大っキライ！

大っ嫌いな、奴との遭遇。

３

で、どうしてこうなったのかなぁ。


「や……も、ムリ……ひぁあっ……！」

「無理じゃねー、だろ」


俺の大っ嫌いな奴、足利昂大（あしかがこうだい）がニヤリと笑う。
その下で泣きながら喘いでる、俺。
下半身は――
繋がっちゃってますね。
もうばっちし突っ込まれてまぁす。
ていうか、さっきからずーっとグチャグチャにされ過ぎてて、自分でも苦しいのか気持ち良いのか訳分かんない。

俺、後ろ初めてなのにヒドイよね。

あ、一応これは合意の上だから安心して？
いやでもかなり無理矢理に近いか。



えっと今日は連休明けだったんだけどー。
俺の大好きな人……最上唯（もがみゆい）くんって言うのね？
その子が今日、学校お休みしてて。
会えないなんてすごい残念だよぉ、って気分落ちまくり。
そのせいか授業中も変に苛々したり頭痛もちくちくー。
まぁでもそのかわり大嫌いな奴の姿を見なくて済んだし、今日は早く寮に帰ってふて寝でもしようかなぁ。
そう思って可愛いチワワちゃん達のお誘いも断り、放課後珍しく一人で校舎を歩いていたら。
……奴、足利昂大とばったり遭遇。

マジ最悪な気分で最悪な奴の顔を見ちゃったわけ。
いや、俺も最初は無視する筈だったんだよね。別に話したことも無いし。
でも内心舌打ちしながら通り過ぎようとしたら、いつものニヤリッて感じの笑い顔が目に映って――。

途端にプチッて何かが切れたというか。


「ねぇ、その笑い方って何。俺のこと馬鹿にしてるー？」


気が付くと思いっきり奴に絡んでた。
そしたら向こうも俺が話しかけるとは予想していなかったのか、一瞬意外そうな表情を浮かべ。
でもまた直ぐニヤリと笑い、ほざきやがった。


「いいや、ただ今日はお前の大好きな唯が欠席で、ガッカリしているのかと思ってな。まあ、昨夜はあんまり無理させ過ぎたのかもな」


ニヤニヤと、俺の反応を窺うような顔付き。ああもう本当に殴りたいし。


「無理って何。さも自分が手ぇ出しました、みたいなこと言わないでくれるー。唯くん、連休中は実家に帰っててまだ寮には戻ってない筈でしょお」


仲良しの寮監に聞いたから知ってるもん。
しかもこいつ、昨夜は寮の自室で他の子とヤってたんだし。
ちなみに相手の子は俺の練習相手（セフレ）でもあるからね。
俺と練習した子は何故かその後、足利昂大ともしちゃう確率が高いんだよねぇ。
おかげで情報つつぬけなんだよぉ？

つまり唯くんはお前なんかと一緒に連休を過ごしてないっつーの。


「くくっ、怖ぇーな。ストーカーかよお前。けど、俺と唯の噂くらい知ってんだろ」

.