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音無響一

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11R 魔力量を計ってみよう

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翌日、マリンちゃんが魔力測定器の魔道具を買ってきてくれた。

「リーチ様、おはようございます。」

「マリンちゃん、おはようございます!それが魔力測定器ですね!早速使わしてください!」

俺はそれを見て、居てもたってもいられなくなった。

「お、落ち着いてください!」

落ち着いてなどいられるか!はよ!はよせい!

「リーチ様!まずは説明を!」

マリンちゃんをそのまま押し倒すかの勢いでグイグイ行っていたが、リンシャーンに止められた。

「リーチ様、マリンちゃんが怖がっているであります!」

リンシャーンがマリンちゃんと呼ぶんじゃない。

まぁいい、1度落ち着こうじゃないか。

「申し訳ございません、では説明をお願いします。」

ほぅ、と息を吐き安堵するマリンちゃん。



「では説明させてもらいます。」

マリンちゃんによると魔力測定器とは⋯

個人の魔力量を完全に数値化してくれる代物とのことだ。

箱型になっており、手を入れる場所が空いている。

そこに手を入れると魔道具が、その人の体内にある魔力量を測ってくれ、箱の表面のセグ版らしきガラスの板に表示されるようだ。



「まずは私の魔力量を測らせてもらいます。」

マリンちゃんは箱に手を入れる。

数秒待つとガラスの板に数字が表示された。

「35000ですね。エルフでも多い方になります。通常の人族は1万を超えれば多い方です。」

ほうほう、1万だな。

では俺も測ってみよう。

「リーチ様、ここにお手を。」

「わかりました。入れますね。」

俺も箱に手を入れる。

むっ、何やら吸われている感覚があるな⋯

「⋯⋯⋯⋯⋯48000?」

ほう、親の役満か。

好きな役満はやはり四暗刻スーアンコ⋯いや、緑一色リューイーソーか。

国士無双も譲れないな。

しかし男は黙って九連宝燈チューレンポートーと決まってるんだ。

目指せフリテンなしの9面張メンチャン待ち。

次の目標は96000のダブル役満だな。

四暗刻単騎⋯いや、国士13面張⋯

違うな、字一色ツーイーソー大三元ダイサンゲンのダブル役満、これだろ。



「お、おかしすぎます!壊れてませんか?私より6歳のリーチ様の方が多い?そんな有り得ないことありますか?」

おっと好きな役満を考えていたらボーっとしてしまったな。

「マリンちゃん落ち着いてください。僕の魔力量が多いことが分かったので一安心です。」

「全然安心できません!どういうことなんですか?本当に魔力を使い切ったら魔力が伸びるんですか?」

俺は腕を組み悩んだ表情をする。

ただのポーズだ。

だって知らないもん。

「マリンちゃん、普通は幼少期からしたことが無いから分からないんじゃないですか?誰も試したことがない。だからだと思われます。」

適当だが、あながち間違いでは無いだろ。

だいたい0歳児から意識あるやつなんて転生者だけだろ。

その賢者様とやらもおそらく転生者だ。

「マリンちゃん、とりあえず毎日測定し、魔力を使い切ったら魔力量が増えるか実験してみないとです。」

「そ、そうですね⋯」

なにやら納得してないというか、ブツブツ言ってるな。

大丈夫か?



「リーチ様!本当に魔法を使えるんですか?私に見せてもらうことは可能でしょうか?」

うぉ、圧が凄いな、近い!顔が近い!

可愛いだけだからやめて!

そしてなんで今日は胸元がバックリ空いてるんですか!

見える見える!マリンちゃんの下着が⋯

し、しろ?白だと?

マリンちゃんは黄色なんだ!黄色の下着にしろ!

くっ、厳重注意だぞ!

「わ、わかりました。今日はまだ魔力を使ってないので外で魔法お見せしましょう。」

リンシャーンにお母様の予定を聞かないとか。

「リン、お母様は今何をしているかわかるか?」

おお、居ないんだな。

それじゃあちょうどいい。

「先生、それでは庭に行きましょう。」

俺とマリンちゃんとリンシャーンでいつもの庭に向かう。



「マリンちゃん、いつもここで魔法を使っています。見ていてください。」

俺は虹ができるほどの水を空から散布する。

「うん、まだまだ魔力は余っているな。」

魔力があることを確認し、俺は風魔法で植木を切り刻む。

ふう、今日は玉○ゃんだ。

がんばれがんばれーってな。

「マリンちゃん、こんな感じ⋯で、す⋯?」

ブツブツ言いながら目をかっぴらいてるな。

なになに?

アクアレインにウインドカッターを無詠唱で使える人なんて伝説の賢者様しかいない?

ははーん、俺を賢者様と思ってるのか?

程遠い存在だ。

やだやだ、魔物となんて戦いたくないよ。








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