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【最終話】攻め別エンディング
会長✕ワンコ書記(3)
しおりを挟む会長……柊冴に呆れられたりしないか、な。
ザアザアと音がする。何だろう、雨?
あれ、俺どうしたんだっけ。すごく怠いし疲れてるような気がする。ここ、どこ? 眠くてまぶたが開かない……。
「空牙。眠いなら後は全部俺に任せて、お前は目ぇ閉じてろ」
あ……会長の声だ。いつもより優しくて甘い感じ。機嫌良いのかな。ふ、って少し笑ってる?
見なくても分かるよ会長きっとすごく優しい顔してる筈。俺の一番好きな笑い顔なんだ。ちょっとだけ意地悪そうな感じのやつ。
ああ、見たいなぁ。でも眠くて……温かくてチャプチャプ聞こえるお湯の音、気持ち良い……お湯……あれ?
「かい、ちょ……?」
「起きたのか空牙。疲れてるならまだ眠っていても大丈夫だぞ」
びっくりして目を開けたら、お湯の中で裸の会長に抱っこされてた。……触れるけど夢かなこれ。
「えっと。何で、お湯の中?」
「ここが風呂場で俺とお前が仲良く入浴中だからだ。安心しろ空牙。お前が眠ってる間に俺がちゃあんと隅々まで、中も外も全部綺麗に洗ってやるし、絶対怪我なんかさせねぇようにたっぷり時間をかけて解してやる。お前の初めてが痛みで辛い思い出になんかならねぇように、最初から気持ち良くなれるよう、何なら俺のを入れられただけでイケるようになるくらい完璧に世話してやるからな」
「うん?」
会長の言ってることがよく分かんない。
飼い主さまとして飼い犬の世話をしてやる、ってこと? でも俺まだ会長の犬にしてもらえてないよ。あ、夢だから別に良いのかな。
「いや、夢じゃねーし。ははっ寝惚けてんのか、お前」
「俺……かいちょ、大好き……俺のこと(飼い犬として)一生……可愛がって、ね……」
――最後にそう言ったのは覚えてる。
直後、夢の中の会長が何か騒いでて煩かったけど。俺もう本当に眠くて疲れててそれ以上は目を開けていられなかった。
あとね、俺の好きな会長の手と指の感触によく似た何かに身体中を洗われる夢も見た。髪の毛洗ってくれたり全身石鹸まみれにされたり。特におっぱいやおちんちんは何度も丁寧にこしゅこしゅくにくに綺麗にされて。それからお尻の方も……。
そういえば、ぬるぬるになった太ももの間を何かで擦られたのは一体あれって何だったんだろ?
「は、ぁ、うっ、空牙!」
「ああっ、イクッ、また出る!」
って会長の色っぽい声が聞こえてたような。
それとは別に夢の間中ずっと、どっかで誰かの気持ち良さそうな、でも少し苦しそうな泣き声みたいな甘い声がしてた気もする。
……うん、本当に変な夢だったな。
***
「会長気持ち悪い。鼻の下伸ばしてずっとニヤニヤしてて変態親父くさい。今すぐ禿げろ」
「ええ、確かに気持ち悪いですね最悪です。そのドヤ顔を見ると正直ムカつきますしぶち殺したいです。今すぐインポテンツ発症の末、腐ってもげ落ちれば良いのに」
「はっはっはっ、お前ら馬鹿だな。そんなことになったら俺のことを大好きな空牙が悲しくて泣いちまうじゃねーか」
「うっわー何この人、マジ気持ち悪いし腹立つな。それよりワンコ書記が熱出して学校休んでるってどういうことだよ。一昨日、会長と二人で街までチェーン買いに行ったんだろ?」
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