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其の一
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オーホッホッホッ、うひゃひゃっ。
嬉し過ぎのテンション上がりまくりで既に自分が何キャラなのかも分かりませんぜ。
腐ははははッ。
「あの、幸明くん。楽しそうなとこ悪いんだけどそろそろ食堂へ行かないと……」
「ん? やだなぁ悠布、俺のことは呼び捨てで良いって言っただろぉ。だって俺たち『親友』なんだから」
腐へへへっ。
一度言ってみたかったんだよね、この台詞。
我ながら王道っぽいのう。(※ご満悦)
あ、そういえば。
自己紹介するのが遅くなりました。
あらためまして俺の名前は
“野宮 幸明”(ノミヤコウメイ)
そして隣の愛くるしい理想の平凡くんが
“日野西 悠布”(ヒノニシユウ)
これから初めての食堂で仲良くお昼ご飯を食べるんだよ。だってもう、俺たちすっかり『親友』だから。
もちろん俺が一方的にそう呼んでるんだけどね。
でもってそこで待ち受けているのは――
「や、やあ幸明くん。昨日ぶりですね」
「ほう、お前が話題の転入生……か?」
「この子が副会長のお気に入りなのー?」
「うっわぁ本当に面白い格好!」
「へ~どれどれぇ? ブハッ」
『あいつ、花本伊織(ハナモトイオリ)生徒会副会長様に話しかけられてる!?』
『会長の國井俊也(クニイシュンヤ)様にまで! あの転入生いったい何者?』
『書記の志崎(シザキ)かなう・かなめ様方や、会計の園明良(ソノアキラ)様まで!? 皆様が揃って食堂にいらっしゃることなんてめったに無いのに』
『ていうか。プッ、や、やばいあいつ。直視出来ない……あれは無いだろ』
そう!
生徒会面々との初顔合わせに、一般生徒たち(特に親衛隊、別名チワワちゃん)からの罵詈雑言が待ち受けているのだ。
やがて、王道と一緒にいる脇役平凡くん、つまり悠布への嫌がらせ及び総受けに発展する大事な場面……の筈だけど。何か最後、変な台詞と笑い声が聞こえたような。
いや、でも気のせいか。
「むう?」
「幸明くん、本当は僕ずっと言おうかどうか迷っていたんだけど。やっぱりどうしても気になるから聞くね? えーと、どうしてそんなおかしな変装をしているのかな」
…………………………
…………………………。
「は?」
「いや、だからその変装」
「はああ!? なな何言ってんだ悠布。へ、変装って俺のどこが変装ですかい。全然まったく素でしてよ。これが、俺の!」
「だけどその格好」
「かかか格好って何!? へへ、変装だなんて。例えば汚いもじゃヅラと瓶底の度無し伊達メガネをかけててまさに王道っぽく空気は微塵も読まない『敬語って何? 名前を呼んだら即・親友。だけど俺を否定する奴は全員最っ低の悪い奴なんだぜ!』みたいな独り善がり野郎を演じてま~す、テヘッ。
――って、まさか絶対に、そんな意味合いの変装をこの俺がわざとしてるだなんて、間違っても無いんだからねえぇぇッ」
.
嬉し過ぎのテンション上がりまくりで既に自分が何キャラなのかも分かりませんぜ。
腐ははははッ。
「あの、幸明くん。楽しそうなとこ悪いんだけどそろそろ食堂へ行かないと……」
「ん? やだなぁ悠布、俺のことは呼び捨てで良いって言っただろぉ。だって俺たち『親友』なんだから」
腐へへへっ。
一度言ってみたかったんだよね、この台詞。
我ながら王道っぽいのう。(※ご満悦)
あ、そういえば。
自己紹介するのが遅くなりました。
あらためまして俺の名前は
“野宮 幸明”(ノミヤコウメイ)
そして隣の愛くるしい理想の平凡くんが
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これから初めての食堂で仲良くお昼ご飯を食べるんだよ。だってもう、俺たちすっかり『親友』だから。
もちろん俺が一方的にそう呼んでるんだけどね。
でもってそこで待ち受けているのは――
「や、やあ幸明くん。昨日ぶりですね」
「ほう、お前が話題の転入生……か?」
「この子が副会長のお気に入りなのー?」
「うっわぁ本当に面白い格好!」
「へ~どれどれぇ? ブハッ」
『あいつ、花本伊織(ハナモトイオリ)生徒会副会長様に話しかけられてる!?』
『会長の國井俊也(クニイシュンヤ)様にまで! あの転入生いったい何者?』
『書記の志崎(シザキ)かなう・かなめ様方や、会計の園明良(ソノアキラ)様まで!? 皆様が揃って食堂にいらっしゃることなんてめったに無いのに』
『ていうか。プッ、や、やばいあいつ。直視出来ない……あれは無いだろ』
そう!
生徒会面々との初顔合わせに、一般生徒たち(特に親衛隊、別名チワワちゃん)からの罵詈雑言が待ち受けているのだ。
やがて、王道と一緒にいる脇役平凡くん、つまり悠布への嫌がらせ及び総受けに発展する大事な場面……の筈だけど。何か最後、変な台詞と笑い声が聞こえたような。
いや、でも気のせいか。
「むう?」
「幸明くん、本当は僕ずっと言おうかどうか迷っていたんだけど。やっぱりどうしても気になるから聞くね? えーと、どうしてそんなおかしな変装をしているのかな」
…………………………
…………………………。
「は?」
「いや、だからその変装」
「はああ!? なな何言ってんだ悠布。へ、変装って俺のどこが変装ですかい。全然まったく素でしてよ。これが、俺の!」
「だけどその格好」
「かかか格好って何!? へへ、変装だなんて。例えば汚いもじゃヅラと瓶底の度無し伊達メガネをかけててまさに王道っぽく空気は微塵も読まない『敬語って何? 名前を呼んだら即・親友。だけど俺を否定する奴は全員最っ低の悪い奴なんだぜ!』みたいな独り善がり野郎を演じてま~す、テヘッ。
――って、まさか絶対に、そんな意味合いの変装をこの俺がわざとしてるだなんて、間違っても無いんだからねえぇぇッ」
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