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引っ越しわんわん
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「嫌がるノラを無理やりかよ。チッ、見損なったぞ」
「先輩……」
悲しげな庶務さまを除き、怒りのオーラが凄まじい皆さま。
うう、空気がピリピリして痛いし怖い。
ま、まあその、朝っぱらから変なもの見せられたら気分悪いもんね。ベッドの上で俺に覆い被さる書記さまが腰をヘコヘコさせてる場面とか。
俺だったら絶対、食欲無くすと思うし。
でも多分あれって発情とかじゃなく。
「ふむー、んむー!」
「ふむ、じゃ分かりませんよ書記さま。言いたいことがあるならはっきり仰ってください。それに、ドアのチェーンを外すことなく一体どうやってこの部屋に侵入したんですか。今すぐさっさと白状してください」
人の口を塞いでおきながらの鬼畜発言。
えーっと隊長さん、笑顔が黒過ぎませんか。
直後にベリッと、それはもう手加減無く口のガムテープを剥がされ痛みに悶える書記さま。
何だろう、さすがにちょっと可哀想な気がしてきた。
「隊長……ひどい。俺、悪いことしてない。わんわんと一緒に、仲良く寝てただけ!」
涙目の書記さまがキッと睨む。
後ろ手に縛られ、足も一つにくくられたまま床に転がっている姿な為、怖くも何ともありませんが。
「不法侵入の時点で明らかにダメでしょう」
「寝てただけじゃなくて、がっつり襲ってたじゃん! シーツのせいで見えなかったけど、わんわんが可愛くアンアン鳴いてたし。ベッドの中で何やってたのさ、ワンコ書記だけずるい!」
「うるせーぞ糞チャラ会計、黙ってろ。とにかく俺たちがもう一足遅かったら……駄犬テメエ、間違いなくこいつに突っ込んでただろーが!」
「すみません、残念ながら僕も先輩の発情する姿を目撃しました」
「言い逃れは出来ませんよ、書記さま」
いやあああ、ち、違うし。絶対アンアン鳴いてないから。
あれは不可抗力で誤解で、もう止めてっ無かったことにしてえぇ!?
恥ずかしさのあまり声を出せずにいたら、きょとんと皆さまを見上げる書記さまが口を開いた。
「突っ込む? 発情? 何を、どこに?」
「は?」
「でもわんわん、確かに鳴いてた。アンアンって……可愛い」
待って、そこで嬉しそうにうっとり頬を染めないで。俺は絶対認めないからね!?
.
「先輩……」
悲しげな庶務さまを除き、怒りのオーラが凄まじい皆さま。
うう、空気がピリピリして痛いし怖い。
ま、まあその、朝っぱらから変なもの見せられたら気分悪いもんね。ベッドの上で俺に覆い被さる書記さまが腰をヘコヘコさせてる場面とか。
俺だったら絶対、食欲無くすと思うし。
でも多分あれって発情とかじゃなく。
「ふむー、んむー!」
「ふむ、じゃ分かりませんよ書記さま。言いたいことがあるならはっきり仰ってください。それに、ドアのチェーンを外すことなく一体どうやってこの部屋に侵入したんですか。今すぐさっさと白状してください」
人の口を塞いでおきながらの鬼畜発言。
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何だろう、さすがにちょっと可哀想な気がしてきた。
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「不法侵入の時点で明らかにダメでしょう」
「寝てただけじゃなくて、がっつり襲ってたじゃん! シーツのせいで見えなかったけど、わんわんが可愛くアンアン鳴いてたし。ベッドの中で何やってたのさ、ワンコ書記だけずるい!」
「うるせーぞ糞チャラ会計、黙ってろ。とにかく俺たちがもう一足遅かったら……駄犬テメエ、間違いなくこいつに突っ込んでただろーが!」
「すみません、残念ながら僕も先輩の発情する姿を目撃しました」
「言い逃れは出来ませんよ、書記さま」
いやあああ、ち、違うし。絶対アンアン鳴いてないから。
あれは不可抗力で誤解で、もう止めてっ無かったことにしてえぇ!?
恥ずかしさのあまり声を出せずにいたら、きょとんと皆さまを見上げる書記さまが口を開いた。
「突っ込む? 発情? 何を、どこに?」
「は?」
「でもわんわん、確かに鳴いてた。アンアンって……可愛い」
待って、そこで嬉しそうにうっとり頬を染めないで。俺は絶対認めないからね!?
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