力⋯」
そうそう、止まったな。危ない。
「マリンちゃんも出来ましたね。」
「師匠!いや、賢者様!」
土下座してどうしたマリンちゃん。
「私に魔法を教えてください!」
「何を言っているんですか⋯僕は魔法はこの二種類しか使えませんよ?」
俺がそう言っても、地面に額を擦り付けるくらい頭を下げているマリンちゃん。
「リーチ様の教えで簡単に適正魔法以外の魔法を使えたのです。適正魔法以外を使えるのは伝説の賢者様しかいないのです。」
「はぁ、そうなんですか。」
魔法なんて興味無いんだよマリンちゃん。
あくまで俺は魔力量を増やしたいだけなんだ。
「マリンちゃん、僕がやりたいのは賢者のように多数の魔法を駆使して戦いたい訳では無いんです。魔法もこれ以上覚えようとは思いません。」
俺は土下座しているマリンちゃんの身体を起こす。
「マリンちゃん、僕がやりたいのは何か言いましたよね?覚えていないのですか?」
マリンちゃんの顔をじっと見つめる。
真剣だ。
マジ顔でみつめる。
顔を赤らめるでない!
6歳児だぞ。
「ギャ、ギャンブル⋯です⋯」
目を逸らすでない。
「そう、ギャンブルです。マリンちゃんに簡単なギャンブルをお教えしましょう。」
「簡単な?そんなものあるのですか?」
俺はゆっくりと頷く。
俺は知っている。
この世界にはジャンケンすらないと。
「ジャンケンというゲームです。これは⋯」
俺はジャンケンの仕組みを教える。
いつの間にかリンシャーンも聞いていた。
「これで僕が勝ったらマリンちゃんは俺の仲間です。いいですか?」
「いいですね⋯燃えてきました。では私が勝ったらどうしますか?」
「マリンちゃんは欲しいものはありますか?」
「私はお金が欲しいです。」
まさに現金なヤツだ。
だがそれでこそギャンブラーだ。
ヒリつくような勝負。
そしてその結果で得られる富と名声。
いいじゃないか。
好きなだけやろう。
「分かりました。では行きます。一発勝負ですからね。」
「いいでしょう。」
「いざ!ジャンケン!」
「「ポン!」」
結果はもちろん⋯
「僕の勝ちですね。」
「ま、負け⋯6歳児に負け⋯た⋯」
なぜ俺が勝てたか⋯説明しよう!
ジャンケンは実はチョキを出す確率は1番低い。
しかもやったことの無い素人が形が複雑なチョキを出す可能性も低い。
そしてグーを出す確率が1番高い。
だから俺はパーかグーを出せばいい。
2択に絞られたわけだ。
パーを出してあいこになると、相手は手を変える可能性が高い。
チョキかグーなわけだ。
だから俺は次にグーを出せばいい。
3分の1の確率に見えて心理的に出す傾向は存在する。
そうして相手の心理を読み取りやっていく訳だが、残念ながら一発で勝負が着いたな。
俺がパーで、マリンちゃんがグーだ。
結局確率論だが、勝てればそれでいい。
今は対等な勝負ではない。
だが勝ちは勝ちだ。
「ではマリンちゃんは今日から⋯」
「はい、私は今日からリーチ様の忠実な下僕です。どんな命令でもお申し付けください。」
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