大っキライ!

葉津緒

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抱きたい・抱かれたいランキングって何ですか。

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「もう全校集会で、新生徒会役員のお披露目も済んでいますしね。いまさら変更は無理でしょう」

「……無、理」


ぐうう、何だよこいつら。
謎の団結力か、仲間意識か、俺だけノケモノかぁぁあ!

あんまし腹が立ち過ぎて、思わず俺のキャラも口調もおかしくなるわ。
さっきから語尾に感嘆符つきまくっててしんどいし。
ひとまず落ち着け、俺。
クールダウン、いつもの適当~な自分を取り戻すんだ。


「まぁ落ち着け、三位」

「って……半笑いで馬鹿にすんなよバカ! アンタなんかまじ、これからバ会長って呼んでやるし。ばーかばーかばー」


「お待たせしました、飲み物とお菓子用意出来たので休憩に――あれ、どうかしたの」

「ゆ、唯きゅん!」

「はい? (唯きゅん?)」


「……」「……」「……」


生徒会室の奥にある別室から、光輝く至高の存在・唯くんが現れた。
その手に飲み物とお菓子がのったトレーを持って。
すごい! 本当に夢みたいだよね。
唯くんが俺(と、おまけで他の役員ども)のために用意してくれたんだよ!


「ありがとー唯きゅん、ごめんね重いでしょ。言ってくれたら俺いくらでも手伝うし。何ならこき使ってくれてもいいよぉ」

「ううん、大丈夫だよ新田くん。僕は皆と違って役員補佐だから仕事も少ないし、こういうのわりと好きだから気にしないで?」


ニコッと笑う唯くん。
可愛いーっ!
うわ、うわ、何これ信じらんない。
生徒会に入って良かった俺!
同じクラスでも全然話せなかったのに、今じゃ毎日ここで会ってフツーにお喋り出来るし。



俺が足利昂大と一度っきりの関係を持った日からおよそ三週間。

ふざけたランキングのせいで生徒会入りしたのが一週間前。
足利昂大なんかと同じ部屋で一瞬でも仕事とかしたくない、と断る筈が唯くんの補佐就任を知り快諾。
まあ……『会長』補佐なのは少しムカついたけどね。

あ、でも唯くん、抱きたいランキング第二位なんだよぉ。そんで、一位は副会長だってさ。
俺的には唯くん以外、誰もランキング入りしないから副会長なんてどーでも良いや。
唯くんに投票した奴らは一人残らず見つけだして、チンコ踏み潰してやろーかな。
それともお礼に、全員可愛いネコちゃんにしてあげた方が良いかなぁ?
ふ、ふふふ。


「気味の悪い笑い声出してんじゃねーよ、唯が引いてるだろうが」

「ハッ! うああ、ごめんね唯きゅんっ」

「えっと。とりあえず皆こっち来てお茶にしよっか」



――――グイッ



「うわっ!」

「唯たちは向こうで先に休憩してろ。俺は少しこいつと話がある」

「うん、分かった。でも早く来てね昂大、新田くんも」

「唯きゅんっ?」

「ああ大丈夫だ、すぐ終わる」

.
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