47 / 86
第二部 ワンコの秘密
後編/もっともっと知りました。
しおりを挟む
「本当に何度教えたら覚えるんです、貴方の頭にはおが屑でも詰まってんですか。それとも、わんわん君を締め殺す気満々ですか。だったら犯罪を未然に防ぐため、その両腕いっそバッサリ切り落としてやりましょうか」
「た、隊長さん? あの何もそこまで言わなくても」
「ヒック……わんわん、ごめんなさい……死ななくて良、かった!」
えぐえぐと泣きっぱなしの書記さま。
その両腕は現在動かせないよう、後ろ手にぐるぐる縄で縛り上げられてます。
仕方なく、涙やら鼻水をそっとティッシュで拭き取る俺。たまにチンッて鼻かまさせたり。
……うん。
何やってんだろう自分、とか思わないでもない。
生徒会室の三人掛けソファーに、書記さま・俺・隊長さんの順で座り、その横の床(ふかふかカーペットの上)には庶務さまが正座中。
縄も正座も当然ながら隊長さん命令です、はい。
「全ては僕の浅はかな行動が原因です! わんわん君には大変なご迷惑をお掛けし、誠に申し訳ありませんでした」
「わんわん、ごめん……」
青筋を浮かべた隊長さんに怯え、震えながら謝る庶務さまと書記さま。
「まあまあ、隊長さんもそれくらいにしてあげなよー」
「俺様を突き飛ばしやがったのは許せねーがな」
「いえ、こういうことは厳しく叩き込まないと書記さまのためになりませんから」
「そうですよ何甘いことを言っているんです二人とも。いいですか、犬を飼うにあたり先ずは飼い主の心構えと正しい知識、また私たち全員の協力無くしてペットの幸せは有り得ません。
そもそも、わんわん君は家族の一員として大切に優しく扱ってあげないとダメなんですよ? それなのに危害を加え、意識を失わせるだなんて」
犬(ペット)の飼い方と幸せについて、熱く語り出す副会長さま。
微笑み王子と呼び名がつく程の美形なのに、相変わらず健在の残念っぷりだ。
副会長さまの話によれば
俺たち二人が小部屋に入った後しばらくして、異常なスピードで仕事を終わらせた書記さま。
その泣き笑いのような顔で
「わんわん……!」
とつぶやく頭上には、花が咲き、鳥や蝶が舞っているように見えたとか。
.
「た、隊長さん? あの何もそこまで言わなくても」
「ヒック……わんわん、ごめんなさい……死ななくて良、かった!」
えぐえぐと泣きっぱなしの書記さま。
その両腕は現在動かせないよう、後ろ手にぐるぐる縄で縛り上げられてます。
仕方なく、涙やら鼻水をそっとティッシュで拭き取る俺。たまにチンッて鼻かまさせたり。
……うん。
何やってんだろう自分、とか思わないでもない。
生徒会室の三人掛けソファーに、書記さま・俺・隊長さんの順で座り、その横の床(ふかふかカーペットの上)には庶務さまが正座中。
縄も正座も当然ながら隊長さん命令です、はい。
「全ては僕の浅はかな行動が原因です! わんわん君には大変なご迷惑をお掛けし、誠に申し訳ありませんでした」
「わんわん、ごめん……」
青筋を浮かべた隊長さんに怯え、震えながら謝る庶務さまと書記さま。
「まあまあ、隊長さんもそれくらいにしてあげなよー」
「俺様を突き飛ばしやがったのは許せねーがな」
「いえ、こういうことは厳しく叩き込まないと書記さまのためになりませんから」
「そうですよ何甘いことを言っているんです二人とも。いいですか、犬を飼うにあたり先ずは飼い主の心構えと正しい知識、また私たち全員の協力無くしてペットの幸せは有り得ません。
そもそも、わんわん君は家族の一員として大切に優しく扱ってあげないとダメなんですよ? それなのに危害を加え、意識を失わせるだなんて」
犬(ペット)の飼い方と幸せについて、熱く語り出す副会長さま。
微笑み王子と呼び名がつく程の美形なのに、相変わらず健在の残念っぷりだ。
副会長さまの話によれば
俺たち二人が小部屋に入った後しばらくして、異常なスピードで仕事を終わらせた書記さま。
その泣き笑いのような顔で
「わんわん……!」
とつぶやく頭上には、花が咲き、鳥や蝶が舞っているように見えたとか。
.
21
お気に入りに追加
327
あなたにおすすめの小説

