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救出作戦
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ニヤリと笑う鬼の風紀委員長。
蒼白になった部下たちを残し、彼もまた奥の部屋へと姿を消す。
「ま、待ちなさい、手を離しなさい貴方たち!」
「うわああダメダメ、俺のくうちゃんがーっ!?」
「うるせえ、誰がお前のだふざけんな。待ちやがれクソ風紀! おい、お前らも今すぐアイツを止めろ!」
「あっ」
火事場の馬鹿力か愛の証か、それぞれ取り押さえる手から脱出した生徒会役員三人。
慌てて追いかける風紀委員たち。
彼らが向かった先は当然シャワー室だ。
「くうちゃん!」
「空牙!」
「クソ風紀ども、絶対許さ――」
扉を開けた直後。
目の前の光景に言葉を失くし、皆が固まった。
シャワー室のなかでは全裸の風紀副委員長と上半身裸の委員長が向き合い、激しい攻防戦を繰り広げている。
これについてはまあ予想の範囲内。
皆の視線は、ある一点に釘付けとなった。
風紀トップの二人が闘うその脇で、壁に背を預け浅く座るワンコ書記。
まぶたを閉じ呼吸は荒く、火照ったように赤く染まる頬には涙のあと。
両腕は力無く床に下ろされ、緩く膝を曲げて立たせた足を左右に開いている。
つまりM字開脚、そして全裸……。
下腹部を中心に本人だけのものとは思えない大量の白濁液に塗れ、その一部は胸や顔、髪の毛にまで飛散している。
足元に転がるシャワーヘッドの先からは勢いよくお湯が流れ続け、空牙の肌を伝い落ちた(恐らく)二人分の精液と共に排水口の中へ飲み込まれていく。
湯気が立ち込め、ふいにぐらりと傾くワンコ書記。
それまで、あまりにもエロ過ぎる姿に生唾を飲み込んでいた者達が、慌てて助けに入る。
「く、くうちゃんッ!」
「空牙、大丈夫ですか!?」
「クソ! おい、お前ら保健医呼んで来い。あと、そこの二人を何とかしろ!」
***
あの後、会長の無茶ぶり(特に後半の命令)に蒼白となった風紀委員たちだったが。
しかし流石は学園を守る武闘派連中。
最後には皆ボロボロになりながらも会長と協力し、見事、上司二人を取り押さえることに成功。
ワンコ書記空牙の身に起きた風紀室での「事件」については、本人の希望により表沙汰にはせず、ただし委員長は騒ぎの責任をとる形で三日間寮での自主謹慎となった。
「……で、何で貴様がここにいやがる」
「どの面下げてくうちゃんの前に出て来たわけー? むっつり変態強姦魔は生徒会室への立ち入り禁止でぇす!」
「だから変態じゃないし、強姦はしてないっスよ。とりあえずこれ、生徒会への書類っス。あと――」
「むっつりは否定しないのですね。では書類を置いてお帰りください、むっつりエロ魔王な人でなし風紀副委員長さん」
「いや、変な肩書き増えてるんスけど」
.
蒼白になった部下たちを残し、彼もまた奥の部屋へと姿を消す。
「ま、待ちなさい、手を離しなさい貴方たち!」
「うわああダメダメ、俺のくうちゃんがーっ!?」
「うるせえ、誰がお前のだふざけんな。待ちやがれクソ風紀! おい、お前らも今すぐアイツを止めろ!」
「あっ」
火事場の馬鹿力か愛の証か、それぞれ取り押さえる手から脱出した生徒会役員三人。
慌てて追いかける風紀委員たち。
彼らが向かった先は当然シャワー室だ。
「くうちゃん!」
「空牙!」
「クソ風紀ども、絶対許さ――」
扉を開けた直後。
目の前の光景に言葉を失くし、皆が固まった。
シャワー室のなかでは全裸の風紀副委員長と上半身裸の委員長が向き合い、激しい攻防戦を繰り広げている。
これについてはまあ予想の範囲内。
皆の視線は、ある一点に釘付けとなった。
風紀トップの二人が闘うその脇で、壁に背を預け浅く座るワンコ書記。
まぶたを閉じ呼吸は荒く、火照ったように赤く染まる頬には涙のあと。
両腕は力無く床に下ろされ、緩く膝を曲げて立たせた足を左右に開いている。
つまりM字開脚、そして全裸……。
下腹部を中心に本人だけのものとは思えない大量の白濁液に塗れ、その一部は胸や顔、髪の毛にまで飛散している。
足元に転がるシャワーヘッドの先からは勢いよくお湯が流れ続け、空牙の肌を伝い落ちた(恐らく)二人分の精液と共に排水口の中へ飲み込まれていく。
湯気が立ち込め、ふいにぐらりと傾くワンコ書記。
それまで、あまりにもエロ過ぎる姿に生唾を飲み込んでいた者達が、慌てて助けに入る。
「く、くうちゃんッ!」
「空牙、大丈夫ですか!?」
「クソ! おい、お前ら保健医呼んで来い。あと、そこの二人を何とかしろ!」
***
あの後、会長の無茶ぶり(特に後半の命令)に蒼白となった風紀委員たちだったが。
しかし流石は学園を守る武闘派連中。
最後には皆ボロボロになりながらも会長と協力し、見事、上司二人を取り押さえることに成功。
ワンコ書記空牙の身に起きた風紀室での「事件」については、本人の希望により表沙汰にはせず、ただし委員長は騒ぎの責任をとる形で三日間寮での自主謹慎となった。
「……で、何で貴様がここにいやがる」
「どの面下げてくうちゃんの前に出て来たわけー? むっつり変態強姦魔は生徒会室への立ち入り禁止でぇす!」
「だから変態じゃないし、強姦はしてないっスよ。とりあえずこれ、生徒会への書類っス。あと――」
「むっつりは否定しないのですね。では書類を置いてお帰りください、むっつりエロ魔王な人でなし風紀副委員長さん」
「いや、変な肩書き増えてるんスけど」
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