腐男子完全計画!

葉津緒

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其の四

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「……ったく、お前も外見的には一応モテる部類に入ってんだろ。中身が壊滅状態なだけで」

「なんと酷すぎる分析!」


親ぐるみで仲の良い、幼なじみ兼親友が発する言葉にしてはあまりにも辛辣。
周お前、俺のこと嫌いだろ……。
で、でも俺は結構気に入ってるからな。
普段冷たい奴がたまに見せるデレ。そう、周は最高のツンデレ君なのだから!


 ゴンッ


「また変なこと考えたろ」

「……っ……すいませんでした」


うう、げんこつは地味に痛いのよ。
しかしさっきから「ツン」ばかりで「デレ」はいつ来るのだろう。もしや一生来ないわけじゃあるまいな。



「もおぉー! 幸明くんに乱暴するのは止めてよ転入生ー」

「幸明くん大丈夫? 保健室へ連れてったげようか」


「は?」


予期せず介入してきた第三者の声に、改めて周りを見れば。
教室内にいるクラスメートたち及び、廊下からも知らない奴ら(多分、他学年生含む)の好奇な眼差し。
何やら注目の的ですな俺と周さん。

そういや今って昼休みだもんね。騒がしくてごめんよぅ。
周が作ってくれた弁当を食べ終わり、まったりしながら悠布と王道脇役展開について確認という名の会話を楽しんでいた筈が。
まったくもう、バイオレンスな周さんには困るよねー。


「誰がバイオレンスだ、誰が」

「いだだだだっ」


俺と周、机を挟み向かい合って椅子に座ってるからすぐ手が出るんだよこれ。ていうか、こめかみグリグリ痛いよー。


「止めなさい、痛がっているじゃないですか! ああ幸明くん、私が来たからにはもう大丈夫ですからね」

「俺もいるし。抜け駆けはズルイでしょ皆ぁ」

「とっとと手を離せ転入生。そいつはこの俺様のモノだ」


いつの間にかすぐ近くまで来ていた生徒会役員、勢揃いの図。わあぉ。
最初に声をかけてきたのは書記ツインズ。そんで副会長にチャラ男会計、最後が俺様会長。

いやぁ俺頑張ったもんな、すっかり王道ハーレム完成しちゃってますわ。
だが今も昔もそして未来も、お前のモノになった覚えは無いぞ國井会長。
俺の尻と唇(ファーストキスは女の子と経験済みだよ)は清いままだぜ!

まあね、頬っぺにチューくらいはされましたけども。攻めどもの何人かには。あと、お触りもちょこちょこっと……。



「お前たちここで何を騒いでいる。他生徒らの迷惑だ、速やかに解散しろ!」

「あ? テメーこそ勝手に割り込むなよ風紀委員長。一人わびしく風紀室で仕事でもやってろ」


ひゃっほい、風紀委員長さまも来ちゃったよ。

委員長と会長が並ぶとやっぱ壮観だね。こいつらテンプレ通りに仲悪いんだけど、と見せかけての委員長×会長だったら美味しいにゃー。
あのガタイで同じ男に組み敷かれちゃう俺様会長……悔しいのに無理やり与えられた快楽で、頬を染め泣きながら喘ぐいやらしい姿。それを見下ろしエロい微笑みを浮かべる委員長。
う腐ふふふ、最高だッ♪

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