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救出作戦
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「あああっ、真っ赤な顔でハアハアしながらビクンビクンしてるくうちゃん可愛い!」
わずかな振動にも強い快感を拾ってしまうのだろう。
空牙の息遣いは荒く、熱くしっとりと汗ばむ身体を小さく震わせ、なお必死に堪える様はますます凄絶な色香を放っていた。
ようやく正気に戻った三人。
彼らが再び強烈なめまいを感じる程なそれを、容易に口にする会計は素直なのかバカなのか。
「ワンちゃんも俺も誰かさんの媚薬のせいで見ての通り、身体、特に下半身が緊急事態なんっスよ。今からシャワー浴びて頭と身体をさっぱりさせるんで、ここはあと宜しく」
副委員長が爽やかな笑顔で受け答えをし、風紀室の奥へ向かおうとする。
もちろん股間は異常に盛り上がったままだ。
時おり化け物のように蠢く巨大な(股間にあるブツの)その先は、衣服の上からでも分かるくらい湿っている。
笑いながら下半身をいきり立たせ、美味しそうな(殆ど裸の)ごちそうを抱える姿は誰が見ても――
「ああ分かった、とか言う筈ねーだろ! 空牙から離れろド変態」
「爽やかな顔の裏でどれだけ卑猥な妄想をしているんです!? その凶悪かつ下劣な代物を人前に出さないでください、このド変態が」
「まさかのムッツリど変態な、風紀副委員長にまでくうちゃんは狙われてたのぉ!? ど、どうせこのまま二人でシャワー室なんか入ったら絶対くうちゃんを襲う気でしょ。駄目っ、行かせない!」
「いや、誰がド変態なんスか。全部薬のせいだって言ってんのにもう。とにかくそこ退いてくださいよ、本気で俺もワンちゃんも限界……」
「そうだな、さすがに『ド変態』呼ばわりは酷過ぎだよな。その点俺は、風紀副委員長であるお前の理性を信頼している。だがその媚薬は効果が絶大過ぎて万が一ということもある。生徒会どもの不安も尤もだ。したがってここは委員長の俺が直々に見張ってやろう。
よし、急いでシャワー室へ行くぞ――くっ!」
委員長の身体がふっ飛び、風紀室の壁に背をぶつけて止まる。流石にめり込みはしないが壁には小さなヒビが入ったようだ。
「委員長、俺もう限界だって言ってるんスよ。いい加減にしないと本当に容赦しませんから」
「チッ、痛てぇよあほ」
空牙を抱えたまま片足で委員長を蹴り飛ばす。そんな芸当をして見せたのはもちろん一人しかいない。
先程までの爽やかな笑顔、ではなく無表情の副委員長だった。
平均以上とはいえ、風紀委員長に比べるとやや小柄な副委員長。その彼が、体格も人気の上でも生徒会長と並ぶ風紀トップを……。
唖然とする三人。
というか、え、もしかして風紀副って委員長より強いの?
そんな混乱状態に固まる彼らを無視し、副委員長はその向こう側を睨みつけた。
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わずかな振動にも強い快感を拾ってしまうのだろう。
空牙の息遣いは荒く、熱くしっとりと汗ばむ身体を小さく震わせ、なお必死に堪える様はますます凄絶な色香を放っていた。
ようやく正気に戻った三人。
彼らが再び強烈なめまいを感じる程なそれを、容易に口にする会計は素直なのかバカなのか。
「ワンちゃんも俺も誰かさんの媚薬のせいで見ての通り、身体、特に下半身が緊急事態なんっスよ。今からシャワー浴びて頭と身体をさっぱりさせるんで、ここはあと宜しく」
副委員長が爽やかな笑顔で受け答えをし、風紀室の奥へ向かおうとする。
もちろん股間は異常に盛り上がったままだ。
時おり化け物のように蠢く巨大な(股間にあるブツの)その先は、衣服の上からでも分かるくらい湿っている。
笑いながら下半身をいきり立たせ、美味しそうな(殆ど裸の)ごちそうを抱える姿は誰が見ても――
「ああ分かった、とか言う筈ねーだろ! 空牙から離れろド変態」
「爽やかな顔の裏でどれだけ卑猥な妄想をしているんです!? その凶悪かつ下劣な代物を人前に出さないでください、このド変態が」
「まさかのムッツリど変態な、風紀副委員長にまでくうちゃんは狙われてたのぉ!? ど、どうせこのまま二人でシャワー室なんか入ったら絶対くうちゃんを襲う気でしょ。駄目っ、行かせない!」
「いや、誰がド変態なんスか。全部薬のせいだって言ってんのにもう。とにかくそこ退いてくださいよ、本気で俺もワンちゃんも限界……」
「そうだな、さすがに『ド変態』呼ばわりは酷過ぎだよな。その点俺は、風紀副委員長であるお前の理性を信頼している。だがその媚薬は効果が絶大過ぎて万が一ということもある。生徒会どもの不安も尤もだ。したがってここは委員長の俺が直々に見張ってやろう。
よし、急いでシャワー室へ行くぞ――くっ!」
委員長の身体がふっ飛び、風紀室の壁に背をぶつけて止まる。流石にめり込みはしないが壁には小さなヒビが入ったようだ。
「委員長、俺もう限界だって言ってるんスよ。いい加減にしないと本当に容赦しませんから」
「チッ、痛てぇよあほ」
空牙を抱えたまま片足で委員長を蹴り飛ばす。そんな芸当をして見せたのはもちろん一人しかいない。
先程までの爽やかな笑顔、ではなく無表情の副委員長だった。
平均以上とはいえ、風紀委員長に比べるとやや小柄な副委員長。その彼が、体格も人気の上でも生徒会長と並ぶ風紀トップを……。
唖然とする三人。
というか、え、もしかして風紀副って委員長より強いの?
そんな混乱状態に固まる彼らを無視し、副委員長はその向こう側を睨みつけた。
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