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救出作戦
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最悪な予感に気付かないふりをして、語尾に「~ス」が付かない本気モードの風紀副委員長のご命令に従うヒラ風紀委員たちであった。
「んじゃ俺は、ワンちゃんの媚薬洗い流して来るっスね。皆あと宜しくー」
「ま、待ちなさい!」
「くそっお前ら離せ、風紀副てめっ!」
「くうちゃんっ!?」
「……」
体格良く力も強い風紀委員たちに押さえつけられ、喚く三人。
対して大人しく捕縛される風紀委員長。
それが逆に何かを企んでいるように感じられて、部下たちは非常に怯えていたが。
「あ、そうそう。シャワー浴びても結局出すもの出さないとなかなか治まんない訳で。ワンちゃんは使われた薬の量も多そうだし俺もそのワンちゃんのを飲み込んじゃったから……いっそ、二人一緒に気持ち良くなることする方が手っ取り早くて楽かもっスね」
「あ、貴方やっぱり――」
「でも俺、今彼女いるんで浮気したくないし。残念ながらワンちゃんとも一応最後まではシないつもりっスよ、多分」
「彼女!?」
「ただし、浮気のラインぎりぎりまではこの際許されるんじゃないかと思うんスけど、アンタらどう思います?」
「し、シャワーもお姫さま抱っこも、くうちゃんの裸見るのも全部浮気! だから絶対にダメ!」
「はあっ……もぉ、ヤ、苦しぃ……」
「ごめんねワンちゃん。すぐ楽にしてあげるっス」
衝撃の問題発言を連発する副委員長。
だが空牙が切なげに喘いだ途端、他を放置しそのまま二人で(仮眠室やシャワー室などがある)奥へと消えた。
あまりにも扇情的な声によって股間を直撃された面々。おかげでわずかな時間、場が静止する。
やがて我に返った生徒会役員の三人が暴れだし、遅れて役目を思い出した風紀委員たちによって取り押さえられるのだが。
数分後、何故か防音な筈の奥の部屋からワンコ書記の鳴き声が聞こえ始め、風紀委員らは必死で力仕事に励むこととなった。
元凶の風紀委員長が大人しく椅子にくくりつけられ座ったままだったのは、幸いである。
と思っていたが。
「そろそろ頃合いか」
呟きと同時に立ち上がる委員長。
幾重にも巻かれていた縄は完全にほどけ、床に落ちる。
「お前らにはもう少し縛りの勉強が必要だな。せっかく捕まえても簡単に縄抜けされちまうようじゃ意味無ぇだろ、反省しとけ」
「い、委員長――うぐっ!?」
無抵抗を装うのを止め、ギラギラと興奮した眼差しを向けながら、奥の部屋へと歩き出す。
再び捕縛しようにも今度は近付くことさえ難しい。行く手を阻もうとした途端、遠慮なく拳や蹴りが飛んでくるのだ。
「アイツと違ってお前ら相変わらず弱過ぎだろ、風紀舐めてんのか? これが済んだら一度徹底的に鍛え直してやらねえとな。全員、楽しみにしておけよ」
.
「んじゃ俺は、ワンちゃんの媚薬洗い流して来るっスね。皆あと宜しくー」
「ま、待ちなさい!」
「くそっお前ら離せ、風紀副てめっ!」
「くうちゃんっ!?」
「……」
体格良く力も強い風紀委員たちに押さえつけられ、喚く三人。
対して大人しく捕縛される風紀委員長。
それが逆に何かを企んでいるように感じられて、部下たちは非常に怯えていたが。
「あ、そうそう。シャワー浴びても結局出すもの出さないとなかなか治まんない訳で。ワンちゃんは使われた薬の量も多そうだし俺もそのワンちゃんのを飲み込んじゃったから……いっそ、二人一緒に気持ち良くなることする方が手っ取り早くて楽かもっスね」
「あ、貴方やっぱり――」
「でも俺、今彼女いるんで浮気したくないし。残念ながらワンちゃんとも一応最後まではシないつもりっスよ、多分」
「彼女!?」
「ただし、浮気のラインぎりぎりまではこの際許されるんじゃないかと思うんスけど、アンタらどう思います?」
「し、シャワーもお姫さま抱っこも、くうちゃんの裸見るのも全部浮気! だから絶対にダメ!」
「はあっ……もぉ、ヤ、苦しぃ……」
「ごめんねワンちゃん。すぐ楽にしてあげるっス」
衝撃の問題発言を連発する副委員長。
だが空牙が切なげに喘いだ途端、他を放置しそのまま二人で(仮眠室やシャワー室などがある)奥へと消えた。
あまりにも扇情的な声によって股間を直撃された面々。おかげでわずかな時間、場が静止する。
やがて我に返った生徒会役員の三人が暴れだし、遅れて役目を思い出した風紀委員たちによって取り押さえられるのだが。
数分後、何故か防音な筈の奥の部屋からワンコ書記の鳴き声が聞こえ始め、風紀委員らは必死で力仕事に励むこととなった。
元凶の風紀委員長が大人しく椅子にくくりつけられ座ったままだったのは、幸いである。
と思っていたが。
「そろそろ頃合いか」
呟きと同時に立ち上がる委員長。
幾重にも巻かれていた縄は完全にほどけ、床に落ちる。
「お前らにはもう少し縛りの勉強が必要だな。せっかく捕まえても簡単に縄抜けされちまうようじゃ意味無ぇだろ、反省しとけ」
「い、委員長――うぐっ!?」
無抵抗を装うのを止め、ギラギラと興奮した眼差しを向けながら、奥の部屋へと歩き出す。
再び捕縛しようにも今度は近付くことさえ難しい。行く手を阻もうとした途端、遠慮なく拳や蹴りが飛んでくるのだ。
「アイツと違ってお前ら相変わらず弱過ぎだろ、風紀舐めてんのか? これが済んだら一度徹底的に鍛え直してやらねえとな。全員、楽しみにしておけよ」
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