普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です。帰らせて。
かーにゅ
BL
「君は死にました」
「…はい?」
「死にました。テンプレのトラックばーんで死にました」
「…てんぷれ」
「てことで転生させます」
「どこも『てことで』じゃないと思います。…誰ですか」
BLは軽い…と思います。というかあんまりわかんないので年齢制限のどこまで攻めるか…。
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

親衛隊総隊長殿は今日も大忙しっ!
慎
BL
人は山の奥深くに存在する閉鎖的な彼の学園を――‥
『‡Arcanalia‡-ア ル カ ナ リ ア-』と呼ぶ。
人里からも離れ、街からも遠く離れた閉鎖的全寮制の男子校。その一部のノーマルを除いたほとんどの者が教師も生徒も関係なく、同性愛者。バイなどが多い。
そんな学園だが、幼等部から大学部まであるこの学園を卒業すれば安定した未来が約束されている――。そう、この学園は大企業の御曹司や金持ちの坊ちゃんを教育する学園である。しかし、それが仇となり‥
権力を振りかざす者もまた多い。生徒や教師から崇拝されている美形集団、生徒会。しかし、今回の主人公は――‥
彼らの親衛隊である親衛隊総隊長、小柳 千春(コヤナギ チハル)。彼の話である。
――…さてさて、本題はここからである。‡Arcanalia‡学園には他校にはない珍しい校則がいくつかある。その中でも重要な三大原則の一つが、
『耳鳴りすれば来た道引き返せ』

貧乏貴族の末っ子は、取り巻きのひとりをやめようと思う
まと
BL
色々と煩わしい為、そろそろ公爵家跡取りエルの取り巻きをこっそりやめようかなと一人立ちを決心するファヌ。
新たな出逢いやモテ道に期待を胸に膨らませ、ファヌは輝く学園生活をおくれるのか??!!
⚠️趣味で書いておりますので、誤字脱字のご報告や、世界観に対する批判コメントはご遠慮します。そういったコメントにはお返しできませんので宜しくお願いします。

過保護な不良に狙われた俺
ぽぽ
BL
強面不良×平凡
異能力者が集まる学園に通う平凡な俺が何故か校内一悪評高い獄堂啓吾に呼び出され「付き合え」と壁ドンされた。
頼む、俺に拒否権を下さい!!
━━━━━━━━━━━━━━━
王道学園に近い世界観です。


主人公は俺狙い?!
suzu
BL
生まれた時から前世の記憶が朧げにある公爵令息、アイオライト=オブシディアン。
容姿は美麗、頭脳も完璧、気遣いもできる、ただ人への態度が冷たい冷血なイメージだったため彼は「細雪な貴公子」そう呼ばれた。氷のように硬いイメージはないが水のように優しいイメージもない。
だが、アイオライトはそんなイメージとは反対に単純で鈍かったり焦ってきつい言葉を言ってしまう。
朧げであるがために時間が経つと記憶はほとんど無くなっていた。
15歳になると学園に通うのがこの世界の義務。
学園で「インカローズ」を見た時、主人公(?!)と直感で感じた。
彼は、白銀の髪に淡いピンク色の瞳を持つ愛らしい容姿をしており、BLゲームとかの主人公みたいだと、そう考える他なかった。
そして自分も攻略対象や悪役なのではないかと考えた。地位も高いし、色々凄いところがあるし、見た目も黒髪と青紫の瞳を持っていて整っているし、
面倒事、それもBL(多分)とか無理!!
そう考え近づかないようにしていた。
そんなアイオライトだったがインカローズや絶対攻略対象だろっ、という人と嫌でも鉢合わせしてしまう。
ハプニングだらけの学園生活!
BL作品中の可愛い主人公×ハチャメチャ悪役令息
※文章うるさいです
※背後注意

チャラ男会計目指しました
岬ゆづ
BL
編入試験の時に出会った、あの人のタイプの人になれるように…………
――――――それを目指して1年3ヶ月
英華学園に高等部から編入した齋木 葵《サイキ アオイ 》は念願のチャラ男会計になれた
意中の相手に好きになってもらうためにチャラ男会計を目指した素は真面目で素直な主人公が王道学園でがんばる話です。
※この小説はBL小説です。
苦手な方は見ないようにお願いします。
※コメントでの誹謗中傷はお控えください。
初執筆初投稿のため、至らない点が多いと思いますが、よろしくお願いします。
他サイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる