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【最終話】攻め別エンディング
①会長✕ワンコ書記(1)
しおりを挟む「かいちょ、御守りの新しい鎖、ありがと。俺のお気に入り!」
「嬉しいのは分かったから。あんまりはしゃぐなよ、こけるぞ空牙」
「大丈夫、わっ!?」
「言ったそばからお前は。少し落ち着け」
「うん……ありがと。かいちょ大好き!」
「ぐっ、そ、そうか」
今日は会長と一緒に街までお出かけ。
綺麗で丈夫な新しい鎖を買ってもらったんだ。すごく嬉しい。早速付け替えて、俺の首にかけてる。安心。
何度もシャツの下から引っ張り出しては眺め、でも汚れたり傷付いたり落とすのは嫌なのでまた中に入れて。しばらくすると再び引っ張り出して、の繰り返し。
俺と手をつないだ会長が苦笑いしながら、もう片方の手で頭をなでてくれる。気持ち良い。
すれ違う人たちが少し驚いた表情を浮かべて、それから俺と会長を微笑ましそうに見てる、気がする。ふふっ。
さっきから嬉しくて幸せでふわふわする感じがずーっと続いてる。
会長といるから?
やっぱり会長が俺の本当の飼い主さまなのかな。うん。俺、会長とずっと一緒にいたいと思ってるのかも。
お願いしたら会長、俺だけの飼い主さまになってくれるかな。なってほしいな。だけどもしも……駄目って言われたらどうしよう。断られたら二度と飼い主さまにはなってもらえないんだよね? そうしたら俺――。
「ん? どうかしたのか空牙、急に静かになって」
「俺……かいちょ、好き。ずっとかいちょと一緒に、いたい」
だから断らないで。俺の飼い主さまになって。
そう願いながら会長を見上げた。あ、会長の目の中に泣きそうな顔の俺がいる。
「――チッ、」
「わっ、かいちょ?」
急につないだ手を強く引っ張られてつまずきそうになった。そのまま無言でぐんぐん歩き出す会長に必死でついて行く。どうしたんだろう会長、怒ってるのかな。俺、何か悪いことしたのかも。飼い主さまになって欲しいって勝手に考えたから?
しばらくして人気の無い路地裏で立ち止まる会長。何だろう、どうしたんだろう。俺ちょっと息切れてる。
「かいちょ、何、んっ……んぅ……ふぁ、は……」
「…………くそ、可愛い顔で可愛いこと言ってんじゃねーよワンコロが」
「あっ、んぅ……かい、ちょ……は、ふ」
「チュッ、くそ、可愛い。とろんとして、涙目で、頬染めながらハァハァして。あーもう今すぐ抱きてぇ。よりによって何でこんな人の多い場所で誘ってきやがるんだよお前は、見られたがりかよ絶対違うんだろーけどな! クソッこの後の予定全部パアじゃねえか。おら、とっとと帰るぞ空牙。んで抱き潰してやるからな、お前が初めてだとかもうそんなん知らねーわ覚悟しとけよ!」
「ふぅ、んっ……はぁ、あ。かいちょぉ……きもち、い」
怒りながらずっと何か話してる会長の、唇や舌や指が俺に触れて、ムズムズぽかぽかしてすごく気持ち良い。もっとさわって会長、俺これ大好き。
でもどうしてだろう、他の人に触られたときと全然違う。ちっとも気持ち悪くならないや。
ふにゃふにゃになる体を抱きあげられて、走り出した会長の首に腕を回す。ぎゅってすると「こら!」って怒られた。何となく美味しそうに思えて、目の前にあった耳や頬や首を舐めたり甘噛みしたからかな。あ、会長真っ赤……。
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