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俺の飼い主さまを探してる
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「んー? 何だ何だ、また堂々と浮気かよ空牙。そんなに愛する俺のお仕置きが待ち遠しかったのか? そうかそうか悪りぃなあ、しばらく放っといちまって。お詫びに今までの分もまとめて、たーっぷりと可愛がってやるからな。ははっ、拗ねてないでこっち来いよ空牙ぁ」
「ひっ」
「委員長、アンタ何でここにいるんスか。猛省したんじゃなかったんスか。それ以上ふざけた妄想垂れ流して、ワンちゃんのこと怯えさせないでほしいんスけど」
「そうだそうだー。風紀委員長は今すぐ帰れーッ」
「あ?」
「お、脅しても無駄ですよ。今こちらには風紀の副委員長もいますし、人数では圧倒しているんです。絶対に空牙は渡しません!」
「何だそりゃ。お前ら情けなくねーか?」
ニヤニヤと笑いながら一歩一歩ゆっくり近付いてくる風紀委員長。
その目にじっとり見詰められると俺の身体はぞわぞわして、勝手にぶるぶる震えだす。
「そうそう、あれから俺もよぉく考えたんだが。こないだ空牙が酷い目に遭ったのは、あん時俺が空牙を逃がしちまったのが原因だろ? だから、やっぱこれからは逃げ出せないように、俺の手元で鎖につないで閉じ込めとくのが最も安全だと判断したわけだ」
「チッ、させるかよ!」
「おっと。毎回そう簡単にお前の蹴りをくらってやる気はねーよ、副」
「隙(すき)あり――って、と、跳んだ!? ぐえっ」
「ん? 新顔だなお前。確か去年の転入生だったか。そいつらより見込みはありそうだが、まだまだだな」
風紀の副委員長さんの蹴りを避け、掴みかかる転入生の前で跳躍した風紀委員長の大きな身体はくるりと宙で回転。着地と同時、転入生の後ろ首に手刀を食らわす。
「ははっ。喜べよ空牙、これから一生俺がお前の飼い主様になってやるからなぁ」
飼い主さま……風紀委員長が、俺の?
何で? だって父上は『自分がずっと一緒にいて欲しいなぁと思う人を選びなさい』って。
話し続ける風紀委員長を押し止めようとした会計と副会長が、床に倒れる。副委員長さんも蹴りの瞬間に軸足を狙われ、膝をついてる。
転入生くんは意識がはっきりしないのか起き上がれないまま。
「今すぐ大人しく俺に従え。そうすりゃお前がクズ共に受けた暴力の痛みを全部忘れるくらい、最高の快楽を与えてやるから」
「させるわけねーだろうが。近付くんじゃねぇよ、このクソ風紀!」
どうしよう、怖い。逃げたい。違う。見つからないところへ隠れたい。この人じゃない。嫌だ来ないで、触らないで。
だけどその手が俺を捕まえようと伸ばされ――。
「……嫌、来ないっで。怖い……かいちょ、やだ。かいちょ……助け、て。かいちょ、かいちょ……」
「空牙?」
.
「ひっ」
「委員長、アンタ何でここにいるんスか。猛省したんじゃなかったんスか。それ以上ふざけた妄想垂れ流して、ワンちゃんのこと怯えさせないでほしいんスけど」
「そうだそうだー。風紀委員長は今すぐ帰れーッ」
「あ?」
「お、脅しても無駄ですよ。今こちらには風紀の副委員長もいますし、人数では圧倒しているんです。絶対に空牙は渡しません!」
「何だそりゃ。お前ら情けなくねーか?」
ニヤニヤと笑いながら一歩一歩ゆっくり近付いてくる風紀委員長。
その目にじっとり見詰められると俺の身体はぞわぞわして、勝手にぶるぶる震えだす。
「そうそう、あれから俺もよぉく考えたんだが。こないだ空牙が酷い目に遭ったのは、あん時俺が空牙を逃がしちまったのが原因だろ? だから、やっぱこれからは逃げ出せないように、俺の手元で鎖につないで閉じ込めとくのが最も安全だと判断したわけだ」
「チッ、させるかよ!」
「おっと。毎回そう簡単にお前の蹴りをくらってやる気はねーよ、副」
「隙(すき)あり――って、と、跳んだ!? ぐえっ」
「ん? 新顔だなお前。確か去年の転入生だったか。そいつらより見込みはありそうだが、まだまだだな」
風紀の副委員長さんの蹴りを避け、掴みかかる転入生の前で跳躍した風紀委員長の大きな身体はくるりと宙で回転。着地と同時、転入生の後ろ首に手刀を食らわす。
「ははっ。喜べよ空牙、これから一生俺がお前の飼い主様になってやるからなぁ」
飼い主さま……風紀委員長が、俺の?
何で? だって父上は『自分がずっと一緒にいて欲しいなぁと思う人を選びなさい』って。
話し続ける風紀委員長を押し止めようとした会計と副会長が、床に倒れる。副委員長さんも蹴りの瞬間に軸足を狙われ、膝をついてる。
転入生くんは意識がはっきりしないのか起き上がれないまま。
「今すぐ大人しく俺に従え。そうすりゃお前がクズ共に受けた暴力の痛みを全部忘れるくらい、最高の快楽を与えてやるから」
「させるわけねーだろうが。近付くんじゃねぇよ、このクソ風紀!」
どうしよう、怖い。逃げたい。違う。見つからないところへ隠れたい。この人じゃない。嫌だ来ないで、触らないで。
だけどその手が俺を捕まえようと伸ばされ――。
「……嫌、来ないっで。怖い……かいちょ、やだ。かいちょ……助け、て。かいちょ、かいちょ……」
「空牙?」
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