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【番外編】風紀副委員長
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『かな君』の説明と記憶は実は多分に嘘が混じっていた。いや、本人は現実だと思っているのだろう。恐らく媚薬の影響で錯覚した、実際には無かった行為なども含まれていたらしい。
つまりは願望。大好きなワンちゃんに対し、副委員長がしたいと思ったからこその夢幻。
ただどこまでが現実でどこからが夢想なのか、判別は難しい。
記憶の映像に時々混じる、説明には無かったワンちゃんの絶対有り得なさそうな反応――卑猥なポーズと言葉での熱烈な愛の告白。たとえば美味しそうに副委員長のモノをしゃぶりながら自身の指でアナルをにちゅぐちゅくぱぁと犯し拡げ
『副いいんちょ、さん……好き。副いいんちょ、のコレ……大っきくて、かっこい。好き、好き……お願い、空牙のお尻、コレでじゅぽじゅぽって、して? 孕ませて?』
と真っ赤な顔でおねだりされたり――については願望だろうな、と判断する。どうやら少女の婚約者はHなワンちゃんがお好みのようだ。
年齢制限に確実に引っ掛かる妄想映像はさらに続く。それはもう激しくエロく、様々に体位を変えて結ばれる二人の姿。
やがて、あまりにも強すぎる絶頂にワンちゃんが悲鳴をあげ、よがり狂う結腸責めや尿道責め。グロテスクな玩具まで持ち出して、雌イキはもちろん、何度も潮を吹きついには失禁させられてしまう淫乱な……。
(うふふ、ワンちゃん可愛い)
ところで、婚約関係にある二人の間に現時点で恋愛感情は存在しない。元々大人の都合で強制的に結ばれた訳有りの縁。だが、その仲は決して悪くはない。恋人というより同士、もしくは運命共同体といったところか。
他人の心を読む力は一度、少女の精神と身体を限界まで傷つけたことがある。今では可能な能力のコントロールも出来ず、他人と、自分への恐怖に押し潰され狂いかけた。
そんな時、唯一見つけた救い。自分ではそうと知らず少女の孤独とよく似た……狂いかけの婚約者を。
彼のそばは安心できる。能力者ではなかったが心の中と外、感情と言動がちぐはぐで二重人格のようなそれを面白いと思う。
ほんの少し何かを間違えれば、いつの日か完全に壊れてしまうかもしれない『かな君』。彼の矛盾を決して悟らせず内と外のバランスを保たせるよう少女は苦心する。
彼もまた誰よりも楽でいられる少女との関係を気に入っていた。本当の理由は自身でもよく分からなかったが彼女に会うと何かが安定する気がした。それは彼女も同じ。似た者同士、相互依存にも近い存在。どちらが欠けても破滅する未来しか見えない。
そんな『かな君』が本気になったワンちゃんを、少女は出来ることなら欲しいと思う。
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つまりは願望。大好きなワンちゃんに対し、副委員長がしたいと思ったからこその夢幻。
ただどこまでが現実でどこからが夢想なのか、判別は難しい。
記憶の映像に時々混じる、説明には無かったワンちゃんの絶対有り得なさそうな反応――卑猥なポーズと言葉での熱烈な愛の告白。たとえば美味しそうに副委員長のモノをしゃぶりながら自身の指でアナルをにちゅぐちゅくぱぁと犯し拡げ
『副いいんちょ、さん……好き。副いいんちょ、のコレ……大っきくて、かっこい。好き、好き……お願い、空牙のお尻、コレでじゅぽじゅぽって、して? 孕ませて?』
と真っ赤な顔でおねだりされたり――については願望だろうな、と判断する。どうやら少女の婚約者はHなワンちゃんがお好みのようだ。
年齢制限に確実に引っ掛かる妄想映像はさらに続く。それはもう激しくエロく、様々に体位を変えて結ばれる二人の姿。
やがて、あまりにも強すぎる絶頂にワンちゃんが悲鳴をあげ、よがり狂う結腸責めや尿道責め。グロテスクな玩具まで持ち出して、雌イキはもちろん、何度も潮を吹きついには失禁させられてしまう淫乱な……。
(うふふ、ワンちゃん可愛い)
ところで、婚約関係にある二人の間に現時点で恋愛感情は存在しない。元々大人の都合で強制的に結ばれた訳有りの縁。だが、その仲は決して悪くはない。恋人というより同士、もしくは運命共同体といったところか。
他人の心を読む力は一度、少女の精神と身体を限界まで傷つけたことがある。今では可能な能力のコントロールも出来ず、他人と、自分への恐怖に押し潰され狂いかけた。
そんな時、唯一見つけた救い。自分ではそうと知らず少女の孤独とよく似た……狂いかけの婚約者を。
彼のそばは安心できる。能力者ではなかったが心の中と外、感情と言動がちぐはぐで二重人格のようなそれを面白いと思う。
ほんの少し何かを間違えれば、いつの日か完全に壊れてしまうかもしれない『かな君』。彼の矛盾を決して悟らせず内と外のバランスを保たせるよう少女は苦心する。
彼もまた誰よりも楽でいられる少女との関係を気に入っていた。本当の理由は自身でもよく分からなかったが彼女に会うと何かが安定する気がした。それは彼女も同じ。似た者同士、相互依存にも近い存在。どちらが欠けても破滅する未来しか見えない。
そんな『かな君』が本気になったワンちゃんを、少女は出来ることなら欲しいと思う。
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