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其の二
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ザワザワザワザワ
『ねぇ、あれって噂の転入生じゃない?』
『え、嘘っ、カッコイイ!?』
『普通に美形なんだけど……』
『あいつ、綺麗系じゃねーか?』
『やばい惚れた』
転入、二日目。
朝っぱらから向けられる好奇の眼差し。
それは予想の範囲内ではあるが、決して俺の計画通りではない。
「あうぅ~……」
「元気出しなよ幸明くん、そんなにあの変な格好気に入ってたの? もしそうなら趣味疑っちゃうんだけど。あ、ごめんね」
そんな悠布の慰め(だよね?)にもろくに反応出来ないほど、俺はガッカリしている。
何故なら登校わずか二日にして、王道変装を解く羽目になったからだ。
なじぇ!?
朝、寮の部屋にいた時にはちゃんと王道変装してたんだよ?
昨日は一応、生徒会メンバーと接触したわけだし。いよいよ親衛隊の嫌がらせや呼び出しがあったりするのかなぁ(ドキドキ)
それとも、さすがにまだ気が早いかしらん。
と、期待で無い胸を膨らませたりしてさ。
「今日もその変装を続けるの?」って悠布が引きつった笑顔を向けてきたけど
「変装じゃないから、これが俺の真の姿だし!」
そう言い張ってやりましたとも。
それが、いざ、寮を出ようとした時――。
「おい、そこのフザケた格好した転入生。ちょっと寮監室に入れ」
「へ?」
素敵な寮監さんに呼び止められちゃいました。エヘッ。
……なんて浮かれてのこのこ付いて行った俺を、叱り飛ばしてやりたい。
でもだって寮監室だよ、しかも怠そうな色気溢れた美形の寮監さんと一緒!
不精髭生やしててもむしろそれがセクシーなレベルっすよ?
つい腐思考で
「おおっ、普段ここに生徒や同僚の先生たちを連れ込んでアンアン言わせちゃってるんですね。うほ、たまんねーッス」
とか妄想しちゃうよね。
俺、全然悪くないよね!?
なのに
「あー……とりあえず、その仮装を外せ」
「何ですと!?」
寮監室に入って開口一番、そう告げられました。ノオォォォー!?
「ちち違うから! これは地毛と俺の顔だし、変装でも仮装でもありませんっ」
「鷲鼻・ヒゲ付き眼鏡(劇画調な瞳のイラスト入り)はお前の顔じゃないだろ」
「しし失敬な、眼鏡は顔の一部ですッ」
「地毛で緑色のアフロは無ぇだろ。お前いったい何処の国籍だよ?」
「そそ、それについては」
「ねえ、やっぱり無理があるって幸明くん。その変な格好、やめた方がいいんじゃない?」
「悠布は黙っててぇえッ!」
パッ スボッ
ん?
あれ、何だろう。
急に頭がスースー、視界が明るく開けたような。こいつはまるで、日本の夜明けは近いぜよ。いやむしろ明けちゃいましたかね。
って、自分でも意味不明なことを考えてたら美形の寮監さんと平凡な悠布が大変面白い顔でこっちを見てるし。
おい、君たちどうしたの。
.
『ねぇ、あれって噂の転入生じゃない?』
『え、嘘っ、カッコイイ!?』
『普通に美形なんだけど……』
『あいつ、綺麗系じゃねーか?』
『やばい惚れた』
転入、二日目。
朝っぱらから向けられる好奇の眼差し。
それは予想の範囲内ではあるが、決して俺の計画通りではない。
「あうぅ~……」
「元気出しなよ幸明くん、そんなにあの変な格好気に入ってたの? もしそうなら趣味疑っちゃうんだけど。あ、ごめんね」
そんな悠布の慰め(だよね?)にもろくに反応出来ないほど、俺はガッカリしている。
何故なら登校わずか二日にして、王道変装を解く羽目になったからだ。
なじぇ!?
朝、寮の部屋にいた時にはちゃんと王道変装してたんだよ?
昨日は一応、生徒会メンバーと接触したわけだし。いよいよ親衛隊の嫌がらせや呼び出しがあったりするのかなぁ(ドキドキ)
それとも、さすがにまだ気が早いかしらん。
と、期待で無い胸を膨らませたりしてさ。
「今日もその変装を続けるの?」って悠布が引きつった笑顔を向けてきたけど
「変装じゃないから、これが俺の真の姿だし!」
そう言い張ってやりましたとも。
それが、いざ、寮を出ようとした時――。
「おい、そこのフザケた格好した転入生。ちょっと寮監室に入れ」
「へ?」
素敵な寮監さんに呼び止められちゃいました。エヘッ。
……なんて浮かれてのこのこ付いて行った俺を、叱り飛ばしてやりたい。
でもだって寮監室だよ、しかも怠そうな色気溢れた美形の寮監さんと一緒!
不精髭生やしててもむしろそれがセクシーなレベルっすよ?
つい腐思考で
「おおっ、普段ここに生徒や同僚の先生たちを連れ込んでアンアン言わせちゃってるんですね。うほ、たまんねーッス」
とか妄想しちゃうよね。
俺、全然悪くないよね!?
なのに
「あー……とりあえず、その仮装を外せ」
「何ですと!?」
寮監室に入って開口一番、そう告げられました。ノオォォォー!?
「ちち違うから! これは地毛と俺の顔だし、変装でも仮装でもありませんっ」
「鷲鼻・ヒゲ付き眼鏡(劇画調な瞳のイラスト入り)はお前の顔じゃないだろ」
「しし失敬な、眼鏡は顔の一部ですッ」
「地毛で緑色のアフロは無ぇだろ。お前いったい何処の国籍だよ?」
「そそ、それについては」
「ねえ、やっぱり無理があるって幸明くん。その変な格好、やめた方がいいんじゃない?」
「悠布は黙っててぇえッ!」
パッ スボッ
ん?
あれ、何だろう。
急に頭がスースー、視界が明るく開けたような。こいつはまるで、日本の夜明けは近いぜよ。いやむしろ明けちゃいましたかね。
って、自分でも意味不明なことを考えてたら美形の寮監さんと平凡な悠布が大変面白い顔でこっちを見てるし。
おい、君たちどうしたの。
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