平凡な３６５日

回想１

２

ただでさえ古文とか漢文とか解読出来ねーよ、って感じなのに、担当教師が転入生にイカレてたせいで一学期殆どまともな授業やってなかったんだよ。ふざけんなクソ教師。
むしろ赤点じゃなかった奴、スゲーわ本当。

補習中も、転入生がいる教室は隣な訳で。
生徒会の奴らや美形の不良やらアレやコレが集まって無駄に騒がしかったし。
まぁ教師も向こう行っちまったから、補習はプリント一枚埋めるだけの楽～な感じだったけどね。
つーか噂じゃアイツ、編入試験満点で頭良いんじゃなかったっけ。何でＡクラスのくせに一人だけ補習受けてんの。やっぱ裏口？
俺のクラスの奴ら殆ど一時間で帰ってたのに、「午後もずっと補習だー！」って大音量で喚いてて……お前、何個赤点とってんだよ。バカなの？
じゃあ何で一学期中、毎日生徒会室に入り浸って授業サボってたわけ。役員どもも試験勉強くらい教えてやれよ、スパルタ式で。

と、思わず怒鳴り込みたくなる衝動と苛つきを必死で堪え、心の中でツッコミしまくった（だけに抑えた）自分を褒めてやりたい。



その後一週間で補習が終わった俺は、全寮制男子校という牢獄からさっさと抜け出し久々の地元で思いっきり羽を伸ばしたのだった。
あーあ、学園での真面目な平凡ぶりっ子とかマジ疲れるわ。



　＊＊＊



これはまあ、別にどうでも良い事だが。
学園の中と外では、まるで別人のようだと言われる俺。まず見た目からして違う。

学園にいる時は真っ黒な前髪をダサめに伸ばし、印象に残らない程度の黒縁メガネで真面目キャラを演じている。
毒舌（自分ではそう思わないが）なんて吐かないし、生徒会批判もしない。
かと言って親衛隊の奴らみたいにキャーキャー気持ち悪い歓声をあげたり、は絶対やらないけどね。

俺にだってプライドがある。
平凡なふりをする為とは言え、あんな奴らに嘘でも尻尾を振るような真似が出来るもんか。そんな事するくらいなら、そこらの虫にでもキスするか土下座した方がよっぽどマシだ。
……いや、流石にこれは冗談だが。


ちなみに背は低すぎず、高すぎずの172cm。
これで「低い」って言う奴は、ぶん殴ってやるからちょっとこっち来い。

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