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其の二
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***
あれから五分、いや七分。もしかしたら十分くらいは過ぎたかも。
……またしても迷いました。
だってさ、教室を出たあと一人で歩いてたら凄い見られるし。
可愛いチワワが頬染めて見てくるのは楽しいから良いけど、俺より背が高くてガラ悪そうな奴らに
「誰だあいつ、良いケツしてんなー突っ込みてー」
「んじゃ俺は上のお口で」
「なら優しい俺は前を弄ってあげよっかなー?」
なんて、これみよがしに言われてみんしゃいよ。いやマジで恐怖っスよ。
(しかも何気に4P宣言!?)
普段そーゆー台詞をBL本で読み慣れてる腐男子でもそら、青ざめますわ。
しかも俺ノンケだし。
ノンケ相手に無理やりは犯罪よッ!
たとえノンケじゃないとしても、愛と同意の無い行為は強姦だから。もはや事件だからねぇぇえッ。
うわ~もう何この学園、生BL通り越して性犯罪者予備軍を野放しとか有り得ない。
あ、でも言うだけ(※セクハラ)で実行されてないし……あれかな
『ああ? 見ねー顔だなテメ、調子乗ってんじゃねーぞ。なめた真似しやがったらタダじゃおかねーぞ』
と意訳して解釈すれば良いのかも。
お、なんかその方が落ち着く気がする。
そっかそっか、なるほどね。
「って、落ち着かんわー!」
結論。
ダッシュで逃げました。
周りの奴らがポカンと口を開けて見てたけど、そんなん知りません。
その後はひたすら人のいない方へいない方へと……あげく迷子ですよ。
ここ何処ですか何でこの学園は無駄にでっかいのですか。さっきから人っ子一人見つからん謎の区域に入り込んでますけど、出口はどっち?
誰か助けてくださいーッ。
「おや、見かけない顔ですね。此処で何をしているんですか」
「えっ」
背後から降り注ぐ、すっげえ最近聞いた筈のこの声は。
「うわああぁん、ありがと大好きだ腹黒副会長サマーッ!」
「ひいっ!? ……って、この声と奇異な行動パターンはまさか」
「俺だよ俺、俺だよぉうぅうわああぁーん」
「そんなんで分かるか! おい伊織、誰だこいつ」
「あー……多分、会長も昨日会った例の転入生・野宮幸明くんではないかと」
「は?」
心細さの頂点で知り合いと出会えた、この喜び!
思わず副会長に飛び付こうとしたらサッと避けられ、だけど必死でその足にしがみつく。
無我夢中で気付くのが遅れたけど、副会長以外の生徒会メンバーも全員いたんだね。
掴んだ足を離さない俺は、そのまま近くの生徒会室へと連行されました。
***
「つまり、身の危険を感じ人気のない場所を選んで走り回っていたら迷子になった、と?」
「ほう! ムグモグ、はから……ッ当、はっきは助かったひ。ングング……ぷはっ、旨いなこの飯。あ、それおかわりして良い?」
「…………」
.
あれから五分、いや七分。もしかしたら十分くらいは過ぎたかも。
……またしても迷いました。
だってさ、教室を出たあと一人で歩いてたら凄い見られるし。
可愛いチワワが頬染めて見てくるのは楽しいから良いけど、俺より背が高くてガラ悪そうな奴らに
「誰だあいつ、良いケツしてんなー突っ込みてー」
「んじゃ俺は上のお口で」
「なら優しい俺は前を弄ってあげよっかなー?」
なんて、これみよがしに言われてみんしゃいよ。いやマジで恐怖っスよ。
(しかも何気に4P宣言!?)
普段そーゆー台詞をBL本で読み慣れてる腐男子でもそら、青ざめますわ。
しかも俺ノンケだし。
ノンケ相手に無理やりは犯罪よッ!
たとえノンケじゃないとしても、愛と同意の無い行為は強姦だから。もはや事件だからねぇぇえッ。
うわ~もう何この学園、生BL通り越して性犯罪者予備軍を野放しとか有り得ない。
あ、でも言うだけ(※セクハラ)で実行されてないし……あれかな
『ああ? 見ねー顔だなテメ、調子乗ってんじゃねーぞ。なめた真似しやがったらタダじゃおかねーぞ』
と意訳して解釈すれば良いのかも。
お、なんかその方が落ち着く気がする。
そっかそっか、なるほどね。
「って、落ち着かんわー!」
結論。
ダッシュで逃げました。
周りの奴らがポカンと口を開けて見てたけど、そんなん知りません。
その後はひたすら人のいない方へいない方へと……あげく迷子ですよ。
ここ何処ですか何でこの学園は無駄にでっかいのですか。さっきから人っ子一人見つからん謎の区域に入り込んでますけど、出口はどっち?
誰か助けてくださいーッ。
「おや、見かけない顔ですね。此処で何をしているんですか」
「えっ」
背後から降り注ぐ、すっげえ最近聞いた筈のこの声は。
「うわああぁん、ありがと大好きだ腹黒副会長サマーッ!」
「ひいっ!? ……って、この声と奇異な行動パターンはまさか」
「俺だよ俺、俺だよぉうぅうわああぁーん」
「そんなんで分かるか! おい伊織、誰だこいつ」
「あー……多分、会長も昨日会った例の転入生・野宮幸明くんではないかと」
「は?」
心細さの頂点で知り合いと出会えた、この喜び!
思わず副会長に飛び付こうとしたらサッと避けられ、だけど必死でその足にしがみつく。
無我夢中で気付くのが遅れたけど、副会長以外の生徒会メンバーも全員いたんだね。
掴んだ足を離さない俺は、そのまま近くの生徒会室へと連行されました。
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「つまり、身の危険を感じ人気のない場所を選んで走り回っていたら迷子になった、と?」
「ほう! ムグモグ、はから……ッ当、はっきは助かったひ。ングング……ぷはっ、旨いなこの飯。あ、それおかわりして良い?」
「…………」
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