大っキライ!

葉津緒

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慰めなんかいらないやい。

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「唯くんが足利昂大の兄と付き合ってるって、前から知ってたんでしょ!? 二人とも何で教えてくれなかったのさ!」

「すみません。恥ずかしいから秘密にして欲しい、と唯さんに言われていたもので」

「……会計、滑稽……哀れ、だった。一人相撲……?」

「うがあああ!!」


連休明けの生徒会室にて、俺は副会長と書記に猛抗議中である。てか書記のヤロー許すまじ。
そもそも唯くんへの俺の気持ちがバレバレだったんなら、失恋の傷が大きくなる前にそっと教えてよ。足利昂大含めこいつらが唯くんの幼馴染で、足利兄との馴れ初めまで知ってるとかズルい。ちっちゃい頃の唯きゅん俺も見たかった!
でも口止めの理由が『恥ずかしいから』ってやっぱ可愛いな唯きゅん大好きいいぃッ。

……好きだけど。
俺が唯くんを好きになった時にはもう遅かったのか……そっかぁ。


「うおっ、え、何?」


しょんぼりしてたら書記に突然ハグされました。
おい、二人して頭や背中を撫でるな。


「そうですね、やはりもっと早くに言うべきでした」

「黙ってて……ごめん、なさい……元気だして。泣かない、で」

「いや、泣いてないし」


何なの本当、急に優しくされたりしたらマジで泣くぞ。俺別にうるうるとかしてないし鼻グスってないもん。ちょこっとしか……。


「痛ってええぇ!?」

「――何してやがる、お前ら離れろ」


いきなり現れた会長サマに耳を引っ張られ、書記の腕から剥がされました。止めてッ俺の耳が裂けちゃうからぁあ!


「傷心を慰めてた、だけ。……返して」

「うわっ」

「それならこの三日間たっぷり俺が(身体で)慰めてやったから要らん。おい、綾佑の手を離せ」

「は!? ちょっ、止め、うひゃんッ」

「……じゃあ俺も『綾佑』をたっぷり慰める。黙ってたお詫び……」

「え。待って勝手に、ふぁあアんっ」

「二人とも少し落ち着いてください。会計、いやらしい声をあげない!」


副会長が赤い顔で止めてくれたけど俺全然悪くないよね。勝手にこいつらが人の取り合いを始めて身体を弄(まさぐ)って、変な声出させやがったんだし。
つか、いやらしいって言うな。
それだって俺のせいじゃないからね。
この数日、足利昂大に好き放題されまくった身体は今もまだ過敏で、ほんの少し触られただけでも結構『ヤバイ』状態なんだよ。
さっき副会長と書記に頭とか撫でられたのは我慢出来たけど、足利昂大は完全にそーゆー意図で触ってくるからつい声が出ちゃっても仕方ないじゃん。むしろ俺被害者!
(書記の場合、俺の感じるとこを偶然撫でただけだと思うし不運な事故ってことで。うん)

そもそも『この三日間たっぷり俺が慰めてやった』じゃねーわ、ふざけんなレイプ野郎。失恋のショックで人が弱ってるのを無理矢理あんな……何度も何度もめちゃくちゃにされて、狂いそうなくらい気持ち良すぎて、泣きすぎて……。
ああもうほらぁ、思い出しちゃうと本当にダメなんだってば。

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