ワンコとわんわん

葉津緒

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第一部 ワンコとわんわん

出会いました。

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唐突だけど最近俺、書記さま親衛隊の子と仲良くなりました。
ある日、平凡仲間の友人と廊下を歩いていたら急に話し掛けられて……。


あ、親衛隊がどんな感じか知ってる?
そもそもうちの高校は全寮制男子校なんだけどね、何故だかアイドル並みに人気の高い美形さん達が生徒会入りする伝統があるみたい。
んで、彼らに憧れを抱く人達が集まり、まぁある意味同好会(?)的な活動をしているのが『親衛隊』という存在らしい。
詳しくは俺も知らないけど。

基本的には遠くから好きな人を見守り、相手が快適に学園生活を過ごせるよう色々とお世話してあげる親切な集団。
――と、素直には言い難い。
たまに噂で聞くんだよね、抜け駆けした奴が制裁されるとか退学になったとか。

たとえ見た目が女子みたいに可愛くても、親衛隊は危険だから近付くべからず!
それが俺たち平凡組にとっての一般常識なのだ。


なのだが……えーとね、うん。
仲良くなった親衛隊の子がすごく良い人でさー。勉強教えて貰ったり、漫画やゲームは貸してくれるし美味しいお菓子もごちそうになったりで。
それに、見た目が可愛いから女子に優しくされてるみたいでちょっと嬉しい。
べ、別に良いだろ?
年齢イコール、彼女いない歴の平凡な俺が多少の夢を見るくらい。



で、今日はその子から

「お弁当を作ってきたので、一緒にお昼ご飯食べませんか?」

というお誘いを受けた。
ちなみに現在、指定された中庭のベンチでそわそわしながら待ってる俺。
スマホのメッセージを読んで楽しみなあまり早く来過ぎたとか、実は可愛い彼女に手作りお弁当をアーンして貰うのが夢だ、というわけでは断じてない。
そもそも相手は男……って、そういえば何で急にこんな人気の無い場所に誘ったんだろう。
ハッ、もしや俺への告白!?

一応言っとくけど俺はこの学園じゃ少数派なノーマルだから。
でででも、もし本当に「好きです」とか言われたらどうしよう。別に男同士でもあれだけ可愛いなら全然いける気がする。

うわっ、ドキドキしてきた。



――――パキッ



「うぁあ! ごごごめん何か俺、約束の時間よりも早く来ちゃって……え?」

「…………」

.
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