8 / 15
非凡な365日
2
しおりを挟む
「あの別に、足の速さはアザラシと関係無いと思」
「ねぇ君、去年の学園祭で俺と会ったよね? あの時のこと覚えてる?」
お前もかチャラ男会計。
「えっと、それはその」
「なぁなぁ! お前本当にアザラシの奴なのか? 俺あん時、ちゃんとアザラシ見てなかったんだよなー。もっかい奇跡のアザラシジャンプとやらを見せてくれよ!」
「……」
転入生の場合、最初から人の話を聞かないし空気読まないし今更どうでも良い。
それよりも『奇跡の』って、何だ?
「おい何とか言えよ、わざわざ多忙な俺様がつまんねーお前なんかの為に時間を割いてやってんだ。さっさとアザラシジャンプでも何でもして見せろ!」
――――プチッ
「……せぇ」
「あ?」
「うるせえ! つってんだよこの糞が。人の話も満足に聞けねーのか。ああ、それともテメエは頭と存在だけじゃなく耳まで使えねぇって? ハハッ、だとしたら無理言った俺が悪いのかなぁ。本当にちゅみましぇんねー、バ会長くん?」
「えっ」
「な、何だ……と!?」
「あ」
あー、やべえ切れた。
思わず本音ぶちまけちった。
アハハ、どうすっかなこれ。
「へえぇ~アザラシ君は」
「こっちが素なんだぁ?」
……その笑顔の意味は何だ、ドッペル。
新しい玩具を発見した子供のような目つきでこっち見んな。
「ふぅん、なかなか面白そうだねキミ。中身と外見が一致してないようですし?」
副会長の笑みからは黒い何かを感じる。
げ、鳥肌立った。
「おい、離れろドッペル!」
「え?」
「へ?」
シュッ ドゴッ
「うぎゃーっ!?」
「ふぎゃーっ!」
「チッ。俺様の蹴りを勝手に避けんじゃねーぞ、この平凡が」
ああ?
ふざけた事ぬかしやがってマジ最悪無能なバ会長だな、こいつ。
両腕にからんでいた双子をギリギリ振り払い、会長の蹴りをかわし立ち上がる。
おいおい、高そうなソファーに足がめり込んでるぞ。つまり手加減無しってことか、だったら俺も本気出していいよな?
.
「ねぇ君、去年の学園祭で俺と会ったよね? あの時のこと覚えてる?」
お前もかチャラ男会計。
「えっと、それはその」
「なぁなぁ! お前本当にアザラシの奴なのか? 俺あん時、ちゃんとアザラシ見てなかったんだよなー。もっかい奇跡のアザラシジャンプとやらを見せてくれよ!」
「……」
転入生の場合、最初から人の話を聞かないし空気読まないし今更どうでも良い。
それよりも『奇跡の』って、何だ?
「おい何とか言えよ、わざわざ多忙な俺様がつまんねーお前なんかの為に時間を割いてやってんだ。さっさとアザラシジャンプでも何でもして見せろ!」
――――プチッ
「……せぇ」
「あ?」
「うるせえ! つってんだよこの糞が。人の話も満足に聞けねーのか。ああ、それともテメエは頭と存在だけじゃなく耳まで使えねぇって? ハハッ、だとしたら無理言った俺が悪いのかなぁ。本当にちゅみましぇんねー、バ会長くん?」
「えっ」
「な、何だ……と!?」
「あ」
あー、やべえ切れた。
思わず本音ぶちまけちった。
アハハ、どうすっかなこれ。
「へえぇ~アザラシ君は」
「こっちが素なんだぁ?」
……その笑顔の意味は何だ、ドッペル。
新しい玩具を発見した子供のような目つきでこっち見んな。
「ふぅん、なかなか面白そうだねキミ。中身と外見が一致してないようですし?」
副会長の笑みからは黒い何かを感じる。
げ、鳥肌立った。
「おい、離れろドッペル!」
「え?」
「へ?」
シュッ ドゴッ
「うぎゃーっ!?」
「ふぎゃーっ!」
「チッ。俺様の蹴りを勝手に避けんじゃねーぞ、この平凡が」
ああ?
ふざけた事ぬかしやがってマジ最悪無能なバ会長だな、こいつ。
両腕にからんでいた双子をギリギリ振り払い、会長の蹴りをかわし立ち上がる。
おいおい、高そうなソファーに足がめり込んでるぞ。つまり手加減無しってことか、だったら俺も本気出していいよな?
.
1
お気に入りに追加
90
あなたにおすすめの小説
それはきっと、気の迷い。
葉津緒
BL
王道転入生に親友扱いされている、気弱な平凡脇役くんが主人公。嫌われ後、総狙われ?
主人公→睦実(ムツミ)
王道転入生→珠紀(タマキ)
全寮制王道学園/美形×平凡/コメディ?
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
黄色い水仙を君に贈る
えんがわ
BL
──────────
「ねぇ、別れよっか……俺たち……。」
「ああ、そうだな」
「っ……ばいばい……」
俺は……ただっ……
「うわああああああああ!」
君に愛して欲しかっただけなのに……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる