王道くんと、俺。

葉津緒

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第四章

18

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ナイスサポート中村くん!
むうう、と唇を尖らす郁人さま可愛いっ。
それから羨ましいにも程があるよ土屋くん……親衛隊の次のグッズ製作に抱き枕(等身大の郁人さま人形)を要望しなくては。むふふっ。

しかし、あの土屋くんと普通に話せる中村くんて凄い。さすが優馬隊長が一目置く男です。
と、何やらモゾモゾ

(ああんっダメです、もし僕のそんなとこで郁人さまにモゾモゾされたら、僕の僕が絶対おっきしちゃうよう……ハアハアハア)

していた郁人さまが体勢を変えて。


「よし、出来たぁ♪ お待たせー、もう寝て良いよ亮ちゃん」

「ん。おやすみ」

「は!? いや、だから何やっ、ヒッ!?」


前を向き、背中からもたれ掛かる体勢となった郁人さま。
それを後ろから包み込むように抱いた土屋くん。郁人さまの肩にあごを乗せて満足そうです。
……どうしよう。甘さ、いや、色気もしくは妖しい雰囲気が倍増しちゃったのですが。

いやいやいや、気のせいだよね!
ただのルームメートでただの超贅沢すぎる抱き枕と寝不足で頭がよく回ってない、もしかしたら少し寝ぼけてるのかもしれない美形だけど狂暴で恐い人。ただそれだけの関係な筈ですし。
だから、うわぁ悔しいけどお似合いです眼福です土屋くんに蕩(とろ)かされて


『あ、あっ嘘……こんなの、俺じゃない、のにっ……!』

『今は俺のことだけ感じてろ、郁人』

『り、亮ちゃ……ひあぁッ』


と甘く淫らに鳴かされまくる郁人さまもちょっとだけ見てみたいです。観覧希望です。その際はぜひお願いしますっ…………だなんてほんの一瞬しか考えてませんから!
すすす、すみません優馬隊長。親衛隊規約で禁止されている郁人さまのネコ妄想を、魔が差して、つい。除隊だけはお許しくださいーッ。

そういえば一応、郁人さまの抱き枕状態に抗議しかけた太賀だったけれど。
土屋くんに睨まれ、びくついてやがる。根性無しめ。


ん? んん? あれ?
え、待ってあの笑顔は郁人さまが時々浮かべるキラースマイル。ま、まずい。直視は本当に危険なのにもう目が離せない。

それはそれはものすごく楽しそうに、嬉しそうで幸せそうな、美しい天上の微笑み。

.
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