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其の二
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いや~何かすっげー良い人たちだな生徒会。
部屋入った直後、あまりの空腹からグーギュルルルウゥゥっと鳴きっぱなしだった俺の腹のために
「……おい、奢ってやるから好きなもん頼め」
と言ってくれた会長。
ぱああぁぁッて、俺史上最高級の笑顔になったのは当然だし!
ただでさえ腹減ってたのに走り回って、もう限界だったからね。これがまた旨いのなんの。毎日奢って欲しいくらいだよ、うん。
しかも流石は金持ち生徒会。
食堂行かなくても電話一本で食い物が向こうからやって来るんだぜ。
うはぁ、満腹極楽。
「ねぇ、君って本当に」
「野宮幸明くんなのー?」
「ングもぐ、ゴクゴクゴク……ゴクンッ。ふぁい、そうですよー」
「じゃあ聞くけど、何で昨日はあんな仮装してたわけ?」
「違います仮装じゃないです。失礼な」
一通り食い終わった辺りで、双子とチャラいのが声をかけてくる。
きっと前者が書記で後者が会計だろう、王道パターン的に。たまに逆もあるけど。
あと、一瞬ムカついて俺の話し方がかなり早口の敬語になった……が、まあいいか。
そういやこの人たちの名前、俺まだ知らないんだよなぁ。昨日食堂で周りの奴らがさりげなく誰かに説明してた気もするが。
正直、人の名前とか覚えるの苦手だし覚えても顔と一致させるのが難しい。
だからこそ一瞬でインプット出来た
『日野西 悠布』
は正真正銘、運命の人であり俺の理想の王道脇役平凡キャラに違いないんだけど!
ハッ、そうだ。悠布のためにもここは頑張って生徒会役員の名前と顔を覚えねば。
王道転入生は基本、会ってすぐ相手の名前を呼び捨てだもんね。
大丈夫やれば出来る子、俺お利口さん。
よーし、それではあらためて。
「そういや挨拶がまだだったよな? 俺は野宮幸明、お前らの名前は何て言うんだ?」
ニッコリ
「なっ……!?」
(ど、どうしたんでしょうか突然)
(さっきまでと口調が変わり過ぎだし。でもでも、あの笑顔っ!)
(な、何で胸がドキドキするんだろー)
(うわぁ~お馬鹿キャラ全開なのにいきなりそれは反則っしょ?)
(昼飯奢ってやるつった時もそうだが、何だこのギャップ。くく、やっぱ面白いじゃねーか)
この後なぜか我先にと自己紹介を始めた生徒会の美形連中。
だがしかし。
俺はひたすらその名前と顔を記憶するのに必死で、彼等が頬を染め異常に興奮していたことなどちっとも気付かないままだった。
うおおお、生徒会の名前覚えんのマジめんどくせー!
【其の二 終了】
部屋入った直後、あまりの空腹からグーギュルルルウゥゥっと鳴きっぱなしだった俺の腹のために
「……おい、奢ってやるから好きなもん頼め」
と言ってくれた会長。
ぱああぁぁッて、俺史上最高級の笑顔になったのは当然だし!
ただでさえ腹減ってたのに走り回って、もう限界だったからね。これがまた旨いのなんの。毎日奢って欲しいくらいだよ、うん。
しかも流石は金持ち生徒会。
食堂行かなくても電話一本で食い物が向こうからやって来るんだぜ。
うはぁ、満腹極楽。
「ねぇ、君って本当に」
「野宮幸明くんなのー?」
「ングもぐ、ゴクゴクゴク……ゴクンッ。ふぁい、そうですよー」
「じゃあ聞くけど、何で昨日はあんな仮装してたわけ?」
「違います仮装じゃないです。失礼な」
一通り食い終わった辺りで、双子とチャラいのが声をかけてくる。
きっと前者が書記で後者が会計だろう、王道パターン的に。たまに逆もあるけど。
あと、一瞬ムカついて俺の話し方がかなり早口の敬語になった……が、まあいいか。
そういやこの人たちの名前、俺まだ知らないんだよなぁ。昨日食堂で周りの奴らがさりげなく誰かに説明してた気もするが。
正直、人の名前とか覚えるの苦手だし覚えても顔と一致させるのが難しい。
だからこそ一瞬でインプット出来た
『日野西 悠布』
は正真正銘、運命の人であり俺の理想の王道脇役平凡キャラに違いないんだけど!
ハッ、そうだ。悠布のためにもここは頑張って生徒会役員の名前と顔を覚えねば。
王道転入生は基本、会ってすぐ相手の名前を呼び捨てだもんね。
大丈夫やれば出来る子、俺お利口さん。
よーし、それではあらためて。
「そういや挨拶がまだだったよな? 俺は野宮幸明、お前らの名前は何て言うんだ?」
ニッコリ
「なっ……!?」
(ど、どうしたんでしょうか突然)
(さっきまでと口調が変わり過ぎだし。でもでも、あの笑顔っ!)
(な、何で胸がドキドキするんだろー)
(うわぁ~お馬鹿キャラ全開なのにいきなりそれは反則っしょ?)
(昼飯奢ってやるつった時もそうだが、何だこのギャップ。くく、やっぱ面白いじゃねーか)
この後なぜか我先にと自己紹介を始めた生徒会の美形連中。
だがしかし。
俺はひたすらその名前と顔を記憶するのに必死で、彼等が頬を染め異常に興奮していたことなどちっとも気付かないままだった。
うおおお、生徒会の名前覚えんのマジめんどくせー!
【其の二 終了】
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