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救出作戦
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媚薬を塗布された部分を洗い流し頭から冷水でもかぶれば大丈夫、と最初は確かにそう考えていた。
けれどもほんの少しシャワーの水が肌に触れただけで、強すぎる快楽から悲鳴をあげて泣き悶え狂う、扇情的な相手の姿。……正直、自分自身も限界だった。
この場合は仕方ないっスよね、と誰かに言い訳をしながら空牙の下腹部と己のそれを向かい合わせにし――――
「それにしても本当に、空牙に触れる前に貴方一人だけが興奮し過ぎでみっともなく死んでくれたら良かったのに。非常に残念です」
「そしたらワンちゃん、間違いなく委員長に掘られてたっスよ。今頃は拉致監禁生活であんたらは二度と会えなくなってるっス。俺抜きであの人に勝てるとか本気で思ってます?」
「や、やってみなきゃ分かんないじゃん! 風紀の平連中もいたんだし勝てたかも!?」
「……ふん、あんま調子に乗るなよ風紀のクソ副。お前にも、あのキチガイ風紀野郎にも絶対俺の空牙は渡さねぇ」
「ちょっと待ちなさい会長。何さらっと『俺の』とかほざいているんです、空牙は私の空牙ですよ」
「だ、ダメダメ、くうちゃんは俺のだってばー!」
バチバチと火花を散らす生徒会の三人。
彼らを前にした呆れ顔の副委員長。が、ふいに鳴りだしたスマホを確認する。眉間にシワを寄せて舌打ちする相手に、会長が「どうしかしたのか」と問いかけた。
「うちの委員長が寮を抜け出してワンちゃんと接触しかけてるらしいっス。助けに行かないと」
「は!?」「く、空牙っ」「くうちゃんーッ」
監視と警護のため密かに風紀委員長と空牙、それぞれの身辺に張りついていた風紀委員たち。彼等からの知らせを受け急行する四人は、とりあえず一時休戦である。
周囲の油断を誘うためわざと大人しく謹慎を続け、最終日に脱走を企て実行する風紀委員長。狙いはもちろん愛するワンコ書記……のアナル処女。
奇跡的にもまだ何とか無事だった空牙のそこは、いや、もしかすると委員長の指の一本くらいは既に入れられたことがあるのかもしれないが。
しかしこれからも執拗に狙われ続けることだろう。
「まあでも、今ここでうちの委員長から無事に救出出来たら、案外ころっとまたアンタらに懐きそうっスよね、ワンちゃん」
「うおお、くうちゃん待ってて俺が助けてあげるからねー!」
「私が貴方の白馬の王子(救世主)ですよ、空牙!」
「ワンコロの初めての相手は俺以外認めねぇぞこら、死ねやクソ風紀!」
こうして副委員長の口車に乗せられ、めちゃくちゃ頑張った三人が予想よりも早く空牙と仲直り出来るまで……あとわずか。
救出作戦【END】
脱稿 20161122/修正 20191228
けれどもほんの少しシャワーの水が肌に触れただけで、強すぎる快楽から悲鳴をあげて泣き悶え狂う、扇情的な相手の姿。……正直、自分自身も限界だった。
この場合は仕方ないっスよね、と誰かに言い訳をしながら空牙の下腹部と己のそれを向かい合わせにし――――
「それにしても本当に、空牙に触れる前に貴方一人だけが興奮し過ぎでみっともなく死んでくれたら良かったのに。非常に残念です」
「そしたらワンちゃん、間違いなく委員長に掘られてたっスよ。今頃は拉致監禁生活であんたらは二度と会えなくなってるっス。俺抜きであの人に勝てるとか本気で思ってます?」
「や、やってみなきゃ分かんないじゃん! 風紀の平連中もいたんだし勝てたかも!?」
「……ふん、あんま調子に乗るなよ風紀のクソ副。お前にも、あのキチガイ風紀野郎にも絶対俺の空牙は渡さねぇ」
「ちょっと待ちなさい会長。何さらっと『俺の』とかほざいているんです、空牙は私の空牙ですよ」
「だ、ダメダメ、くうちゃんは俺のだってばー!」
バチバチと火花を散らす生徒会の三人。
彼らを前にした呆れ顔の副委員長。が、ふいに鳴りだしたスマホを確認する。眉間にシワを寄せて舌打ちする相手に、会長が「どうしかしたのか」と問いかけた。
「うちの委員長が寮を抜け出してワンちゃんと接触しかけてるらしいっス。助けに行かないと」
「は!?」「く、空牙っ」「くうちゃんーッ」
監視と警護のため密かに風紀委員長と空牙、それぞれの身辺に張りついていた風紀委員たち。彼等からの知らせを受け急行する四人は、とりあえず一時休戦である。
周囲の油断を誘うためわざと大人しく謹慎を続け、最終日に脱走を企て実行する風紀委員長。狙いはもちろん愛するワンコ書記……のアナル処女。
奇跡的にもまだ何とか無事だった空牙のそこは、いや、もしかすると委員長の指の一本くらいは既に入れられたことがあるのかもしれないが。
しかしこれからも執拗に狙われ続けることだろう。
「まあでも、今ここでうちの委員長から無事に救出出来たら、案外ころっとまたアンタらに懐きそうっスよね、ワンちゃん」
「うおお、くうちゃん待ってて俺が助けてあげるからねー!」
「私が貴方の白馬の王子(救世主)ですよ、空牙!」
「ワンコロの初めての相手は俺以外認めねぇぞこら、死ねやクソ風紀!」
こうして副委員長の口車に乗せられ、めちゃくちゃ頑張った三人が予想よりも早く空牙と仲直り出来るまで……あとわずか。
救出作戦【END】
脱稿 20161122/修正 20191228
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